イランで暮らしたことがある・・

過去を変えることはできない、だけど未来はまだ自分次第・・

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砂と霧の家

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アメリカやカナダに革命前後のイランから移住した人々が沢山いることは知られていても、どんな人たちがどんな暮らし方をしているのか具体的なことはなかなか知る機会がないと思います。この映画は移住生活の非常にシビアな側面を描いていると思います。

ベン・キングズレー演ずる元イラン軍将校一家とジェニファー・コネリー演じる夫に去られた女性が海辺の家をめぐって不幸な形で出会い、互いに権利を主張するうち事態は悪化の一途をたどる・・レンタル屋のレビューを読んていたら、気分が落ち込んでいる人は見ない方がいいと書いていた人がいましたが、正しいご注意でした。イランに関係あって鬱気味(私のこっちゃ)の人にはどす〜んとくるような映画でした。

イラン人を知る者としての突っ込みどころは、主人公の奥さん(本当のイラン人女優さん)が夫に従順で献身的な妻として描かれているところ・・私の知るイラン女性は従順というより、夫が決断するより先にガンガン主張して自分の思うように持っていくような人が圧倒的に多かったですから・・ この映画でも夫の決定に不満は言っていますが、むしろ日本人妻の場合こうなんじゃないかと思うぐらいです。この奥さんは英語が不自由という設定で、一人だけペルシャ語を話しています。つらさはよーくわかります。

うわぁ、これぞイラン人と思わされるのが夫役のベン・キングズレーでした。何よりも体面を重んじるので生活レベルを落とすよりも、自身の過重労働を選んでいます。昼は道路工事に夜は店番、それを家族友人に知られないようスーツ姿で家を出入りします。そしてなんといっても家のことです。競売で安く手に入れた家を3倍の値段で転売しようと目論見ます。税金滞納で家を奪われたジェニファー・コネリーが何を言っても弁護士を雇っても、絶対に自分の利益は譲りません。大義名分は家族のため、息子の大学進学費用です。

「(金銭的)利益になる」この一言が絶対です。と言っても彼らはシャイロックのような冷酷な金の亡者というわけではないのです。映画では自殺を図った彼女を親身になって助けようともします。情には厚いが、情で損得勘定を覆すようなことは絶対にしない、情よりカネが最優先です。これがわからなくて私は大失敗をしました。

アメリカやカナダの移住先でこういったトラブル、価値観や常識の違いが致命的結果をもたらすようなことが起きていることは充分に想像できます。元気な人は是非見てね。

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