産婦人科の基礎知識

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がんのお話

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みなさん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
いや〜、だらだらと長くなってしまいました。
「がんの話」もいよいよ終わりです。
癌に対する診断や治療などは個別にやりたいと思います。


   ◇   ◇   ◇


■産婦人科受診のすすめ
公的検診はバスなどの集団検診以外にも自分で産婦人科に行き、検診を受けることができます。
産婦人科を受診したときに「公的検診扱い」とするのか、「自費検診扱い」とするのかを選択することができます。
「市の検診でお願いします」と公的扱いとすると検診料としては安いですが、施設によっては超音波検査を行ってもらえないこともありますので・・・。

そこで、是非おすすめしたいのが産婦人科のクリニックや病院を受診しての「自費検診」です。
自費検診なので公的検診のように1000円で終わるという訳にはいきませんが、受けるだけの価値はあります。

産婦人科受診して自費検診をおすすめする最大の理由は経膣超音波検査が併用できることです。
内診や細胞診の他に子宮内膜の状態や卵巣の状態を観察することができます。

子宮体癌は比較的早期から出血という症状が出やすいので、受診も早くなり早期発見されることも多い疾患です。
しかし、全員が出血があるわけではく、またよほどのサイズの子宮体癌でないと内診では発見されることはまずありません。
経膣超音波検査で子宮内膜に異常所見ありと判断すると積極的に子宮体癌検診を行うことが可能です。

産婦人科が扱う癌で、子宮頚癌や子宮体癌とともに重要な癌は卵巣癌です。
卵巣癌は「サイレントキラー」といわれるほど、無症状のまま癌が進行してゆきます。
初診時にすでに卵巣癌3期と診断されることが非常に多いのが特徴です。

そんな怖い卵巣癌ですが、子宮頚癌に対する細胞診のように効果的な卵巣癌検診はありません。
お腹の中の臓器なので簡単に細胞をとってくるわけにも行きません。
また、年一回のチェックでは足りないくらい進行が早いタイプも存在していますので・・・。
しかし、何もしないよりはましです。

前述したように内診だけでは卵巣腫瘍の検出率は決して高いものではありません。
しかし、経膣超音波検査と内診を併用することで、5センチほどの卵巣腫瘍であれば、よほど特殊な腫瘍でない限りほとんど発見することが可能です。
腫瘍の存在だけではなく、同時に腫瘍内部の性状もある程度予測することもできます。
チョコレート嚢腫でも5%くらいは癌化すると言われているので、どんなタイプの卵巣腫瘍かを予想できることは大切です。
最近では40代以上(特に50代以上)はチョコレート嚢腫が疑われれば、その大きさにかかわらず摘出すべきと考えられています。



ぜひ、産婦人科を受診して定期的な経膣超音波検査も含めたがん検診を行っていただきたいと思います。


   ◇   ◇   ◇


今回は産婦人科受診のすすめとして書いてみました。
次回からは子宮頚癌、子宮体癌、卵巣癌について順次やって行きます。

今回はこの辺で。
みなさん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
非常に長く更新をお休みしておりました・・・。

前回はがん検診について、お話しました。
今回はがん検診の問題点などを。


   ◇   ◇   ◇


■日本はがん検診の受診率が低い
私がこのブログを始めた理由の一つに「一人でも多くの方ががん検診を受けてもらいたい」というのがあります。
私は産婦人科医なので特に子宮がん検診ですね。
これまでに、がん検診を受けていなくて進行した癌の患者さんを沢山、診察し治療してきました。
やはり早期発見、早期治療が絶対に重要であると常に思ってきました。
特に子宮頚癌は早期発見でほぼ100%に近い治癒率が得られます。

公的検診で子宮がん検診がすすめられる対象年齢が30歳以上から20歳以上に引き下げられました。
これはとても良い傾向です。
対象年齢が引き下げられたのは子宮頚癌の発生が低年齢化しているからなんです。
「30代になってからでは、検診としては遅い」という判断ですね。

欧米では子宮頚癌検診の受診率は非常に高いです。
18歳以上の女性の80〜90%が過去3年以内に1回以上検診を受けているようです。
ほとんどの女性ががん検診を受けているということになりますね。
一方、日本の受診率はだいたい10〜20%くらいです(データの出所により違ってきますが)。
受診率が全然違います!
当然ながら、20代の受診率はさらに低いのが現状です。

