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■MSX View PageBOOK(3)
今回も LLP 氏作の「The Gailonia's Animals」。 架空の惑星ガイロニアに棲息する動物図鑑のコンセプトで作成された、全10ページ100KBを超える本格的PageBOOK作品(MSX・FAN 1992年11月号付録FDに収録)。 ツボを心得た達者な筆さばきと自在な発想が楽しい。 図鑑は PageBOOK のオーソドックスな使用方法であろう。 画面上をクリックすると簡単な説明がポップアップする。本文の補足に使える図鑑に適した機能である。 |
デフォルト
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詳細
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■MSX View PageBOOK(2)
今回も LLP 氏作の「Fighter」。 PageBOOK で図形に「色塗り」するときは、大まかに二通りの方法がある。 第一は、ベクトル図形を用いる方法で、前回の紹介した「LET'S C.G.」の彩色部分でとられていた方法である。線色及び塗色を指定し、色を塗る領域を多角形ツールで描画する。 第二は、ビットマップを用いる方法で、前回の「LET'S C.G.」では、最後にオーバーレイされる黒の線画でとられていた方法である。PageBOOKではひとつひとつの文字や図形は「セル」と総称され、セルがレイヤ状に重なった構造になっている。ひとつのビットマップセルには二色しか使えない。 どちらの方法も一長一短があり、特に何色も使うイラストの場合には大きなネックとなる。 そこで開発されたのが、NOAS氏作の「GSVSTD」というツールである。これは、MSXでは最も一般的な「グラフサウルス」というお絵かきソフトで書いたデータをPageBOOK形式に変換するツールである。これを用いると、元のデータが色別にビットマップセル化され、PageBOOKで多色のイラストが簡単に表示できるようになる。 この「GSVSTD」を用いて試作されたのが、今回の「Fighter」である。 イラストを見ていただくと、同じ色の部分が順番に塗り重ねられていくのが分かる。これをMSX Viewだけで作成するのは非常に困難である。グラフサウルスで描画→GSVSTDで変換→PageBOOKに取り込み、といった手順を経れば、手間はかかるが普通のお絵かきソフトで作画できるメリットがある。 写真なども、デジタイズ→SCREEN7形式に変換→グラフサウルス形式に変換→PageBOOKに取り込み、という手順で使えるはずである。 「GSVSTD」のウイークポイントは、データが大きくなり、場合によっては読み込めなくなる点がある。 今回の「Fighter」では、機体が収まるサイズのビットマップセルにすることで、この制限をうまく回避している。最後に背景を星空を描画することで全画面のイラストに仕上げている。 また、SCREEN7の色パレットを用いた色を変える機能も使っている。画面下部のボタンを選択すると、機体の色を変更することができる。このあたりはアイデアの勝ち!という気がする。 なお、今回も個人情報に関係するおそれがあったため、ドキュメントの後半は割愛した。 |
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この休日も HALNOTE のシステムディスク捜索に費やしたが発見に至らず、やむなくハナシを進める。
ちなみに、HALNOTE 関係では、基本セットのほか「直子の代筆」と「ツールズ・コレクション」を所持。このうち、「ツールズ・コレクション」はハードディスクにバックアップを発見するも、システムディスクなしでは致し方ない。 とかく話題の HALNOTE の「遅さ」を動画を用いて万人に体感いただきたかったが、またの機会とする。 「直子の代筆」の大ボケぶりも紹介したかったところである。 ■MSX View PageBOOK(1) ということで、本論の「MSX View 概観」に入る。 通例であれば、MSX View の基本機能をざっと見た上で、各機能について詳述していくところであろうが、今ひとつ使い勝手の悪いビジュアルシェルである「VSHELL」やテキストエディタ「TED」について説明してもお互いに退屈なだけである。いじって楽しい「PageBOOK」の説明をいきなり始める。 まずは作品の紹介。今は亡き「ASCII NET」時代にダウンロードした LLP 氏作の「LET'S C.G.」。LLP氏は、優れたPageBOOK作品をいくつも公表されており、MSX・FAN の付録ディスクにも収録されている。MacのHyperCardに倣って「スタック作家」とお呼びしたい。 作中でも触れられているとおり、超ミニディスクマガジンのノリである。 イラストは実に一枚だけ。しかし、PageBOOK のセンス・オブ・ワンダーは、十分に味わえる作品となっている。 これも作中で触れられているが、MSX View の紹介記事を読んだだけでは今ひとつピンとこない機能であるが、いじってみると確かに「ほほう、思ったより使えるではないかっ」と思わせられる。 簡単に操作を説明すると、イラストの口元をクリックすると「ドキュメントを読みますか?」とダイアログボックスが出て、「はい」を選択すると次のページに進む。