産婦人科の基礎知識

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正常分娩

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「分娩第3期」

皆さんこんにちは。
ご訪問ありがとうございます(^_^)。
赤ちゃんは無事に生まれましたが、胎盤がまだでていません。


   ◇   ◇   ◇


■分娩第3期ー胎児娩出から胎盤娩出まで
赤ちゃんが出生すればまずは一安心です。
私たちも一呼吸おけます。
しかし分娩の終了は胎盤の娩出をもって終了とします。

胎児娩出の後、しばらくすると後産陣痛という子宮の収縮が再開します。
これは胎盤を押し出すための陣痛で胎児を押し出すときほど強くはありません。
程なくして自然と胎盤が娩出されます。

分娩第3期は初産、経産婦さんとも、だいたい20〜30分とされますが、多くは10分以内です。

胎児がいなくなった子宮は急速に収縮し、胎盤との付着面に物理的なずれが生じて胎盤が自然と剥がれてきます。
自然と剥がれない状況を癒着胎盤などといい産後大出血の原因となります。

胎盤が出た後は子宮は完全に空っぽになり子宮は収縮して拳くらいの大きさになります。
このとき子宮は硬く収縮してくれるので子宮の内側からの出血が止まっています。
自然な止血作用ですね。

長時間の分娩や逆にあまりにも早すぎる分娩の時は子宮がちゃんと収縮してくれないことも多いです。
そうすると子宮の内側から水道のように大量の出血が生じて母体の生命に重大な影響を与えます。
子宮弛緩出血といい産後出血の最も多い原因です。

お産直後に一時的に出血が落ち着いていても産後1時間くらいはまだまだ子宮はゆるみやすいので注意深い観察がとても大切です。
産後出血はその対応が数分遅れただけでも大量の出血を(数分間で数リットルと出ます)引き起こしますので、産後、しばらくは注意深い観察がとても大切なんです。
産科はbloody businessといわれるゆえんです。


   ◇   ◇   ◇


正常分娩はこんな感じで進んでいます。
はしょった部分も多いので、やや不正確な部分はお許しください。
今回はこの辺で。

「分娩第2期」

皆さんこんにちは。
ご訪問ありがとうございます(^_^)。
正常分娩のつづきです。


   ◇   ◇   ◇


■分娩第2期ー全開大から胎児娩出まで
子宮口が全開大すると内診しても子宮頚管は触れることができなくなります。
このとき児頭はstationプラス2センチくらいの位置まで下降しています。
分娩第2期とは下降してきた児頭は子宮頚管を通過してしまった時期ということになります。
この後は膣の中を通過してくるだけとなります。
数センチ移動すれば胎児の頭が母体外に出てくるのですが、これがまた大変なことなんです・・・。

分娩第2期の所要時間は初産婦さんで1〜2時間、経産婦さんで30分〜1時間くらいです。

分娩第2期となっても初産婦さんの場合はまだ余裕があるので、陣痛の強さや児頭の下降具合を見ながら陣痛室から分娩室へ移動するタイミングを決めます。
経産婦さんの場合は全開大まえから一気に分娩が進行することもあるので8センチくらいになったら、早めに分娩室へ移動して準備を始めることも多いです。
経産婦さんは全開大近くになると2回くらいの陣痛で膣入口部から頭が出てくることもありますので・・・。

一般的には全開大後に陣痛にあわせていわゆるいきみをかけて行くことが多いですね。
このあたりは分娩のスタイルにより大きな違いが出てきます。(ラマーズ法など)

基本的にはしっかりとした陣痛があれば無理ないきみ(ふんばり)を加えなくても赤ちゃんは生まれます。
しかし、このころになると抑制がむつかしい自然な怒責感(いきみたくなる気持ち)がでてくるのでいきみを逃してストレスの少ない分娩を目指すのであれば、呼吸法のトレーニングなどがとても重要になってきます。
この辺はマザークラスなどであらかじめ指導などが行われていますね。



胎児は膣の中を通過して出生しますが、膣の構造はまっすぐなトンネルではありません。
まっすぐなトンネルだったらお産ももっと楽なんだろうなあと思います。
複雑な形をした骨盤骨の中心の穴を通過してくるために、胎児は4回の回旋を行う必要があります。

胎児はあごを引いて胸につけるように首を曲げ(1)、
その後約90度体が回転し(2)、
児頭が下降し膣入口部から顔がでてくると今度はあごを突き出すように首を後ろにそらし(3)、
最後にまた約90度体が回転して(4)誕生します。
※数字は回旋の数です。

