『Dragons Quest』第

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           【第14話・遊び人G・G】


真の勇者のみが装備出来ると言われる”蒼竜の武具”が、
100年前の聖戦以来ドラゴガルドの各地に納められている事が分かった。

聖戦士の使命に目覚めたリムルダルヴィシュのザックと、ガラ−シャのアンの二人は、
更に仲間となった”ひんがしの国”ヤマトの剣士アスラと供に、
”蒼竜の兜”を求め、それを保有すると言われる極東の強国ヨミューリ帝国を目指し遠路旅立った。


モンモルフォ水道から港町ブランカーサへ、この先はヤマトの執行力の及ばない土地となる。


ア)「この先からヨミューリまではストーン・ロードと呼ばれていて、
            遥かヨミューリから産出する魔法玉が流通しているのです。
    様々な魔法玉の鉱脈を保有する為、ヨミューリは大変栄えているといいます。」
 

アン)「私が大賢者ラル様から聞いた話では、ヨミューリは富める大国であり、
    その為ドラゴガルド中の小国市民からの羨望を集めているとゆう事、想像もつかないわね。」


富める大国・・・山奥の村”リムルダルヴィシュ”で育ち、
自給自足同様の暮らしをしていたザックにはピンと来ない話であった。


港町ブランカーサは魔法玉の交易地点なので警備の為にヨミューリ傭兵団が常駐し、
小さいながらも特需を受け賑わっている。


一般的に魔法玉を埋め込んだ武具、それは手にした者に素晴らしい恩恵をもたらす、
持ち主の闘気や精神力に共鳴して普通の武器の数倍の威力を発揮するのだ。


ヒーリングの効果が有る魔法玉が埋め込まれた杖を使って体力回復の魔法を唱えると、
使用者や周りのものを癒す効果が増幅される。


叉、魔法が使えない者でもその闘気に呼応した効果で敵を攻撃や防御ができ、
ムラマサが鍛えた弓や短刀も、ヨミューリから産出した魔法玉が埋め込まれているのだった。


街で入念な準備をしながら思い出したようにアスラがアンに言った。        

ア)「そうそうアンさん、ヨミューリではみだりに魔法を使うことは禁じられているのですよ。」

ア)「いえ、全く使えない訳じゃない無いのですが鉱脈に乱反射するらしく
   効果が変化しておかしな結果に・・・魔法玉を埋め込んだ武器防具は普通に機能するのですが、
                直接魔法を放つと効果は変化するんです。」


ザ)「だからこの街でも魔道士より戦士が目立つんだね?」


それを聞いてアンは首を横に振りながらガッカリした顔を見せたが、
かまわず話を続けるタモンだった。


ア)「彼の国は、1つの海・1つの砂漠・1つの山脈を超えた先に有ると聞いております、
               ですからブランカーサで砂漠越えの準備をしっかりしておかないとと。」



街を出た一行は砂漠の入り口に当たる小さな集落にたどり着くと、
そこにあるたった1軒の宿屋兼酒場に入り食事を取った。


酒場の隅でやけにご機嫌で酒を飲んでいた1人の男が気になったザックは、
食事を運んできた主人にそれとなく聞いてみた。

ザ)「ご主人、あそこに居る客は誰だい?」

宿の主人は無愛想に答えた。

主)「んぁ!?あぁ〜あいつは鉱脈目当ての山師さ、
             つ〜かほとんど遊び人だな〜相手にしないほうが身の為さ。」


遊び人と言われる男は、ザック達を見つけるとやぁやぁ〜と寄って来た。

男)「やぁ〜兄さん、女連れで鉱脈探しかい?
             羨ましいね〜へっへっへ、ま〜奥さんも一杯どうだい?」


酒臭い息を吐きながらアンに向かって男は酒瓶を差し出したが、
アンは結構ですと手を振りながら部屋の手配に逃げてしまった。

ゴキゲンな男は一向に気にせず勝手にぺらぺら話し出した。

G)「俺かい?俺のことはG・Gて呼んでくれ、まぁ口の悪い奴らは俺の事を
       遊び人と言いやがるが、どうせなら世界一の遊び人にでも成り上がってやるかな!」


