神田のガリレオ

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 関東も梅雨に入りました。みなさまいかがおすごしでしょうか?
 
 この1〜2年、医療・ヘルスケア分野への近距離無線導入のビジネスの立ち上がりを感じていましたが、6月に入り一気に各企業の動きが活発になってきました。特に、高齢化社会を意識している日本や韓国では、具体的な製品開発に向けて各社が動き始めた感じです。これは、今年の2月にWBAN(Wireless Body Area Network)規格の IEEE802.15.6 が、IEEE 802 委員会で承認されたことがトリガーとなり、その後の数ケ月間、各社がいろいろリサーチし、ビジネスの方向性を見極めての動きが始めたのだろうと想像しています。
 
 IEEE802.15.6 規格は、ウェアラブルの電池による駆動が重視され、3V電源(電池)で数mAという低消費電力動作の無線ディバイスになります。期待されるビジネスが立ち上がる周波数としては、
 
・ 体内埋め込み(インプラント)型の402〜405MHz
 
・ 医療テレメータ(国内)向けの420〜450MHz
 
・ 各国の無免許で使えるISM帯の近距離無線
  (欧州863〜870MHz、北米902〜928MHz、日本では今年の7月から
   950MHz帯から920MHz帯(915.9〜929.7MHz)へ周波数が変わる新
   ISM帯のビジネス)
 
・ 世界共通で使えるISM帯 2.4GHz帯
 
・ 北米のみですが、医療機器用の新しい周波数 2.36〜2.4GHz
 
・ UWB (3.1〜10.6GHz)
 
・ 人体通信(HBC)の21MHz帯と32MHz帯
 
 この中で、UWBは国ごとに規格が異なることや、第4世代携帯電話の周波数が、UWBバンドの低い周波数と重なるので、今後、使いにくくなることが懸念されます。人体通信も改めて注目が集まり始まりました。使用周波数は21MHz帯(5.25MHz帯域)と32MHz帯(8MHz帯域)ですが、日本の場合、人体通信は微弱無線設備として位置付けられているので使用周波数の自由度があることや、21MHzは日本でも多くのアマチュア無線家がハイパワーの免許を受けていることもあり、今後の人体通信の使用周波数は、業界規格のコンソーシアムが立ち上がれば、最初に検討しなければならないことになると思います。
 
 IEEE802.15.6 には、このようにUHF帯を用いた狭帯域通信、UWB技術を用いた広帯域通信、そして人体通信(HBC)の複数の物理層(PHY)がありますが、MAC層は共通のものを使用することになると思います。
 
 IEEE 802.15.6 も落ち着きましたので、これからはいよいよ各物理層を用いたビジネスが立ち上がると思いますが、この医療・ヘルスケアを意識した近距離無線通信技術の業界団体が発足し、動き始めると思います。
 
 人体通信の国際標準化においてリーダー的な存在であるETRI(韓国電子通信研究院)からの依頼で、私はETRIとMoUを結び、人体通信ビジネスの日韓のみならず、アジア全体のビジネスの立ち上げを行おうと考えております。今年はわくわくする年になりそうです。
 
 IEEE802.15.6 はウェアラブル(身につける)センサと無線機器が多く使用されます。これは電池で動く低消費電力なものであると同時に、小形(小型と同義)のアンテナが、通信の品質を左右するキー技術のディバイスになります。
 
● 920MHz用のアンテナ
 
 注目される920MHz用のアンテナ設計は、今後、設計の仕事は増えてくると思います。しかし、同じ920MHz帯のアンテナでも、IEEE802.15.6 用と、UHF帯RFID用では設計方針が異なるように思います。
 
・ IEEE802.15.6 用のアンテナ
 
 生体に電磁波の影響をできるだけ与えないように放射特性を配慮することが必要です。そのためにウェアラブル機器の中に組み込まれる小形アンテナは、人体方向に対しては金属板で電磁波の人体への照射を妨げますが、その金属板がアンテナの特性を劣化させないように、アンテナと金属板の間には、誘電体シート(磁性体シート)の併用を考えることも必要になりそうです。
 
 また、低消費電力の無線ですので、高周波エネルギーの損失は少なくしなければなりません。アンテナのインピーダンス整合もしっかり設計したいところです。
 
 UHF帯RFID用のアンテナ
 
 安価に作ることのプライオリティが高いUHF帯RFID用のアンテナですが、実用的な性能を保持しながら、1円でも安価なアンテナを実現するかが、アンテナ設計の難しさになります。アンテナのインピーダンス整合回路も、外付けの部品としてのコイルやコンデンサは価格面で使えませんので、ICチップのインピーダンス特性とアンテナのインピーダンス特性を総合的に見て、分布定数回路でインピーダンス整合回路を設計します。これは、アンテナ設計者は電子回路も勉強をしなければなりませんが、一方で、このような条件下でのアンテナ設計は、アンテナ技術者の腕の見せ所でもあります。
 
 今月は、ちょうど、二つのアンテナセミナーの講師を仰せつかっておりますが、一方がIEEE 802.15.6 用アンテナ、他方がUHF帯RFID用アンテナに関するセミナーです。二つのセミナーで、この両者の異なるアンテナの設計方針の差を明確に説明できるように、これから頭の中を整理しようと思います。
 
・ 6月19日 「UHF帯RFIDアンテナの基礎知識と設計手法」
       (R&D支援センター社主催セミナー)
 
          http://www.rdsc.co.jp/seminar/120635.html
 
  講演者紹介割引クーポンはこちらから → http://amplet.com/20120619.pdf
 
  友人のソネット技研の石飛氏が友情出演?で、電磁界シミュレーションの説明をしていただくことになりました。
 
・ 6月25日 「ヘルスケア機器用途の小形アンテナ・無線通信技術」
        (サイエンス & テクノロジー社主催セミナー)
 
          http://www.science-t.com/st/cont/id/20037
 
  講演者紹介割引クーポンはこちらから → http://amplet.com/20120625.pdf
 
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 5月21日には東京でも世紀の天体ショーの金環日食も見ることができました。このような壮大な自然現象を自宅の屋上で、無料で見れたことを、とても得したような気分になっています。一緒に見ていた両親も感激していました。
 
 金環日食を見てから、自然の美しいものを見ることが、とても得したような気分になり幸せを感じます。紫陽花がきれいな季節になりましたね。今日も、ピンク、赤、紫、白、青の紫陽花を見て、5万円くらい、心の中で得したような気分です。

閉じる コメント(2)

nebiya先生
紫陽花の綺麗な季節になりましたね。雨の日の紫陽花は風情があって好きです。日中の外回りで色とりどりの紫陽花を見つけては立ち止まり、見つめることもあります。
心の中で得をした気分になれるというのはとても素敵な事ですね。同感です。

2012/6/12(火) 午後 9:54 [ - ] 返信する

私の友達で、「心が金持ち」と日本語で言う外国人がいます。心が豊かな人が、幸せな人と思います。あと1週間くらいは紫陽花が楽しめそうでしょうか・・・来週は大阪出張です。おいしいものを食べてきます。

2012/6/12(火) 午後 10:03 drnebiya 返信する

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