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Dr.KIKKIE(KIKI) MSX DeuxLaque
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2010年02月

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MSX View 概観(3)

■MSX VIEW前史 HALNOTE(承前)

手持ちの資料におけるHALNOTEの初出は「MSXマガジン1986年6月号」(株式会社アスキー)である(以下、すべて「MSXマガジン」)。
同年5月21〜24日のマイコンショウでデモンストレーションが実施される予定、ワープロや表計算がマウスで簡単に操作できるすごいソフト! という簡単な告知記事だ。ちなみに、同じ号のHAL研究所の広告でも、ゲームの広告に埋もれるように「もう、コンピュータはノート代わり。キミの日記帳としても使えるぞ!」という、ひどくインパクトの弱い見出しで「現在開発中」として触れられている。何か自信なさげな腰の引けた広告である。

本格的に単独の記事として取り上げられるのは、「1986年10月号」。
これによれば、1986年秋の発売予定とされている。また、開発開始は遡ること2年前、つまり1984年頃、同社の技術者二人がロサンゼルスでマッキントッシュに触れたのがきっかけという。誰かが言っていた「10万円台でカラーのMac」の言葉を思い出させる。
「1986年12月号」では、HALNOTEシリーズ第一弾は1986年11月下旬発売予定とされている。ただし、版面余白に小さく「HALNOTEの発売は2月に延期になりました。」と注記してあり、印刷ギリギリに修正を入れたのだろう。
このときの製品イメージは、ROMカートリッジひとつと、1DDのフロッピーディスク2枚構成で、「ビデオエディタ」と「HALワード(日本語ワープロ)」の構成となっていた。また、起動時点で「バインダ」が表示されるのは製品版と同じであるが、試作版では「バインダの表紙」と「インデックスページ(目次)」があったらしい。
「1987年1月号」では、主要アプリである「HALワード」と「ビデオエディタ」が紹介されている。
「HALワード」は、製品版の「日本語ワードプロセッサ」とほぼ同等の機能。「ビデオエディタ」の名称はビデオ編集ソフトかと思わせるが、基本的にはお絵かきソフトのようである。一応、スーパーインポーズやデジタイズをコントロールする機能も予定されたらしいが、具体的には触れられていない。

結局、87年2月の発売予定も11月までズレ込んでいくこととなる。
「1987年11月号」に、11月発売予定、ただし先行予約者100名にはフロッピーディスク10枚と通信プロセッサをセット販売する旨、切り取りハガキ付きで告知。本文記事でも見開きで紹介。広告が「MSX2が、ワークステーションになる。」と大上段に構えるに対し、記事では「HALNOTEでキミのMSX2もステーショナリーだ!」とスケールダウンする。「業務用の高性能なコンピュータ」と「文房具」では、えらい違いに思えるのだが。
「1988年3月号」で、HAL研究所関係者がHALNOTE発売延期の経緯について思いを語っている。「長く使ってもらう種類のソフトだからチャチなものは作れない。87年夏時点で再検討したとき、世間のワープロの進化が予想以上だった。単漢字変換から連文節変換に対応するなど、ほとんど全面的に書き直した。」とのこと。
「1988年5月号」に通信プロセッサ「Gterm」の紹介記事。欄外のHAL研究所のコメントが「なんとMSX-NETで図形が遅れてしまいます。」となっている。まだADSLもない時代だから遅れるだろうな。
「1988年12月」でカード型データベース「Gcard」の紹介記事。カード枚数は1,000枚まで。1枚のカードに最大20項目設定可能。1項目当たり255バイト(全角で約127文字)、1枚のカード全体で1,280バイトの制限あり。ちゃんと50音順のソートができるのがひとつのウリらしい。