G)「やぁ!兄さんイケルくちだね〜もっと飲むかい?」

胡散臭がるザックだったが、気が付くとアスラはG・Gのお酌で一杯やっていた。


ザ)「えっ、アスラは酒好きだったのか!?」


ザックとアンは部屋を手配すると2階に上がっていったが、
G・Gとアスラとの酒宴はいい加減終わりそうな様子は無かった・・・






                                                                           【第15話に続く】



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シンメン・ザック・ワルドー  (ドラゴガルドの地、リムルダルヴィシュ村の猟師


アンジー・ウィルソン・ボレンティーナ   (通称アン、ガラ−シアの町に住む魔道士の娘
アスラ                    (ヤマトの親衛隊副隊長


G・G                     (胡散臭い男
                       


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         【桜の国の物語・後編】



謎の刺客に部下を殺害されたムサシは、翌朝ムラマサにヤマトへの報告書を託し、
レイランと二人で村の周囲を探索し始めた。


「確かこの村の近くに”闇のオーブ”が安置されてる祠があったわね?」

                            「そうだな、そこも調査しないとな・・・」


レイランが言った祠とは、リムルダルヴィシュより更に山奥の、
人を寄せ付けない険しい山奥に作られた祠で、
100年以上前に伝説の聖戦士達が”冥府の竜”を封印したオーブが納められている場所だった。


ムサシ達は早速向かうと、轟音を立てて流れ落ちる大きな滝の後ろに隠された祠に入っていった、
通路の奥の方から邪悪な気が、まるで蛇の様にうねりながら流れてくる。


最奥の部屋の台座に乗った漆黒のオーブが、
ゴーンゴーンと低い唸りを上げつつ渦巻く様に禍々しい気を放っていた。


「聖戦士達が此処に封印したのが分かるな?、そこらに置いておくには危険過ぎる代物だ」

          「そうね、まだ封印が解けてる訳でもないのに邪悪な気が溢れてるなんて・・・」


「ガーァァァア!!」二人の後ろから突然辺りに咆哮が響いた、
二人が振り返ると、いつの間にか1匹の豹頭のモンスターが凄まじい殺気を放って立っていた。


「レイラン、油断するなよ!」


モンスターから目を離さずレイランに合図を送ったムサシは、
ゆっくりと身体を低く沈めると腰の大刀に手を掛け居合いの構えを取った。


「こいつが犯人!?」

レイランも身構えるがモンスターの俊敏さを感じ取り身動きが出来ない。

勝負は一瞬で決まると予感したその瞬間、
モンスターが予想以上の敏捷さでムサシ目掛けて突っ込んできた。

ムサシは瞬速で抜刀し斬り付けたが、モンスターはクルリと反転してレイランに飛び掛った。

カウンターでレイランの奥義【霧氷花鳥陣】がモンスターの足を一瞬で氷つかせると、
身動きが取れないモンスターはムサシの二の太刀を浴びせられ断末魔の叫びを上げ倒れた。  


しかし・・・・・

徐々に姿を変えて行くモンスターにムサシは絶叫した。


「ジャー−−−ック!!」


駆け寄ったムサシがジャックの体を抱き起こすと、ジャックが息も絶え絶えに話し出した。


「この、オーブを見つけた時に・・・何かが俺の身体に入って来た・・・
       何も・・かも・・壊したくなる衝動に駆られた・・・
          オツウの笑顔だけが・・俺を・・・オツウの事を、生まれてくる子を・・頼む・・・」


苦痛に顔を歪ませながら、ジャックはムサシの腕の中で息絶えた。


ヤマトに戻ったムサシはテンノウ・ダイゴに報告すると、
テンノウが引き止めるのを断り親衛隊を辞職した。

その後ムサシは、ジャックの遺言を守る為に生まれたジャックの遺児にザックと名づけ、
オツウ共々リムルダルヴィシュで狩人として暮らしたのだった。




月日はめぐり、幾度か目の春を迎えたヤマトでは・・・


「隊長〜隊長〜何処ですー??」

隊長室で新入りの親衛隊員アスラがキョロキョロと探している。


屋根の上では新隊長となったムラマサがのんびり寝そべっている、
綺麗に晴れ上がった青空を見上げて一言ボソリとつぶやいた。


「ムサシ隊長、春はもう終わりでござるよ・・・」


官舎の横の桜は既に満開に咲き乱れ、花散らしの風に舞踊った花びらがさらさらと流れていった・・・


                          


