2007/08 鑑賞記(欧)

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エッセンのアールト劇場で『エレクトラ』を鑑賞した。ニコラス・ ブリーガーによる現行プロダクションは2000年1月22日のプレミエで本公演は、今シーズン最初の公演である。後何回この劇場でオペラを観ることができるかわからないが、本当に素晴らしい劇場である。指揮者のショルテスもウィーン、ミュンヘン等でワーグナーやシュトラウスを振りこれらのエキスパートとして徐々に認知されてきているようである。今回はお得意のシュトラウスだけに多いに期待していた。

ところが、この日オケピットいっぱいに広がったオケ団員だがなにやら騒がしくて落ち着かない。指揮者のショルテスが入ってきても立っている団員がいる。直ぐに演奏不可能とのことで、ショルテスのアナウンスが入り15〜20分後に再開しますとのこと(エッセンでは2度目!)。ドイツ語がわからない私には理由まではわからないけど、オケピットを覗いていると、かなりの管楽器奏者の譜面台にライトが取り付けられていなかったみたいで、あわてて取り付けている。普通ならあり得ないミスだが、ドイツなら有りだ。これでちょっと集中力を切らしているのではないかと演奏面で少々不安になった。


しかし、さすがシュトラウスがお得意な劇場とあって、冒頭の「タ、タ、ターン」というところから一気に引き込まれる。時々歌手よりも大きな声を出してしまうショルテスは、いつものことでご愛嬌。やはりこの指揮者はブルックナーのシンフォニーなんかより、こういう劇的な音楽の方が遥かに良い。オペラ専門指揮者でいいのではないかなあ、シュナイダーみたいに。オケにはエキストラ等も多かったと思うが、結構まとまっていたし、弦楽器もショルテスの煽りに慣れていて上手かった。この日の演奏はとにかく一流劇場に匹敵するレベル。

この公演をさらに盛り上げていたのは充実した歌手陣だった。エレクトラ役のデヴォルは、ワーグナー、シュトラウスの諸役を得意としていて、もはや言及する必要のない名歌手だが、この日も素晴らしい歌唱を披露してくれた。ポラスキのように圧倒的な歌唱力で押すわけでなないが、全体のコントロールが上手く安心して聴くことができる。また、その演技力でも存在感を示していた。以前小学校が舞台の『ローエングリン』でいじめっ子のオルトルートの怪演を思い出した。クリソテミス役のDanielle Halbwachsという人は初めて聴いた歌手だが、声量があって堂々とした歌いっぷりで、デヴォルと対等に渡り合っていた。エギスト役のRainer Maria Roehr、クリテムネストラ役のIIdiko Szoenylもなかなかの健闘。この劇場、指揮者とオケと面白い演出の割には、歌唱陣にいつも不満をもっていたが、シュトラウスだとこれだけレベルの高い声楽陣を揃えることができるのかと思った。

ニコラス・ ブリーガーの演出はモダンな舞台でアールト劇場と非常によくあった美しいものだったが、意味がよくわからないものが多々あった。特に最後の場面、舞台左手上のシャッターが開きそこに複数の医者や看護師が並んでいたのは、ちょうど舞台を手術室とみてそれを見学しているように見えたけど、そこまでの伏線が何もなく理解できなかった。

お客の入りは7~8割くらい、先日の『マハゴニー市の興亡』とあまり変わらないので、お客の趣味がよくわからない劇場だ。


2008年2月16日(土)19:00 アールト劇場 エッセン
リヒャルト・シュトラウス『エレクトラ』

指揮:シュテファン・ショルテス
演出:ニコラス・ ブリーガー
舞台美術:Hans-Dieter Schaal
衣装:Uta Winkelsen
照明:Wolfgang Goebbel
演技指導:Kerstein Schuessler
合唱指揮:Alexander Eberle
der wideraufnahme:Carsten Kirchmeier

クリテムネストラ:IIdiko Szoenyl
エレクトラ:ルアナ・デヴォル
クリソテミス:Danielle Halbwachs
エギスト:Rainer Maria Roehr
オレスト:Almas Svilpa

アールト劇場合唱団
エッセン・フィルハーモニー管弦楽団


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ハンブルクのライスハレでコンサートを聴くのも今回で終わりかと考えながら、マンフレッド・ホーネック指揮のNDR響のコンサートを聴いた。ホーネックは昨年ケルン・ギュルツェニッヒ管の演奏会でも聴いた。概ね前回と同じような感想をもったが、総合的には今回のコンサートの方が比較できないほど感銘深いものだった。

