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就活と雑多なテーマで

ドラえもんのポケットから今何を取り出しますか?

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ドラえもんのポケットから今何を取り出しますか?
 
(起)
「ドラえもんのポケットから今何を取り出しますか?」企業面接でこのような質問をされたら、あなたは何と答えるだろうか?どこでもドアを取り出してこの場から逃げ出すか、それとも人生やりなおし機を取り出してもう一度青春を楽しむか。緊張感漂う就職面接で、とっさにこの質問に対する答えとその理由を答えられるだろうか。
 
(承)
いま3回生は就職活動の始まりの時期で、インターンシップに参加したり、早い人は内定をもらったりしているのではないだろうか。関西大学に通うみなさんの多くは就職活動をすると思う。
様々な業界があり、大小様々な企業があるが、誰しも必ず通る道が面接だ。面接では志望動機や長所・短所、大学時代頑張ったことなど定番とされる内容が多々あるが、ここではそんな定番な質問とはかけ離れた意外性のある質問を取り上げ、その質問をする意図を明らかにしていく。想像もしない質問には必ずどこかで巡り会うと思う。そんな時にも落ち着いて考えて、話ができるようにここでの内容は頭の片隅に置いて頂きたい。
(展1)
今年度就職活動を行った大学生を対象に、アンケートを実施した(回答者22人)。半数以上の人が「志望理由書や企業に関することしか聞かれなかった」と回答した。一方で、「好きな〇〇を教えてください」や「あなたを〇〇に例えると何ですか」のような一見就職活動に関係ないような質問を受けた人もいた。アンケートに答えてくれた人の約90%はこのような質問を面接でされることを知っていたという。
しかし、面接対策はしているが、このような質問への対策をしていなかった人は半数近く存在することがわかる。対策をしていなかったため、このような質問に対して「どうしよう」や「聞かれたことに驚いた」という感想が挙がっている。
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(展2)
東京の大学に通うHさんは、一次面接のときに「あなたを漢字一文字で例えると何ですか?」と質問された。しかし、彼女は企業の面接でこのような質問をしてくることを事前に知っていたため、驚きはなかったと言う。「大学が主催する就職ガイダンスや先輩から話は聞いていました。何回か面接練習もしたんですけど、毎回このような質問をされていたので質問されるだろうなと思っていました」
彼女の場合、このような質問自体への対策はしていなかったが、企業面接への対策が結果的にこのような質問への対策にもなっていた。「このような質問はその人がどんな人か知るために行われるため、自己分析が大切になってくるよ」と就職ガイダンスの講師の方に言われたそうだ。【取材先:知人(大学4年生)、12月18日に取材】
(転)
実際に人事を担当したことのある人によれば、突拍子もない質問をすることにより「対応力」を見ているという。「準備をしていない質問に対して落ち着いて答えられるかを注目してますね」つまり、面接官はその人の人柄に注目していることがわかる。
しかし、面接の場でよく見られようとしない就活生は少ないと思う。本心を隠して建て前で取り繕い、好感を持ってもらおうとする人が多いのではないだろうか。緊張感が漂う面接で本心を話すことは難しく、変わった質問でその人の本心や人柄を本当に知れるのだろうか。
就職活動を取材してきた経済ジャーナリストは「同じような回答になる質問は避け、練習して暗記してきた回答にならない質問をしています。企業側は、学生が自分の頭で考えた回答をしてほしいと思っています」とコメントする。暗記してきた回答をスラスラ答える学生よりも、回答に詰まったり、たどたどしく回答したりしていても「自分の言葉で話している」学生のほうが面接官は評価する。面接では自分の言葉で筋の通った回答をすることによって、「この学生は自頭がいい」という好印象を面接官に与えることができる。
 
(結)
今回の取材を通して、企業が面接で突拍子のない質問をする理由は、学生の「対応力」と「自ら考えた回答をしているか」という点を面接で評価するためであることが明らかになった。
冒頭で取り上げた「ドラえもんのポケットから今何を取り出しますか?」という質問に対して「採用通知」を答えた人がいる。「ドラえもんのポケットから取り出す」と言われたら、多くの人はアイテムを思い浮かべるだろう。しかし彼は、この企業に受かりたいという思いが緊張感を勝り、「採用通知」という答えが出てきたという。結果的に彼はこの企業からの採用通知を受け取ることができた。
このような質問への答える力をつけるためには、日頃から疑問に思ったことをその場で考えて答えを出す習慣をつけることである。そうすることで対応力が身に付き、想定外の質問にも落ち着いて答えることができるようになる。今後就職活動を控えているみなさんにはどんな質問にも答えることができるようになり、就職活動をまっとうしてもらいたいものだ。
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「『C1000ビタミンレモン!!』面接前にコンビニで必ず飲んでから面接に行ってた!でも続けて3回面接があった日にこれを3本飲んで、面接中にお腹壊してトイレ行きたくなったこともある(笑)」 と、就活中のルーティーンを失敗談を交えて語る稲谷さん(関大商4)。このルーティーンには、①時間に余裕を持って面接会場に向かうことができる。②ビタミンをしっかり摂取することで疲労回復、心を落ち着かせることができる、という2つの効果があるという。とはいえ、飲みすぎが原因で悪影響が出てしまえば、元も子もないため、気をつけなければならない。

人生において、誰しもが面接や試験などの大事な場面に遭遇する機会があるだろう。その際、最高のパフォーマンスを発揮するには、どのような行動をとればいいのか。きっとその答えは100人に聞けば100通りの答えが出てくるだろう。果たして私たちは大事な場面を乗り越えるためには、どのようなことをすべきなのだろうか。
 
「寝る前と朝で聞く音楽を変える」「携帯の待ち受け画面を企業の入社式の写真にする」など、「面接前に自信をつけるために何をしていたか」というインタビューに対して、様々な回答が得られた。また単に選考をこなすだけではなく、これから社会にでる1人の人間として成長するために、「1日1善ならぬ1日10善を心がけていた。」「自分にできることはないかと常にアンテナをはり、様々な場面で視野を広くしていた」など、これらの行為を日頃から行うことで、結果として面接の場にも活きていたという。

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上記のグラフは、採用担当者300人に面接で就活生の何を重視しているかをアンケートし、まとめた円グラフである。この結果から、採用担当者は就活生の態度や話し方を見ているということがわかる。やはり、緊張していると面接に悪影響を及ぼしてしまうのだろうか。とはいえ、採用担当者に好印象を与える態度や話し方とはどのようなものなのか、その正確な基準などはどこにも存在しないだろう。

