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皆さん、こんにちは。 ご訪問ありがとうございます。 今回は子宮頚癌の放射線治療について解説します。 ◇ ◇ ◇ ■放射線治療とは エックス線やガンマ線といった電磁波を患部に照射して治療するものです。 活発に増殖している癌細胞の増殖能力を低下させて、癌細胞を死滅させるのがその原理です。 子宮頚癌に限らず沢山の癌治療に利用されています。 放射線治療は単独で行われることもあれば、相乗効果を期待して抗ガン剤と併用したりすることもあります。 また、術前に放射線治療を行い腫瘍を縮小させて手術を行ったり、術後に追加治療として放射線治療を行うこともあります。 根治治療以外でも、首のあたりのリンパ節に癌が転移して、急速に増大したことで起こる圧迫症状を改善させるために緊急的に放射線治療することや、骨転移や末期状態に癌性疼痛の緩和目的で放射線治療を行うこともあります。 ■子宮頚癌の放射線治療 子宮頚癌の放射線治療は日本では進行した癌に使用されることが多いのですが、最近では積極的に放射線治療を行う施設も増えてきました。 手術療法に匹敵する治療成績が得られていますので欧米では早い段階から放射線治療が行われています。 おもに、III期やIV期癌、手術に耐えられない高齢者、高度の肥満者、重篤な合併症患者、手術に対して同意が得られない患者などが放射線治療の積極的な適応となります。 子宮頚部の放射線治療は「外部照射」と「腔内照射」が併用されるのが一般的です。 外部照射はおもに骨盤リンパ節の転移巣をターゲットとして、骨盤全体が放射線の照射範囲となります。 放射線治療は周囲の正常組織(膀胱や直腸)にも影響を与えるのでできるだけ正常組織には照射したくないものです。 そこで、内部照射という子宮頚癌独特の方法があります。 膣内に放射線が発生する小型の装置を挿入し、子宮頸部の癌組織のすぐそばから放射線を照射することになります。 放射線治療は一回で終わるのではありません。 一回で癌細胞が死滅する量の放射線を当てると、正常の組織も死滅してしまいます。 そのため癌細胞が死滅する必要な放射線の量を分割して照射してゆきます。 毎日15分くらいの治療を週5回(土日は休息)、それを5週間ほど行います(合計25回ほど)。 非常に進行して原形をとどめていない子宮頚癌の放射線治療が進むにつれて、正常な子宮頚部が出現し始め、治療が良く効いたときは全く正常と変わらない状態の子宮頚部となる過程はいつ見てもびっくりするものがあります。 ■子宮頚癌の5年生存率 治療開始から5年後にどの位の患者さんが生存しているかを表現するのが「5年生存率」です。 これは各個人が5年後に生きている可能性ではありません。 大勢の同じ進行期(ステージ)の子宮頚癌患者さんが全体として何パーセント生存しているかという解釈になります。 データの出所によって違いは出てきますがだいたいこんな感じです。 0とIa期 95-100% Ib期 80-90% II期 65-70% III期 40-50% IV期 10-20% 癌が早期発見、早期治療が重要であることを物語っていますね。 ◇ ◇ ◇ 今回はこの辺で。
次回は・・・未定です。 |
子宮頚癌
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皆さん、こんにちは。 ご訪問ありがとうございます。 今回は進行期別の手術療法について解説します。 日本では比較的早期であるI期やII期は手術療法が、進行したIII期やIV期は放射線療法が選択されることが多いですね。 欧米ではI期から積極的に放射線療法も行われています。 ◇ ◇ ◇ ■期別の手術方法 0期癌 挙児希望がなければ単純子宮全摘術が行われます。 状況により円錐切除術だけで外来管理を行ってゆくことも可能です。 逆に言うと円錐切除術でよいとなるのは非常に早い段階の癌だけということになります。 Ia1期癌 円錐切除術によって診断されます。 