ドクター大島の紬物語り

100,000反の大島紬を検査した男の着物裏話

大島紬 随想

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プロの販売員用のテキストとして発刊された本ですが、
この中に、「本場大島は、自然体」と言う、タイトルで寄稿しています(P42)
今この時代こそ、創る人、売る人、買う人。それぞれの方々に読んでいただきたい。
大島だけでなく、物が満ち溢れている時代、本物とは?、何を基準に選べばいいか?
ヒントになることが一杯書いたつもりです。

人それぞれ、顔も、育ちも違うように、車輪梅の樹液もそれぞれ、
頂いた素材の良さを最高に引き出し、生かすのが職人の仕事。

真ん中の写真の奥に、カンが御座いますでしょう。
白い物が入っているのに、お気付きでしょうか?
何だと思われますか?

これが泥染めの隠し味・・・・・・

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車輪梅も生き物。自然の大きな輪廻の中で生きています。
初めにご紹介致しましたように、今花の咲いている時期。花は、やがて実を結びます。

種を残す為、栄養分は、そちらの方へ運ばれます。
従いまして、樹液は、一定化しません。人間に例えれば、悪阻の時期かもしれません。

5月に入りますと、奄美は、本土より、一足先に、梅雨に入ります。
そうなりますと、やっかいなことに、樹液は、より安定しません。
職人さんは、その情況を、体で、読まないといけません。

十数時間で、よい樹液が取れる場合もあるかもしれないし、
20時間以上煎じないと適した樹液が取れない場合もあるからです。
職人の腕の見せ所でもありましょう。

大きな釜でグツグツ煎じている、画像をアップいたします。熱気が伝わってきませんか。
いよいよ泥染めの、ドラマが始まります。

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山から切ってきた成木の状態です。だいぶ、おおきくなりますでしょう。
一枚の写真切り口をよく見て下さい。茶褐色でしょう。

この植物は、排気ガス等の公害に強いため、街路樹に使われています。
北限は、どこか知りませんが、京都で生活している時、
京都の、堀川通り、烏丸通りの街路樹に植えられているのを発見して、
奄美にしか生育しない物とばかり思っていましたので、びっくりやら、懐かしいやらでした。
案外皆様方の町に、身近にあるかもしれませんネ。

写真の切り口をご覧になり、お気づきのように、南方に行けば、行くほど、茶褐色の色は、濃くなります。北に生育して大きくなったとしても、切り口は、しろっぽいです。
切り口が濃ゆい程、質の良い染駅ができると言うことです。

もうチョット、南に行くと、沖縄。ここでは、グールという植物を使い、久米島紬を染めているのです。

もう一枚の写真を見て下さい。解り易いように、車輪梅をチップ状にして、ざるの中に入れました。
成木を、斧で、チップ状にして、釜で煎じるのです。
細かく刻む程、ティチ木のエキスを、無駄なく、煎じ出す事が出来るからです。

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車輪梅・・・これから何回も登場する名前ですので、覚えていてください。
今年は、チョット早かったかもしれません。車輪倍の花が咲いていました。

車輪梅。学名、ティチ木。
この成木の幹。根っこを、チップ状に刻み、それを大きな釜に入れ、
グツグツと、23〜24時間炊きます(せんじる)。

冷やした、その煎じ汁が、泥染めの染液になります。
此処から泥染のドラマが始まります。

初めにあたり、車輪梅の花をアップしておきます。
覚えていてください。

高齢になつて、視力が弱くなって、機から降りなければならない時が必ず来ます。
機から降りた、長老のベテランの織子は、目が弱くなり、絣は、合わせられません。宿命です。

しかし、指の感触が、糸を知っています。
体の五官が、その糸の性質を、読み取ります。

娘の機の横に、嫁の機の横に座り、緯糸を、管にまく手伝いをします。
強く巻き過ぎると、緯糸が走らず、能率が上りません。
弱すぎたら、緯糸が解け過ぎて、糸の両端を伸ばさなければならず、二度手間になります。

糸を早く巻き過ぎると、糸が抜けて、切れる場合があります。
糸をゆっくり巻き過ぎると、もつれ易くなります。

いづれにしても、緯糸のこなれ具合を五官で読み取り、
一番その糸にふさわしい管巻きをして貰うと
受け取った、娘さん、嫁さんは、とても織り易く、
しかも早く綺麗に織り上がるから、織賃も沢山もらえます。

この様な日々の作業が、母と娘、嫁と姑の絆を強くしていきます。

あたかも、母親が、わが子に聞かせる、子守唄のように、糸繰り節を聞かせ続けていると、
自然と人間関係の大事さ、心配り、間のととり方等も併せて身についてくるのです。

糸繰り節には、このように、母から娘に、嫁から姑に、歌い継がれる人の道でも在るのです。
だから、大島紬の職人の中では、糸は、織る素材を超越した物を抱き続けて来ていますので、
糸を我が命の分身みたいに大事に扱います。

そのような歴史背景の下、糸にまつわる、色々な物語、教訓は、一杯残されています。


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