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精神科Q&A
【1541】皆と同じようにipodの手術を受けたい
Q: 20代女性です。私はipodがないと不安なんです。音楽をいつもボリゥムを最大にしてイャホンで聞ける状態でなければ電車に乗ることができません。出掛けに忘れたりする事があってとても不便な思いをします。その場合はたとえ約束があっても取りに戻ります。そうしないと音楽をイャホンで聴いていない状態で外出を長時間続けると背中やこめかみ足の裏掌に汗をかいてきます。不安で顔を上げることができません。なるべく他人に見られないように脇をしめて肩幅を縮めて両肩のラインより後頭部を上に出さない心持ちで早足になっていきます。そうして早くこの状態から逃れるためにipodのところへ向かいます。この時が最も危険で心臓の鼓動も早くなり耳鳴りと頭痛で倒れそうになってしまいます。光の粒が頭の周りを囲むようにたくさん浮遊しながらジグザグに降りてきます。その数が段々増えてくるとまた動きも早くなり、見てはいけないと思いながらもつい目で追ってしまい眩暈を起こして転んだ事もあります。また出かけるときになってipodを用意していると充電が不十分ですぐに電池が切れてしまいそうな時があり、出かけるのを中止してしまう事もあるのです。出先で電池が切れてしまったら恐ろしくてどうしていいのかわかりません。ですから電池が満タンの時でも常に充電するためのコードを持ち歩いています。コードはカバンの底の進行方向右手のポケットの中とカバンの外ポケットの中と肩掛けベルトの中に(縫い目をほどいておもて地と裏地の間にはさみ込んで軽く縫い合わせてあります。我ながらとてもうまく考えたものだと思います。)、それぞれ計3本を常に持ち歩いていて不測の事態に備えています。しかしご存知かもしれませんがipodは充電式なので電池が切れてしまった場合はたとえこうして充電コードを持っていてもコンセントがなければ意味がありません!そのことを考えるとまた掌が湿ってきて心臓も早くなり息を吸っても苦しくなって耳も聞こえなくなってきて頭が朦朧としてきてしまいます。みんな他の人は平気なのでしょうか? 私だけがこんな風になっているのでしょうか。
最近よく思うのですが耳にイャホンやヘッドホンをつけてなくっても音が直接聞こえる新しいバージョンのipodが出ていてみんなはそれを使っているので平気なのではないでしょうか? そしてその新しいバージョンは直接頭脳に音楽が聞こえてくる仕組みでもちろん手術で頭の中に埋め込まなくてはいけないでしょう。高いのではないでしょうか。今の私には新しいバージョンで手術を受けるだけのお金が用意できないでしょう。でもとっくにみんな多くの人がその手術で新しいバージョンになっていてそうしたらどんなに楽しくて快適でいやなことがひとつもない暮らしなんだろうと羨ましくて悲しくなってきます。相談できる友人にも聞いてみたのですがそんなことはないと私だけではないと言ってくれるのですが私はやっぱり信じられないのです。その友達がイャホンをしていないのに音楽が常に流れているように楽しそうに笑ったりしているのを見ると憎くて裏切られた気持ちになってきます。私だけが新しいバージョンの知らせを受けていないのでしょうか?ご存知かもしれませんがipodはパソコンに繋げると時々新しいバージョンのお知らせが来たりします。ある時私は間違ってその時のお知らせをいいえでクリックしてしまったのです。その日からお知らせがくる回数が随分減ってしまっているようなのです。その友達のパソコンを覗いたことがあるのですが私に来ているよりもたくさんのお知らせが来ているのです。もちろんそう言って見せてくれるように頼んだのですが友達は意地悪でそんなことはないと見せてくれなくなりました。どう考えてもその時を境にパソコンのガードが固くなったとしか考えられません。クリックでいいえをしてしまった(たとえ間違っていたとしても)場合はその人に絶対に情報を教えてはいけないというようなお知らせも同時に送られているのかもしれません。私はしてしまったのでもうそのお知らせも見る事ができませんが。どうかいいえをクリックしないままでそのお知らせを見せてもらえないでしょうか。そしてあたらしい最新の直接聞こえてくるタイプのバージョンのipodの手術を受けさせてもらえないでしょうか。