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この絵は面接で成功を繰り返していた実際の先輩の経験談だ。正々堂々大きな声で話すことが強みというこの先輩は、自分の強みを活かせるように上記のことを常に意識していたという。自分の強みを自分自身で信じてあげることが自信に繋がり、結果として、面接官が重要視している態度や表情にも良い影響を与えていたのかもしれない。
 
ここで、面接に挑む就活生同様、試合前のスポーツ選手が最大限の力を発揮するために行っていることについて調べたところ、音楽を聴く選手が多いことが分かった。「移動中にその日のテンションに合わせて音楽を聴く。」と話す杉山愛さんをはじめ、試合前のロッカールームなどでは気持ちを高ぶらせるため・落ち着かせるために音楽を聴く選手は多数いるという。また、決まったことをすることで緊張をほぐす人は非常に多く、『自律神経を整えるには、体を動かすこともいいことだ。』と順天堂大学医学部教授の小林氏も述べている。
 
しかし、特別なルーティーンなどはいらないと主張する人もいる。「いつも通り朝ご飯を食べて、紅茶を飲んでから家を出る。とにかくいつも通りが1番!」「母親のお弁当を持って面接会場に向かっていた。普段の学校の日も基本的に、昼食は母親のお弁当だったので。慣れたご飯が1番安心する。」と日常と変わらない生活こそが緊張を和らげると話す人もいた。
 
とはいえ、面接は何をしたって多くの人は緊張してしまうものであり、ナイーブになってしまう場面も多いだろう。就職活動に詳しい関西大学教授の松林氏は「面接など大事な場面で力を発揮するには実力を身につけておく必要があるが、緊張自体を恐れる必要はない。」と語る。就活での不合格は受験などの不合格と全く違う心理作用であり、「運」に左右される部分が相当大きく、恋愛の様に「相手に見る目がなかった」と決めつけて次の面接に集中すると良い、という。
 
内定を勝ち取った人の裏側には、計り知ることができないほどの努力がある。自己分析、企業理解、エントリーシートにWEBテスト。ここまで乗り越えてきたからこそ就活生は面接に挑むことができる。上記で述べてきた先輩たちの経験談を参考にするもよし、日ごろ行っていることを継続するもよし。「どんな時も自分自身で自らを強く信じてあげる」これこそが面接で最大限のパフォーマンスを発揮するために最も重要なことなのかもしれない。
 

「ナシ農家が美味しいのはなぜ?」


まだ熱気も冷めやらぬ夏の夜のことである。虫のさざめきをかき分けて、自室のドアをノックする無機質な音が聞こえた。「ちょっと大事な話があるから来て」、聞き慣れた母親の声を確認し、スマートフォンに目を向けつつ二階からリビングに降りていくと、「いとこの○○くん、亡くなったのは知ってるよね?それでな、あんたおじさんとこの農園手伝ってみない?」これが山田啓介さん(20)の人生の転機へと繋がる一言だった。
農家をはじめとした第一次産業の労働人口が減少している中、梨農家への一歩を踏み出した人がいる。みなさんは農家になる、という選択肢について考えたことはあるだろうか。
日本の農家戸数は、雇用機会の拡大による都市部への人口の流出や、高齢化に伴う離農などにより、昭和25年をピークに減少を続けている。2017年の販売農家は、196万3千戸と5年前より37万3千戸、10年前より68万8千戸も減少している。
澤田(2003)は、
農業分野では、これまで農業以外の産業分野から人材を確保することがない。そのため、農業分野の新たな人材確保の方策を用意する必要がある。
と言い、就農者数の確保の問題はとても深刻であると言える。
また近い将来、日本の農業を支えてきた高齢農業者の多くが引退することが見込まれ、農業労働力は、脆弱化の進行が懸念されている。
しかし、販売農家の戸数が減っている一方で、年度別の新規雇用就農者は増加しているデータが示すように、農業に従事する人も一定数存在している。農家の魅力はいったいどのようなところにあるのだろうか。

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まず考えられるメリットとして、勤務時間が自由なことや、一経営者として自由に仕事ができること、出荷時期や作物によっては高収入が期待できる点があげられる。一般的にはこのような利点が考えられる。しかし、実際に農家として働く方々はどのような思いでお仕事をされているのだろうか。
農家になる以前、山田さんは工場で働いていたが、そこでの労働は辛いものだったと言う。「元々体力に自信があるわけではなかったので、工場の仕事はとてもしんどかったですね。残業も多く、忙しい時期だと10時半を過ぎてもまだ帰れない、という日が連日続きました。上司との人間関係にも悩んでいて、軽い鬱になって通院するようにもなりました。」
そして山田さんはある日、上司にやったことがない仕事を説明もなしに押しつけられ、その仕事で失敗すると理不尽に怒鳴られたのである。このことがきっかけで、山田さんは工場での仕事を辞めた。その後、自宅で療養しているときに母親から農家になることを提案されたのだった。
梨農家になってからは工場勤務のときと打って変わり、休みを自由に決めることが出来たり、人間関係に困ることもないなど、ストレスなく仕事ができているようだ。「この時期は叔父さんから電話がかかってきて、今日すごい寒いし休むか。と言われて休みになることが結構あります。この前なんてそれで8連休になりました。」と山田さんは嬉しそうに語った。「それに、自分が作った梨を美味しいといってもらえることほどうれしいことはないですね。」と山田さんは続ける。このように、山田さんは農家としての充実した生活を送っているようだ。
しかし、農家の生活が良いことばかりかというと、そうではない。まず、就職を希望する若い人の視点から見ると、職場において形成される人間関係が他の職場に比べて少ないのではないかという懸念があることが考えられる。他にも、収穫時期の前に台風が直撃した場合の損害や、獣害への対策などの様々なコストがかかる。また、長時間の農作業に耐える為の体力も必要とされるであろう。このように、農家として生きていくことはけして楽な道というわけではなく、最近では兼業農家という業務形態も増えてきている。
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ただ、そういったデメリットだけを見て農家という職業を切り捨ててしまうのは勿体無いように感じる。一生産者として仕事をしていく中で、消費者から自作の作物の評価を頂けた時などは、何物にも変え難い嬉しさや喜びを感じることができるはずである。
若者の就職活動について、ジャーナリストの松林はこう語る。
「学生の就活を見ていて感じるのは、自分が知っている職業しか選択肢にしていないということだ。しかし、世の中に存在する職業は実に多種多様だ。学生がイメージできる仕事はそのなかのほんの一部でしかない。就活で一番重要なことは、自分に向いていて、誇りが持てる仕事を見つけること。それが、自分が知らない業界や職種にある可能性は高い。学生には自分が世間知らずだという前提に立って、社会見学のつもりでなるべく幅広い企業を回ってほしい。」
第一次産業の働き手が減っている中で、どのようにしてこの産業を継続し盛り上げていくかという問題は、農家になる、ならないは別として社会全体として向き合っていかなければならない問題である。農家も消費者も相互においしいトコロを味わうためにも、職業選択をする若者が一度農家という仕事について考えて見ることが大切なのではないだろうか。
新規就農者の農業研修の現状と課題(https://www.jstage.jst.go.jp/article/fmsj1963/41/1/41_96/_article/-char/ja/

クレヨンしんちゃん的イメージ改革!

