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〔第壱話・首狩人再び!〕
桜散る散る風に散る、散るは儚き恋の夢、夢路を挫く鬼の爪
百鬼夜行の人の世で、首を狩りましょ鬼の首
私は必殺首狩人、口外法度の首狩人・・・
何時に無く寒い晩春だった、花散らしの風に身を振るわせた染井吉野が花びらを舞い散らせる。
ほろ酔い気分の首狩人・虎殺しの玄竜が、帰りの道すがら派手な宴席に目が行った。
この不景気のご時世に芸者集を侍らせる羽振りの良さ、
何処か大店の主人らしき身なりの良い男が、小判を振りまく度に取り巻きが大喜びで騒いでいる。
その時突然主人が倒れ、蜂の巣を突付くような大騒ぎとなった。
しかし間際に主人の背後に回った女の手元を見逃す玄竜では無かった。
女は目撃した玄竜に気づいていた。
目が合うと一瞬驚いた表情をしたが、
抜けるように白い肌に生える紅い口元をすぐに綻ばせると、ゆっくりと雑踏の中に消えていった。
「なんだ、あの女・・・」
玄竜は春の悪夢を見たような気分に肩をすくめた。
人通りの少ない場所に来た途端、何かを察して避けた彼の頭上にフワリと飛び掛る影があった。
一瞬身構えた玄竜だったが既に何者かに背後を取られ、
振り向いた目の前に女の得物が突きつけられていた。
「あたしが二度もしくじるなんてねぇ〜?とんだドジさ、まぁいい、すぐに死んでもらうよ。」
女の声が囁いたが玄竜は騒がず静かに答えた。
「おっと、そっちの骨も外れるがいいのか?」
得物を突きつけられていたが、玄竜の指も既に女の急所を狙っていた。
「あんた何者だい?このまま只じゃ済みそうも無いねぇ〜指を引っ込めておくれよ。」
女は慌てず玄竜を口説くように囁いた。
「ダメだ、俺は侍と女の言う事は信じねえ事にしてるんだ、そっちこそ引きな!」
ジリジリと後ずさった女は、お互いの間合いから外れるとフワリと民家の屋根に飛び移った。
「すぐに殺してあげるからね、首を洗って待っときな!」
見上げる玄竜をよそ目に、女の紅い口元が妖しく微笑むと風の様に去っていった。
玄竜の目にしばらくの間、黄金色に輝く髪が靡いて見えた。
ふぅ〜っと一息吐くと玄竜は額の汗を拭った、
背後を取られる寸前に避けていた玄竜の袖には、一本の吹き矢が刺さっていた。
「あぶねぇとこだったな、毒針使いか・・・」
再び肩をすくめた玄竜は花散らしの風の吹く中、観音長屋に帰っていった・・・
-----第弐話に続く-----
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虎殺しの玄竜 (首狩人で柔術の達人
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この作品はフィクションです、歴史上の史実・人物とは一切関係有りません。
尚この小説は投稿後も気に入らない部分を校正する場合があるので、
読み返すと違う感じがある場合があります(^^;
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おぉっと!
新作登場ですね!
この殺し屋同士のシチュエーション、良いですね。
女の殺し屋がどうからんでくるのか?
仲間になるのか?好敵手となるのか?
今後の展開が楽しみです。
2009/4/18(土) 午前 1:15
早速の食いつき有難う御座います!
紅い唇でブロンドヘアーの殺し屋、必殺ぽいようなオリジナルぽいような?
正体を是非当ててください(笑
今後話をぐわーーっと拡げていこうか、
ギューッと濃縮しようか目下悩み中です(苦笑
今後とも温かい目で見守ってやってくださいね!
2009/4/18(土) 午前 4:55
真優さん、ナイスありがとうございます(* ̄∇ ̄)ノ
2017/8/6(日) 午後 0:36