あきらかに、啓蒙活動が足りませんね。
このブログがすこしでも啓蒙になればよいのですが・・・。


■住民検診(公的検診)の問題点
子宮がん検診は子宮癌の検出が最大の目的なので子宮頚癌の有無がわかれば目的は達せられます。
しかし、受ける側は「子宮がん検診を受けたので、婦人科の病気は全くない」と思っておられる方は多いものです。
理想的には子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無もチェックされるべきですが、検診の際、内診をしていないところもあるといいます。
内診をしなくては子宮の異常や卵巣の異常はわかりません。

しかし、内診をしても必ずしも十分というわけではありません。
直径5センチくらいの卵巣腫瘍の内診だけでの検出率は60%〜70%くらいといわれ見逃しも多いのが事実です。
さらに、肥満がある場合はお腹の脂肪のために、内診の精度が極端に落ちます。
内診では分かりにくいくらいのサイズでも、小さいうちに発見し治療した方が良い場合の卵巣腫瘍もあります。
(不妊治療前や妊娠前などですね)

最近の改訂で検診対象が20歳以上になったのは良いのですが、検診頻度の変更は賛成できません。
これまで毎年検診だったのが2年に1度となりました。
正常な状態から子宮頚癌まで進むのは結構時間がかかりますので、欧米にならって隔年となった理由はわかります。
しかし、日本は欧米ほどのがん検診受診率ではないので、効果的に子宮頚癌の早期発見になるのかどうかは疑問です。
卵巣のチェックも考えると私は絶対に毎年の検診をおすすめいたします。

住民検診は自治体が行っているのでやり方は結構違いがあります。
自治体によっては、子宮がん検診の時に超音波検査やHPV検診(子宮頚癌の原因ウイルスと言われている「ヒトパピローマウイルス検診」)も希望すればできるところもあるようです。

このあたりはそれぞれお住まいの自治体にお問い合わせください。
検診方法などは、最近では市役所などのHPにほとんど記載されていますからね。


■がん検診の種類
誤解されている方も多いのですが、住民検診(自治体が住民を対象に実施している公的検診)だけが、がん検診ではありません!
がん検診には住民検診や会社が負担してやってくれる職場検診や家族検診などもあります。

そのほかにも、受けたい人がいつでも受けることができる、「自費検診」というものもあります。
病院やクリニックが実施している人間ドックなどは自費検診になりますね。
総合病院の産婦人科や産婦人科のクリニックを受診して検診することもできます。

少し内容がずれますが、自分で膣内に綿棒などを挿入してそれを提出して検診とするものもあります。
簡単で便利ですが、異常細胞の検出率が非常に低いのが現状です。
私たちは、子宮頚部のごく狭い範囲(直径2センチ以内)を綿棒でこすって検査を行っています。
細胞をとるべき場所というものが決まっています。
それを一般の女性が、盲目的に自分で行うのはどうしても無理がありますね。
この方法での検診はおすすめいたしません・・・。


   ◇   ◇   ◇


今回はこの辺で。
がんのお話もそろそろ終わりです。
こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
暖かくなったとはいえ、朝晩はまだまだ寒いですね。
夜中のお産呼び出しもまだまだ厚手の服が必要です・・・。

癌の話も長くなってきましたがもう少しです。
今回は癌の早期発見のための「がん検診」についてです。


   ◇   ◇   ◇


■癌をみつけるために
宿主に対していろいろな悪影響を与える癌は早期発見、早期治療につきます。
ある程度の年齢になって、子宮がん検診を一度も受けたことがない方の多くはこうおっしゃいます。
「症状が何もないので、がん検診は受けていませんでした」と。

癌を発見するための検査であるがん検診(スクリーニング検査)は症状のない方を対象とします。
「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に基づき、市町村など関係団体により実施されています。
つまり、公費を使ってがん検診が受けられるわけです。
胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、子宮癌がその対象となっています。
その他の癌や病気の早期発見を希望する場合は、病院などが実施している人間ドックを利用することになります。

平成16年にこの指針が改正されました。
子宮がん検診に関しては、その検診頻度が1年に1度→2年に1度に、また対象年齢が30歳以上→20歳以上に引き下げられました。


