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双胎のつづきです。
■一卵性双胎
一般には、1つの卵子に1つの精子が受精し、細胞分裂を繰り返して1人の赤ちゃんになりますが、細胞分裂の途中で受精卵が2つに分かれて、それぞれが細胞分裂をつづけて2人の赤ちゃんとなります。
もともとは1つの受精卵から始まっていますので性別が必ず一緒になるんです
一卵性双胎の発生頻度は世界中でほぼ同じといわれています(人種や環境に左右されません)。
1000分娩に対して3〜5分娩くらいです。
一卵性双胎の頻度はどこでも一緒なので、双胎全体の頻度に違いが出るのは、二卵性双胎の数に違いがあるからなんですね。
一卵性双胎は非常に複雑で、1つの受精卵がいつ2つに分割するのかでその後の発育などに違いが出てきます。
受精後非常に早い段階で2つに分割すると、完全に分かれた双胎が発育しますが、ある程度時間が経った後に分割すると極端な例では2人の体の一部がくっついたり、1つの臓器を共有したりする”結合体双胎”となります。
以前話題となっていたベトちゃん、ドクちゃんは結合体の双胎でしたね。
厳密にいうと非常に難しい話になるので簡単に説明します。
□受精後非常に早い段階で分割すると、胎盤も分割して2つになるので二卵性双胎と同じような状態となります。
胎盤も2つあり、2人は別々のお部屋に入っていることになります。
(二絨毛膜二羊膜双胎といい、隣同士の一戸建てに住んでいる感じです)
□少し遅れて分割すると、胎盤が1つだけれども2人の間に壁のある状態になります。
(一絨毛膜二羊膜双胎といい、マンションの隣同士に住んでいる感じです。しかも壁が薄い。)
□さらに分割が遅れると胎盤が1つで2人の赤ちゃんが1つの部屋に入っている状態になります。
(一絨毛膜一羊膜双胎といい、相部屋で住んでいる感じです。とっても珍しいです。)
さらに遅れた場合は2人は結合体となります。
この上の絨毛膜や羊膜での診断を「膜性診断」といいます。
■膜性診断の重要性
一絨毛膜二羊膜双胎では片方の赤ちゃんの血液がもう片方の赤ちゃんの血液に流れ込んでしまう「双胎間輸血症候群」という状態になりやすいです。
ひどくなると2人の大きさが全然違う状態となり、2人とも死亡してしまう可能性もあります。
一絨毛膜一羊膜双胎は2人が同じ部屋の中にいるので妊娠経過中に2人のへその緒(臍帯)が絡み合って、ついには血液の流れを遮断し2人とも突然死する危険性を秘めています。
産科的には超厳重な管理が必要となる状態です。
そんなわけで、私たち産婦人科医が重要とするのは一卵性か二卵性かの違い(卵性の違い)よりも上の膜性の違いなんですね。
妊娠初期に決定しないとわかりにくくなることがあるので、妊娠したら早期受診が大切になります。
◇ ◇ ◇
双胎の管理で注意すべき点は沢山あります。
そのあたりはまた次の機会に・・・。
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