2007/08 鑑賞記(欧)

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このオペラの第一部「トロイの陥落」の鑑賞記は以前に書きました。一部がデュイスブルクで上演された後、第二部がデュッセルドルフで19:30より始まりました。二部だけでも二回の休憩をはさみ結局終わったのは23:00を過ぎていました。ベルリオーズの他の作品、例えば『ファウストの刧罰』などが好きな方であればお薦めできます。魅力的な作品には違いないのですが、とにかく長い!というのが難点です。ワーグナーを聴いておいて何を言うかと言われそうですが、巨大な音楽のうねりの中に浸るというのがワーグナーですが、この『トロイ人』というオペラは全力疾走という感じなので、聴き疲れがするのです。

DORのクリストフ・ロイの演出は、現代に舞台を移しているだけで大きな読み替えもなく安心して観ることができますし、ヘルリツィウスをはじめ特に重要な女性歌手に実力派をそろえているのでなかなかハイレベルの上演でした。


2007年9月16日(日)19:30 ドイチェオーパ・アム・ライン(DOR)デュッセルドルフ

ベルリオーズ 『トロイ人』 第二部「カルタゴのトロイ人」
ジョン・フィオーレ(指揮)
クリストフ・ロイ(演出)

Dido: Jeane Piland
Aeneas: Steven Harrison
Ascanius: Stephanie Woodling
Anna: Katarzyna Kuncio
Narbal: Thorsten Gruebel
Iopas: Mirko Roschkowski
Pantheus: Guenes Guerle
Hylas: Norbert Ernst
Zwei trojanische Soldaten: Rolf Broman, John In Eichen
ブロムシュテットというとN響アワーを思い出すくらいで、私にとってはとても印象の薄い指揮者です。何やらぱっとしない雰囲気と横の動きが激しい指揮姿は印象に残っていますが、、。現在はバンベルク交響楽団とゲヴァントハウス管弦楽団そしてN響の名誉指揮者という地位にあり、また各地のオケに客演しているようです。今回のコンサート、ゲヴァントハウス管弦楽団をコンサートで聴きたかったのとラクリン(ヴァイオリン)を一度聴いておきたかったというのが当初の目的でした。結果はうれしいことに、ブロムシュテットに関しては期待を大きく裏切る素晴らしいコンサートでした。会場内がこれほどスタンディングオベーションに包まれたのも久しぶりでした。

前半はシベリウスの曲を並べたもの。ブロムシュテットの十八番ということでしょうか?『タピオラ』から、弦楽器の分厚く渋い音色に感激しました。今週聴いたばかりのシュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の美しい音色とは全く異なる音です。シベリウスのバイオリン協奏曲では、ラクリンの磨き抜かれた美しい音色と、とにかく音の大きいバイオリンに驚きました。それ以上に驚いたのがブロムシュテットで、金管楽器はかなり派手に鳴らしますし、オケを結構煽る演奏はなかなか迫力がありました。メインの『英雄』でもそれは全く同じで、こんな指揮者だったのか??と少しおかしな感覚になりました。

そこで会場で購入した、ブロムシュテット/ゲヴァントハウス管のブルックナーの7番のCDを聴いたのですが、やはりこれはまったく駄目で雄大さやスケール感は全くなく、逆にリズムが良いわけでもない、、これもライブなのですが、、、どうなんでしょうか?

ブロムシュテットに関しては、今後に大きな課題を残した指揮者です。しかし、この日の演奏が素晴らしかったのは間違いありません。


2007年9月22日(土)20:00 コンツェルトハウス ドルトムント
ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団コンサート

ジュリアン・ラクリン(ヴァイオリン)
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)


シベリウス

交響詩『タピオラ』作品112

ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
第一楽章 アレグロ・モデラート
第二楽章 アダージョ・ディ・モルト 
第三楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ

ベートーベン
交響曲第3番変ホ長調『英雄』作品55
第1楽章 Allegro con brio
第2楽章 Marcia funebre: Adagio assai
第3楽章 Scherzo: Allegro vivace
第4楽章 Finale: Allegro molto
エッセンはこのところ大物が来ています。先月末はレヴァイン/ボストン響、曲目がなんと『ファウストの刧罰』でどうしても行きたかったけど、仕事でいけず。今月末にはムーティ/シカゴ響がやってきます。曲目は『ボレロ』等だったと思います。これは取りあえずパスの予定。また、昨シーズン5月にルイージとシュターツカペレ・ドレスデンをデュッセルドルフで聴いています。ピアノ独奏にグリモーを迎えた注目のコンサート、チケットは安いものは売り切れていたので、久々に100ユーロ以上だして購入。期待を裏切らない素晴らしいコンサートでした。


