神田のガリレオ

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 つい最近まで、30℃を越える日々が続いていましたが、急に秋めいてきました。東京の都心でも紅葉がきれいで、すでに街はクリスマスムードになってきました。

 先週、長野県松本市で講演をしました。午前中は安曇野に住んでいる甥に、安曇野を案内してもらいました。小雨が降っていましたが、いつもは観光客で混んでいる安曇野を、私と甥で独占したような状況で短時間でしたが、安曇野を楽しむことができました。午後の私の講演の時間は、雨も上がり、大勢の長野県の企業の方々との交流ができ、とても楽しかったです。私は妻が長野県出身なので、何かとご縁もあります。ぜひ、長野県のみなさまとも、一緒に、仕事をがんばりたいと思います。


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●○ 近距離無線
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 IEEE802.15.6 近距離無線(WBAN)では、最近も、BLE(bluetooth low energy)のモジュールなどのご紹介を部品メーカーの方が、私の会社に来られて、ご紹介をしていただきました。UHF帯の近距離無線は、モジュールの価格も安くなり、以前の無線モジュールに比べ、かなり使いやすくなってきていますので、普及はこれからもますます加速していくと思います。

 今週は60GHz関連のセミナーにも参加しました。私も60GHzは1980年代の初め、前職の会社でも取り組みをしましたが、ミリ波ビジネスは、いつの時代も、「市場がこれから開く」と期待はされるものの、結果として市場が開かずに、期待が裏切られたということが過去に数回、ありました。1980年代は、私も立体回路(キャビティ構造)での試作を行いましたが、1990年代は、60GHzを扱うICの試作も行い、プリント基板を用いた平面回路になり、アンテナも基板上に作りこむことになりました。しかし、基板の微細なエッチング技術が難しく、基板上の伝送路のパターンに扇形のオープンスタブを付加したくても、そのスタブの付け根が、細い鋭角さが実現できず、扇型が台形になってしまうなどの技術的な難しさがありました。

 また、伝播実験でも、天井に設置する送信機と、画像伝送先のテレビとの間に人が立ってしまうと、通信が途切れてしまうので、天井に複数のアンテナを配置すると、その配線をどうするかとか、アンテナとディバイス間の接続を、どうやったら安価に低損失に実現できるだろうかなど、技術課題も多かったです。まだ、この実験を行っていた2000年代前半は、60GHzモジュールの発熱も大きかった時代ですので、放熱器が大きくなることから、地震のときに万一、これが天井から送信機が落ちてきて人の頭を直撃したら・・・など、それなりにいろいろな心配事項が使用面でもありました。

 昨今、60GHzは、市場への期待が再燃しています。モジュールも安価に低消費電力になってきました。60GHzビジネスが期待だけで終わってしまうことがないように、今回は、この分野の方々に、がんばっていただきたいと思いました。


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●○ 磁性体、誘電体材料
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 私の会社では、アンテナの設計もしていますので、磁性体や誘電体の材料のご紹介にこられる素材メーカー様が多いです。

 磁性体、誘電体材料は、アンテナを小形化(小型と同義ですが、アンテナの放射素子では小形という漢字を用いることが多い)するために、高周波的に低損失を保ちながら、高い誘電率や透磁率である材料と、電磁波の遮断(シールドやアンテナを近接する金属との干渉を少なくする)目的の材料が、ごっちゃになってしまっているように思います。

 2.45GHzやUHF帯のアンテナの小形化では、誘電体にアンテナを沿わせることが行われており、設計もさほど難しくなくなっています。しかし、13.56MHzの小形アンテナでは、波長に対して非常に小さなアンテナを実現するため、短い磁性体(すぐに磁束が空間に出てゆく)に巻いたコイルのインダクタンスは、材料の透磁率とはあまり関係がなくなり、反磁場係数 D の逆数のみでインダクタンスの上限が決まる傾向があります。磁性体に巻くコイルのインダクタンスは、空芯コイルのインダクタンスに比透磁率を乗じるという公式の通りにならないのが現実と感じられておられる設計者も多いと思います。アンテナの設計者と材料の開発者がお互いに現実を認識しながら、アンテナに適した磁性体材料が生まれてくればと期待しています。


