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忙しい日々を超え久しぶりにminiと出かける心弾む休日を迎えた。
今日は少しだけ遠くに出かけようと朝も早くから
ゆったりとお茶を楽しみながら昼・夜の予定を組んでいた。
湿気と気温が少し高いが空に広がる雲が天然のブラインドになって
日差しを和らげる。
最近の暑さと生活時間の大幅な乱れから来る不安定な体調の波が
少し気になっていた私は、昼食の屋外散策・森林浴の後で、
ゆっくり手打ちの蕎麦を愉しみ、ゆったりと温泉で一息ついてから
山間の夕景をじっくり愉しんでこようとふと思いつた。
せわしない日常を通じて心身のバランスが崩れかけているときなどに
疲労回復に山を選ぶことは少なくない。
おそらく、子供の頃からボーイスカウトなどの活動で山林等の自然の
フィールドに身を置くことがあたりまえになっていたからであろう。
萌え立つ若葉の緑、水のせせらぎ、虫の声、焦がすような紅葉の赤、
落ち葉の香り、凍てつく風、覆い尽くす雪、雪を穿つ自然の息吹。
時節の移ろいを、目で、耳で、香りで、味で、肌で感じる。
この風土に生きていることに喜びを感じる。
これからの時期は特に色々と感じるものが増えてくる。
その中をゆったりとminiで散策をする。
実に愉しい時間になるであろう・・・。
期待に胸を膨らまし、地図と雑誌を照らしながら本日の行動ルートを
あれこれと画策する。
コレもまた愉しい時間だとささやかな喜びに満たされていた。
と、そこに焦りを含んだ親父の声が・・・。
状況が呑み込めないままに振り返ると、そこに不安をたたえた親父の
顔があった。
振り返りざまに親父の顔を確認したまではいいが、その顔が普段
見慣れない表情をたたえているので思わず呆気にとられる。
お互いに無言の時間が続いた。
少しして、親父が一言。
「悪い・・・。ミラー割っちまった。」
予想外の言葉に更に呆気にとられる。
「植木鉢を動かしてたときに不注意でぶつけちまった・・・。」
非常にばつの悪そうな親父の顔を見ながら、状況の確認をした。
「ま、形あるものが壊れるのは仕方ない話やし、故意じゃないんだから。」
普段見慣れない親父の顔をがあまりに印象的過ぎて、自分も動揺を隠せず、
思うように言葉がつなげないで居た。
その空気を払拭するように、とりあえず車を見に行くことにして
その場を後にした。
割れたのは右のフェンダーミラー。
ガラスが落ちていないのがせめてもの救いだが、思ったより打ち所が
悪かったのか意外に細かく分かれていた。
ミラーの修理に行くにしても、とりあえず応急措置が必要だと思い、
透明なマスキングテープを貼って、グラスの形に切り抜き、
マスキングテープが剥がれないようにミラーの外側を別のテープで
抑えるように貼って止めた。
意外に遜色のない出来に驚いたが、今はそんな時ではない。
とりあえず急ぎ直しておくことが肝要なことにはかわりがない。
今日一日の予定を大幅に変更して、miniの修理を急ぐことにした。
幸運なことに自宅から車で1時間ほど行った所にminiのショップが
あり、問い合わせをしてみると在庫が幾つかあるとの話だった。
早速修理にと思い、miniを駆ってショップに向かった。
道中さしたる問題も無く無事に店に到着し、目的のミラーを購入し、
ちゃっちゃかと換装してみる。
可愛い顔になって見栄え変わらずいい景色にもどる。
まぁ、予定は変わったがminiの件も無事に片付いたし、
そのぶんバタバタとはしたが妙な充足感はえられた。
しかし、いちいち対応場所考えなきゃいけないのがどうかと思われる
かもしれないが、それは個人の判断に任せること。
手間暇かけて付き合っていかなければ行けない奴なだけに、
手がかかった分だけ愛情が増す。
この時点で「あんた、本当に病気やなぁ」と謗りを受けることに
なるやも知れないが、(既に受けているという噂もあるが)、
手を掛けたことがリアルに結果に現れるので、面白さに拍車がかかる。
私自身、元々機会弄りなどは嫌いなほうなのだが、必要に迫られれば
それなりのことを覚えてしまうので、悲しいぐらい体が順応していく。
そんな友人との掛け合いみたいなリズムが心地よいのか、ますます
miniにはまっていく。
手のかかる女性に嵌っていく人の話を酒の肴に良く聞きはするが、
少しだけ肴にされる男性の気持ちが少しわかったような気がした
一日だった。
miniは何かと手のかかる可愛い奴である。
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