手術治療は基本的には0期癌と同じですが、十分注意した術後管理が必要となります。 子宮全摘術を行うときはやや拡大した手術になることも多いですね。 Ia2期癌 円錐切除術だけの手術でよいかどうかは意見が分かれるところです。 挙児希望が強い場合は円錐切除術だけで管理することもありますが、原則は広汎子宮全摘術となる段階ですね。 Ib期〜IIIa期癌 広汎子宮全摘術が基本的な手術になります。 欧米では放射線治療となることも多い段階ですね。 IIIb期〜IV期癌 放射線治療が選択されることが多いですが、状況によっては広汎子宮全摘術と骨盤除臓術が選択されることもあります。 ◇ ◇ ◇ 今回はこの辺で。
次回は子宮頚癌の放射線療法についてです。 |
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皆さん、こんにちは。 ご訪問ありがとうございます。 一般的な子宮頚癌の治療は手術療法と放射線療法です。 今回は子宮頚癌の手術療法について解説します。 ◇ ◇ ◇ ■子宮頚癌の手術療法 子宮頚癌に対する手術療法は以下のようなものがあります。 上から順により侵襲のある大きな手術になります。 ・円錐切除術 ・単純子宮全摘術 ・広汎子宮全摘術 ・骨盤内除臓術 ・円錐切除術 以前解説しましたが、子宮頚部の一部だけを切除するものです。 子宮を温存することができるので、その後妊娠、出産も可能となります。 手術時間は30分以内くらいです。 ・単純子宮全摘術 子宮頚部と子宮体部を切除するものです。 初期の子宮頚癌だけではなく、子宮筋腫や子宮腺筋症などの時も行われる手術で、産婦人科領域ではもっとも一般的な手術となります。 子宮だけを切除する手術であり、卵巣や卵管も同時に切除する場合は「単純子宮全摘術+両側付属器切除術」となります。 子宮頚癌で単純子宮全摘術を行う場合は通常よりはやや多めに膣壁も子宮頚部にくっつけて切除されることもあります。 手術時間は2時間以内くらいです。 ・広汎子宮全摘術 子宮頚癌の手術としては時間も長く侵襲も大きな手術で、メインとなる手術方法です。 子宮、卵巣、卵管のみならず子宮を支えている靱帯(基靭帯など)もまとめて切除する手術です。 骨盤奥深くまで手術を行いますので出血や合併症も多くなる傾向があります。 またリンパ節郭清といって癌の手術には欠かせない方法も併用されます。 広汎子宮全摘術はより進行した癌を対象に行われます。 子宮だけでなく癌が広がっていると想定される周辺の組織も一緒に切除してしまうという考え方です。 リンパ節は高率に癌が転移しやすい場所ですからね。 リンパ節郭清の時間などで変動がありますが、4〜5時間くらいかかることもある大手術です。 ・骨盤内除臓術 膀胱や直腸まで進行した癌に対して行われることがある手術方法です。 放射線治療を選択されることも多く、あまり行われていない大手術です。 子宮や卵巣などはもとより、膀胱や直腸まで一塊に骨盤内の臓器を取り出すという手術です。 外科や泌尿器科とともに行う手術で10時間くらいかかることもあります。 ◇ ◇ ◇ 今回はこの辺で
次回は期別の手術療法について解説します。 |
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皆さん、こんにちは。 ご訪問ありがとうございます。 今回は子宮頚癌の進行期分類について解説します。 子宮頚癌の進み方により手術や放射線治療など治療法が違ってきます。 ◇ ◇ ◇ ■子宮頚癌進行期を決めるための検査 子宮頚癌は治療開始前にその進行期分類を決定します。 進行期を決定するためにはいろいろな検査を行う必要があります。 主なものを列挙します。 ・内診や直腸診 ・膣鏡診(クスコ診) ・狙い組織診 ・コルポスコピー ・膀胱鏡 ・直腸鏡 ・尿路造影 ・胚や骨のX線検査 ・子宮頚部円錐切除術標本 その他の参考として ・CT ・MRI ・腫瘍マーカー検査 などがあります。 これらの検査を行い、子宮頚部の病変がどの位まで広がっているかを評価し、進行期を決定します。 ■子宮頚癌の進行期分類 子宮頚癌の進行期分類は大きく分けて、0期、I期、II期、III期、IV期の5つがあります。 さらにこれが細分化されます。 I期はIa期とIb期の二つに分かれます。 さらにそれぞれが、Ia1期とIa2期、Ib1期とIb2期に分かれますので、I期といっても4つもあることになります。 II期以降はそれぞれがIIa期とIIb期など二つに分けられます。IIIa期とIIIb期、IVa期とIVb期と続きます。 IVb期もっとも進行した状態となります。 0期癌は子宮頸部の上皮内の癌ーつまり子宮頚部の薄い皮の中にとどまった状態の癌です。 Ia期になると別名「微小浸潤癌」といわれます。 上皮内癌の状態から少しだけ癌が子宮頚部の中心に向かって浸潤した(潜り込んだ)状態になります。 この少しだけというのはほんの数ミリです。 顕微鏡レベルで判断される浸潤です。 1b期になるとさらに浸潤が広がしますが、まだ子宮頚部に限局した状態です。 II期になると癌組織が子宮頚部を超えて、周囲の膣や子宮頚部の周りを支えている靱帯などに浸潤した状態です。 III期になると癌組織がさらに広がります。 外陰部に近くあたりまで膣壁を広がり、また骨盤の骨に届くこともあります。 IVa期になるとお隣の臓器である膀胱や直腸の中にまで癌組織が食い込んで広がります。 IVb期は遠隔転移といって、肺や骨、頸部のリンパ節などに癌が転移した状態です。 ◇ ◇ ◇ 今回はこの辺で。
次回は子宮頚癌の具体的な治療について。 |
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皆さん、こんにちは。 ご訪問ありがとうございます。 これまで子宮頚癌として、癌検診や前癌状態、円錐切除術などについて書いてきました。 今後は、子宮頚癌でもある程度進行した状態について解説してゆきます。 今回は進行癌の治療決定にとても重要な進行期分類についてです。 ◇ ◇ ◇ ■癌の進行期分類 ある方が癌と診断されたとします。 この患者さんが気になることは沢山ありますが、いくつか列挙します。 「どのくらい広がっているのか?」 「転移はあるのか?(肺転移や脳転移など)」 「治療は何をするのか?(手術?、抗ガン剤?、放射線治療?)」 「どの程度の手術をすればよいのか?(胃を半分とるのか、全部とるのかなど)」 「どのくらいで退院できるのか?」 「後何年くらい生きられるのか?」 これらの質問に答えるためには癌がどのくらい広がっているのかを客観的に知る必要があります。 癌の広がりを客観的に表現するのが進行期分類というものです。 体中のいろいろなところに癌が発生しますが、それぞれに「進行期分類」というものが存在します。 一般的には進行期分類によって治療方針や予後が決まっています。 つまり同じ子宮頚癌でもより初期の段階とより進んだ段階では、行われる治療が違うんです。 診断時にいろいろな程度、状態の癌を同じ土俵に上げるのがこの進行期分類なんです。 進行期分類は一般に段階で表現されます。 大分類として1段階から5段階くらいまでが使用されます。 それぞれの段階がさらに細分化されるので全体で10段階くらいになるものもあります。 数字が大きくなるほどより進行した癌となります。 進行期分類は病院がかってに決めたのでは基準となりませんので、世界的に統一されたものである必要があります。 治療成績の文献や国際的な学会での発表の時に基準が同じでないと成績の比較などができなくなるからですね。 世界的に権威のある団体や会議で進行期分類を決定しています。 進行期分類は一度決まったら二度と変わらないものではなく、頻繁に改訂が行われています。 数年後との会議でそれまでの治療成績のデータを検討し、進行期分類をより細かく分けたりしています。 我が国の産婦人科領域では ・FIGO(国際産婦人科連合)による国際臨床期分類 ・UICC(国際対がん連合)によるTNM分類 を採用しています。 ◇ ◇ ◇ 今回はこの辺で。
次回子宮頚癌での進行期分類です。 |