「年少者の心と道徳の成長に有害だ」2003年12月20日、日本経済新聞に書かれたクレヨンしんちゃんは記事の一部である。現在、大人から子供まで大人気のアニメであるが、15年程前は、子供に見せたくないテレビ番組ランキング1位になる程のアニメだった。なぜ、そこまでの悪印象から好印象に変わっていったのか。また、この変化は就職活動での(印象変化?・企業が求めること?)に活かせることができると考えた。
・就活で第一印象が悪かったが面接で取り戻した人の事例
インターンなどで積極的にいくことができず、良い印象を与えることができなかったが、面接ではその企業にあった取り組みの姿勢や自分自身を知ってもらえることができ、印象を取り戻した。
この事例とクレヨンしんちゃんとの関連性は、クレヨンしんちゃんが当初は下品なイメージで印象が悪かったが、世間が求めるものに合わせていき、クレヨンしんちゃんというアニメ自体のおもしろさを評価してもらいイメージを回復していったと言えるだろう。このように、クレヨンしんちゃんのイメージ回復の背景には、インターンから面接までの一連の流れに類似するものがあると考えた。
・趣旨説明
昔は批判が多かったクレヨンしんちゃんであったが、現在では国民に受け入れられている。その1番の理由は視聴者ターゲットの変更なのではないだろうか。15年前は大人をターゲットにしたアニメだったが、現在は大人と子供の両方をターゲットとしている。その結果、下品なシーン、過激なお仕置きのシーンが減少している。(ちんちん、おしり、お姉さんにナンパ、げんこつなど)

・就活の時に手応えのなかった会社からの内定
→自分としては手応えがないと思っていたが会社側は自分では思いがけないようなところを評価してくれた。今思えばそれは何気ない言葉遣いや立ち振る舞いなどを評価してもらったということなんだろうと考える。
クレヨンしんちゃんは最初は大人向けに書かれた漫画であるにも関わらず、あまり大人にウケがよくなかった。しかし、一部の層にはおもしろさや家族愛が評価された。
・事例、エピ1
昔の会社が求めていた人材は、協調性があり社風に合うかどうかを重視していた。新人を一括採用し、仕事の内容は会社側が一から教えるという今でいうアルバイトのような方式である。今の会社が求める人材は、専門知識を持つ人や新しい発想をする人だ。またコミュニケーション能力も重視される。さらに資格や突出した能力があると有利に働く。
・事例・エピ2
クレヨンしんちゃんの印象が変化したきっかけは2本の映画。それは、「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年)」、「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002年)」であると考える。この2本の映画はヤフー映画の映画評価でも4.5(他のクレヨンしんちゃん映画平均3.3)を超えている。この2本の映画にはそれぞれ、家族愛、父親・母親としての生き方、子供が親を大切にすることなどの家族愛にまつわるシーンが多く扱われている。そんな点などから、親が是非子供に見せたいアニメとなったのではないだろうか。

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・分析
「上司の言ったことを忠実に再現できる反抗しない人間」。昔の会社で求められていたのはそういう人材であったが、現代の会社に求められているのは「専門知識を持つ人や新しい発想ができる、コミュニケーション能力を兼ね備えた人間」である。この違いから、昔の人からすれば、人と一風変わったことをするしんちゃんに新鮮さを感じ、人気を得ていたのではないだろうか。また逆に、現代の人からすれば人と一風変わったことをするしんちゃんに一種の手本のようなものを見出しているのではないだろうか。
日本社会の背景に変化が起き、同時にクレヨンしんちゃんという作品の中でも変化はあったものの、今と昔を比較して唯一変化が起きていないのがクレヨンしんちゃんの主人公である野原しんのすけの、下品さを持ち合わせ非常にユニークであり周りとは一風違ったというアイデンティティである。その理由として、下品でありながらもそれがこの作品の持ち味であり、しんちゃんらしさから世間の一部から嫌われながらもなんだかんだ愛されているキャラクターであるからだと考えられる。
しかし、「子供に見せたくない番組」と言われるようになったことや、監督に変化により、クレヨンしんちゃんのアニメの中で昔に比べ下品な表現や母親であるみさえの叱るシーンなどの少々過激な描写が数年の間減少したことも事実である。

また、度々クレヨンしんちゃんの中では子供たちの会話のなかで普通の幼稚園児ではありえないような社会問題について会話を間接的に行ったり、映画でも子供だけではなく、ある程度物事を考えるようになった年齢の人々に向けてのメッセージが込められたしっかりとしたテーマ性を持つ映画を製作したり、野原しんのすけをただの変わった子供ではなく、大人でも5歳である野原しんのすけに自分を重ね合わせやすいキャラクターに少しずつ変えていくことで幅広い年齢層に親しみを持ってもらう作品になってきている。映画の中でもしんちゃんが主人公であるからこそといった理由もあるが、違った発想で何かしらを良い方向に導きだしたり、誰かを救ったりしている場面が多いのはしんちゃんが「普通」や「平凡」な発想を持った子供ではないからだろう。
親しみを持てる作品になってきたからこそ、クレヨンしんちゃんの主人公である野原しんのすけはただの下品な変な子供という印象から、ユニークで時々天才的な発想を持つ子供へと印象がシフトしつつある。これは少なからず「普通でなくても良い」「個性も大切である」といったメッセージを子供たちに向けているのではないだろうか。就活でも、たとえ初めの印象が良くなくても、他の人とは違った発想を持っていたり、自分の印象をどうにかして良い方向に導きだしたりする力を発揮できれば、柔軟な発想で就活にも対応していけるのではないだろうか。

(あとがき:これら記事は実習授業の一環で書かれたものであって、俺が書いたわけではないので、内容は自分と特に関係ないです)
庵野秀明さん 「死に場所」を探している(アニマゲDON)
 
――放映中の「彼氏彼女の事情」は、高校生たちの恋愛を軸に、見えっ張りやナルシストなど極端な性格の登場人物の言動が笑いを生む。一方、傷ついた心に「やみ」を宿す少年も登場。「エヴァンゲリオン」に続き、内面描写の追求ですか?


