怪談

お前の後ろに何かいるぞ

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死んだ子と会う洞窟

出雲に旅行した。
古事記に出てくる地名がそのまま残るこの土地は、心なしかこの世ならざる世界に近く感じる。
旅行中どんよりとした曇り空であったこともあってか、終止近くに何かの気配があるようにさえ思えた。

古事記や出雲風土記に由来の土地をめぐり、佐田大神が生まれたとされる海辺の洞窟を訪れた。
ここは岬の突端を東西北の三方に貫通する大きな海食洞窟で、遊覧船で中に入るとドーム型の天井付近に穴があり、決まった時期にはここから光が差し込むとのこと。さぞ、幽玄な眺めになるだろうと想像できる。
この洞窟の入り口の辺りは海流が渦をまいていて、船というより少し大きなボートといった遊覧船は木の葉のように舞い、なんとも心もとない。
なぜか船頭さんは貸しきり状態にも関わらず大音量で観光案内のテープを流しだす。テープは伸びきり説明の合間の音楽は長調が単調化し物悲しくなっている。
後からタクシーの運転手に、洞窟に入る前に大きな音で訪れを告げないと船が転覆するという言われがあると聞き、それでと納得する。

船はこの大洞窟を訪れたあともう一つの洞窟に向かう。こちらは洞穴が海面より上にある江ノ島に似た洞窟である。
ここは賽の河原と言われている場所。
あの世とこの世の境であり、夜明けの日が差す寸前には死んだ子供の足跡が砂地に残り、朝の日に消えていくと言われている。
ガラガラとした岩だらけの洞窟の中は、そこかしこに石が積み上げられ、死んだ子を見守る沢山のお地蔵様があり、無数のオモチャやお供え物が添えられている。
子供を亡くした母親の、それを受け入れられない思いつめた気持ちがここにあるように感じた。

出雲にはもう一箇所、この世とあの世の狭間となる海辺の洞窟がある。
鹿目地区と言われる付近にあるその洞窟は、一面鮮やかな緑の岩で覆われている。
ヒスイの産地であるので、ヒスイの緑なのだろうか?
それほど深くはない洞窟は緑の砂利や砂が堆積し、近くの猟師が網や船の使えなくなったものを無造作に置いている。
奥にはお地蔵様と卒塔婆があり、その手前の殆ど文字の擦れた看板には、ここは弥生人の人骨が多数発掘されていて、古くは黄泉の国の入り口といわれ、この洞窟の夢を見たものは死期が近いと書いてあった。
なんとなく一番奥までは入っていく気持ちになれず帰ってきた。

帰りのタクシーで鹿目地区の話を聞く。大層なお屋敷が立ち並ぶ町ながら過疎が進みゴーストタウン化しているという。東京や大阪から骨董屋が訪れお宝を二束三文で買っていっているとの事。
悪質な場合は空き巣のように勝手に家に入り込んで物を持っていくらしい。


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