画面右上の「< 目次 >」の部分をクリックしてもページ送りできるが、画像をマウスで適当にクリックしてハナシを進めていくのが PageBOOK の流儀である。 以降は、画面の「次ページへ」をクリックして読んでいくことができる。随時、イラストに戻ったり、終了することができる。この「適宜クリックすると、あっちこっちにジャンプできる」というハイパーテキストなノリが、電子書籍の第一の特徴であろう。 クリックによるイベント発生は、ページジャンプに限らず、先に見たダイアログボックスによる分岐やテキストのポップアップなど多彩である。 今回の作品では、胸元をクリックすると「エッチっ!!」、スカートでは「のぞいちゃダメよっ」と怒られるという、なんともな仕掛けがほどこされている。もちろん、もっとエスカレートした演出も工夫次第で可能であろう。面白いかどうかは知らんがね。 イラスト一枚、全体でわずか数ページの文字通り超ミニディスクマガジンであるが、絵心と構成力、そして何よりもアイデアがあればちゃんと作品に仕上るという好例と思う。 なお、本作はさらに数ページあるのだが、多少個人情報に関わると思われる箇所があるため割愛した。また、掲載に当たり許諾をとるべきところかと思うが、連絡先として記載されているネットが既に閉鎖されているため連絡がとれなかった。今回の掲載を機会としてご本人とコンタクトが取れれば幸いである。 |
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■MSX VIEW前史 HALNOTE(承前)
手持ちの資料におけるHALNOTEの初出は「MSXマガジン1986年6月号」(株式会社アスキー)である(以下、すべて「MSXマガジン」)。 同年5月21〜24日のマイコンショウでデモンストレーションが実施される予定、ワープロや表計算がマウスで簡単に操作できるすごいソフト! という簡単な告知記事だ。ちなみに、同じ号のHAL研究所の広告でも、ゲームの広告に埋もれるように「もう、コンピュータはノート代わり。キミの日記帳としても使えるぞ!」という、ひどくインパクトの弱い見出しで「現在開発中」として触れられている。何か自信なさげな腰の引けた広告である。 本格的に単独の記事として取り上げられるのは、「1986年10月号」。 これによれば、1986年秋の発売予定とされている。また、開発開始は遡ること2年前、つまり1984年頃、同社の技術者二人がロサンゼルスでマッキントッシュに触れたのがきっかけという。誰かが言っていた「10万円台でカラーのMac」の言葉を思い出させる。 「1986年12月号」では、HALNOTEシリーズ第一弾は1986年11月下旬発売予定とされている。ただし、版面余白に小さく「HALNOTEの発売は2月に延期になりました。」と注記してあり、印刷ギリギリに修正を入れたのだろう。 このときの製品イメージは、ROMカートリッジひとつと、1DDのフロッピーディスク2枚構成で、「ビデオエディタ」と「HALワード(日本語ワープロ)」の構成となっていた。また、起動時点で「バインダ」が表示されるのは製品版と同じであるが、試作版では「バインダの表紙」と「インデックスページ(目次)」があったらしい。 「1987年1月号」では、主要アプリである「HALワード」と「ビデオエディタ」が紹介されている。 「HALワード」は、製品版の「日本語ワードプロセッサ」とほぼ同等の機能。「ビデオエディタ」の名称はビデオ編集ソフトかと思わせるが、基本的にはお絵かきソフトのようである。一応、スーパーインポーズやデジタイズをコントロールする機能も予定されたらしいが、具体的には触れられていない。 結局、87年2月の発売予定も11月までズレ込んでいくこととなる。 「1987年11月号」に、11月発売予定、ただし先行予約者100名にはフロッピーディスク10枚と通信プロセッサをセット販売する旨、切り取りハガキ付きで告知。本文記事でも見開きで紹介。広告が「MSX2が、ワークステーションになる。」と大上段に構えるに対し、記事では「HALNOTEでキミのMSX2もステーショナリーだ!」とスケールダウンする。「業務用の高性能なコンピュータ」と「文房具」では、えらい違いに思えるのだが。 「1988年3月号」で、HAL研究所関係者がHALNOTE発売延期の経緯について思いを語っている。「長く使ってもらう種類のソフトだからチャチなものは作れない。87年夏時点で再検討したとき、世間のワープロの進化が予想以上だった。単漢字変換から連文節変換に対応するなど、ほとんど全面的に書き直した。」とのこと。 「1988年5月号」に通信プロセッサ「Gterm」の紹介記事。欄外のHAL研究所のコメントが「なんとMSX-NETで図形が遅れてしまいます。」となっている。まだADSLもない時代だから遅れるだろうな。 「1988年12月」でカード型データベース「Gcard」の紹介記事。カード枚数は1,000枚まで。1枚のカードに最大20項目設定可能。1項目当たり255バイト(全角で約127文字)、1枚のカード全体で1,280バイトの制限あり。ちゃんと50音順のソートができるのがひとつのウリらしい。 なんでも出てくるインターネットと思いきや、HALNOTEに関してはスクリーンショットすらろくに出てこない。 ということで、今回、週末をつぶして調べてみた。短時間の調査のため不完全であり、間違いもあるかもしれない。ただ、HALNOTEは実に難産なソフトであったことは言えよう。開発から発売まで、なんと永い期間を要したことか。しかし、これが後にMSX Viewに進化し、MSX最後の実機であるA1 GTに搭載されたことまで勘案すると、実に息の長いソフトだったとも言えよう。 さて、余談であるが、検索すると、表計算ソフトの「GCALC」が「GGALC」と誤表記されていることが多い。誰かが一度入力ミスしたものが蔓延していると思われる。安易にインターネットの情報を鵜呑みにせず、自分で一次情報に当たる習慣を大切にしたいと思う今日この頃である。 |