■いや、「心のやみ」の部分は原作にもあるが、正直言って今はうっとうしい。「カレカノ」でやりたかったのはギャグ。原作の、シリアスとギャグの幅が大きいところに魅力を感じた。


――作画枚数を極端に減らしてキャラクターの止め絵や風景だけのショットを多用したり、キャラクターの絵を切り抜いて動かしたり。「実験」してますね。


■枚数を使わないことで出る味もあるし、従来の枠にはまった絵を変えたかった。今のセルアニメは表現の幅が狭い。キャラクターはどれも同じ顔で、髪の形と色だけで区別している。そんな約束事の上にあぐらをかいて作り続けるのはどうかなあ、という思いがある。
でもアニメは表現として、ほとんど行き着くところまで行き着いてしまった。二十年たってもまだ「ガンダム」。新しいものを生み出せず、表層を取り換えてリサイクルしているだけ。百年程度の歴史しかないのに、もう現代美術や文学と似た状況になった。
ぼくらの世代以降、日本人には何もない。アニメで言うと、宮崎駿さんや押井守さんの世代は、社会とのつながりとか問題意識の中でモノが作れても、ぼくらにはそんなモチベーションは持てない。必要がないから。「ものごとに意味なんてあるの?」と懐疑的だし、社会とのつながりも希薄。世界といえばアパートとコンビニと会社くらい。
とはいえ、「エヴァ」の時、世間と向き合いたくない人たちから、安易な逃避先にされるのは嫌だった。アニメにしろ何にしろ快楽というのは逃げ場だし、それを求める気持ちは分かるが、傷つく前に逃げこむ、甘える、それで満足するのはどうかな。


――最近、映画「ガメラ3」のドキュメンタリービデオを監督したが、映画の感想は?


■まあ、公開前なので詳しくはそのビデオ「ガメラ1999」を見て下さい。

――子供時代に夢中になった特撮映画を撮る気は?


■色気はあっても、実際に出来るかは予算のこともあるし、分かりません。年齢を考えると、勢いのあるものを作れるのはあと数年と思う。「カレカノ」はいま最終話の作業中。少し遅れ気味で焦ってます。次の企画は半年も休まずに始めるでしょう。
「死に場所」を探しているんです。今の「芸風」でまずは燃え尽きたい。そこで灰をかき集めて別の「芸風」があるなら探す。このままだと「エヴァ」で終わってしまう。それだけは避けたい。そう思わないと作れない。


(聞き手・小原篤 撮影・上田頴人)

あんの・ひであき 1960年、山口県宇部市生まれ。大阪芸術大学在学中に出あったアマチュアフィルム仲間と一緒に、アニメ製作会社ガイナックス設立に参加する。95年の「新世紀エヴァンゲリオン」はデザインと作画の質の高さで若者を引きつけた。緊迫感あふれるSFドラマは様々ななぞをはらんだまま、主人公の心の解放を描いて終了。97年、映画版で完結した。昨年、女子高生の援助交際を描いた実写映画「ラブ&ポップ」を監督。昨年10月からテレビアニメ「彼氏彼女の事情」を手がけている。


●DON
先月の富野由悠季監督インタビューには「最初の『ガンダム』の時は十三歳。『なぜ人は戦うのか?』なんて真剣に考え、悩みました。ガンダムは教科書のようなものだったのかも知れません」(埼玉・水島美樹さん)など、数々のお便りをいただきました。ありがとうございます。次回は三月二十六日に掲載予定。

(朝日新聞 1999.02.26夕刊)
 
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 自動販売機雑誌 JAM 佐内順一郎
わしらのフリークランド
『Jam』って雑誌知ってる? 百恵ちゃんゴミあさり事件で有名になった自販機雑誌の帝王!とまではいかないけれど熱狂的なファンを持つ雑誌のニュー・ウェイヴ。その若き編集長(25)が公開する『Jam』のすべて!
 
百恵ちゃんありがとう!
『微笑』の記者がジャム出版(エルシー企画という出版社内に『Jam』専門の出版社を発足させた)に取材に来たのは創刊号が出て2ヶ月ほどしてからだったと思う。一目見て下等物件だと判る男が二人やって来て、具体的なゴミあさりの方法、山口百恵の家をどうやって調べたのか、企画の意図は、Jamとはどのような方針にもとづいて作っているのか、などを聞くので、僕としては初めからこの手の記者を信用する気にはなれず、どのような記事を書かれてもかまわない、と覚悟した上ですべて本当のことをしゃっべったママ

相手は「できうる限り『Jam』の新しいこころみを紹介していくような形で面白い記事を書きますから……」とかなんとか言って、気持ちの悪いニヤニヤ笑いを浮かべて帰っていった。今でもハッキリ覚えているのは彼らの「モモエに関するネタを載せれば確実に売れますんで……」という言葉である。

そしてどのような記事ができあがったかは『微笑』五月二六日号をお読みになれば分かる。「前代未聞!アングラ雑誌が百恵宅のゴミを集め堂々とグラビア公開あまりの手口にファン、関係者は“やりすぎだ!”と」というサブ・タイトルで正に「微笑ならでは」のものだった。かなりドートク的に非難されちゃったもんね。

だけどぼくたちにとってこの記事はとても有効なものだった。というのは、その後この記事を読んで創刊号の申し込み、新聞、雑誌などの取材、定期購読申し込みなどが次々と舞い込んだからだ。百恵ちゃんどうもありがとう。

ところが馬鹿な読者がいるもので、この企画を連載にしろなんて言っている。山口百恵の使用済ナプキンをグラビアで大衆の面前に公開してしまった今、これ以上何を見せろというのだろう。極致は一回きりでいいのだ。
なお、ゴミあさりページの最後に小さな活字で山口百恵のゴミをプレゼントします、と書いたところ、数名の青少年から申し込みがあったことを付け加えておく。
 
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『Jam』を始めるまで
世の中には、自分の好き勝手に仕事をさせてくれる場所というものが、まだ残っていた。

今からちょうど一年前、町で一冊のオールカラー・ポルノ雑誌を拾ったぼくは、その中に少女が素肌にパンティー・ストッキングをつけた美しい写真を見つけた。これがフェティッシュの極地で、何とも言えない傑作写真だった。

