神田のガリレオ

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 CEATEC JAPAN 2008では、いろいろ興味深い展示がたくさんありました。今年もCEATECにあわせて、私の会社にも海外からの来客が多かったです。やはり製造業の現場の話が直に伺えるのは勉強になります。

 先日、元 郵政省、元 キャリア、元 製造メーカーで私が尊敬している方々と、新橋の寿司屋さんでいろいろお話をしました。この御三方、今は同じ組織で働いておられ、私のような若輩者が、まともにお話できないような偉い方々なのですが、同じ目線でお話をしていただけたのが嬉しかったです。

 日本の製造業を元気にする教育とは何か。今、大企業の技術系は半数以上が大学院卒とか。そして社会人になった後での教育は、その時々の最先端の上を見た教育だけしかしていないのではないかという話をしました。私は小さな会社の経営者ですが、設計事務所として製造業界に関与していますが、アカデミックな非常に難しい知識を勉強されている技術者は、案外、製造現場の常識に欠如されている方もいらっしゃることを感じるときがあります。

 大学院を出て就職された後だからこそ、中学、高校時代の数学や物理などを改めて勉強すると、高度な教育を受けたあとだからこそ、中学、高校時代よりも数学や物理を、両者の関係も含めながら理解できるのではないかと思います。三角関数を勉強した。無線機の変復調技術を勉強した。しかし、その両者の密接な関係を理解していない。物理現象と数学は別の学問と思わず、とても密接な関係にあることを改めて気づくようなこと。復習も大切な勉強ではないかと思います。日本の理科離れも、復習が、その対策ではないでしょうか。(復習しないと、ベテランになってから、誰かに聞きたくても今更聞けないよと思うことがたくさん出てきます。)

 過去に日本提案の規格がなかなか世界に通用しなかった。高度な知識を持っている方々が高い知識の視線で規格を作られましたが、製造業を支えるものを作る現場が、ついていけないような難しい規格ではなかったか。これは知識の乏しい私が、ある公の場に参加して感じたことでした。規格検討委員会から、私に意見を聞きたいと、その規格検討委員会での講演を頼まれました。現場のもの作りの立場からの提案をしようとしたときに、座長の方から、その内容を、私が理解できないような理不尽な理由で否定されたこともありました。その時に私が感じたことは、規格検討委員会は発足当時から結論が決まっていて、その規格検討委員会の途中で出てくる結論をくつがえすような意見が出てきたときに、座長がその意見を払いのけ、最初から決まっている結論を最終回まで温存し、結論とする。こんな私個人の意見を書くと、各所からご批判を受けそうですが、町の小さな設計事務所の経営者が、そのような大きな舞台に呼ばれたときに感じた素直な感想で、そんな話も寿司屋の席での話題になりました。

 日本の製造業を立て直すのは、高度な教育を受けた方こそ、そこから上側のレベルの勉強をするだけでなく、下側の勉強(復習)をして、自分の基礎学力をさらに確実なものとし、高度な知識を持っている方々には、製造業を支える現場を、国内外問わずに見ていただくこと。それが私の今の主張かもしれません。

 ところで、私が講演していても、話してしまった後で、後で間違えだったことがいくつかありました。ハイビジョン無線伝送で、イスラエルのAMIMONという会社の存在がささやき始められた頃、その会社の情報がともかく少なくいのですが、講演会の時にはちょっと気になる会社ということで紹介しました。搬送波に5GHz帯を使っているらしいという情報から、私は講演会で圧縮したハイビジョン画像を5GHz帯で、MIMOの技術を併用して高速伝送しているのではないかと想像してお話しました。後日、AMIMON社の情報が集まってくると、ハイビジョン画像を圧縮せずに生のまま5GHz帯で伝送しているらしいということでした。未だに私の知識では理解ができないのですが、世の中では常識と思われていることが非常識になること、または、その逆に非常識と思われていることが常識になることも多々あるのではないでしょうか。私も常に勉強が必要だと感じました。常識、非常識の反転事例を思いつくままに以下に書いてみます。

●「時代の経過に伴う今の常識が将来の非常識に」

 私が大学を卒業した頃は、放送は「無線」で通信は「有線」といわれていました。今はその関係は逆転しています。これは「時代の経過に伴う今の常識が将来の非常識に」なることになります。

●「技術の進化に伴う今の非常識が将来の常識に」

 1台何十万円もして、A4の数枚の書類を伝送するのに、時間がかかり数百円の通信費がかかるFAXは、¥20切手をはって翌日には相手の手元に届く郵便に比べたら、市場に受け入れられるわけがないとも言われました。しかし、その後、FAXは世の中に広まりました。これは技術の進化で、高速化、低価格化が可能になり、これは「技術の進化に伴う今の非常識が将来の常識に」なることになります。

●「技術未熟に伴う今の非常識が将来は常識に」

 小さなセラミックアンテナをプリント基板の上に実装したら、中心周波数がずれてしまったので、ひどいアンテナだとアンテナメーカーに返品した。これはアンテナ技術を熟知していなかったことによる非常識が起こすトラブルです。アンテナは性能が良いものほど周囲の影響を受けやすいので、中心周波数がずれるアンテナは性能が良く、本来はこのアンテナを基板上に実装して中心周波数を合わせこむのが正しいアンテナの使い方です。今までアンテナは、一つ数十円の部品としか捉えられず技術を軽視してきました。これは「技術未熟に伴う今の非常識が将来は常識に」なることになります。

●「ユーザーが理不尽なことに“NO”と言えるようになることに伴う今の常識が将来の非常識に」

 まだまだ使える情報通信端末機器や家電品などを規格変更なるユーザーに理解できない理由(企業の暴力といえるかも)で、無防備な弱者に、商品の買い換えさせたり、無理やり廃棄させ買い替えさせるというビジネス形態が、本当に人を幸せにするのか? ECOの観点からこれは良いことなのか? これはいずれ、「ユーザーが理不尽なことに“NO”と言えるようになることに伴う今の常識が将来の非常識に」ということが近い将来には起こるでしょう。メーカーへのモラルも問われる時代になってゆくでしょう。

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ちょっとお題とずれるコメントになるかもしれませんが・・・
昔まだ4.5歳だった頃の姉と私はその当時2層式の洗濯機で
洗たくから脱水に洗濯物を移す作業がイヤでいつか
ボタン一つ押せば『ハイ”!終了』みたいな洗濯機がでたらいいね!
って・・・今はその時代。
常識、非常識とはちょっと違うけど常に『時間の流れ』
みたいなものを感じます。

2008/10/11(土) 午後 3:53 ぷよ 返信する

ぷよさん こんばんは

必要は発明の母。時間の流れとともに現実になりますね。

楽しいコメントをありがとうございました。

2008/10/12(日) 午前 0:05 drnebiya 返信する

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