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社会の制度には、その社会の指向性が現れる。

もちろん、それはそうとも読めるという程度のものかもしれない。しかし、それでもそう論じることことは不可能ではないと思う。


今日は、駅における券売機から考えてみよう。


日本の券売機は、基本的に先にお金を入れる。入れた金額に応じて切符を買う。

かけた金額の分、行くことができる。


フランスの券売機は、基本的に先に自分の行き先を券売機に入力せねばならない。

それから、自分が乗りたい電車と時刻を選択する。

そしてその結果、いくらの料金がかかるのかが表示され、支払いを行う。


正直に告白すれば、はじめこのフランスの券売機を使用した際には、なんて不便なシステムだろうと思ったものだ。

この券売機を使うためには、自分の行き先をはっきりと自分で知っている必要がある。

なんとなくこっち方面とか、だいたいなんて曖昧ではいけない。


対して、日本のシステムは便利だ。現在の自分の金額でいける所はどこであれ、指し示してくれる。



しかし、ふと思うのだ。

日本のシステムは、今の自分の手持ちでどこまで行けるのかを教えてくれる。

しかし、逆に本当に自分の行きたいところはどこか、ということは考える必要がない。

そんなことを考えずとも、今の持ち合わせで私の行けるところは決められている。



フランスのシステムは、不便だ。

しかし、先に私がどこに行きたいか、ということを明確にすることを求められる。


もし、持ち合わせが足りなかったとしよう。

その際には、私はそこに行くためのほかの手段を考えれば良い。

バスでも、ヒッチハイクでも、歩きでも、自転車でも、何でも良い。

要は大切なのは、目的地にたどり着くことだ。


こんなたどり着く方法の柔軟性が許されるのは、先に私に決断を迫る仕掛けがシステムの中に組み込まれているからだろう。

なんとなくこっち方面、と考えていたら、与えられた方法で行けるところまでで満足するしかなかったんじゃなかろうか。

この対比は、日本とフランスの社会の差をよく表しているように思う。


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