■がん検診(スクリーニング検査)と精密検査
がん検診は症状のない方を対象に、比較的簡便な検査方法で「癌がありそうか」、「癌がなさそうか」を振り分けて、「癌がありそう」な対象に対して精密検査を行い癌を早期発見し、早期治療することが目的です。
対象となる癌によってその検査法は違ってきます。
レントゲンを利用したり、細胞を採取して検査したり、便の成分を検査したりします。

具体的な流れを子宮がん検診を例に説明します。
子宮がん検診は子宮頚癌と子宮体癌の検診があります。
一般的には子宮頚癌の検診が行われます。
しかし、子宮体癌の検診が必要があると判断されたときは専門機関へ紹介となるか、子宮頚癌検診に併用して子宮体癌検診も行われます。
子宮がん検診では一般的には子宮頚癌検診しか行われませんので、子宮体癌も気になるという方は実施施設に問い合わせてみてくださいね。

子宮頚癌や子宮体癌は問診、内診も重要ですが、「細胞診」という検査が特に重要です。
子宮頚部は膣鏡診(クスコ診)で肉眼的に見ることができます。
子宮頚部の表面の細胞を綿棒で採取し、プレパラートという専用のガラス板に乗せて、顕微鏡的な検査(細胞診)へ回します。
この際、痛みはほとんどありませんよ。

プレパラートに乗った数千〜数万個の細胞を「スクリーナー」と呼ばれる検査技師さんが専門の目でチェックして判定します。
正常でない形態をした細胞をチェックし、その量や程度により判定されます。
「正常」か「癌がある」の2段階ではなく、6段階で表現されます。

がん検診の結果が「異常あり」となると、さらに詳しい情報を得るために「精密検査」を勧められます。
「異常あり」でも即、癌というわけではないので誤解のないように・・・。
精密検査は専門の機関である病院やクリニックで行われ、ここで癌があるのかどうかを判定します。

精密検査で「癌がある」と診断された場合は、進行期の決定のためにさらに精密な検査が行われ、治療方針が決定されることになります。


   ◇   ◇   ◇


今回はこの辺で。
癌の話はもう少しつづきます。

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皆さん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
最近は癌の話をやってますが、今回は癌と症状について書いてみます。
とても大切な内容なので、是非読んでみてくださいね!


   ◇   ◇   ◇


■病気と症状について
病気といっても沢山の種類があります。
風邪や肺炎などの感染症、糖尿病などの代謝の異常、脳梗塞や肺梗塞などの血管が物理的に詰まる病気、統合失調症やうつ病などの精神的な病気、体に腫瘤を形成してしまう癌など・・・・。
これらの病気にはそれぞれ「症状」というものがあります。
一般的には何らかの症状があると病院へ行き、検査を受け、診断され、治療を行います。
しかし、病気があっても、かならずしも最初から症状があるとは限りません。
糖尿病などはある程度の状態にならないと、症状を自覚できません。
非常に早い時期から症状が出る病気はむしろ少ないと思います。

しかし、実際には「何も症状がないから、健康だよ」とか、「病気=最初から症状がある」と思われている方は多いものです。
症状が発生してから治療を行ってもあまり問題とならない病気もあれば、症状が発生してからでは「時すでに遅し」となる病気もあります。
カゼは咳や熱などの症状が出てくるときにウイルスが広がって、体に影響を及ぼすようになっていますが、症状がでないと治療の対象とはなりませんね。
癌の場合は症状がなくても、診断されるとなんらかの治療が行われます。
症状がひどくなった頃には手がつけられなくなっていることもありますので・・・・。


■癌の症状について
癌はその性格上、腫瘤が小さい、初期の頃は何の症状もないことが多いです。
子宮頚癌などは出血の症状が出てくる頃には比較的進行しています。
また卵巣癌は腹水や腹部膨満感などの症状が出てきたときにはすでにお腹の中にあちこち転移していることもよく遭遇します。

重要なことは
「癌の初期には症状がないことが多いですよ」
という事実です。
裏を返せば、症状が出てきたときにある程度進んでいる可能性が高い、ということになります。