正確に言うと胎児がこのような動きを自分でしているわけではありません。
陣痛の力で押し出される過程でこのような回旋が自然に行われるのです。
骨盤の骨はその場所により横方向の広さと縦方向の広さが違います。
胎児も頭の形や肩幅など広いところと狭いところがあります。
骨盤の狭い方向を通過するときにはそれに適した回旋が行われてぎりぎりの通過が行われるのです。

ワインのコルクを抜くときにまっすぐにひっぱってもなかなか抜けませんが、少し回転させるようにすると抜けやすくなるのと同じような感じですね。(ちょっと違うかな・・・)

ぎりぎりのところを適切な方向ででてくるので、この回旋が何らかの理由でうまく行かないと分娩の進行が阻害されることは容易に想像できると思います。
このこととを胎児の回旋異常といい、分娩第2期がスムースに進まない原因の一つとなります。
この辺も、詳しくは異常分娩の時にやります。

無事に会陰部まで児頭が下降してくると、必要に応じて会陰切開などが追加され、いよいよ出生となります。

「おぎゃー! おぎゃー!」

出生後は基本的にすぐに産声をあげます。
臍帯を切断しお母さんとご対面となります。


   ◇   ◇   ◇


赤ちゃんは誕生しましたが、分娩はまだ終了していません。
胎盤の娩出があります。
今回はこの辺で。

「分娩第1期」

皆さんこんにちは。
ご訪問ありがとうございます(^_^)。
前回分娩時間を3つに分けるとお話しをしましたね。
今回はそれぞれを具体的に見てゆきましょう。


   ◇   ◇   ◇


■分娩第1期ー分娩開始から子宮口全開大まで
陣痛が順調に強くなっている場合、子宮頚管は1センチ、2センチ、・・・・8センチ、9センチと同じ速度で開大してゆくわけではありません。
子宮頚管の開大速度は4センチまではじわじわとゆっくり開いてゆきます。
というよりも硬い状態から軟らかくなるまでそれだけ時間がかかると言うことですね。
4センチを超えたあたりから、急速に開大してゆきます。
同時に展退もよくなってきます。

分娩第1期の所要時間は初産婦さんで10〜12時間、経産婦さんで5〜6時間です。
分娩第1期のかなりの時間が4センチ以下の状態なので、子宮頚管の開大が4センチを超えてくると分娩も順調に進んできたなと少し安心します。

全開大(10センチ近くひらく)ころには子宮頚部は紙切れくらいの薄さににまで引き延ばされていますのでほぼ展退100%の状態になっています。

分娩所要時間の大半がこの分娩第1期であり、遷延分娩の原因の大半は分娩第1期の延長にあります。
分娩第1期が延長する理由として最も多いものが微弱陣痛です。
このあたりは異常分娩のときに詳しくやります。

最初は10分毎に発来していた陣痛も順調に経過し、全開大近くになると2〜3分毎に発来し、持続時間も60秒くらい続くようになっています。

陣痛の痛みは子宮が収縮する痛みで、子宮全体や腰のあたりの痛みになります。
分娩の際の痛みは陣痛だけではなく、非常に硬い子宮頚管が開大して行く際の子宮頚管の痛みもあります。
特に軟産道強靭症があると子宮頚管や膣が伸ばされる痛みが強くなる傾向があります。

子宮頚管が硬くてなかなか開かない場合、内診の指で刺激をして物理的に引き延ばす方法が効果的なこともあります。
(痛みを伴いますが・・・)


   ◇   ◇   ◇

今回はこの辺。
まだまだつづきます。
なかなか生まれませんね。

「分娩所要時間」

皆さんこんにちは。
ご訪問ありがとうございます!

おかげさまで16000ヒットをいただき、記事数も200を超えました。
ブログ開設からあっという間に半年が経過し、沢山の方に読んで頂けるようになってきました。
ひとえに読者の皆さんの励ましや応援があってのことと感謝しております。
まだまだ余力があるので今後もどうぞよろしく(^_^)。


さて、今回の話題です。
分娩はどのくらい時間がかかるのでしょうか?


