産婦人科の基礎知識

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皆さん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。

今回は一般的な卵巣癌の化学療法について解説します。


   ◇   ◇   ◇


一般的な卵巣癌の化学療法
現在、日本で一般的な卵巣癌で選択される薬剤は以下の二剤併用です。

「パクリタキセル(商品名;タキソール)」(略号;PTX)
「カルボプラチン(商品名;パラプラチン)」(略号;CBDCAもしくはJM-8)

Taxolの「T」とCarboplatinの「C」の頭文字をとって、「TC療法」と呼ばれます。
※TC療法はカルボプラチンの略号であるJM-8からTJ療法とも略されます。

これまで卵巣癌に使用される薬剤はいろいろと変遷してきました。
長らく、CAP療法やCP療法が卵巣癌では使用されてきましたが、タキソール系の薬剤の治療成績がこれまでの薬剤を上回ると言うことで卵巣癌ではタキソール系の薬剤が主に使用されるようになってきました。
タキソール系薬剤は最初、タキソールとシスプラチン(CAP療法やCP療法で併用されていた、抗癌剤ではメジャーな存在です)の併用でスタートしましたが、シスプラチンには「嘔吐、嘔気」という非常につらい副作用がありました。

シスプラチンよりも副作用が少なく(毒性が低いと表現します)、治療効果も同等のカルボプラチンが導入されるようになると、嘔気や嘔吐などの副作用はずいぶんと軽減されました。

私が医者になりたてのころはまだ、CAP療法が多く行われ、副作用である嘔吐、嘔気、食欲低下は大変なものがありました。抗癌剤投与が一ヶ月に一度繰り返されますが、患者さんによっては点滴のセットを見ただけで嘔吐されるほどでした。

TC療法の導入で、投与中の全身管理や点滴の量も減少したため、長期入院管理を行わずに外来で一ヶ月に一度点滴治療をすることも可能となり、現在多くの施設で外来管理によるTC療法が行われています。


具体的なTC療法
タキソールもパラプラチンも点滴で投与する薬剤です。
患者さんの身長と体重から計算した体表面積、腎機能などからその投与量が決定されます。
非常に厳密に投与量が決定されているわけですね。
量が少ないと目標とする効果が得られませんし、多すぎると副作用が強すぎるということになります。

一般的なTC療法はメイン薬剤の投与は数時間で終わります。
タキソールはアレルギー反応という特徴的な副作用があるために、メインの薬剤と投与する前に「前投薬」としてステロイド剤などの投与が行われます。

多くは午前中から点滴が開始され、タキソールは3時間、パラプラチンは1〜2時間ほどで投与されます。
副作用軽減の観点からまずタキソールが投与され、その後パラプラチンが投与されます。
抗癌剤による吐き気を抑制する薬剤なども同時に投与されます。

約半日の点滴が終了すれば一回の治療が終了(1クール終了)です。
この治療を3〜4週間毎に繰り返します。
卵巣癌の進行期などにもよりますが、術後化学療法としては3〜6クールが行われます。


   ◇   ◇   ◇

今回はこの辺で。
次回はTC療法(TJ療法)の副作用について解説します。

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