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■MSX VIEW前史 HALNOTE MSX VIEWを語る前に、忘れてならないのが「HALNOTE(ハルノート)」である。 これは、1987年に株式会社HAL研究所が発売した「統合化ソフトウエア」であり、Windowsが一般的でない時代に、MSX2においてワープロや図形ソフト等についてGUI中心の統一的操作環境を提供する野心的なソフトであった。(29,800円) パッケージには、大型のカートリッジひとつとシステムディスク2枚(内容は同じで、1枚は予備)及びマニュアルが3冊入っている。 標準機能として「日本語ワードプロセッサ」「図形プロセッサ」「テキストエディタ」が付属しており、これらは「HALNOTEバインダ」というビジュアルシェルから起動される。 起動画面を紹介しようと思ったが、なぜかシステムディスクが見当たらないため、他のサイトの引用に代える。 システムディスクが見つかれば、改めて紹介する。 リンク:「et_levin's HP」の「スクリーンショット」のページ(真中より少し下に「HALNOTEバインダ」のスクリーンショットがある。) (1) HALNOTEバインダ 起動して最初に表示されるのが「HALNOTEバインダ」である。 これは、Windowsでいうところのエクスプローラに相当する。HALNOTE自体の終了、ファイルの複写や削除といったファイル関係の操作、プリンタ等のシステム全体の設定、「道具」のメニューからアプリケーションの起動、「デスクアクセサリ」と呼ばれる時計やカレンダーなどの小規模なソフトの起動などが行える。 (2) テキストエディタ「TED」 「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「TED」をクリックして起動。 文字通りテキストエディタであり、文字飾り等の機能はない。文字複写や消去、検索、置換等のエディタとして基本的な機能を有する。 (3) 日本語ワードプロセッサ 「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「筆記用具」をクリックして起動。 テキストエディタの機能に、文字飾りや書体変更、センタリング等の書式、簡単な図形の描画、表組などの機能が追加される。 (4) 図形プロセッサ 「HALNOTEバインダ」の「道具」メニューから「製図用具」をクリックして起動。 四角や丸等の図形描画、図形の拡縮、網掛け、直線や矢印の描画、文字の追加等の機能がある。ベクトルイメージとして処理しており、MicrosoftのWordのオートシェイプと似た感じである。 (5) デスクアクセサリ ワードプロセッサ等の起動中に呼び出せるのが「デスクアクセサリ」である。 時計、カレンダー、メモ帳のほか、単語登録や外字作成、電話帳等も標準装備されている。Windows等で見られる「ウィジェット」に近いといえるかもしれない。 (6) その他アプリケーション 上記(1)から(5)はHALNOTEのパッケージに含まれるソフトであるが、次のようなソフトが別売されていた。 「GCALC」:表計算ソフト。グラフも表示できる。(14,800円) 「GCARD」:カード型データベース(12,800円) 「Gterm」:図形通信プロセッサ。Gtermどうしを用いれば、図形を含むデータを送受信できる。(10,000円) 「直子の代筆」:代筆プロセッサ。株式会社テグレット技術開発が開発した自動文書作成ソフトの移植版であり、質問に応じて差出人や宛先等のデータを入力していくとそれなりの例文が作成される。(8,800円) 「LAB Letter」:これ自体は単体のソフトではなく、HALNOTEのユーザー登録者に季報で送付されるディスクマガジンである。追加デスクアクセサリ、画像データのギャラリー、Q&A、HALOS解析、バージョンアップ等の内容となっている。3号まで発行を確認。(MSXマガジンの紹介記事では1,980円であるが、Tagooでは1号3,200円、2号3,300円、3号3,000円となっている。) 「HALNOTEツールコレクション」:これも単体のソフトではなく、アスキー出版社から出版された文字通り各種ツールプログラムを集めたもの。「道具」として「スーパー住所録」「フォントエディタ」「キーマッパー」、「デスクアクセサリ」として「電卓」「万華鏡」「もあ」「らむせーばー」が収録されている。このうち、「万華鏡」はWindowsのスクリーンセーバーのように簡単な動く図形(直線、四角形、楕円)を表示するソフト、「もあ」はテキストビュアでUNIXやMS-DOSのmoreコマンドに相当、「らむせーばー」はHALNOTEの各種環境設定が保存されているSRAMの内容をファイルとして保存するソフトである。(1,200円、ディスクアルバム3,000円) |