2007年9月19日(水)20:00 フィルハーモニー エッセン
シュターツカペレ・ドレスデン コンサート

ベートーベン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」
リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲

エレーヌ・グリモー(ピアノ)
ファビオ・ルイージ(指揮)



どちらの曲も音楽のもつ生命力と躍動感、瑞々しさにあふれた名演だ。

指揮者は異なるが先ほどCD としても発売されたばかりの『皇帝』を繰り返し聴いて感動していたが、生で聴くと細かい点”ピアノとオケのバランス”や”個々の楽器間の絶妙なバランス”が明瞭で、やはり凄いオケだと感激した。グリモーは強いタッチで弾いたり情熱的になったりすることがなく音楽の流れを重視する演奏をし、ルイージも同様の傾向をもつので、これらより素晴らしい活気を呈した演奏になったのだろう。また、グリモーの柔らかで繊細な音色とオケの音色がとても良く合っていて美しい演奏だった。

後半のアルプス交響曲は、ルイージの実力を改めて認識させられた。冒頭ややオケが不安定だったがすぐに調整して立て直したのはさすが、これはオケ自体の力。とにかく音楽の流れ動きが素晴らしく、またダイナミックな表現力も備えている。最近、山崎浩太郎氏の『クラシックヒストリカル』という本を読んでいるが、俊敏様式、音楽のもつ呼吸を大事にする指揮者を評価されているが、そのようなものをもつ現代の指揮者としてウェルザーメストとルイージを氏が高く評価しておられるのを読んで、今回の演奏はなるほどと納得させられた。山崎浩太郎氏の言われることがよく理解でき、ルイージはそのようなものを兼ね備えた指揮者であることがはっきりわかったのである。スケールの大きな演奏でも弾むリズムや呼吸を大切にしなければ、音楽は停滞してしまい、そのようなものは面白くないと、、。どこまで賛同するかは人それぞれだが、ルイージは、そのような指揮者だ。やはりこういったタイプはオペラでも必ず成功するだろう。ウェルザーメスとが成功をおさめているように。

最後にシュターツカペレ・ドレスデンの音色には、うっとりとさせられた。渋くて柔らかい、ベルリンフィルのようなギラギラした派手さがなく、落ち着いた音色だった。アルプス交響曲の最後のホルンソロは、本当に感動的だった。ガルミッシュ=パルテンキルヘンの山々に日が沈むのが本当に浮かんできた(見た事はないのだが)。


今週末は土曜日にドルトムントでゲヴァントハウス管弦楽団。

デュッセルドルフからデュイスブルクへ移動

ショスタコーヴィチの7番という大曲の後にこのベルリオーズの『トロイ人』を一日で聴くのは重い、重すぎました。デュッセ響のコンサートの後Uバーン(地下鉄)に乗り(早く出てきたのになかなか電車が来なくて少しイライラした。)デュッセルドルフ中央駅へ、デュイスブルクへはSバーンで行く方法もありますが、時間がかかるのでこれはそのままRBで10分ほどのデュイスブルクへ。昼食はデュッセルドルフの駅で電車を待つ間パンを買ってそこで食べました。デュイスブルクのオペラハウスには開演の30分ほど前に到着丁度いい時間でした。チケットはその場で購入しましたが、予想通り一番安い席を取得(約14ユーロ)。座席は予想通りガラガラ、二階席(日本風に言えば三階席)の最前列に座りました。


2007年9月16日(日)15:00 ドイチェオーパ・アム・ライン(DOR)、デュイスブルク
ベルリオーズ 『トロイ人』 第一部 トロイの陥落

クリストフ・ロイ(演出)
ジョン・フィオーレ(指揮)