ぼくはさっそく発行元のエルシー企画に電話をし、こういうフェティッシュ写真のいっぱい載っている本は他にありませんかとたずね、ついでに自分は大学をやめて今好きなことをやって過ごしています、それに友だちとミニコミのようなもの出していますのでよかったら送りますから読んでください……などと話したのだった。

結局一度遊びに来てくださいということになり、こうしてエルシー企画とのつき合いが始まったわけだ。ある場所から違った場所への展出は、だいたいこうしたたわいもないきっかけから始まるものだろう。

初めてエルシー企画に行った日の夜、正確には新宿の飲み屋「池林坊」にて第一回目の企画が決まり、『スキャンダル』という雑誌の中の八ページを「Xランド独立記念版」とすることになった。

『宝島』誌上ですでに有名な隅田川乱一君と二人でその八ページを作り上げ、それを渡した段階で次号の『スキャンダル』を新雑誌『Xマガジン』として一冊引き受けることに決定。

年明けて一月、特集ドラッグと銘打った今では幻の雑誌『Xマガジン』が発売された。内容はドラッグ・ソング訳詞、笑いガスの実験、実際には存在しない本の書評、不可解SF小説、インタビュー、それに後にマスコミをわかせた芸能人ゴミあさりの第一回「かたせ梨乃の巻」があった。

現在この『Xマガジン』はぼくの手元にも5冊しか残ってない。噂ではかなりのプレミアが付いて売買されているという。現在の『Jam』はさらにこれを新雑誌として創刊したもので、正式には『Xマガジン Jam』という。

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●Jamの前身=X magazine
 
オーナーと会社のことなど
オーナーはエルシー企画という自動販売機ポルノ雑誌専門の制作会社の社長で、とにかく「口は出さないから何でも好きなことをやっていいよ」という恐ろしく太っ腹な人で、実際おなかが太く、ときどきカメラマンに変身して女の子の股間を撮りまくったりする人です。

今のところ『Jam』に関しては、どんなに馬鹿ばかしく、過激な記事を載せても文句を言われたことはありません。本人は三〇そこそこのくせして「Jamなんて読んでも全然わからんもんね、わ。」なーんて言っております。

会社は池袋にあり、毎月『Jam』とか『メッセージ』などの実話誌と呼ばれる月刊誌を五、六冊と、「悶絶トルコ壺洗い」などというとてつもないタイトルをつけて売るグラフ誌と呼ばれるオールカラー六四ページの本を四、五冊作っています。

これだけたくさん出しておきながら、販売に関してはまた別の会社があって全国の自動販売機に入れているため、あまり儲からないようです。有名な亀和田武さんの存在で名をはせたアリス出版も、同じグループの制作会社です。

毎月たくさんのポルノ雑誌が自動販売機で売られていますが、よく売れているのはエルシー企画の『メッセージ』『少女激写』、アリス出版の『ガール&ガール』、土曜出版の『告白人』などですが、売上げは毎月かなりの変動があります。

自動販売機のばあい表紙しか見えないので、たまたま表紙にエロチックな女の子が出てる奴が売れてしまう、ということもあるようです。けれども『Jam』については毎月毎月ビリから数えた方が早いという現状です。(それでも公称一〇万部だから凄いでしょ)

エルシー企画で出している実話誌のほとんどが外注による制作で(社員でない人が作る)だから僕たち『Jam』のスタッフもエルシー企画の社員ではありません。ジャム出版というのはエルシーの中の三軍会社で、隅のほうで小さくなってポルノ雑誌とはとても言えないような『Jam』を作っているわけです。(社長註:その割にはでかいツラしてメシ食ったりソファーで寝たりしてるじゃねーか、バーロー‼︎)
 
これがジャムの主力メンバーだ!
まず隅田川乱一君。彼は学生時代からの仲間で、永年印籠(いんろう)の研究をしています。いまだにその正体がはっきりせず、最近では『宝島』のほか『本の雑誌』などにもオティズムやプロレスの話を書いていますが年齢はわかりません。

次に山崎春美君。彼は現在、工作舎という出版社に修行に行っていますが、目の下にクマを作ってニヤニヤ笑いながらロックの話をしてくれます。『Jam』では主に音楽ページと小説を担当していて、打ち合わせで会うと作業服を着てときどき体をケイレンさせたりする面白い子供です。

次に高杉弾君。この人は1号から5号までいますが、どれも大した違いはないみたいです。どうも大した才能はなさそうで、普段はいつも放心していますが、締め切りが迫ると突然思い出したように「自分と他人の区別がつかない」「いつか夢で見たあの素晴らしい場所」等のコピーを考えついてくれます。巻頭のヌード写真のコピーと、「バッド・トリップ」というコラムその他を書いています。

そして僕は佐内順一郎といって、いちおう編集長の役目をしていますが、生まれつき頭がパーなので何をやってもうまく行きません。その上最近被害妄想が強く、道を歩いていると向こうから来る女の子にいきなりぶんなぐられるんじゃないかとか、『Jam』が発禁になってオマワリさんに棒をお尻の穴に突っ込まれるんじゃないかとかがとても心配です。ヌード写真のディレクションや図版を集め、レイアウトや原稿取りやオナニーなどをしています。

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●編集長近影
 
企画をどーやってたてるか
まず月の初めに四人の編集者が集まって企画会議をやります。会議といっても、渋谷の喫茶店でお茶を飲むだけの話ですが、だいたいこの席で、殆どの企画が決まってしまう……などということは絶対にありません。たいてい一人は来ないし、ひどい時はぼく一人で企画会議をします。こういう時のために佐内順一郎は1号から3号までいるのです。

うまく四人が集まったときは最近聴いたレコードの話、それに本や映画や人物について、横浜の中華街にホステスが全員オシのバーがあるとか、どこそこのカメラマンはモデルの女の子を手ごめにしているとか、オナニーというものがあるのにセックスなどをする人の気がしれないとか、NHKにフリーメースンが出て恐ろしいことをしゃべったとか、まあ、そんな話をしていますが、たまには存在学とか禅とダダについてとか、神秘学がどーしたとかロバート・フリップやイーノが今何をしようとしているかとか、工作舎の話とかもします。

だいたいこれが編集の第一段階で、これらの話の中で面白そうな所をぼくがピック・アップしておくわけです。そして後日「幼稚園とうんことオカルティズムの問題をポルノ雑誌風にナニしてもらいたいんじゃがのう、ワシとしちゃー」かなんか言って人に頼むわけです。

