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混迷を極める短絡的な現世に一石を投じる意味で、日本の最先端頭脳の持ち主である経済学者宇沢弘文氏のことについて、鳥取県総合情報誌「鳥取ナウ」(平成十年六月刊)三十八号に"人間の尊厳から二十一世紀の経済学を切り拓く"というタイトルの記事の中で、僕が特に感じた部分について原文のまま紹介させて頂く。僕自身、当時この記事を読んで大きな感銘を受け、忘れることができないので、この冊子だけは今も大切に保管している。宇沢氏は、一九ニ八(昭和三)年、鳥取県米子市生まれ。東京大学理学部数学科卒。シカゴ大学、東京大学教授などを歴任。平成九年、経済学を多角的分野から問い直し、<社会的共通資本>の概念を使った環境問題に関する研究により文化勲章を受章。社会的共通資本というのは、社会全体にとって大切な共通の財産のこと。まずは大気や森林、河川・海洋などの自然環境。そして、道路、港湾、通信などのインフラストラクチャー。さらに、教育や医療、司法・行政などの制度資本で、「これからは、市場的基準や官僚的基準によってではなく、社会的基準によって管理・運営されるものです。また国家の統治機構の一環として扱ってはならない」。教育に熱い目を向けられ、共通試験などによって単元的に能力が測られてきた教育の弊害を無くすため、中央からではなく地方から新しい教育の芽が育まれることを期待す。少年による凶悪犯罪を聞くにつけ「開発だ!・・・なんて言っていた(大人)の私達に責任がある。立身出世主義の教育は、どうにもならない」と未来への危機感をもつ。鳥取県の長期構想、人と社会と自然が調和した地域社会をめざす<公園都市構想>に関心を寄せておられるとか。・・ |
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