夢見る者達の天国 (美作古書店支店)

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Resurrection.

ふと、過去を思い出す機会が多くなってきた。三十代も半ばに差掛かれば、そんなものだろう。
過去を思い返してみても、大体は其の輪郭しか覚えていない。詳細だとか、其のとき自分がどのような事を考えていたのだとか、そういった事は思い出せないのだ。
日記をつける習慣が無かったが、幸いにも逸速くブログを彼方此方で書いていた事も在り、過去の自分の詳細を振り返る時に非常に役に立っている。
たった五年前の事も録に覚え居ていないし、昨年の事ですら怪しくなってきた。
老化とはこんなものなのだろうか。
数年前から一昨年くらいまでの間、廃村を巡る事が趣味だった。此れもまた、他の人々が其の魅力に目覚める前からの趣味で、大々的に皆が始めた頃には自分の中での区切りと、自動二輪でなければ入る事の出来ない区間に出会した事で、一時休戦と相成った。
自動二輪の免許を取得してからは、オンロードばかりを走り回り、廃村だとか、其処に至る道の事など忘れ去っていた。
人生の岐路に立たされて、自分が如何いう人間かを再認識せざるを得なくなった。
過去の自分は、こうした事を繰り返し、自己批判と自己認識を高めて居たのだが、如何いう事かすっかりと其の習慣を忘れてしまっていた。
唯の現実逃避。其れが罷り通ってしまっていたのだ。
改めて、長く続けた仕事の時代の事を思い返すと、今の様に唯、時間を経過させるだけのサボタージュではなく、何かしらを得る為のサボタージだった事が分かってきた。
無論、斯うして其れを文章に書き起こす事も今の自分に必要で在ると再確認した訳だ。
昨今、ミニブログと称されるtwitterと言う便利なSNSが在り、其れに嵌っていた所為か、斯うして長い文章を書き起こすのが自分で見ても下手糞になっている。便利は人を殺す。自分で作った造語を自分で体感し、身に染みる。
もう、一ヶ月も前の事に成るのだが、在る晴れた休日にKawasakiのNinja250Rというバイクを駆り、久々の山へと分け入った。
抑、バイクに乗る様になってからは、同じ山と言う表現でも全く容相の違う山にばかり通っていたので、数年振りに成る余り人が管理していない山へと入ったのだ。
バイクで、而もオンロードのバイクで山に入るのは、クルマの其れとは全く別物だ。
クルマで在れば、在る程度の道の乱れは気を付けて走っていれば、そうそう事故に繋がる事はない。バイクの場合は落ち葉や道端の砂、少し大きめの石でも転倒、事故に繋がる事が在る。
如何して、自分は然う言った危険を冒してまで、山に入ったのだろうか。此ればっかりは考えても答えに辿り着けない。強いて言うなれば、導きが逢ったから、と言うしか無いだろう。
久々に入った山は、路面に砂が浮き、清水が道を横切り、下手すれば水路の脇に苔が生えているような状況だった。在る程度のクルマの行き来が在る所為か、砂の量は然程でもなく攻めなければ転けないレベルである。
久々の森林の香りを嗅ぎつつ、深部を目指す。
此の深部を目指す行為こそが、山に入る最大の目的では無いだろうか。加えて、私の住む地域の山は、必ずと言っていい程何処かへ繋がっていて、行き止まりに成る事は余程運が悪かったとき意外は無い。
自動車時代に、四、五回遭難、転落、水没しかかった程度だ。其の経験も在り、踏み込んでも大丈夫な場所と然うではない場所の区別は在る程度つく様に成っていた。
無論、油断すれば死に直結する。此れは山に入る時、いや。自然に触れる時の摂理のようなものだ。
少しずつ、すれ違うクルマが少なくなり、軈て道は一台のクルマが通れるだけのレベルにまで細くなる。極稀に対向車が来る事も在るが、普通に走っていれば気付くし、抑一車線の道路で、スピードを出すなど命を投げ棄てるようなものである。
以前に仕事をしていた地域であり、在る程度道は覚えていた。
自分の記憶の糸を辿り、奥へ、奥へと進んで行く。自動車であれば、気にする事も無い、木から垂れ下がる毛虫がバシバシとヘルメットに当たり、下手するとジャケットを這い上ってくる。時折、停車し、虫を払い落として先を目指す。
時間は刻々と経過して行く。時間の概念が曖昧になってくる。後、何れくらい走れば良いのか。何処まで続くのか、段々と自然と一体化して行くような錯覚を覚える。
クルマの時は、此処までではなかったが、バイクで走っていると空気を其の侭感じる所為か自分と自然との境界が曖昧になってくる。
幾度も幾度も訪れるコーナーを抜け、上り坂を越え、下り、また登って。嘗て、自分が訪れた事の在る廃村に辿り着き、空を見上げた。
まるで、自分が生まれ変わったような錯覚を覚える。
自然と一体と成る事で、溜まった澱が流れ出て行ったかのような感覚。
嗚呼。
まだ、大丈夫。


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