Kassandra: Everyn Herlitzius
Choroebus: Bruno Balmelli
Aeneas: Steven Harison
Ascanius: Stephanie Wooding
Pantheus: Guenes Guerle
Priamus: Michail Milanov
Hekuba: Nassrin Azarmi
Helenus: Markus Mueller
Polyxene: Victoria Demkina
Andromache: Monique Janotta
Astyanax: Andreas Ponitika
Hectors Schatten: Sami Luttinen
Ein trojanischer Fuehrer: Karl Thomas Schneider
Ein griechscher Heerfuehrer: Daniel Djambazian

Chor und Extrachor der Deutschen Oper am Rhein
Statisterie der Deutschen Oper am Rhein
Buehnenorchester der Deutschen Oper am Rhein
Duisburger Philharmoniker


ウェルギリウスの「アエネイス」を題材としてオペラ化したもので、この第一部は有名な”トロイの木馬”のエピソードに沿ったストーリー展開です。トロイの王女であるカサンドラの歌う場面が圧倒的に多く、ついで迫力の大合唱が多く含まれています。ベルリオーズの管弦楽作品を聴かれている方なら違和感無く聴けると思います。歌唱陣はカサンドラ役のヘルリツィウスの独壇場でこのように小さなオペラハウスで聴くと、声がよく通りとても迫力がありました。表現力も含めて歌唱陣の中では抜きん出ていたと思います。といっても歌うところがあるのはカサンドラ以外は、彼女の婚約者であるコロエブスくらいです。合唱陣は演技も含めて大活躍で楽しませてくれました。

オケはデュッセ響と比べると、このオペラハウスのオケであるデュイスブルクフィルは少々粗いのですがまずまずの演奏。フィオーレのオケ、合唱陣、独唱者とのバランス感覚の良さは抜群で、オケの歌わせ方も非常にうまく満足でした。

この後第二部を聴くため再びデュッセルドルフへ戻りました。

イメージ 1

この日は朝からデュッセルドルフ響の日曜マチネのコンサート、その後デュイスブルクへ移動しベルリオーズの『トロイ人』ー第一部トロイの陥落を鑑賞し、再びデュッセルドルフへ戻り今度はベルリオーズの『トロイ人』ー第二部カルタゴのトロイ人を鑑賞するというハードな一日でした。


2007年9月16日(日)11:00 トーンハレ デュッセルドルフ
デュッセルドルフ交響楽団コンサート

Artur Pizarro(ピアノ)
ジョン・フィオーレ(指揮)

ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲(作品43, 1934)
ショスタコーヴィチ 交響曲第7番ハ長調作品60「レニングラード」


ショスタコーヴィチの大作『レニングラード』をメインにもってくる意欲的なプログラム。最も最近ではショスタコのシンフォニーはドイツのある程度のレベル以上のオケの定演プログラムには、必ずといっていいほど入ってくるので特に珍しいわけではない。

デュッセルドルフ交響楽団にはキタエンコも客演しているので、できればフィオーレではなくキタエンコで聴きたかった気もするが、フィオーレの演奏もなかなか立派で素晴らしい演奏だった。オケの演奏は個人技という点ではお隣の都市のWDR響(西部ドイツ放送響、ケルン放送響)にはかなわないが、フィオーレによって巧く整理されたオーケストラは抜群の安定感である。

『レニングラード』は5番のシンフォニー同様、ショスタコーヴィチの証言やら何やらでイデオロギーを盛り込んだ解釈も可能だが、そのようなものはロシア系の指揮者やオケに任せて、今回の演奏は純音楽的な解釈でこの曲のもつ美しさや壮大さを描ききっていたように感じた。特に第一楽章の「戦争の主題」は見事で、ラベルの『ボレロ』に影響を受けたと言われるように、小太鼓から最後は全合奏で終わるがクライマックスまでのコントロールは抜群だった。大きな音になっても金管楽器を含めて音が割れたり乱れることなく、きちんと透明感のある響きを保っていた。

フィオーレによる美しい『レニングラード』、ゲルギエフのような暴力的なところはなく、このような側面もあるのかと改めてこの曲が好きになった。

前半のラフマニノフは、フィオーレが少々オケを歌わせ過ぎているように感じた。これではイタリアオペラの伴奏だ。

13:15にコンサート終了、この時点で随分消耗しきっていたが15:00開始のオペラのためデュイスブルクへ向かった(電車で15分ほど)。

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