万一お金が高くて足りない場合もこれからちょっとずつ貯金をしていくのでその具体的な情報が知りたいのです。お願いします。 林: 耳にイャホンやヘッドホンをつけてなくっても音が直接聞こえる新しいバージョンのipodが出ていてみんなはそれを使っているので平気なのではないでしょうか? そしてその新しいバージョンは直接頭脳に音楽が聞こえてくる仕組みでもちろん手術で頭の中に埋め込まなくてはいけないでしょう。 これは妄想です。 そして、この【1541】の方について最も考えられる診断名は統合失調症です。 なぜか。 統合失調症に最も特徴的な症状である幻聴もなく、妄想も典型的な被害妄想とは違うように思えるのに、なぜ統合失調症と推定できるのか。 それは、妄想の主題が、「自分だけが知らない。自分以外の皆はそれを知っている」というものであることが一つです。さらには、「手術で頭の中に埋め込まれている」という、荒唐無稽な確信。そしてこの確信が、脳(ないしは精神)という、自己に密接なものに直接関係していることです。 以上の説明でとても言い尽くせてはいないのですが、このような妄想はいかにも「統合失調症らしい」、あるいは「統合失調症の色彩がある」といえるものです。いずれも曖昧な表現ですが、無理に理論的に説明するよりも、実はこのような曖昧な表現のほうが正鵠を射ているといえるかもしれません。 【2801】食べて吐くのをやめたいですQ: 20代女性です。僕は晒し者にされているので怖くて外に出れません。
頭の中も体の中もばれています。 だから家の前に誰かがいて笑い声が聞こえます。 奴らはわざわざ僕に聞こえる様にしているのです。 いつ誰にどこから見られているかわからないので怖いです。 それなのに食べて吐くのがやめられません。 一日に数回お菓子を少し食べては吐いています。 奴らは嘘も本当も笑い話にしています。 でも一つでも笑われる元を消す為にやめたいです。 病院へ行けば奴らの仲間が増えるだけです。 行かなくてもやめられますか。 林: 病院へ行かずにやめるのは無理だと思います。なるべく早く精神科を受診してください。 【2789】私は変態でしょうかQ: 10代の高校生女子です。気持ち悪い内容です。私にはいま、大好きな人がいます。彼は本当に素敵です。顔もスタイルも性格も最高です。本当に世界中の誰よりも大好きです。彼は私のことを別に好きではないと思います。そのことは痛いほどにわかっています。だから、彼が私のことが嫌いでもいいんです。ただ、矛盾しているようですが、私は彼を舐めたいです。彼の写真を見るだけで、身体中が舐めたくてムズムズしてきます。しかし性行為は全くしたくありません。私自身の身体を舐めたり触ったりして欲しくもありません。想像しようとすると、強い吐き気がします。ただ、私が彼を舐めるだけでいいんです。また、首を絞めたいです。実は本当は殺してしまいたいです。完全に私のものになるからです。彼の人生を始めたのが彼の親御さんなら、彼の人生を終わらせるのは私がいいです。とにかく、彼の人生に強く名前を残したいです。本当は殺したくて仕方ありません。だけど、そうすれば、彼の笑顔を見れない、生身の彼に会えないということを自分に言い聞かせて止めています。殺せないから、今までみた中で1番きれいで、多分、誰でも絞めたくなるはずの彼の首を絞めたいのです。彼の泣く顔が見てみたい。絶対可愛いはずです。見たくて見たくてたまりません。だから、彼を殺さない程度に首を絞めたいです。他の泣かせる手段じゃだめなんです。首を絞めるのじゃなきゃだめなんです。そして、彼が他の女性と性行為をしているところをみたいです。私とはしてほしくないのですが、他の女性とはしてほしい。そして、私はそれを別のところで見るのです。想像するだけで気持ちが上がってきます。興奮してきます。長々しくなったので、質問をまとめます。(1)好きな人を舐めたいと思うことは普通か。(2)好きな人を殺したいと思うことは普通か。(3)好きな人の首を絞めたいと思うことは普通か。以上の3つです。長文ですみません。ちなみに、彼以外の人とは上の4つはしたくありません。彼だけです。多分、私が本気で人を好きになったのは彼が初めてだからです。ご回答よろしくお願いします。
林:
(1)好きな人を舐めるだけでいいと思うことは普通か 普通ではありません。
(2)好きな人を殺したいと思うことは普通か
普通ではありません。
(3)好きな人の首を絞めたいと思うことは普通か。
