小林泰三『方丈記的ブログ』

デジタル復元で、美術はもっとたのしく身近になる

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実は「日月山水図屏風」のお話、前のプログの範囲に止まらず、本当、今回の一連の流れは、不思議でなりません。
非常に長くなりますが、それだけご縁にご縁が数珠つなぎになっておりまして… もしよろしかったらお付き合いください。

そもそもは、私が企画と出演をしたWOWOWの番組「美術のゲノム」の制作プロデューサーに久しぶりに飲みに行ったのが始まりです。
それが3月の初め。その時に番組構成のHさんが「ネタがあるので会いたい」とおっしゃってたのを聞きます。

それはいいタイミング、何ならもっと関係者を誘って番組の同窓会をしましょう、ということになりました。
つまりは番組の進行役、いとうせいこうさんにもお声がけしてみることにしたのです。

その時に、「日月山水図屏風」が国宝に指定されます。「美術のゲノム」の5回目に取り上げた作品で、謎の多い室町時代の傑作です。
せいこうさんにご連絡する枕詞に、「日月山水図屏風が国宝に指定されましたね」とメールすると、「実は、近々(この屏風を所蔵されている)金剛寺に呼ばれてトークするのです」と返事がありました。えー、すごい偶然ですね、ってことから、同窓会へのお誘いもスムーズになりました。

しかし、せいこうさんの快諾をいただいたものの、それこそお忙しい方ですからスケジュール調整に手間取ります。いくら候補日を挙げても上手く合いません。
それでひと月くらい経ってしまい、半ば諦めてしまいました。
イメージ 2

そんな間に、別件で、ミニ屏風の新作を用意することになり、デジタル復元した緑が新緑の季節にふさわしい「日月山水図屏風」を提案したところ先方に気に入ってもらい、急きょ制作することになります。
つまり、眠っていたデータを呼び起こし、再び私の個人的な制作活動の中でも、この作品が表に躍り出てきたのです。

イメージ 1

さらにさらに、不思議なことが続きます。
新しく国宝に指定されたのでこの「日月山水図屏風」が東京国立博物館で展示されることを知った日に、せいこうさんの事務所から急きょ「来週の水曜日会えます」との連絡が!
そこで動けるのがHさんと私だけでしたが、貴重な機会なので、このチャンス逃すわけには参りません。
急きょ、せいこうさんの最後の仕事場近くの隠れ家的場所を確保しました。

いよいよ当日、私はお店から離れてない六本木ミッドタウンで、せいこうさんへのプレゼントを買いに行ったのでした。
「確か日本の伝統工芸品をセンス良く売ってる店があるはず」という店で、私は一品買い求めたのですが、その時にあるチラシが置いてあるのが目に入りました。
それは「白洲 宵遊び」というもので、現代随一の目利き白洲信哉さんが日本酒と器のお話をその店でされるというものでした。
イメージ 3

参りました。この白洲信哉さんは、「美術のゲノム」「日月山水図屏風」の回のゲストにお呼びした方だったのです。
せいこうさんにお会いする夜に、白洲信哉さんのトークの会に参加する申し込みをする…
何とも不思議でなりません。

後日、実際に白洲さんにお会いするすると、「あの復元した日月山水図屏風は、よかった。今どこにありますか」と、嬉しいお言葉!
実はWOWOWの美術倉庫から引き取って私が管理しているのです。そう伝えたら、また見たい、とも。これを機にちゃんとメンテして、またいつかご披露しようと思いました。


そして一昨日5月3日、関西から子供たちがやってきたのがチャンスと思って、お父さんの仕事ぶりを教えるために、そして一連の「日月山水図屏風」の流れの締めくくりとして私が本物に再会するために、子供たちを東京国立博物館へ連れて行きました。
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すると関西に残っている妻からは、阪急梅田にて展示をしているミニ屏風の「日月山水図屏風」の写メが送られてきました。もう、あちこち緑の山だらけです。
イメージ 5

そして、東京のアトリエに連れて行き、子供たちはメンテを待つ復元の「日月山水図屏風」と対面。やっぱりあまり伝わってないようでしたが、何かのタイミングで、はたと気づいて欲しい、そのためにはこの機会にやるだけのことをやってよかった、と思ってます。
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「賞道」とは何か、という難問に答えを見出し、「賞道」の登録商標も実現したことも含め、何か運命めいた濃すぎる2ヶ月間でした。

…などなど、実にとりとめのない長い文に、最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。
引き続き、賞道、よろしくお願い申し上げます。

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これは素晴らしいですね♪ 実は、あの復原の屏風絵を見て、これほど復原をドラマチックにするものはないんじゃないかと、あの御本の中でも、私的にはピカ一だと思っていました。いや・・実物の(復元屏風)を間近に見られたお子様たち・・・絶対将来、自慢しますよ♪ 梅田の阪急でミニ屏風みられるのですか!!

2018/5/7(月) 午前 0:03 [ 乱読おばさん ] 返信する

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> 乱読おばさんさん
そうなのですか!こんなさぼり気味で長文なブログに、いつもお付き合いくださっているだけでなく、拙著もご覧いただいていて、本当に感謝申し上げます。
私も父の本当の気持ちを理解できた時は他界していましたので、子供たちが気づくのも私が死んでからでしょう。でも、それもいいかと思っています。

2018/5/7(月) 午前 8:44 [ 小林泰三 ] 返信する

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> 乱読おばさんさん
ちなみにミニ屏風の展示は、9日までとなっております。
ネット販売の検討もしておりますので、決まりましたらサイトへ情報をアップします。
ときどき、「小林美術科学」www.kobabi.comをご確認いただけると幸いです。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

2018/5/7(月) 午前 8:58 [ 小林泰三 ] 返信する

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