                                   【完】



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シンメン・ムサシ               (ヤマト国・親衛隊隊長

ナカイドー・レイラン             (親衛隊副隊長
センジュイン・ムラマサ           (親衛隊隊員



テンノウ・ダイゴ                (ヤマト第五十八代国王


ジャック・ワルドー               (リムルダルヴィシュ村の狩人



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    【桜の国の物語・前編】


それは、水ぬるむ小春日和の昼下がりだった・・・


「隊長!!隊長!!何処に行かれたでござるか!?」
新入隊員のムラマサが親衛隊隊長室でキョロキョロと探し回っていた。


「うるせぇぞームラマサぁ〜!俺ぁ〜ここにいるって・・・」


窓の外を覗いたムラマサの頭上、
暖かい日差しを受けて、屋根の上でムサシがのんびりと横になっていた。


「おいムラマサ、お前もこっち上ってみろ。」


ムラマサは窓からヒラリと屋根に飛び上がると寝そべっているムサシの横で座禅を組んだ。


「隊長、レイラン副隊長がご用があるとお呼びでござる。」

                      「慌てるなって新入り、どうだ気持ち良いだろう?」

ムサシの言葉どおり、柔らかい日差しが燦燦と降り注いている。


官舎のすぐ横に大きな桜の木が植わっていて、
張り出した枝に膨らんだ蕾が今にも開きそうに涼しい風に揺れていた。


その時ヒュルッと音を立てた手裏剣がムサシ目掛けて飛んで来た、
一瞬のうちにムサシの姿は屋根から消えうせ、いつの間にか隊長室のデスクに掛けていた。


目の前にクールな表情をしたレイランが控えていた。

「隊長、テンノウがお呼びです至急お越しください。」

            「分かった、お前もちょっとは息抜きしたらどうだ、外は心地良いぞ?」


ムサシは手に持っていた手裏剣をポイとレイランに投げ返すと、
テンノウ・ダイゴの待つ天守室に向かって部屋を出ていった。


「サボってないで降りてきて任務に戻りな!」

窓際に近寄ったレイランは、窓を閉めながら屋根の上のムラマサに向かって言った。


「了解!副隊長殿は千里眼でござるなぁ〜!!」

ムラマサはフワリと屋根から飛び降りると任務に戻っていった。


後に残ったレイランはムサシのデスクの一輪挿しに、
     花ほころぶ梅の枝をそっと挿すと部屋を出て行った。


窓からそよそよと流れ込む春風に梅の香が微かに匂った。



ムサシを呼び出したテンノウ・ダイゴは事の仔細を話しだした。


「ムサシよ、リムルダルヴィシュとゆう村を知っておるか?」

        「えぇ、海を隔てた西の国にある山奥の村ですね、そこで何かあったのですか?」


ムサシは何となくいやな予感を感じつつ話を聞いた。


「ムサシよ、部下を連れて調査に向かってくれぬか。」


リムルダルヴィシュで異変が起きているとの噂から、
ダイゴは探索専門のチーム【鬼童隊】を出動させていたが、早々と連絡は途絶えていた。


ムサシの脳裏には彼の命の恩人であるジャックの姿が浮かんだ、
風の噂でジャックはヤマトの女性と結婚してリムルダルヴィシュに住んでいると聞いていた。


「分かりました、早速向かいます。」


ムサシは親衛隊のレイラン、ウモン、サモンに新入りのムラマサ加え、
ファイブ・マンセルのチームを構成してリムルダルヴィシュに向かった。



ムサシが真っ先にジャックの家をたずねていった、
彼なら何か手がかりを知っているかもしれない。


「やぁジャック久しぶりだな、結婚したんだって? おめでとう!」


ジャックは満面の笑みでムサシ達を出迎えた、彼の後ろでお腹の大きいオツウがはにかんでいる。


「妻は身重でね、とても楽しみにしてるんだよ。」


ムサシは早速切り出した。
「ちょっと聞きたいんだが、最近この村の周辺でおかしな事は起きていないかい?」

ジャックは驚いたように首を振りながら答えた。

「おかしな事が起きてるかだって??、いや、聞いた事は無いな・・・」


その夜ムサシ達はジャックの家の別棟の納屋に泊めてもらい、
母屋ではジャックとムサシが盃を交わしながら昔を懐かしんでいた。

およそ十数年前の事である、ムサシを含むヤマトの精鋭部隊が雪深い北方の地で、
蛮族の討伐中に部隊からはぐれ、猛吹雪の中で命を落としかけていたムサシを、
自分の危険を顧みず助けたのが狩人のジャックだったのだ。

