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第漆幕 【鳳仙花(ツマクレナイ)】
”芙蓉の方”の側近”柳津”に無礼討ちに遭った
”新吉”の女房”お美津”の一件
その、あくる昼下がり、
”花鳥亭一座”の楽屋の長火鉢の前で
話し込む”菊乃丞”達の姿があった。
「やはり、”アゲハ”はうちらと同じ里の者でしょうな。」
つぶやく”桔梗亮”の見詰める先には
あの一件の日にふらりと楽屋に現れ
その後の凶事を予見した少女が、
楽屋の隅で”ぼたん”や”おはぎ”とお手玉で無邪気に遊んでいた。
”アゲハ”と名付けられた少女はその幼さゆえか?
あるいは他の理由が有っての事か?
何処から来たのか、自分の名前すら言えなかったのだ。
「”梗さん”もあの子の顔を見て間違い無く思ったろ?
あたしの姉さん”花鳥揚羽”(かちょう あげは)の面影を。」
「えぇ、それとあのからくり(能力)は”揚羽”さんと同じもの。」
「恐らくあの子は”揚羽”さんの娘、
何らかの理由で里を出て
母親と同じ能力で知らず知らずの内に、
うちらが居るであろう、ここを目指してやって来たのやも?
道中で降り掛かるであろう様々な危機を幾度も回避しながら。」
”桔梗亮”の言葉を聴きながら
”菊乃丞”はキセルの煙を吐いて虚空を見上げた。
「そう、だからあの子に”アゲハ”と名付けたのさ・・・・・」
遥か古来より近江(滋賀県)の国の、
人を寄せ付けぬ山奥に、
人智を超えた不思議な力を持つと言う者達の言い伝えが有った。
江戸で雇い入れた若い娘たちを
座員として抱えている”花鳥亭一座”だったが、
死者を憑依させ同調出来る”菊乃丞”
己が身体機能の各部を思いのまま操る”桔梗亮”
思念で他人を操れる”おはぎ”と”ぼたん”の姉妹、
一座を仕切る彼ら四名の出自は、恐らく彼の地なのであろう。
「ところで”太夫”(菊乃丞の事)そろそろ・・・・・。」
「あぁそうだったね、日本橋の呉服商、
浜田屋のご新造さんにお誘いを受けてたんだっけか。」
「へぇ、いつもご贔屓にして下さるお上さんで。」
「”梗さん”、確か浜田屋って言うのは、
水野様の所に呉服を納めている大店(おおだな)だったね、
悪いけど、それとなく”芙蓉の方”の事、
探りを入れてみておくれでないかい?」
「お安い御用で、じゃ行って参ります。」
身支度を整えた”桔梗亮”が”菊乃丞”に一礼すると
浜田屋のご新造との待ち合わせ場所へと出掛けて行ったのであった。
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”花鳥亭 菊乃丞”(かちょうてい きくのじょう) ”花鳥亭一座”の座長で一枚目(看板役者)
通称”太夫”(たゆう) ”双業平の桔梗亮”(ふたなりひらのききょうのすけ)
一座の二枚目で”菊乃丞”のボディーガード
通称”梗さん”(きょうさん) ”花鳥亭 萩花”(かちょうてい しゅうか)
若い座員のまとめ役で”牡丹”の双子の姉
通称”おはぎ”
”花鳥亭 牡丹”(かちょうてい ぼたん)
同じくまとめ役で双子の妹、
通称”ぼたん” ”アゲハ”
ある日”花鳥亭一座”に現れた幼い少女
”藤女”(ふじめ)
老中”水野忠邦”の養女で
通称”芙蓉の方”(ふようのかた)
”柳津 月心”(やないづ げっしん) ”芙蓉の方”の家臣
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アゲハの先行きが楽しみです。
2017/11/20(月) 午前 11:34
時代物を書くのは、現代ものより相当手間がかかりそうですね。
私は現代ものでもハードル高いです。
週1・2のブログが、分相応でしょうか。
2017/11/21(火) 午後 9:19 [ 白玉 ]
はこふぐさん、アゲハはまだまだ子供なので、
どう活かしていこうか思案中ですf(^ー^;
2017/11/21(火) 午後 10:05
白玉さん、告白しますと・・・・・
実は思い付きで書いてるんです( ̄▽ ̄;)
そんな訳で3作品を交互に書いて気分転換はかってます、
遅筆ですいませんです。
2017/11/21(火) 午後 10:28
交互に作品をお書きになるのは大変だろうと思いましたが
気分転換なのですか。。。
事実前の筋を思い出すのにちょっと間がありましたが
アゲハで思い出しました。展開が待たれます。
2017/11/22(水) 午後 5:43 [ mizuna ]
mizunaさん、1つの作品を書いてるとずっと詰まるんですが、
3つあるとどれかの良い案が出て来る感じです。
三作品は必殺系、娯楽系、ファタジー&歴史&叙情派系の積りで
書き分けてますが、皆さんには違いは分からないですね?(・・?)
2017/11/23(木) 午前 7:30
★あんなパパ★さん、いつもナイスありがとうございます(* ̄∇ ̄)ノ
2018/1/20(土) 午前 6:50