こんなふーに書くと、何かとっても安易に作っているように感じられるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

有名な隅田川乱一君も言っているように、現代において、霊的な衝動というものはこのように奇形的な感性を通じて表出してく来るのであって、時代の裂け目へのアプローチは尋常な手続きからは決して始まらないのです。

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●企画会議中のスタッフ
 
盗難事件
八月一二日、エルシー企画のカメラマンと新宿歌舞伎町の喫茶店「マジソン」でおしゃべりをしている間にイスの横に置いておいた手さげ紙袋を盗まれてしまった。

それにはJam第七号の原稿とレイアウトの他、カメラに時計にダイヤモンドの指輪、それに現金が四〇万円にマリファナが七キロ、ヘロインが二キロにピストル2挺、ダイナマイトが6本入っていたので警察にもとどけるわけに行かず、ほとほと困ってしまった。
 
股間にジャムをぬるのはいーです
表紙、巻頭巻末カラーなどのモデル撮影は、締め切りが中身のページよりだいぶ早いので大変です。わがJamには岡克巳という天才的な才能を持った変態カメラマンが付いているので質的には毎号自信を持ってお送りしていますが、モデルはとなるとなかなかむずかしい問題です。

こうした業界向けのモデルクラブがいくつかあり、それらのリストを見て決めるバアイもありますし、エルシー企画専属の撮影会社にいるモデルを使うときもあります。なにしろJamの場合、よそでは見れないようなハードな物を撮ることがありますので、そういうときはモデルをさがすのが大変です。

『ヤングレディー』かなんかの広告を見て来たモデル志望の女の子には、パンティは取りたくないとか、ひどいのになると顔が写ったら困るとか言う子がいますが、それでは撮影にならないわけで、そういう子はパスします。

逆に初めての撮影のときから何のためらいもなくパッパッパと脱いじゃう子もいて、だいたいこちらの方が多いようですね。

よくヌード写真のカメラマンなんてえのは脱がせたモデルはみんなヤッちやうんだぜ、なーんてことをいいますが、あれはウソです。本当にウソです。そんなことはありません。まあ、中にはそういうことをする人がいるかもしれませんが、ジャム出版、エルシー企画周辺にはそういう人はいません。

撮影のやり方というのは単純で、ある雑誌の巻頭カラー八ページなら八ページ分の企画、設定などを編集者が考え、それを発注書にしてカメラ部に渡すわけです。だいたいJamの場合、表紙、巻頭、巻末と三回の撮影が行われます。

とにかく一番苦労するのは、ポルノのパターンなんて、とっくに出つくしているわけで、いかに新手を考えるかということです。

僕の面白美学によると、女の子の股間にジャムをぬりたくるのは面白いけれども、ジャム、山芋を突っ込んだり、サラミソーセージを入れたりするのは猥褻でも何でもない‼︎ そーゆーのはダサい!

あと巻末については毎月フェティッシュ風接写写真でやっていますが、これが大好評で、特に八月、九月に発売された号の巻末はかつてどの雑誌もやらなかったというものです。何かポルノの新手があったら教えてください。
 
『Jam』ひん出用語一覧
真実、八百長、禅、幻想、奇形、神様、天皇、コンセプチアル、官能、愛、夢、オマンコ、狂気、肛門、芸術、乾電池、オナニー、幻覚、山口百恵、竹下景子、フェティッシュ、天才、快感、クァイカン、冗談、月、外科病院、暗号、アナーキスト、物質、変態、あれ、ダダ、暴力、サイケデリック、馬鹿、百姓、中卒、東北、興奮、主婦、霊的衝動、革命、プラスチック、深夜、星、存在学、脳みそ、タンポン、足の裏、問答、くそ、原爆、テロ。

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工作舎のこと
スタッフの一人が工作舎の遊塾生であることや、『遊』の特別組本(は組)に原稿を書いていることもあって、工作舎とは仲よくしています。図版や原稿を回してもらったり、工作舎のスタッフに原稿を頼むこともあります。

『遊』は第Ⅰ期の頃から見ていて、Jam創刊に大きな影響を受けてます。最近組本などで聖俗革命(アンシャンレジューム)を謳っているようですが、Jamでは工作舎とは別のアプローチで聖俗革命を起こして行きたいと思っています。
 
X-LAND
XランドというのはJam創刊の三か月前に『スキャンダル』誌上で独立を宣言したコンセプチアル国家です。

生活に夢を持たない人々のための国境も、法律も、制度もない、いってみれば、ただ革命だけを求める超デタラメ国家なのです。

ただ宮内庁というのがあり、天皇がいます。今上天皇は第三代目ですが、それが誰なのかは誰も知りません。毎月Jamの一六ページを占めるXランドの最後のページに、天皇から国民ヘの求愛のメッセージが載っています。

他には情報ページ、写真、Xボーイ・エキスプレス、インタビュー、レコード紹介、書評、市民の声などがあります。
 
まわりのイカレた人たち
Jamの原稿は前にあげた四人の他、工作舎の後藤君、中島君。大阪に住んでいる坂口君、この人はサイケデリック・ミュージックにやたら詳しく、今度アメリカに行ったので、その話を連載する予定。あと吉祥寺の「マイナー」関係の人たち、漫画は『ガロ』編集長の渡辺和博さんと、天才と言われる蛭子能収さんに頼んでいます。

渡辺和博、通称ナベゾ氏はセックスの一回性と子供の性生活、それにナチズム的ラリパッパ主義に燃えるオートバイ少年で、はっきり言えば、かなりの変態です。

あと表2と裏表紙をやっているのは『ダヴレクシー』というシャレた雑誌で世間をアッと言わせた羽良多平吉さんで、抜群の虹色感覚を見せてくれます。

それに「ウィークエンド・スーパー」のセルフ出版の人たち、天像儀館のお芝居の戯曲やプロレスで有名な変態坊主の上杉清文さん、イラストレーターの南伸坊さん、京都でマリファナ裁判をしている現代の仙人、芥川耿さん、神道ヨジレ派で現在失踪中の八木真一郎君、「迷宮」の武田さん、武邑さんなどなど、つき合っている人たちは限りなくいるのです。