その違いの一番のポイントはオケの技量の明らかな違いにあると思う。NDR響はやはり格段に上手い。ドイツのオケトップ5に必ずやはいるオケである。弱音においてしみじみとゆったりと歌わせるところと、オケを大音響で激しく揺さぶるのは前回と同様だった。しかし、静かな場面でのオケの緊張感は尋常ではない。金管楽器の咆哮は激しいが安定しているし、フルートやピッコロは優しく品がある。

前半のドボコン(ドヴォルザークのチェロ協奏曲)でソロを努めたアメリカ人のアリッサ・ワイラースタインは、25歳の若手女流チェリストで2006年にはマゼール指揮のニューヨーク・フィルの来日公演でエルガーのチェロ協奏曲でソロを努めている。若干ふっくらとしていて欧米人の割には年よりも若く見える。この人一楽章のソロの登場するあたりから、椅子を座りなおしたり弓を触ったりと落ち着かなく、こちらもハラハラする。案の定、音がミシミシするような感じで濁っていて、あまりきれいではないしミスも多い。ただ体の動きが大きく情熱的だ。ワイラースタインもホーネック同様音量を異常に絞るところもあるし、旋律の奏で方に独特の所が随所にみられる。かなり個性的だ。音質も演奏が進むにつれて良くなっていった。ただ若干音量が小さく表現にもスケールが小さいところがあるが、このあたりは今後の内面成長とともに幅がでてくるのではないかと思う。

日本人や韓国人をはじめとするアジア人ソリストには少ないタイプで貴重である。ちょうどジャクリーヌ・デュプレを思いだしたが、彼女ほど激しくはない。アンコールで弾いたバッハの無伴奏チェロソナタ(何番かわかりません、汗)が彼女の実力がよく発揮されていたと思う。

ホーネックの指揮はドボコンの伴奏でも目立っていたが、後半のショスタコーヴィチの交響曲第5番でもその力が発揮されていた。特に3楽章途中の緊張感は凄まじかった。この曲イデオロギーどうのこうのという時代は終わったようである。純音楽的にどのような解釈響きが美しく効果的か、そのように研究されている演奏が多いように感じる。4楽章のテンポは中庸・中庸といった感じで後半もあまりテンポを落とさずに終わった。オケの機能を全力でひきだした超名演に感激。終演後後ろから思わずため息がもれていた。


2008年1月20日(日)11:00 ライスハレ・ハンブルク
NDR響コンサート

マンフレッド・ホーネック(指揮)
アリッサ・ワイラースタイン(チェロ)

アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)

チェロ協奏曲ロ短調作品104(1894-1895)
I. Allegro
II. Adagio ma non troppo
III. Allegro Moderato

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)
 
交響曲第5番ニ短調作品47(1937)
I. Moderato
II. Adagio, ma non troppo
III. Finale. Allegro Moderato

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手の込んだ演出で、「あの女を殺せ」と歌い終わったヘロデ王が射殺されて終わるというもの。お客さんも何がなんだかよくわからずにしばらく拍手が起きず静まりかえっていた。もう一度くらい鑑賞したいものだ。

2007年1月13日(日)18:00 ドルトムント歌劇場
リヒャルト・シュトラウス『サロメ』

指揮:Ekhart Wycik
演出:Alexander Schulin

サロメ:Valerie Suty
ヘロデ:Jeff Martin
ヘロディアス:Szilvia Ralik
ヨハナーン:Simon Neal
ナラボート:Charles Kim

ドルトムント・フィルハーモニカー

先週の日曜日は、デュッセルドルフのトーンハレでフィオーレ指揮のデュッセルドルフ交響楽団を聴いた。曲目は前半が1955年生まれの地元デュッセルドルフ出身の作曲家Blomenkampの『オーケストラのための5つの断片』(初演)と後半がブルックナーの交響曲第9番だった。

現代音楽の初演にこれまで何度も接して来た。ドイツではこのようなことが日常茶飯事である。クラシック音楽が現在進行形の文化であることを改めて確認させてくれる。しかし、いつも思う事だがこのような音楽を聴いた後、いつも日に日にその記憶が薄れてゆきどのような曲だったのか全く思い出せないのである。できればCD-Rで良いから録音して後で購入することは出来ないだろうか?ケルン・ギュルツェニッヒ管のように毎定期公演をCD-Rで販売しているところもあるのだから。

