小林泰三『方丈記的ブログ』

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偽善者の親切

ある幅広い道路の横断歩道での、この手の話はよく聞くかもしれません。

夕方、帰宅するサラリーマンがたくさん赤信号を待っていました。
で、信号が青になったとたん、ドドド、っとサラリーマンがこちらに向かって歩いてきました。

その大きな波が過ぎ去った後、よく見ると一人の男性が、ゆっくりゆっくり横断歩道を渡ってきます。まだ、4分の1も進んでいません。
見た目60歳代後半の男性で、おそらく大病を患い下半身に障害が残ったのでは、という印象を受けました。

ハラハラしながら見ていると、案の定、ちょうど半分のところで信号が点滅、すぐに赤になってしまいました。


「え、どうしよう。」

私も躊躇します。
誰も何もしないので、あれ、心配する私の方がおかしいのか。

でも、どうも気になります。

思い切って、赤信号になった横断歩道に入り、まずは進もうとする車に腕を広げて動かないようにお願いしました。
そう、腕を広げながら、笑顔で頭を下げて。
皆さん、分かって待ってくれます。

で、車が動かないのを確認して振り返り、ちょっとでもお手伝いをしようと、その男性に近づいていくと、

「ドント、タッチミー!!」

え?え?怒られた? しかも英語で!?!?
(むちゃくちゃ、日本語発音でした)

やっぱり焦っているからか、嫌がるなら仕方ない。
ちょっと距離を置いて見守りました。

そしてその男性が横断歩道を渡り切るのを見届けて、距離を置いたまま
「大丈夫ですね?」
と聞くと、

「はい!!」

と迷惑そうにちょっと切れ気味で言われました。
あらら、渡り切っても、怒ってる。

なので、ちょっと私もイラっとしてその場を離れました。



その男性にとっては、このような危険は毎日なのでしょう。
なので、彼にとって私がした親切は、その数多い危険の一つを助けてくれたくらいで「善人ぶるな」ということなのでしょうか。うざいと感じたのでしょうね。
それほど、彼の苦しみと社会に対する不信感は根深いものなのかもしれません。

ここは、私は出しゃばらず、車の運転手の良心に委ねればよかった?
でもこの時期の夕方、すでに真っ暗でした。危険には違いないはずです。
それが、東京のマナー? ん〜、分かりません。


親切する方も、される方も勉強が必要ですね。

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