|
宋文洲さんのメルマガですが、
最近、陳健さんが、面白い記事を書いています
http://www.softbrain.co.jp/mailmaga/list.html
記事は以下(最新版)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2.ソフトブレーン中国人新入社員、陳の新連載「単騎、千里を走る」
第二回目 感謝は国境なし
陳 健
宋さんのメールマガジン読者の皆様、こんにちは。ソフトブレーン入社1年目
の陳です。今回は連載の第二回目となります。
昔の日記を読み返すと、今までの人生で一番感謝したい人の中の7割は日本人
であることに気づきました。中国では、家族、親友以外に助けられたことは少
なく、あったとしても、何らかの形で見返りを与える必要があります。相手も
この人なら、いつか見返りを与えてくれるだろうと見極めてから助けたりします。
逆に、日本では助けられたことが山ほどあります。そして、皆さんは見返りを
求めているわけではありません。「学為人師、行為世範」(生徒に教えられる
学問・知識を持ち、社会に模範とされる行為・品格を持つ優れた教師の事)の
大学恩師、喜びと悲しみに共感してくれたアルバイト先の仲間、成長を見守っ
てくれた会社の先輩、応援し続けてくれた職場のお客様、学校に行けない中国
の貧しい子供たちの報道を見て涙を流してくれた女の子、いつも人生のアドバ
イスをしてくださる病院の院長先生、いろいろな人に数え切れない御恩を頂い
て、一生かけても返せないかもしれないと不安で一杯です。
来日したばかりの頃、日本人の友達を作ろうとしていませんでした。もちろん、
作れるとも思いませんでした。その頃、中国人に対する親しみを感じている日
本人はあまりいないのではないかと思っていたからです(内閣府の「外交に関
する世論調査」で、中国に対する国民の親しみの程度は、1980年代までの7〜8
割から現在は3〜4割と最悪の状態に落ち込みました)。
その頃、テレビでよく目にしたニュースは、在日中国人の犯罪報道です。在日
外国人の殺人強盗等、極端な凶悪犯罪が、極めて重大な問題になっていました。
このように情けない在日中国人の犯罪報道を見る度、学校やアルバイト先で顔
を上げることができませんでした。周りの日本人に敬遠されるのではないかと
感じていたからです。
そんな日本に来て2年目の誕生日の日に、アルバイト先(マッサージ店)のハ
トさんと彼女さんが、ケーキとアルバイト先皆さんのお祝いメッセージを持っ
て家にやってきました。ハトという名前は私が名付けたあだ名ですが、その由
来はあるときハトさんに誘われて一緒に老人ホームでボランティアをすること
になった時からです。ハトさんはお年寄りの方にマッサージをしながら、「♪
ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ…」の童謡を歌い出したのです。それから私は彼を「ハ
トさん」と呼ぶようになりました。
このボランティアがきっかけになって、ハトさんと仲良くなることができ、ま
た、その時の気持ち良さそうなお年寄りの顔を見て、人生初の無償労働で喜び
を感じることもできました。中国の「食うか食われるか」の実利世界に慣れて
いた私にとって、不思議な感触でした。中華そばで誕生日を済まそうとした私
は、ケーキを食べながら、初めて日本人の友達ができて、日本人に受け入れら
れたと実感しました。
ハトさんは国立大学を卒業し、人を助けたいという動機でマッサージの仕事を
選びました。とても親切な方で、ウンチを踏んでもニコニコして「ありがとう」
を言うような人です。私は常に感謝の気持ちを持つことをハトさんに教わりました。
「功成名就」は、多くの中国人の人生における最高かつ最終の目標になってい
ます。私も例外ではありません。
かつてはこのような哲学の信奉者でした。中
国では、「人それぞれの生き甲斐がある」という考え方は通じません。地位と
お金がなかったら、負け犬だと見なされる残酷な世界でした。「運が悪い、チ
ャンスに恵まれていない」という文句も時々言うくせに、うまくいった時、自
分が凄いと勘違いして、誰かに感謝しようとしていませんでした。
日本に滞在している7年間、私の最も大きな収穫は、お金や学歴ではなく、人
として社会人としてどのような姿勢をとるべきかを知ったことです。また、国
境を越えて友達を作るには、まず心の中の「××人は××だ」という「垣根」
や「警戒心」や「ステレオタイプ」を捨て、ゼロからその人を認識し直すべき
だと分かりました。
最後になりましたが、第一回目のコラムで、ご返信を多数頂きましてありがと
うございました。この皆様にも感謝の気持ちを持ち、期待を裏切らないように
頑張りたいと思います。
(つづく)
|