小林泰三『方丈記的ブログ』

デジタル復元で、美術はもっとたのしく身近になる

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なんと、金剛寺の「日月山水図屏風」が重要文化財から国宝に指定されましたね!
実は私は、この屏風の色彩をデジタル復元しレプリカを作成、ときに「賞道」にて皆様に楽しんでいただいております。

でも、本当の素晴らしさが分かって、国宝に指定されたのかなぁ……。というのも、やっぱり原色にして、当時の環境にしないと屏風は本当のメッセージを語ってくれないのですから。

原寸大に復元した「日月山水図屏風」は、WOWOWの番組「美術のゲノム 第伍巻」で、所蔵されている金剛寺に持ち込んで鑑賞したのですから、受け取ったメッセージは本物、そりゃもう間違いありません。
さらに贅沢にも、本物の「日月山水図屏風」を目の前に、比較しながらの鑑賞です。
国宝でなく、まだ重要文化財だったからこそギリギリ実現した、今では考えられない貴重な機会でした。
イメージ 1

みんなが見ているのが復元した「日月山水図屏風」。後ろにあるのが、本物の「日月山水図屏風」。私の後ろ姿越しに見える背の高い男性が白洲信哉さん。(その間には、いとうせいこうさん、進藤晶子さんがいらっしゃるはずです)
白洲信哉さんは、いち早く「日月山水図屏風」の素晴らしさを世に伝えた随筆家・白洲正子の孫にあたり、その受け継いだ審美眼で現代の文化人の中でも稀有な存在です。

そして、肝心の鑑賞のポイントは、小林美術科学のサイトでも紹介しています。ぜひご覧ください。
でもやっぱり読んだだけでは、頭で理解しても感覚的には分かっていません。
ぜひぜひ本物のメッセージを体験しに、「賞道」へご参加ください。今は、関西の「賞道のすすめ」の受付をしております。
より、お申込みくださいませ。(ちなみに今回は「黄色不動明王像」を鑑賞します。)


本当にめでたいことではありますが、何か私は、運命的なものを感じております。
この番組が放送されたのは、実は、2011年3月7日。東日本大震災の4日前です。私と家族の人生が、がらりと変わるその直前でした。
描かれている風景が、荒れ狂う海に抗うようにそびえる山々。いえ、山が波に翻弄されている、という感想を私は以前から言っていたのです。
イメージ 2
そして、私の言う鑑賞法もこの作品の場合、自分たちも波と時に翻弄されるように、ふたつの屏風をめぐるのです。

それから7年たってからの国宝指定で、そして明日が3月11日です。
なぜ私はこの作品を選んだのでしょう…
何かを私に伝えているような気がしてなりません。


いよいよ色々と展開して活動が本格化するにあたり、7年前のことを思い出し、気を引き締めなさい、ということかもしれません。

皆さま、引き続き、デジタル復元師・小林泰三と賞道を改めてよろしくお願い申し上げます。

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2005年愛知県美術館で開催された「自然をめぐる千年の旅・山水から風景へ」展。初めて日月山水図屏風の前で1時間ほどぼーっとしていました。遠い過去のどこかで、四季を経巡る貴重な時を過ごしました。

2018/3/10(土) 午後 8:01 [ 12345 ] 返信する

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> 12345さん
白洲正子が紹介してから、だんだんとフォンが増えて、知る人ぞ知る名品となっていました。確かに、目の前から立ち去りがたい、唯一無二の魅力にあるれる作品ですよね。

息がかかるほど(実際はかけていません)ほど近づいて、見せていただけたのは、本当に感動的でした。
おっしゃる通り、四季の移ろいがこれほど流動的にそして劇的に絵かがれた作品はない、と私は思っております。(^^)

2018/3/10(土) 午後 10:26 [ 小林泰三 ] 返信する

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