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教師の研修の質

 昨日から北海道内での民間教育研究団体の研究会がいくつも始まっています。教師が自ら旅費・宿泊費、参加費をだし、自分たちで企画・運営しての研究会です。
 教育の背景にある社会状況はどうなっているのか。困難な時代に教師としてつぶされずにやっていくためにどうすればいいのか。参加した教師自身の失敗談や悩みも率直に出し合い、共有し、解決の方向を考え合う。これこそが、教師の質を向上させる研修なのだと思います。
 一般の人からすれば、教育委員会の研修にいっぱい出ている教師ほど熱心で良い教師と思われるかと思いますが、教育委員会主催の研修の質の劣化は深刻です。教育委員会のスタッフ自体が教養不足の浅知恵の話しかできず、そのあとは、決まって「グループ討論」という参加者への丸投げです。討論の柱や方法についてのサポートもほとんどない。というか、する力がないのです。
 教育委員会の中に良心的で優秀な人がいないわけではないのですが、残念ながら少数なのです。
 教師の自主的研修の保障こそが、国民・子どもたちの求める教師の質向上につながるとつくづく思います。
 山田昌弘中央大学教授の最新著(先月出版)が、この国も課題の背景分析をしています。若者の就活問題、未婚・少子化問題等は、この国の「変わらない」ことに問題があるというのです。
 その中の「大学の高校化」について次のように述べています。
 
   「大学の高校化」が起こっているとしかいいようがない。
  学生は卒業という資格を手に入れるため、試験に通る程度の勉強はする。興味があれば深く学んでもよい が、面白くなければ適当にこなすだけの勉強しかしない。
  大学も就職のための講義を設けたり、外部から企業人や資格保持者を招いたりして、学生の就職をサポートするところが多くなっている。
  大学も就職活動のサポートに熱心であることを、宣伝材料にするようになっている。このままいくと、将来、大 学の先生が学生と親と三者面談をして、学生が「受験」する会社を決めるといったことが現実のものとなるかも しれない。
  大学生の期間は就職の準備期間となり、将来のことをあまり考えることなく、自由にやりたいことを追求する 期間ではなくなってしまったのだ。
  このような状況下で、大学として、そして、大学の教員として何ができるかを考えてしまう。市場原理が働くか ら、大学を高校化させ、予備校の機能を持たせた方が、学生の人気は高くなるだろう。就職に役立つ講義や資 格試験準備の講座をすれば、学生の評判はよくなるだろう。しかし、それで若者が本来持つはずの、革新性、 多様性を育てることができるのだろうか。
 これ以上長い引用は著作権の問題もあるので、ぜひこの『なぜ日本は若者に冷酷なのか』東洋経済新報社をお読みください。
 このような動きを導き、強化しているのがキャリア教育であり、その最大の、未来への恐ろしい影響は、山田さんが書いているように「革新性、多様性」の喪失なのです。どのような立場からも社会の収縮・閉塞は危険なことだと思います。
 社会の未来のためにも、キャリア教育は危険で有害なものなのです。
 
 いつまでたっても「学力向上」騒動が終わりません。大人の多くが受験体制で育った世代になってしまったことが強く影響しているのだと思います。
 しかし、肝心の「学力」とは何かは、ほとんどの人が知らず、考えてもいないと思います。政治についても、その時の気分で選択が行われ、選挙制度の影響もあり、結果が極端に振れてしまう。
 この国の国民の「教養」のなさがあらゆるところで出てしまっています。
 「学力」という表層的なものの暗記・操作競争ではない、自ら思索し、判断・行動できる「教養」の形成こそが、教育の目的とされなければならないと思います。

教科書と時の権力

 学校ごとの実態差が大きく、学校単位での採択が行われている高校教科書採択への、制度を無視した介入が今年、東京、神奈川、大阪などで行われました。これも驚くべきことでした。社会主義国(や韓国など)を除いて、教科書を国家が作成・検定している国はありません。そんなことをするなら、その時々の権力の考えで教育が行われ、大きな過ちを生んでしまうと考えるからです。
 しかし、今動いているのは、政府見解を取り上げる、判例の確定していないものについてはあまり扱わないなど、時の権力の考えを子どもたちに植え付けようとする、北朝鮮のようなことです。
 先進国、民主主義国家の教科書のあり方はどうあるべきか、という観点でこの問題は考えるべきではないでしょうか。北朝鮮顔負けのことをするのではなく。
 今年の教育政策の大きなものとして、教育委員会の位置づけの変更の他にまず目に付くのは、いじめ防止対策基本法の施行です。
 戦後4番目と言われる「いじめ」の社会問題化に出された対策は、いじめる子を「悪」として厳しく罰するというものでした。
 問題を抱える社会。その中で最も多感な自他意識を持つ思春期、いじめは必然のように起こります。いじめられていた子がいじめる側になることもあります。問題のなかった子が、家庭的な要因などにより、いじめを始めることもあります。そんな子どもの環境や心を丁寧に見つめずに、いじめられた子は救うけれど、いじめた子は「悪」として罰し、排除していくということでいいのか。大きな疑問が残ります。
 いじめの被害者を生まないために全力を注ぐ。最優先で対処する。それは当然の大前提です。しかし、いじめを「善」と「悪」と単純に区分けし、力で抑えるということはあまりにも乱暴です。
 力で解決する社会こそが、いじめの土壌になっているのに、これでいいのか。いじめ問題を一時のものとせず、丁寧に考え合っていくことがこれからも必要です。

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