Blomenkampの『オーケストラのための5つの断片』は、編成や使用されている楽器はごくごく普通ではるが、音響効果が抜群の曲だった(と記憶している)。特殊な楽器で気づいたのは、コントラバス・オーボエくらいか?マーラーやブルックナーの交響曲である指揮者の解釈によって開眼させられたケースがいくつかあるが、現代音楽の初演で、なんといっても重要なのは指揮者である。今回のようにフィオーレのような優れた指揮者によって初演された曲は幸せである。これまで聴いた曲のうち後々までいくつの曲が演奏されてゆくのだろうか?一曲もないのかもしれないけど。

後半はブルックナーの交響曲第9番でこちらは前半以上の名演。いつもながら管楽器が安定したしっかりとしたアンサンブルを聴かせてくれた。金管セクションが安心して聴いていられるのもよい。さすがにホルンだけは以前同ホールで聴いたシュターツカペレ・ドレスデン(SKD)のホルンセクションに叶わないが、これはSKDがすばらし過ぎるだけである。同ホールで同じ曲を聴くとその違いがよくわかって楽しい。ルイージ/SKDは横の流れや動きを大切にしているのがよくわかったし、今回のデュッセルドルフ響と比較すると雲泥の差があるのだが、デュッセルドルフ響の演奏も十分レベルが高い。日本のプロオケでここまで演奏できる団体がいくつあるのだろうか?

このようなレベルのオケが地方にゴロゴロしているのでやはりその上のレベルのオケが鍛えられ洗練されているのだと思う。


2007年1月13日(日)11:00 トーンハレ・デュッセルドルフ
デュッセルドルフ交響楽団 第6回定期演奏会

ジョン・フィオーレ(指揮)

Thomas Blomenkamp(1955-)
オーケストラのための5つの断片(初演)
Preludio
Canto
Scherzo
Notturno
Finale

アントン・ブルックナー(1824-1896)
交響曲第9番ニ短調
Feierlich, misterioso
Scherzo. Bewegt, lebhaft - Trio. Schnell
Adagio. Langsam, feierlich
年明け最初のオペラはデュッセルドルフのドイチェオーパー・アム・ライン(DOR)で『さまよえるオランダ人』を鑑賞した。年末にここで『タンホイザー』を鑑賞したが、その時はスター級の歌手ばかりを揃えていてオケも歌手も非常にレベルの高い公演だったが、それと比較して今回の公演もなかなか良かったのだが目立って凄い歌手がおらず全体的に地味だった。Wegnerのようにバイロイト経験者もいたのだが。

面白かったのは、アドルフ・ドレーゼンによる演出で読み替えはないが舞台に2隻の船(かなり本格的なつくり)を並べた大掛かりなものだった。1幕はこれを縦、はじめは舞台向かって右側にのみ船が有り、左側に幽霊船がバタバタと音を立てて組み上がるというもの。真っ赤な帆をはった船が組上がるのはなかなかのもの。そのため2幕への場面転換が大変そうだった。3幕は2台の船が横に並んでいて奥に幽霊船があり、ラストで赤い帆を張るというもの。先は読めるが全然よい。私は天井桟敷の左側で聴いていたのだが出来れば平土間か1階席で聴いたほうが、幽霊船が登場するシーンなど迫力があって面白かったのではないかと思う。

しかし狭い舞台に巨大な船2隻、もちろん幕間の休みはなし、DORもなかなかがんばっている。これまでの舞台もいずれも素晴らしいものが多かったので、かなりこのオペラハウスはお気に入り。会場係も感じがよいし。あっと言う間の2時間15分だった。

またこれまで私のオランダ人体験はエッセンやミュンヘンでいずれも読み替えだらけの舞台ばかりだったので、最後ゼンタの死のよる救済という本来の筋通りの演出をみることができてかえって新鮮な印象を受けた。

3月にはDOR は『パルジファル』(デュイスブルク)と『マイスタージンガー』(デュッセルドルフ)を上演する。『マイスタージンガー』の方は聴きに行く事ができないが、『パルジファル』の方は多分行くだろう。また楽しみだ。


2008年1月6日(日)19:30~21:45 ドイチェオーパー・アム・ライン(DOR)デュッセルドルフ
リヒャルト・ワーグナー『さまよえるオランダ人』

指揮:ゲオルク・フリッチュ
演出:アドルフ・ドレーゼン

オランダ人:John Wegner
ダーラント:Sami Luttinen
ゼンタ:Carol Wilson
エリック:Angelos Simons
水夫:Mirko Roschkowski
マリー:Cornelia Berger

ドイチェオーパー・アム・ライン合唱団
デュッセルドルフ交響楽団

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