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Neuroscience
Neurotoxic MicroRNA


Sci. Signal., 5 June 2012
Vol. 5, Issue 227, p. ec154
[DOI: 10.1126/scisignal.2003285]

Nancy R. Gough

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

S. M. Lehmann, C. Krüger, B. Park, K. Derkow, K. Rosenberger, J. Baumgart, T. Trimbuch, G. Eom, M. Hinz, D. Kaul, P. Habbel, R. Kälin, E. Franzoni, A. Rybak, D. Nguyen, R. Veh, O. Ninnemann, O. Peters, R. Nitsch, F. L. Heppner, D. Golenbock, E. Schott, H. L Ploegh, F. G. Wulczyn, S. Lehnardt, An unconventional role for miRNA: let-7 activates Toll-like receptor 7 and causes neurodegeneration. Nat. Neurosci. 15, 827–835 (2012). [PubMed]

Toll様受容体(TLR)は、神経変性疾患、脳卒中または多発性硬化症などによって引き起こされる脳の非感染性損傷に関与している。エンドソームに局在する自然免疫受容体であるTLR7は、多様な病原体由来のRNAを認識する。脳内に豊富に存在するマイクロRNAのlet-7ファミリーが、TLR7を活性化するヒト免疫不全ウイルスの一本鎖RNAに類似したGUリッチ配列をもつことに気づいて、Lehmannらは、let-7マイクロRNAを細胞外へ添加することによって、培養ミクログリアとマクロファージのサイトカイン産生が刺激されることを明らかにした。この応答は保存されたGUリッチ配列に依存し、TLR7欠損細胞では低下していた。In situハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学的解析によって、マウス脳のニューロンにおけるTLR7の存在が示された。皮質または海馬から単離したニューロンにlet-7を添加すると、カスパーゼ依存性細胞死が引き起こされた。TLR7またはそのアダプタータンパク質であるMyD88を欠損している細胞は、let-7誘発性の神経毒性に対して抵抗性であった。ビオチン化let-7はトランスフェクション試薬の非存在下でもニューロンに取り込まれたことから、細胞外に添加したlet-7は細胞内移行し、エンドソームに局在しているTLR7のもとに到達したことが確認された。アポトーシスまたはネクローシスによって細胞死が誘導されたニューロンの上清にはlet-7が含まれ、これを培養ニューロンに添加すると細胞死を引き起こした。一方、TLR7を欠く上清の添加を受けたニューロンや、上清をlet-7ファミリー阻害薬によって前処理された場合には、細胞死が妨げられた。let-7のくも膜下腔内注入後にTLR7依存性の神経損傷と脱落が起こることから、そのin vivoでの神経毒性が確認された。子宮内エレクトロポレーションによってTLR7が再導入されたTLR7欠損マウスがlet-7注射後にトランスフェクションマーカーの特異的減少を示すことは、TLR7依存性の毒性に一致していた。アルツハイマー病患者の脳脊髄液(CSF)を解析したところ、対照患者のCSF中に比べてlet-7が多く含まれていた。このように、let-7は死につつある細胞から放出され、神経細胞の脱落に寄与し、隣接する細胞の神経毒性に寄与すると考えられる。

N. R. Gough, Neurotoxic MicroRNA. Sci. Signal. 5, ec154 (2012).


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