もちろんすべての癌が同じではありませんよ。
「症状があるからすぐに進行癌だ」とは思わないでくださいね。
症状が出やすい癌と症状が出にくい癌がありますから・・・。
この違いは腫瘍の発生する場所、構造、組織型、悪性度などにより生じてきますが、とりわけ発生する場所は重要な要因です。
癌組織は出血しやすい特徴があるので、出血という症状がでやすい場所に発生する癌や構造自体が出血しやすい癌は発見も早くなる傾向があります。

胃癌で食欲低下や体重減少が出てきたときはかなり進行している可能性があります。
その一方で便潜血があり大腸癌が発見されても早期癌であることもあります。
子宮頚癌による不正性器出血という症状と子宮体癌による不正性器出血は、後者の方が早い段階で自覚することが多いです。
子宮体癌は、子宮頚癌よりも出血しやすい構造をもった癌であるという特徴があるからです。

出血しやすくても自覚できなくては発見が遅れます。
卵巣癌は初診の時にすでにstage3くらいまで進行していることが多いですが、卵巣が腹腔内という場所に存在することが大きな要因となっています。
腹腔内に出血してもなかなかわかりません。
また卵巣は腹腔内でハンモックのようにぶら下がっている状態なので、腫瘍が大きくなるのを妨げるものが周囲になく急速に大きくなる傾向があります。
同じ腹腔内にある、胃や肝臓や大腸の表面に容易の転移するのも特徴的です。

病気は早期発見、早期治療につきます。
特に癌は発見や治療が遅れると宿主の命を奪う病気です。
癌は怖い病気ですが、症状が出現する前、つまり早期の段階で発見することができれば、より小さな手術、より軽い治療で完治する可能性も高くなります。
そこで「症状が出現する前」にがん検診(スクリーニング検査)が重要となります。


   ◇   ◇   ◇


今回はこの辺で。
次回はがん検診のことについてのお話です。

「がんの話」その7

皆さん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
癌のお話しをいろいろ書いてきましたが、基本的なことを書いていませんでした。
癌がなぜ体に悪影響を与えるか、という点です。


   ◇   ◇   ◇


■癌はなぜ体に悪いの?
高血圧があると血管内の圧力が高くなり脳出血を起こしやすくなります。
糖尿病は高い血糖値が細かな血管の増殖を引き起こして失明を起こしてたり、腎臓病を起こしたりします。
良性腫瘍は宿主にさほど影響を与えませんが、悪性腫瘍(癌)はなぜ体に悪いのでしょうか?

癌の特徴を思い出してみましょう。
癌には抑制のきかない増殖力、他の臓器への浸潤力、遠隔臓器へ飛んでゆく転移力などがありましたね。
癌が体に悪いのは以下の点です。

 ・体の正常な構造を破壊すること
 ・正常な機能を奪ってしまうこと

子宮頚癌を例に挙げてみます。
子宮頚癌は子宮頚部に塊をつくり周囲の臓器へ浸潤してゆきます。
周囲には尿管、膀胱、直腸などの臓器が存在します。
尿管まで浸潤がおよぶと尿路を閉塞してしまい、腎臓から排泄される尿が体外に排泄されなくなります。
捨てるべきものである尿が蓄積すると尿毒症という状態になります。

正常な細胞ではない癌の塊は非常に脆く、そのうえ血管は非常に豊富です。
腫瘍が自ら崩れて、直接大出血を起こすこともあります。
子宮頚癌が大きな腫瘤を形成しているときは診察だけで大出血を起こすこともあるため注意が必要です。
出血多量となれば宿主の命を奪ってしまいます。

周辺の臓器や神経に浸潤することで癌による痛み「癌性疼痛」が発生して、宿主を苦しめます・・・。
進行すると麻薬系薬剤であるモルヒネなどが必要となります。

また、若くして子宮頚癌になると治療により子宮摘出となることもあり、通常の方法では妊娠、出産ができなくなります。
強い挙児希望があれば体外受精、代理出産という方法を選択することになります。
(日本では現時点では公に認められていません)
このことも宿主に対しては多大なる影響を与えます。

子宮は人間の生命維持に毎日関与していませんが、肝臓や腎臓、肺、膵臓などは毎日使用している臓器です。
そのため、これらの臓器で癌が進行して機能停止となれば直接宿主の死亡につながります。
肝不全、腎不全といった状態です。


   ◇   ◇   ◇


宿主に悪影響を与える癌は早い段階で見つけて治療するに超したことはありませんね。
次回はそのあたりのお話です。

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