なんでも出てくるインターネットと思いきや、HALNOTEに関してはスクリーンショットすらろくに出てこない。
ということで、今回、週末をつぶして調べてみた。短時間の調査のため不完全であり、間違いもあるかもしれない。ただ、HALNOTEは実に難産なソフトであったことは言えよう。開発から発売まで、なんと永い期間を要したことか。しかし、これが後にMSX Viewに進化し、MSX最後の実機であるA1 GTに搭載されたことまで勘案すると、実に息の長いソフトだったとも言えよう。
さて、余談であるが、検索すると、表計算ソフトの「GCALC」が「GGALC」と誤表記されていることが多い。誰かが一度入力ミスしたものが蔓延していると思われる。安易にインターネットの情報を鵜呑みにせず、自分で一次情報に当たる習慣を大切にしたいと思う今日この頃である。

MSX View 概観(2)

イメージ 1
■MSX VIEW前史 HALNOTE

MSX VIEWを語る前に、忘れてならないのが「HALNOTE(ハルノート)」である。
これは、1987年に株式会社HAL研究所が発売した「統合化ソフトウエア」であり、Windowsが一般的でない時代に、MSX2においてワープロや図形ソフト等についてGUI中心の統一的操作環境を提供する野心的なソフトであった。(29,800円)
パッケージには、大型のカートリッジひとつとシステムディスク2枚(内容は同じで、1枚は予備)及びマニュアルが3冊入っている。
標準機能として「日本語ワードプロセッサ」「図形プロセッサ」「テキストエディタ」が付属しており、これらは「HALNOTEバインダ」というビジュアルシェルから起動される。
起動画面を紹介しようと思ったが、なぜかシステムディスクが見当たらないため、他のサイトの引用に代える。
システムディスクが見つかれば、改めて紹介する。
リンク:「et_levin's HP」の「スクリーンショット」のページ(真中より少し下に「HALNOTEバインダ」のスクリーンショットがある。)

(1) HALNOTEバインダ
起動して最初に表示されるのが「HALNOTEバインダ」である。
これは、Windowsでいうところのエクスプローラに相当する。HALNOTE自体の終了、ファイルの複写や削除といったファイル関係の操作、プリンタ等のシステム全体の設定、「道具」のメニューからアプリケーションの起動、「デスクアクセサリ」と呼ばれる時計やカレンダーなどの小規模なソフトの起動などが行える。

(2) テキストエディタ「TED」
「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「TED」をクリックして起動。
文字通りテキストエディタであり、文字飾り等の機能はない。文字複写や消去、検索、置換等のエディタとして基本的な機能を有する。

(3) 日本語ワードプロセッサ
「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「筆記用具」をクリックして起動。
テキストエディタの機能に、文字飾りや書体変更、センタリング等の書式、簡単な図形の描画、表組などの機能が追加される。

(4) 図形プロセッサ
「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「製図用具」をクリックして起動。
四角や丸等の図形描画、図形の拡縮、網掛け、直線や矢印の描画、文字の追加等の機能がある。ベクトルイメージとして処理しており、MicrosoftのWordのオートシェイプと似た感じである。

(5) デスクアクセサリ
ワードプロセッサ等の起動中に呼び出せるのが「デスクアクセサリ」である。
時計、カレンダー、メモ帳のほか、単語登録や外字作成、電話帳等も標準装備されている。Windows等で見られる「ウィジェット」に近いといえるかもしれない。