普通ではありません。
【2780】私は神に狙われているQ: 10代男性浪人生です。昔からネガティブ思考なところがありましたが大学受験に失敗してからさらにネガティブになった気がします。自分のことを世界一不幸だと思うのです。例えば、高校を卒業してすぐ財布をなくしました。非常に高級なブランドの財布で高校生にはふさわしくないくらい高価なものだったんですが、親に無理を言って買ってもらったものです。とても気に入っていたんですがなくしました。他には、浪人生活が始まって1ヶ月ほどした頃自転車を盗まれたり、体にイボ(現在通院中)ができたり小さな不幸が続きます。そして先日、以前から右目の視力が悪かったので眼科を受診したところ、とある病気にかかっていておそらくもう治らないと言われました。メガネをかけてもほとんど視力が出ません。さらに悪いことに、いずれ左目もそうなる可能性が高いとまで言われました。そうなったら角膜移植をするしかないそうです。突然の話でしたのでとてもショックでした。また、その後も今日この日までイヤホンが急に壊れたり、新しくイヤホンを買いに行ったら間違えてiPhone専用のを買ってしまったり(自分のはandroid機種)、さらには冷蔵庫が壊れるなど小さな(自分的には生活に大きな影響が出てたりもしますが)不幸が続きます。数えればキリがありません。そういうわけで自分は世界一不幸だと実感します。実際には政治の不安定な国や資源のない国の人々など不幸な人間はいくらでもいるのはわかってますが、自分はそういう不幸とは違う気がします。オカルトとかには興味ありませんが、世の中には神みたいなものが存在してわざわざ自分をピンポイントで狙って運の悪い目にあわせてるとさえ、最近は本気で思ってます。実際不注意だったり仕方のないことだったりしますが、意図的なものを感じます。偶然の積み重ねではなく、万能な何者かに嫌がらせを受けてるのです。そう考えるとこれから生きる気力を失います。そのうち手足や家族や財産などすべて「偶然」失ってしまうことが必然だからです。こうしてまた明日も自分のものがなくなる、盗まれる、壊れるに違いありません。事故にもあうでしょう。おかしくなりそうです。どうしたらいいのでしょうか?
林: 精神科を受診してください。
【1302】私は近日中に殺されるかもしれない。
小鳥を飼ったほうがいいでしょうか。
Q: 私は32歳の女です。
歩道の端を歩いているとクルマが猛スピードで幅寄せしてきたり、自転車が私をめがけてつっこんできたり、何度も死にそうになってきました。 実際に自転車に巻き込まれて足を20針縫いました。 変な人がよく近づいてきます。 浮浪者らしき老人が私のお尻を触りました。 このときはショックでした。 私がいやらしい雰囲気を発散させているのでは、と心配になりました。 だけどどう調べてみても私は普通の格好でマジメに歩いているだけです。 その後も繁華街でもない道で泥酔した男が「え〜ニオイやな〜チチ触ら してくれ」と近寄ってきました。一目散に逃げました。 もう労務者風の男性が怖くて仕方有りません。 私は足の裏の感覚が敏感で、靴を履いて歩いているのに右足がマンホールを踏んだら次のマンホールは左足で踏まなければ気が済みません。 白線や影も同様です。 足裏の中央部分で影を踏んだら 反対の足でも中央部分にぴったり影を 当てないと道を戻ってやりなおすのですが、やりなおしても達成感は薄いのです。 そして最近は死を怖がっています、 クモ膜下出血になりそうな予感と、交通事故に巻き込まれそうな予感と風呂釜や電化製品が爆発して大怪我を負いそうな予感と工事現場のクレーンが倒れてきそうな予感がして、それらが倒れたり爆発したりした場合に破片が届きそうな位置に近づくことが出来ません。 また、何よりも怖いのが「目に入る大きさの棒状のもの」です。 軸足を中心にして私がフラリと倒れたときに目に入る棒が目に届かない位置にしか立てません。 ガードレールも目をズバーっと裂きそうで近寄れません。 最近は食品に毒が入っていないか、すごく怖いのです。 一番怖いのがスーパーの無料水、そして無料氷です。 ときどきですが、水道の蛇口からも毒が出てくるのでは、という恐怖感もあります。 毒見のためにラットと金魚を飼うことも検討しています。 あと、毒見係ではありませんが サリンのときに活躍したセキセイインコも飼ったほうがいいかな、と思っています。 でも鳥は好きなので普通にペットとして飼うことになると思います。 小鳥を飼ったほうがいいでしょうか。 林: 一日も早く精神科を受診し、このメールの内容を先生にお話してください。 そうすればあなたは今の苦しみから救われると思います。 それはなぜか。その説明は後日、半年か一年後にいたします。 何より一日も早く精神科を受診してください。 【1470】「小鳥を飼ったほうがいいでしょうか」について(【1302】の続き)