   ◇   ◇   ◇


■分娩の開始
分娩の開始時期を厳密に決定するのは実は難しいことなんです。
分娩が終了してから、「だいたいあのくらいに分娩開始としよう」といった感じで決められることも多いです。

日本産科婦人科学会の定義では
「分娩の開始時期は陣痛が規則正しく発来し、胎児娩出まで続く陣痛で、陣痛の周期が10分以内または1時間に6回の頻度となった時点」
となっています。
分娩が近づくと血性の分泌物(おしるし)や子宮頚管の開大が起こってきます。

自宅から病院までの距離などにもよりますが、一般的には陣痛間隔が初産婦さんで10分毎に、経産婦さんで15分毎くらいになったら連絡をいただき入院の準備をして受診して頂くことが多いです。
内診や陣痛の強さを評価し分娩開始となっているかどうかを判断します。



■分娩所要時間
初めてのお産となる初産婦さんと一人以上の出産を経験している経産婦さんの場合は分娩の時間経過が全く違います。
一般的には経産婦さんの分娩は初産婦さんの約半分の時間で終了します。
もちろん中には二人目でも難産となり一人目の時よりも時間がかかる方や逆に一人目の時とは比較にならないほど早く分娩が終了する方もいらっしゃいますので、あくまで一般的な目安ということになります。

よく質問されることですが、二人目の出産は一人目の出産の週数よりも早く生まれると思っている方が結構多いです。
これは「二人目は早く生まれる」という表現の受け止め方の違いかなと思います。
分娩開始から出産までの分娩所要時間は確かに短くなりますが、陣痛が始まる時期はその都度の妊娠で違ってきますので必ずしも早く生まれる傾向があるとはいいきれません。
経産婦さんでも予定日を超えることはよくあります。

一般的な分娩所要時間は初産婦さんで11〜15時間くらい、経産婦さんで6〜8時間くらいです。
これらの時間はいろいろな要因で変化しますので一概にはいえず30時間くらいかけてゆっくり分娩が進行しても正常といえるときもあります。
初産婦さんでだいたい30時間を、経産婦さんでだいたい15時間を超える遷延分娩としています。
(長時間になってきたなあという感じです)

分娩所要時間は大きな変化が訪れる区間で3つに分けられます。

分娩第1期:分娩開始から子宮口全開大まで
分娩第2期;全開大から胎児娩出まで
分娩第3期;胎児娩出から胎盤娩出まで

これらは分娩所要時間を単純に三等分しているわけではありません。
大きな変化点としてちゃんと意味があります。


   ◇   ◇   ◇


今回はこの辺で。
次回からそれぞれについて説明してゆきます。
話がややこしくなってきますが頑張ってついてきてくださいね。

「Bishopスコア」その2

皆さんこんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
昨日の続きでビショップスコアの解説をします。

   ◇   ◇   ◇

■3.児頭の位置(station)
児頭は分娩が進行すると子宮頚管、膣の中を少しずつ移動してきます。
この移動を児頭の下降と呼んでますが、この下降具合を表現するのがstationです。
私たちは日本語訳せずそのまま「ステーションどのくらい?」と使ってます。

骨盤骨の一部に坐骨棘という突起部分があり、内診すると膣の奥にふれることが出来ます。
この骨の位置を基準点として「ステーション0」とし、それよりも児頭が下降していれば「プラス」で、下降がまだ足りなければ「マイナス」で表現します。
坐骨棘までまだ2センチほど足りないと判断すると「ステーション、マイナス2センチ」という感じです。
マイナス3センチくらいからプラス3〜4センチくらいまで段階があります。
「ステーション、プラス4センチ」くらいだと、すぐそこまで児頭が下降している(もうすぐ生まれる)状態ですね。


■4.子宮頚管の硬度
子宮頚管は熟化してくると軟らかくなってきます。
まさに熟してきたといった感じです。
子宮頚管の硬度は内診した印象で鼻翼くらいの硬さを「硬」、耳たぶくらいの硬さを「中」、マシュマロくらいを「軟」と表現します。
全部で3段階ですね。
子宮頸管熟化不全があると子宮頚管がなかなか軟らかくならずに、分娩の進行がスムースに進まないこともあります。


■5.子宮口の位置
分娩前に内診をすると、子宮口の位置は後ろの方にあり私の指でもなかなか届かない位置にあります。
それが分娩が進行して児頭が下降してくると子宮口の位置も前へ移動してきます。
内診で容易にさわれるようになるわけです。
子宮口の位置を「後」、「中」、「前」の3段階で表現します。


以上の5項目を内診によりチェックし、総合的に分娩の進行を評価します。


   ◇   ◇   ◇

今回はこの辺で。
分娩は時間経過がとても重要なので、次回はそのあたりのことを。

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