あの名作「ローマの休日」の舞台化のことである
2年前に上演されたもので
その時に私は声の出演をしたのだが
今回再演されることになったのだ
主役の記者ジョーは吉田栄作さん
相棒のカメラマンに小倉久寛さん
アン王女にはAKB48の秋元才加さんと
ダブルで荘田由紀さん
荘田さんはあの鳳蘭さんの娘である
以前からマキノ作品には
役者として出ていて
声だけの出演もたびたびあったが
このローマの休日では声だけでなんと一人14役である
もちろん初演のときの録音があるので
今回もそのままそれを使えばよいと
マキノからはOKをもらっていたのだが
私はどうしてもやり直したくてわがままを言い
すべて録り直させてもらった
自分で気になる部分が多々あったのと
演出はじめ出演者・スタッフの意気込みに並々ならぬものがあるので
私も少しでもいいものにしたいという気持ちがあったからだ
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稽古用意組まれたセットに立つマキノノゾミ本人。
手前に横たわるのは「謎の人形」。
果たしてその正体は?
もしかすると「生涯でベストワン映画」を挙げろと言われたら
この映画を挙げる人が世界でいちばん多いかもしれない
「ローマの休日」
その舞台化に取り組む勇気もすごいが
それにあたってマキノが出したアイデアも素晴らしい
彼はまず「映画に太刀打ちしよう」とは思っていないという
見に来る観客は全員映画のファンで
映画を越えるものを見ようなんて思っていないという
その上で、どうすればそんな観客を満足させられるかを彼は考えた
芝居の最大の武器は観客の想像力だ
だから彼は映画ならではのシチュエーションを
ことごとく観客の想像に任せる手法をとった
そこで、まず俳優をたった3人にした
主役の王女と記者、そしてもう一人カメラマン
見る人の想像力を最大限に引き出すためにはとても良い方法だといえる
しかし物語を進めるうえで
どうしても必要な人物は多々ある
そこで今回マキノが採ったのが
「他の人はぜんぶ声で出す」という方法だった
それで私がそれをやることになったのだ
何も一人でやることはないのかもしれないが
俳優を3人に絞ったのと同じ理由で
一人にしたかったのだろう
ちなみに私がやるのは
タクシー運転手
ラジオの声
非米活動調査委員
王女の式部官
新聞記者10人
である
とくに新聞記者10人は
ひと言ずつだが「いちどに」登場する
それを私一人の声でやるなんて、完全にお遊びである
あんな感動的なお話でそんなお遊びしていいのか?
いいのだ
芝居は PLAY なのだから
むしろ遊ばなくちゃいけないのだ
そんなわけで私は舞台上にはいないが
あちこち出演している「ローマの休日」
ぜひ観に来てくれ
↓
http://www.umegei.com/schedule/146/
できれば
映画を観た人もまだの人も、
事前に映画を観ておくことをおすすめする
マキノがこだわった「完コピ」シーンもいくつかあるし
逆に「えっ!」と驚くオリジナルシーンもある
それらが絶妙なバランスで
「原作に忠実なオリジナル作品」たらしめている
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マキノノゾミ近影。
メガネを頭につけたまま「めがねめがね」と探し
「あったあった」ともうひとつかけてしまった、のではない。
「役者を見る用」と「脚本を見る用」だそうだ。