Q: (【1302】をご参照ください) 林: 【1302】は、統合失調症の発症初期です。一刻も早く精神科で治療を受けることが必要です。【1302】の時期に、本人に病気のことを詳しく説明することは治療上好ましくないと判断できるため、【1302】の回答は簡潔にとどめました。一年が経過し、この方が治療を受けて、安定した状態になっておられることを期待して、ここに回答を補足したいと思います。 まずメール全体から、漠然とした不気味な感じ、あるいは奇妙にまとまりのない感じが読み取れるかと思います。この雰囲気が、統合失調症の発症初期に特有のものです。この状態を描写する用語としては、統合失調症 患者・家族を支えた実例集 のp.38にも紹介した、トレマというものがあります。トレマは、俳優が舞台に出る前に体験する緊張感のことで、これを統合失調症の初期の体験にたとえたのは20世紀のドイツの精神科医クラウス・コンラートです。(『分裂病のはじまり』コンラート著、中井久夫他訳 に詳しく出ています)。これに近い体験を表す言葉として、妄想気分というものもあります。【1302】は、トレマから次の段階に今にも進みそうな切迫した時期と判断できます。この時期には突発的に激しい行動(たとえば自殺)に出ることもしばしばあるため、一刻も早い治療が必要です。 統合失調症の発症初期の診断では、ひとつひとつの症状というより、この全体としての雰囲気がむしろ大切ともいえますが、しかしそれではあまりに漠然とした説明になってしまいますので、少しだけ細かく分析してみましょう。 まず最初から三分の一あたりまでの部分、 歩道の端を歩いているとクルマが猛スピードで幅寄せしてきたり、自転車が私をめがけてつっこんできたり、何度も死にそうになってきました。 実際に自転車に巻き込まれて足を20針縫いました。 変な人がよく近づいてきます。 浮浪者らしき老人が私のお尻を触りました。 このときはショックでした。 私がいやらしい雰囲気を発散させているのでは、と心配になりました。 だけどどう調べてみても私は普通の格好でマジメに歩いているだけです。 その後も繁華街でもない道で泥酔した男が「え〜ニオイやな〜チチ触らしてくれ」と近寄ってきました。一目散に逃げました。 もう労務者風の男性が怖くて仕方有りません。 これはどう解釈できるでしょうか。 一部は、事実かもしれません。あるいはすべてが事実ということもあり得ないではありません。しかしそれは考えにくいことで、はっきりした妄想とまでは言えないまでも、妄想的な体験とみるのが適切でしょう。 「自転車に巻き込まれて足を20針縫いました」が仮に事実だとしたら、それは偶然の事故か、または本人がフラフラした状態で道を歩いていたためとみるべきでしょう。 そしてこれに続く次の記述、 私は足の裏の感覚が敏感で、靴を履いて歩いているのに右足がマンホールを踏んだら次のマンホールは左足で踏まなければ気が済みません。 白線や影も同様です。 足裏の中央部分で影を踏んだら 反対の足でも中央部分にぴったり影を 当てないと道を戻ってやりなおすのですが、やりなおしても達成感は薄いのです。 統合失調症の初期に強迫が見られることがあるのは、【1317】などでも解説した通りです。この方の強迫も、統合失調症によるものと解釈できます。この強迫症状がこの方の唯一の症状であった場合には、判断は容易ではありませんが、他の症状と合わせると、統合失調症による強迫であることはまず間違いありません。この方がこのようにして歩いているところを想像しますと、はたからはかなり奇妙な歩き方に見えるでしょう。【0580】のごみ拾いは、させられ体験ですので強迫とはやや異なりますが、本人にとっては意味のある行動が、はたからは奇妙に見えるという点では共通点があります。 そして、 そして最近は死を怖がっています、 クモ膜下出血になりそうな予感と、交通事故に巻き込まれそうな予感と風呂釜や電化製品が爆発して大怪我を負いそうな予感と工事現場のクレーンが倒れてきそうな予感がして、それらが倒れたり爆発したりした場合に破片が届きそうな位置に近づくことが出来ません。 