それ以来ムサシはいつか恩返しがしたいと思っていたが、
ジャックは故郷のリムルダルヴィシュに帰ってしまっていた。


そして全員が寝静まった深夜に異変は起きた・・・

「ウグッ」「あぁぁぁぁ!」突然の叫び声に、
瞬時に飛び起きたムサシ、レイラン、ムラマサだったが、
外で見張りをしていたウモンとサモンは致命傷を負って絶命していた。


「一体、誰がこんな事を・・・」


母屋から駆けつけたジャックが驚いた表情で立ちすくんでいた、
庭の隅では、まだ花も付けないモクレンの木が静かに満月に照らされているだけであった・・・



                      【後編に続く】



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シンメン・ムサシ               (ヤマト国・親衛隊隊長
ナカイドー・レイラン             (親衛隊副隊長
センジュイン・ムラマサ           (親衛隊隊員


テンノウ・ダイゴ                (ヤマト第五十八代国王


ジャック・ワルドー               (リムルダルヴィシュ村の狩人


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          【第13話・哀しみの剣士】


             
ヤマトのテンノウ・ダイゴは、蒼竜の剣と蒼竜の盾をザックに託した。

「一刻も早く勇者を探し出し手渡してくれ。」と言って・・・

ルーレイロの街には蒼竜の鎧が、ここ島国ヤマトには蒼竜の剣と盾があった。


残る装備である兜は、ヤマトの更に東の強国ヨミューリ帝国に保管されているとダイゴは語った、
それは一時ドラゴガルド全域を平定していたとさえ言われる大帝国である。


かつてヨミューリ帝国は強力なギガント兵団を擁し、
カワ・カーミ元帥を筆頭にミスッタ将軍、ワン将軍、モリー将軍、ヒローカー将軍といった、
名だたる名将達が率い、向かうところ敵無しの常勝軍団だったという。


エド城でダイゴに見送られたザック達は、
レイランの店で装備を充実させると再び船に乗り込んだ。


ムラマサは宝玉が埋め込まれたそれぞれ金・銀の装飾が施された2本の短刀をザックに差し出した。

ム)「この2本はそれがしが鍛えた【地獄丸】【極楽丸】とゆう一対の短刀でござる、
    以前それがし、ザック殿には二刀流を習得させたとムサシ殿に聞いておりましたゆえ。」

確かにザックは幼い頃より父ムサシから短剣の手解きを受けており、
右手でも左手でも自在に扱えるように仕込まれていたのだった。

ザ)「まさか、今こうして役立つとは・・・」

ム)「これも天の導きとゆう奴でござろう、受け取ってくだされ。」


ムラマサの後ろに副隊長のが同行していた。

ム)「それがしテンノウの親衛隊長の役目があるゆえ此処でお別れでござる、
    この後はそれがしの代わりにこのアスラが同行いたし申す。」


そして、ムラマサはザックに話したいことが有ると言い二人で船の舳先に歩きだした。

ム)「ザック殿だけに話まする、実はアスラはテンノウの御落胤なのでござる。」


以前ヤマトに旅の芸人一座が興行を張って大変な人気を博した事があり、
エド城で天覧興行をする事になった。

その時一座の花形奇術師テンコーを見初めたテンノウだったが、
二人は惹かれ合い一夜の契りがあったのだ。

ヤマトを発ったテンコーは、やがてテンノウの御子を身篭ったのに気づいた、
一人で育てようと決意し産み落としたが若くしてこの世を去ってしまったのだった。


やがて事実を知ったテンノウが引き取ろうとしたが、
テンノウには既にゴダイゴという跡取りがいた。

思案に暮れたダイゴは、後々跡目争いの災いを避ける為にレイランに預け、
一親衛隊員として傍に置いたのであった。


ム)「この事を知っているのはそれがしとレイランの二人だけでござる、
    テンノウはアスラが聖戦士のお役に立てれば本望と敢えて旅出させもうした。
                   それがしからもアスラの事を是非ともお頼み申す。」

