社会学っぽい話

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困った顔

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ニュース元を確認していただきたいが、13億の遺産を受け継いだ犬が脅迫にあったそうだ。


脅迫は悪質なことで許されるべきではないがそれでもこのようなニュースを見ると違和感を覚える。


もちろん、ペットだって大切な家族だ。
少なくともそう思う人がいることは否定しようがないことである。彼は由緒正しい血統の生まれなんだろうし、少なくとも本人の美的資質によって富豪に愛された。そのペットとして。

しかし、それはあくまで彼がその富豪の所有物として、付属的に受けたものだから理解しうる。



今回の話は、犬そのものがそれだけの資本を所有する、という話である。



なるほど、確かにその富豪本人にとってはそのような選択は妥当性をもつのだろうが、他の多くの人の観点に立てば、また話は違ってくるはずだ。たとえば、アメリカでの実質GDPの国民一人当たり平均は約42000ドルになる。

それに対してこのトラブルちゃんが受ける一年間の収入は20万ドル。つまり平均的なアメリカ人の五倍は一年に使うことになる。この状況を見れば、その犬に対して怒りを募らせる人がいるのは当然であろうとも思うのだ。

しかも、アメリカには相対的貧困層(平均所得の半分以下で生活している人の層)が、かなり割合で存在する。


犬であろうが、資本というものはその帰属する対象を選ばない。経済的指標が注目するのは持っている/持っていないのコードだけだ。そこに、人間性だとか倫理観などというものが入り込む隙間はない。


国連がまとめた『人間開発白書』世界では絶対的貧困層(1日に1ドル以上使えない人の層)が、12億人いるという。一方で貧困で飢えている人間おり、一方で飽食に育まれたペット愛がある。そのようなことにどうしようもないほどの違和感を覚える。

人間より大切で、人間よりも大切にされるべき犬が存在する。これは、人権という社会的構築物に対する逸脱行為ではないのだろうか。


しかし、最大の問題はそのようなことが経済的合理性の観点では、なんの問題としても扱うことができないことだ。

経済のことと、人間のことは別の議論として扱われる。それは別個に自律したシステムであり、それらが分離して別個に存在していることで現代社会は安定している。


したがって、なぜ人間のことを優先に考えなければならないか、という必然性がない。それらは並列する価値の可能性として捉えられる。


しかし、これは人間という存在の社会的自殺ではないのか。


いつの日か、社会学をやることでそのような違和感をぬぐえるといいな。

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