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●○ 東京の社長.tv
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 インターネット番組「東京の社長.tv」の私の出演分の放送も11月から始まりました。

 今まで携帯電話など無線通信の開発に人生のほとんどの時間を費やしてきた私ですが、最近の通勤電車の中で、多くの人がスマホとニラメッコしている光景が、とても異様に感じます。また、文字通信(手書きのFAXではなく、キーボードから入力する文字通信)の普及により、真意が正確に伝わらなかったり、相手の顔は見えないメールでは、攻撃的な内容の文章を書きながら、そのような人が、人と面と向かって会話をしたときに、自分が注意をされるなどの受身の立場になると、打たれ弱い人が増えてきたように感じます。会話の送・受の精神的なバランスが崩れてきているように思います。

 情報通信の研究開発に携わってきた私は、便利さのみを追い求めた技術開発だけに注目し、そこで人が本来、見失ってはいけない大切なものを忘れていたことに気づき、最近の私には反省の気持ちが出てきました。

 思いやりのあるやさしい人間関係が、日本人が世界に誇れる良いところだったのです。その心は、今でも日本人の心の中には残っており、2011年3月11日の東日本大震災でも、暴動も起こらず、人は自己中心にはならず、他人への思いやりや優しさを忘れなかった日本人だからこそ、技術者は、その日本人の心を含めた優しい技術が、これからの世界の中で、日本が優位にたてる日本の技術方向なのかもしれません。

 お時間がございましたら、約6分の短いインタビュー番組ですので、ぜひ、ご覧ください。

http://tokyo-president.net/amplet


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●○ 根日屋英之の近々の講演会情報
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 12月の講演は、以下のものがあり、今年はこれが最後のセミナーになります。2014年もすでにいくつかのセミナーや講演が企画されていますが、その主催者のホームページに公開されましたところで、このメルマガでご案内いたします。

① UHF帯RFIDアンテナの基礎知識と設計手法

12月13日(月曜) (東京 ・ R&D支援センター主催)

 RFID、アンテナ関連の国内外の本を執筆いたしました私が、RFIDアンテナ設計の要所を集中的にお話します。アンテナ設計というと難しい電磁気学をイメージしますが、セミナーの初めに講師が大学で行っている30分でわかる電磁気学からお話します。本セミナーは事前アンケートに基づき受講者のみなさまが知りたい内容を現場視点でわかりやすく解説する予定です。

 電磁界シミュレーションに関しましては、ソネット技研の石飛社長が友情出演でお話していただくことになっています。(石飛社長、いつもありがとうございます。)

詳細 : http://www.rdsc.co.jp/seminar/130808.html

講師紹介割引申込書 : http://amplet.com/20131213.pdf


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●○ 雑談
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 来週は、パシフィコ横浜で開催される MWE 2013 に行き、世の中の先端の無線技術を勉強してこようと思います。

http://apmc-mwe.org/mwe2013/index.html

 来週は、私も楽しみな忘年会があります。私の前職の会社(H社)の三人の仲間との忘年会(一人はまだ、H社在職ですが、私ともう一人はH社のOBになってしまいました)です。

 三人の共通点は、趣味が同じアマチュア無線、みな電子工学の博士で、CQ出版社から3人とも単行本を出し、CQ出版社の雑誌の連載筆者でした。もしかすると、アマチュア無線をされていない方でも、無線にお仕事をされている方には、この三人の無線関連の技術本を読まれた方がいらっしゃるかもしれません。その3人とは・・・ CQ出版社の本のご紹介をすると、

・ JF1DMQ 山村さんは、トロイダルコアに関する本

http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/30/30671.htm

・ JG1UNE 小暮さんは、電磁界シミュレーションや小形
アンテナに関する本

 http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/30/30221.html

・ 私 JE1BQE 根日屋も電子工学の入門書

 http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/15/15411.html

3人のアマチュア無線のコールサインのトップレターから「BUDの会」といいます。

 風邪もはやっているようです。今回の風邪はなかなか治らない方が多いです。どうぞみなさま、健康管理には気をつけてください。

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