産婦人科の基礎知識

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「卵巣癌」その4

皆さん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。

今回は、進行期分類の具体的な解説の予定でしたが、その前に、卵巣癌の転移の特徴などを解説します。
  

   ◇   ◇   ◇


卵巣という臓器の特殊性と卵巣癌の転移
卵巣の存在する場所や周囲との関係は卵巣癌の広がり方を考える上で重要になります。
卵巣は腹腔内に露出して、周囲との臓器からはほとんど独立した臓器です。
(卵巣を固定している靱帯や血管は卵巣とくっついていますが、ハンモックのようにプラプラした状態です)
そのため、卵巣に悪性腫瘍が形成されたときには簡単に周囲、とくに腹腔内という閉じた空間内に広がります。
腫瘍などから産生される腹水や腸蠕動によってすぐそばの卵巣や子宮はもとより、遠く肝臓表面や横隔膜表面まで、あたかも種を播いたように転移します。
沢山の癌細胞が卵巣からばらまかれ、それぞれが転移先で腹膜や肝臓表面に根付き、新しい栄養血管を作り出し、同時多発的にどんどん癌が成長してゆくことになります。
卵巣腫瘍が形成されてどんどん大きくなっても周囲に壁となるものがないため容易に巨大化してしまいます。
周囲に進行を妨げる臓器がないということは、癌の浸潤による痛みなどの症状もでにくいということになります。

そのため卵巣癌の患者さんは、腫瘍がかなり巨大になってお腹から触れるようになるか、腹水が数リットル貯まってから病院へいくことになるわけです。
残念ながら、この時、すでに「卵巣癌IIIc期」くらいになっています・・・。
これが卵巣癌が「silent killer」と呼ばれる所以です。


   ◇   ◇   ◇


次回は進行期分類の具体的な解説です。

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