また、何よりも怖いのが「目に入る大きさの棒状のもの」です。 軸足を中心にして私がフラリと倒れたときに目に入る棒が目に届かない位置にしか立てません。 ガードレールも目をズバーっと裂きそうで近寄れません。 これらは、被害妄想的な体験という表現もできますが、妄想気分がおそらくもっともぴったりした言葉でしょう。妄想気分も、統合失調症の初期症状として昔から知られているもので、何か異様なことが起こりつつあるという確信を持ってしまい、しかしその「何か」が何であるかを特定できず、外界に漠然とした不気味さや、言いようのない不安感を抱くというものです。これを「妄想の準備野」と呼ぶこともあります。つまり、このような漠然とした気分の中から、ある形の妄想が姿を現してくることがしばしばあるのです。その多くは被害妄想で、このケースではたとえば、上のような恐ろしい体験は、自分に悪意を持った誰かによる陰謀だと確信するという形が考えられます。そこまでいけば被害妄想と呼ばれますが、この【1302】の段階ではそこまではっきりしたものとは言えず、妄想気分とするのが適切でしょう。 そしてさらに、 最近は食品に毒が入っていないか、すごく怖いのです。 一番怖いのがスーパーの無料水、そして無料氷です。 ときどきですが、水道の蛇口からも毒が出てくるのでは、という恐怖感もあります。 毒見のためにラットと金魚を飼うことも検討しています。 あと、毒見係ではありませんが サリンのときに活躍したセキセイインコも飼ったほうがいいかな、と思っています。 これは、妄想の準備野である妄想気分から、被毒妄想(被害妄想の一型です)が現われたとみることができます。妄想に対しては、本人なりの対処法を取ることがよくあります。多くみられるのは、盗聴や監視に対して、ドアや窓をしめきって、時には目張りをして防衛するというものです。 この【1302】では、毒見の動物を飼うという対処法をお考えになっています。 しかし、 でも鳥は好きなので普通にペットとして飼うことになると思います。 小鳥を飼ったほうがいいでしょうか。 これは、ある種異様な結び言葉と言わざるを得ません。「自分の命が危ない」という切迫した不安と、「小鳥を飼ったほうがいいでしょうか」が釣り合わないことは明らかでしょう。このまとまりのなさ(連合弛緩と呼ぶこともあります)も、統合失調症、特に初期の統合失調症の特徴です。 仮にこの方が、不安にかられて小鳥を買ってきたら、周囲の人から見ればわけのわからないことをやっているとしか見えないでしょう。(この時期には、周囲の人を自分に危害を加える一味であると思っていることも多いので、小鳥を飼う理由を本人の口から説明されることはないと予想されます。すると、いかにも不安な様子で、無言のまま小鳥を買ってくるという行為が観察されるだけになります。これに似た例としては【0271】があります。【0271】は服装の異常ですが、このような場合に、本人の口からは語られないものの、妄想が背景にあることは統合失調症ではしばしばあります) 精神科Q&Aの質問メールに、しばしば、「わけのわからないことをやっている」「わけのわからないことを言っている」と書かれていることがありますが、このように、「わけのわからないこと」の背後には、複雑な症状・体験があるものです。ですから、「わけのわからないこと」の具体的内容が、精神科の診断にはきわめて重要で、単に「わけのわからないこと」と書かれていても、そこからは何もわからず、したがって回答も出来ないということになります。 以上、ひとつひとつの症状を解説してきましたが、実際の診断では、この回答の冒頭にお書きしたように、全体の雰囲気が実は非常に重要です。 メールではなかなかその雰囲気まで読み取れないことが大部分なのですが、この【1302】はそれがありありと読み取れる稀な例と言えます。(【0814】などもその雰囲気が読み取れる例です。【1361】もその例にいれていいかもしれません。また、【0869】は、初期ではなくかなり進行した統合失調症の雰囲気が読み取れる例といえます) この【1302】の方が、適切な治療を受けていることを願っています。もし受けておられない場合は、もう一年たっていますので、かなり悲惨な経過が心配されるところです。 |
日記