(6) その他アプリケーション
上記(1)から(5)はHALNOTEのパッケージに含まれるソフトであるが、次のようなソフトが別売されていた。
「GCALC」:表計算ソフト。グラフも表示できる。(14,800円)
「GCARD」:カード型データベース(12,800円)
「Gterm」:図形通信プロセッサ。Gtermどうしを用いれば、図形を含むデータを送受信できる。(10,000円)
「直子の代筆」:代筆プロセッサ。株式会社テグレット技術開発が開発した自動文書作成ソフトの移植版であり、質問に応じて差出人や宛先等のデータを入力していくとそれなりの例文が作成される。(8,800円)
「LAB Letter」:これ自体は単体のソフトではなく、HALNOTEのユーザー登録者に季報で送付されるディスクマガジンである。追加デスクアクセサリ、画像データのギャラリー、Q&A、HALOS解析、バージョンアップ等の内容となっている。3号まで発行を確認。(MSXマガジンの紹介記事では1,980円であるが、Tagooでは1号3,200円、2号3,300円、3号3,000円となっている。)
「HALNOTEツールコレクション」:これも単体のソフトではなく、アスキー出版社から出版された文字通り各種ツールプログラムを集めたもの。「道具」として「スーパー住所録」「フォントエディタ」「キーマッパー」、「デスクアクセサリ」として「電卓」「万華鏡」「もあ」「らむせーばー」が収録されている。このうち、「万華鏡」はWindowsのスクリーンセーバーのように簡単な動く図形(直線、四角形、楕円)を表示するソフト、「もあ」はテキストビュアでUNIXやMS-DOSのmoreコマンドに相当、「らむせーばー」はHALNOTEの各種環境設定が保存されているSRAMの内容をファイルとして保存するソフトである。(1,200円、ディスクアルバム3,000円)

MSX View 概観(1)

■イントロ

かつて「MSXでカラーのMacを目指す」という、大それた目標のもとに開発されたソフトがあった。
それがHAL NOTEであり、その後継のMSX Viewである。(と思う。)
前者は、このような大それたソフトをMSX2をターゲットに開発したということ自体が驚きであるが、いかんせん、動作が非常に遅かった。
後者は、turboRに移植したものであり、なんとか我慢できる程度の動作速度となった。
Panasonic A1シリーズ最後の、やけくそてんこ盛り機種A1 GTにMSX Viewが搭載されたのは意外であったが、turboRの機能をアピールするには、これ以外にソフトがなかったのかもしれない。
とりあえずは、同機に搭載されたMSX View上で動作するPageVIEWという機能を使って、A1 GTの特長をアピールするDEMOを紹介する。



MSX-DOS2のプロンプトから「view」とコマンドを入力するとMSX VIEWが起動する。
最初の画面は、「VSHELL」と呼ばれるビジュアルシェルである。カレントフォルダにあるファイルがアイコンで表示される。
拡張子によってファイルの属性は判断され、属性によってアイコンが決まる。そして、例えば拡張子が「.TXT」であればエディタが起動する仕組みになっている。「.COM」であればDOSプロンプトから当該コマンドが実行される。
VSHELLでは、拡張子を隠したアイコンだけの表示が基本だが、表示設定を変えることによってファイル名を表示させることもできる。
さて、上の例では何らかのツール上で動作することを示す「トンカチ?」の横に「デモ」と書いてあるアイコンをクリックすると、PageVIEWというツールが起動し実行される。

ここでPageVIEWとは何か?の説明が要るだろう。
MSX Viewでは、「PageBOOK」という機能が提供されており、これはMSX View上で「本」を実現するプログラム群の総称である。
PageBOOKは、紙媒体の書籍のように順番にページをめくっていくこともできるが、ある部分をクリックすると別のページにジャンプしたり、何らかのイベント(例えば、音が鳴る)を起こすといったことができる。
こうった機能を実現するために、「PageEDIT」「PageLINK」「PageVIEW」という三つのソフトが連携している。
「PageEDIT」は、画面に表示される文字や図形等を描画するとともに、一定の動作を行うスクリプトを埋め込むソフトである。
「PageLINK」は、各ページに番号を振り表示順に並べる、いわば製本ソフトである。
「PageVIEW」は、できあがったBOOKを閲覧するソフトである。
なんとなく、Macでいうところのハイパーカードを思い出した諸兄もおられるにちがいない。

そのほか、MSX Viewには、テキストエディタや描画ソフトといったツールを備えているが、それは追々紹介していきたい。

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