まあ、どの人をとってみても一筋縄ではいかない変態ばかりで、Jamが日本一面白いと言われるのも当然のことでしょう、なはははは。
 
Jamに関する噂
●編集後記は誰が書いてもいいらしい。この前、編集長が喫茶店でとなりの女の子に頼んでいるのを見た。
●Xランドの天皇というのは若い女で、月に一回全員が渋谷の貸ビルの地下に集まって秘密の儀式をするらしい。
●Jamのバックナンバーは総て売り切れで一冊も返本がない。何か秘密の念力をかけているところを見た奴がいる。
●高円寺付近ではJamが異常な人気で、発売日に自動販売機の前に並ばないと買えない。
●山口百恵とホリプロがゴミあさり記事に対する報復を密かに画策しているらしい。
●今年いっぱいで休刊になるという話を編集長から聞いた。
●2千万の金をつんで大原麗子を巻頭カラーで脱がせる交渉に成功したらしい。休刊号でハデにやると豪語している。
●次号はいよいよ大場久美子のゴミあさりをやる。
 
第八号制作過程
あああ、企画が全然出ねえじゃねえか、ばーろー!少しはマジメに考えろちゅーとるのが判らんかこのっ!ばば、ばか、そんな話が雑誌に載せられるわけねーだろーが・あ、汚ねえなあ、よせ!やめろ!脱ぐなっ、こんなところで脱ぐなってば・そうそうおちついて、さてそれでは何か面白い話はないですか?どうでしょうか・うん、うん、それいってみよーか、キミ書く?え、書きたくない?なにっ、そうゆー話はお前が書かなきゃ他に書く奴いねーだろーが、ばーろー‼︎ あ、わかった、わかったから脱がないで、お願い困ったもんだねぇ、こう原稿が遅いとねぇ、印刷屋に渡すのあさってだよ、あさって・うわぁ、もう時間がない時間が、さっきの図版どこいった?それじゃないよ、どこいった、ないない、それじゃないちゅーとるのに、もうっ・うわっ、このレイアウト間違っとるやないか、くそくそくそ、うわあ、時間がない時間がない時間がない時間がないそう、そのポーズ、そのまま動かないでね、はい、きれいだよ、バシャッ、うん、いいなぁ実に美しい!はい今度はお尻の穴に指入れてみよーか、え、恥ずかしい?そんなことないでしょ、きれーだよ、うん、いい写真が撮れるからね、はいいってみよう、そうそうもっとグィッと、はい、そこでもだえる!バシャッ・もしもし二〇字の八六行で書いてね、あしたの朝取りに行くからね、書いてなかったらひどいよホントに・うわぁ、ねむいねむいねむいねむいその辺にある雑誌の写真ぶち込んどけ、そうそう・うわぁ、きたねぇ字だなぁ、読めねーじゃねーか・よ、よせ、そんなとこさわるな、気持ちわるいなぁ、あ、また安田がするどい目で虚空をにらんでる!もしもし、え、まだ書いてない?あした入稿だよ、あんた判ってるの?少しは責任感じなさいよあんた・あ、あ、ねむいねむいねむい、ヒロポン打ってヒロポン!はい、どうしたの?原稿なくした?あっそう、え、なに原稿なくした?この野郎ぶんなぐるよ、しまいにははい、どうも毎度遅くなりまして、どうもあいすみません、よろしくお願いします、はいはいどうも・ふう、ねむいねむい、やっと終わったばーろー、このぉ、こんな汚ねえ色出しやがって、どんな機械使ってんのお宅?あ、ここんとこ指定と違うだろ、これ、直しとかないとぶんなぐるよ本当に・あ、ここも違うじゃねーか、しっかりやってくれよねワシラ道楽でJam作ってるんだから、仕事でやってんなら多少間違えたっていいけどね、なんたって道楽なんだから……
 
今後の秘密計画
これだけ中身の濃い雑誌が八号も続けば当然ネタがなくなる──と思ったら大間違い。いよいよ日本初のストーンド・マガジンに向かって大刷新をしていくつもりだ。

企画としてはデボラ・ハリーをカバー・ガールにする。竹下景子の陰毛丸出し写真をやばい部分にすぐはがれるシールをはって出す。中央線沿線の一般書店売りを開始する。ロサンゼルスの書店にも置く。ロスの『WET』と特約をむすぶ──などが上がっている。
 
読者いろいろ
エルシー企画のジャム編集部で仕事をしていると、よく読者の人から電話がかかって来ます。

「ああ、あのあの、ぼぼく、あの見えてるやつが欲しいんですけど、いえあの、編集の人ですか、ええとあの……ガチャ」

「もしもし………………毛の見えるやつないですか………………修正してないやつ見たいんですけど………………ガチャ」

「あうあう、あう、あのうモデルの人とおまんこしたいんですけど……紹介してくれませんか……………おまんこおまんこガチャ」

「あ〜〜、あぁ、あああ〜〜、ガチャ」

だいたいこういうのがほとんどです。

あと通信販売でポルノを申し込んでくる人がたくさんいますので発送係の社員は大変です。中には一冊千円の本をいっぺんに一〇冊も申し込んでくる人がいます。

Jamの記事に興味を持っている人はたいてい編集部まで遊びに来てくれます。そういう時は忙しいのも忘れて話し込んでしまいますが、おしゃべりの中からアイデアが生まれることも多いのです。

『Jam』のファンに中央線沿線の人が多いのはなぜでしょうか。
今のところお手紙や電話の様子から見て、『Jam』という雑誌を誤解している人が多いようです。『Jam』は決して単にムチャクチャな雑誌ではないのです。
 
あなたにもできる簡単な『Jam』の作り方
①まず果物屋でイチゴを買ってきて砂糖を加え、すりつぶて煮つめます。
②新聞の記事をバラバラに切り離して放り投げ、適当に拾い集めて文章をつなぎ合わせます。
③今までに読んだ本の中で気に入っている文章を抜き書きします。
④写真集、雑誌などから気に入った写真を切り取ります。
⑤④の写真にできるだけ写真の内容と違う文章を考えて付けます。
⑥ポルノ雑誌の中からできるだけイヤラシい写真を選んで切り取ります。
⑦友達に話してあげたいような話や、面白い本の紹介、実際には存在しないレコードや映画の感想などを書いて情報ページを作ります。
⑧ゴミの回収日に人の家のゴミをあさって写真をとります。
⑨⑧で集めたゴミの中から出て来た手紙と、自分で作り上げた人様の手紙とを合わせて読者欄を作ります。
⑩自分が天皇になって読者へのメッセージを書きます。
⑪きのう見た夢を文章に書きなおします。
⑫もう一人の自分をつくって対談します。
⑬自分の性生活を告白します。
⑭『ガロ』という漫画雑誌の中から気に入ったものを選びます。
⑮編集後記と次回予告を書きます。
⑯それらを全部まとめ、一冊にとじ、表紙と裏表紙にクレヨンで絵を描きます。
⑰これらを大きめのナベに入れ、①でできたイチゴジャムを冷蔵庫から出して上からたっぷりかけます。
⑱紙にジャムが十分しみ込んだら火を付け、煮つめます。
⑲これでおいしいイチゴJamのできあがり。

※注意──あまり煮すぎますと、せっかく書いた字が読めなくなるので気をつけましょう。
 
X−LAND 天皇より宝島読者へ求愛のメッセージ
Jam創刊からもう7ヶ月が過ぎて、七〇年代も終わろうとしている。いよいよ世の中は放心状態の度合を強くしているみたい。手垢のついた愛という言葉、死んでしまったと思ったサイケデリックという言葉が今こそ甦る時じゃないかしら。

私はXランドの天皇。「わからない」ということと、「抱かれること」が大好きな、観念の子よ。今、大切なのは目醒めることだと思うの。起きてて見る夢のほうがずっと面白いと思わない?