全てを聞いたザックは、ムラマサの手を堅く握った。


やがて船はヨミューリ帝国を目指し静かに出航していった、
見送るムラマサは敬礼しながらザックたちに向かってつぶやいていた。

ム)「御武運を・・・」





                                                                                             【第14話に続く】



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シンメン・ザック・ワルドー  (ドラゴガルドの地、リムルダルヴィシュ村の猟師


センジュイン・ムラマサ           (ヤマトの親衛隊隊長
ナカイドー・レイラン             (元親衛隊副隊長・武具商の主人

アスラ                     (現・親衛隊副隊長
テンノウ・ダイゴ                (ヤマト第五十八代国王






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                【第12話・蒼竜の武具】
              

テンノウ・ダイゴは、ザック達をヤマトに呼び寄せた訳を話し始めた。

ゴ)「このヤマトは伝説の勇者ゆかりの地でな、やはり武具が残されておるのだ。」

ダイゴは一層声を低めると更に語り始めた。

ゴ)「我が祖先が天界竜の指示で勇者の為に鍛えたと言われるオリハルコン製の剣とミスリル製の盾の二つが、
聖戦以降この国に預けられたのだ、すなわち”蒼竜の剣と蒼竜の盾”でそれはエド城の宝物殿に保管されておる。」

そこまで話すとダイゴはエド城の奥にある宝物殿に案内した、
鍵が外されると頑強で大きな扉がゆっくり開いて行った。

様々な宝物が並ぶ最も奥の壁に、威厳のある竜のシルエットのタペストリーと共に、
一対の剣と盾が飾られていた。

ゴ)「世界のどこかに勇者は誕生しておるだろう、叉この勇者の装備が必要とされる時が来たのだ。
ザックよ、ムサシの息子のそなたがロメンゾやアンと縁を持ちルーレイロの町で蒼竜の鎧を手にしたと聞いた時、
わしはそなたに聖戦士の器を感じ取ったのだ、是非とも残る武具を集め勇者を探し出し手渡してくれまいか?」

その後ザック達を迎えて王宮内にて大晩餐会が開かれた、
初めて食べる刺身などの山海の珍味に驚くザックとアンであった。

その席で、親衛隊長ムラマサはザック達に1人の侍を紹介した。

彼の名はアスラと言い、幼い頃からレイランに師事しているとゆう、
ザックと同じくらいの若さでありながら既に免許を皆伝される程の腕前だという。

ア)「私は親衛隊副隊長を任されておりますが、まだまだ未熟者でムラマサ殿の足元にも及びません。」

アスラは精悍な顔つきと長く束ねた黒髪が印象的な感じの若者であった。

ムラマサはアスラを紹介すると思い出したように話し出した。

ム)「そう言えば以前宝物殿に忍び込んだ賊がいましてな、それに気づいたタモンが一太刀浴びせたのでござるよ。」

ザックは興味深げにたずねた。

ザ)「ほぉ〜それはどんな賊でしたか?」

それに応えるようにタモンが語った。

ア)「私の奥義はレイラン師匠直伝の氷の剣、斬ったモノは凍りつき動きを止めますが、
盗賊には紙一重でかわされ取り逃がしました、面目次第もありません。」

ア)「その時、賊は自ら大盗賊だと名乗っておりましたのでいずれ再び現れるのではと、
それ以来一層警備に念をいれております。」

話を聞きながらザックはふと1人の男を思い出していた・・・

ザ)「あ、そいつは・・・!?」

ザックはムラマサに向き直ると彼は静かに微笑みうなずいていた。



                               【第13話に続く】


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シンメン・ザック・ワルドー          (ドラゴガルドの地、リムルダルヴィシュ村の狩人
アンジー・ウィルソン・ボレンティーナ   (通称アン、ガラ−シアの町に住む魔道士の娘

センジュイン・ムラマサ           (ヤマトの親衛隊隊長
ナカイドー・レイラン             (元親衛隊副隊長・武具商の主人

アスラ                     (現親衛隊副隊長
テンノウ・ダイゴ                (ヤマト第五十八代国王



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