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授業の時間で、 「自分を変えられるならどこを変えたい?」と先生から聞かれた時に、 「もっと頭が良くなりたい」と答えると、よく分からないって顔をされた。 博士号を持って台湾に研究に来ている人間が言うと、なんか変なんだろうか。 昔から俺のことを知っている奴なら分かるかもしれないけど、 俺は特別な環境で生まれ育ったわけでも、特別な才能を与えられたわけでもない(一方で俺はどこかでやれるんじゃないか、と思ってる部分もありそうなのも自覚できるんだけどw)。 むしろ、特別な専門の世界の中にいると、自分の能力の限界や不足を感じることの方が多い。 自分の限界までやっても、まだ足りないことの方が多い。 果たすべき理想は遙か先で、現時点ではその理想に到達することはできないことが分かってる時、人はどうすれば良いのだろうか。 こんな時、異国の地で一人で居るとき、 俺はいろいろな人の支えの中で、この道を歩いてきたことを思い知る。 この道は決して一人では歩いて来れなかった道だろう。 過去のいろいろな人が俺を支えてくれた。 今はもうなくなってしまった支えもある。 確かに、今はない。 それでも、その時の支えが、その時の俺が、その時の誓いが、俺の辛うじて今の支えている。 生きる道の邪魔になるなら自分を切り捨てて行けば良い、と夢の成就を願ってくれた人がいた、 激動する生活の中で共に励ましあった人がいた、 良いところを見せたくて格好つけた言葉を、楽しそうに受け入れてくれた人がいた。 存在はなくとも、想いは残る。今、現に俺と共にある。 これが無ければ動けなくなりそうなほどに疲れていても、俺の歩みを促す大切なもの。 過去に縛られているのかもしれない。無理をしているのかもしれない。 でも、無理をしないで到達できるものを望んだつもりはない。 過去は裏切れない。 決してこれまでの支えは無駄じゃなかった、そう言えるように。 きっと約束は本当にしてみせる。 |
台湾日記
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