もしJamを読んで私たちの宇宙にバイブレートできたら、お手紙をください。
 
〒170 東京都豊島区西池袋〇の〇の〇
日東ビル3F ジャム出版・経由
Xランド宮内庁
 
JICC出版局『宝島』1979年12月号所載
f:id:kougasetumei:20171221153846p:plain

★ジャムってロックの雑誌があるけどこれはまた別のジャム。頁をあけると女の陰部にジャムべっとりというカラー・グラビアがあったりする自動販売機雑誌なのだ。山口百恵家のゴミをあさって、使用済ナプキンとか、妹の二八点の歴史のテストを発掘したりして、一躍、勇名をはせた。

ところが、その正体は……というか、表紙とグラビアにはさまれた中味は、大パンク大会。表紙にオナニー&メディテーションなんてあるのもおかしい。編集後記を他の雑誌の編集者が書いたり、日本のパンク・バンドの写真がメチャクチャ入れ違っていたり(わざとやった嫌がらせか?)、とにかく筋金入りのパンク。音楽傾向もどパンクで、ディヴォとか、ペル・ユビュをサイケデリックの構造を盗用した姑息な連中とこきおろす文章ものっていて、ススんでる。

「JAM」ジャム出版 三〇〇円
(東京都豊島区西池袋〇・〇・〇 日東ビル3FB)
※1980年頃『宝島』に載った『Jam』の紹介文より

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解説──パンクマガジン『Jam』の神話

七九年の象徴的な出来事として、『Jam(ジャム)』という同年三月エルシー企画から出版された「伝説の自販機本」の創刊を取りあげたいと思います。

「自販機本」とは、アリス出版、エルシー企画、アップル社、土曜漫画等の出版社が出版していた成人向けの娯楽読み物雑誌、いわゆるエロ本のことです。「本」と書きましたが実態は中綴じの雑誌で、おおかたは六十四ページ前後、カラーグラビアには大股開きのきわどいヌードを載せ、女性の性体験告白記事あり、性の事件簿あり、官能小説ありと、バラエティに富んだ内容でした。(中略)

当時、エロメディアは、世の中に「不足」していました。ビニール本やアダルトビデオの登場するまで、エロ本は、一定分量エロ要素が載ってるというだけで、内容は問われることなく、大半が「つくれば売れた」のです。

「エロさえ載せておけば、何をやってもいい」ということでこの世界に入ってきた若い編集者たちは、インチキな「性告白記事」だけ載せるのではなく、思い切った画像表現(女性器の接写、ストーリー性のあるポルノ、レイアウトや製版上の実験など)、水準の高い活字表現(パロディ、ブラックジョーク、劇画・音楽などサブカルチャーの評論など)を載せはじめました。

そんな数ある自販機雑誌のなか、アバンギャルドなおもしろさ、きわどさで群を抜いていたのが『Jam』でした。創刊号で山口百恵の家から出たゴミを漁ってきて誌面掲載して、大きな非難と反響を巻き起こしたことで「伝説の雑誌」とされていますが、実はこの雑誌の白眉は活字の部分でした。

プロレス、神秘主義、フリーミュージックなど、異色の記事を載せていました。また、(これは当時も禁じられたことだったのですが)著作権くそくらえとばかりに、『Jam』は海外の雑誌などからおもしろそうな記事や写真をバンバン盗んできてページを構成していて、全く「やりたい放題」です。そんなことから当時、自動販売機の雑誌の世界でひそかにビッグバンが起きていたのではないかということを以前から常々考えていました。

もっともラディカルなものは、サブカルチャーの底辺から生まれるというのが、私の基本的な考えです。大手資本はブームを待ち、そのカルチャーを水増しして取り入れ、牙を抜いて、大量販売します。ただし『Jam』のおもしろさはおそらくメジャーには消費されないでしょうし、最後まで理解されないでしょう。なぜなら表現の根底に、跳ねあがりものたちの消そうとしても消せない「毒」と「抵抗精神」があるからです。

私は、過剰な除菌やデオドラントの健康志向は、生きものとして、衰微のあらわれではないかと考えています。少々の毒、もしくは異物をも受け入れられることが、人間および社会の健康の証ではないかという立場に立つ人間です。
社会の常識や良識は往々にして生きる力や自由を押さえつけようとし、独創的に生きようとする人たちをLINEから排除したり冷笑を浴びせたりするような傾向がありますが、これに対抗するにはある程度の「毒」と言う思想が不可欠ではないでしょうか。(赤田祐一)

※この文章はエディトリアル・デパートメント『スペクテイター』Vol.39より引用されたものです。
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『SPA!』1996年12月11日号所収

“[鬼畜]たちの倫理観”と題した鬼畜大特集。
ロリータ小説家の斉田石也、V&Rプランニング代表の安達かおる、『BUBKA』編集長・寺島知裕、KUKIの鬼畜レーベル餓鬼の山本雅弘、特殊漫画家の根本敬らにコメントを求め、ショップ「バロック」周辺のお客さんに質問し、『FBI心理分析官』著者のロバート・K・レスラー、『すばらしき痴呆老人の世界』著者の直崎人士、横丁の性科学者こと松沢呉一らが鬼畜ブームに一言呈し、シメは青山正明村崎百郎の対談「鬼畜カルチャーの仕掛け人が語る欲望の行方」。

当時、両者とも東京大学駒場キャンパスで講義するほど注目を浴びており(岡田斗司夫氏のゼミ「国際おたく大学/おたく文化論」)、それの記念なのか東大前で撮影した写真が掲載されている。(この文章は以下のウェブサイトより転載された)

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