神田のガリレオ

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みなさま こんにちは

 一昨日のSTAP細胞の小保方晴子さんのニュースを見ました。割烹着姿で、研究室の冷蔵庫には大きなムーミンのステッカーが貼ってありました。英科学誌ネイチャー誌に論文を投稿したら、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と論文を突っ返されてもめげずにがんばっている姿がステキです。

 30歳の若さでがんばっている研究者。とてもキュートですしすばらしいリケジョですね。私の会社にもリケジョはいます。今、私の大学での講義を受けているリケジョたちも、小保方晴子さんのようなすばらしいリケジョになってほしいと思います。


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●○ 技術者の好奇心 (私の場合)
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 小保方晴子さんの研究への取り組みは、やはり好奇心と疑問の追求ということが心の中にあったのだと思います。

 そこで、あまりみなさまの御参考にはならないかもしれませんが、私が子供の頃から好奇心を持ち、今、そのいくつかが会社の仕事の柱となっているものもあります。ここに振り返り整理してみました。

・ 無線通信の世界 (私の人生の基盤)

 子供の頃からラジオ少年でアマチュア無線を始め、無線が不思議な世界で、その世界を知ってみたいという好奇心からのめりこんだ世界です。主にこの好奇心は、私のスキルとしては高周波回路の設計ができるようになったという大きなプレゼントを与えてくれました。

 私は大学の学部時代は電子工学は専攻していませんでしたが、この子供の頃からの見よう見まねの回路設計が、今の私が起業た無線器機の設計会社を27年間、続けることができている技術基盤になっています。

・ アンテナ

 電子回路と電子回路を電線でつなげば、信号が伝わっていくのはわかっていましたが、その電線がなくても信号を伝えられる不思議な無線技術。中でも、その回路と空間のインターフェースがアンテナというもので、ラジオ少年の私が回路よりも、考えていると夜も眠れなくなったのがこの世界でした。中学から帰る途中で、近所のアルミパイプ屋でアルミパイプを買い、それを加工し、アンテナを作っては、当時のアマチュア無線雑誌に製作記事を投稿していました。アマチュア無線の雑誌「Hamライフ」に中学生でアンテナ作りにはまっている変わった少年としてグラビアで紹介されたこともありました。今、私はかなりのオジサンの年齢になりましたが、この世界への追求は子供の頃と同じように止まらず、今も納得できない疑問で夜も眠れなくなっています。

 同じく夜も眠れない同種の変人博士が他に2人、私の前職の電機メーカーで働いていたことがわかり、昨年末に、私を含めたこの3人が集まり、「BUDの会」(http://amplet.com/bud)を結成し、アンテナの不思議を語り合っています。


・ レーダ技術の応用の RFID

 今から30年以上も前の話ですが、私は大学卒業後は自動車会社に就職し、自動車に搭載する電装器機の設計部署に配属されました。しかし、わけあって、転職が白い目で見られていた当時に、私は電機メーカーに転職しました。そのときに転職先の電機メーカーの上司に、「根日屋君、古巣の自動車会社へ恩返しができる仕事を何かしなさい。」と言われ、会社から研究予算を頂いてスタートしたのがFA用トランスポンダー(電機メーカー内での社内名称)と呼ばれる無線を用いたタグ(荷札)の開発でした。これはレーダ技術の応用で、タグに電波を当てて、その電波が反射してくるときに、ただ電波を反射させるだけではなく、タグに記憶された識別情報を反射波にのせて電波とともに跳ね返すというシステムです。この電子タグを自動車のオートメーションラインに流れてくる自動車や部品に取り付けて、生産効率や品質を高めようとすることが目的でした。

 電機メーカーでの私のFA用トランスポンダーは、1984年にの2.45GHzでの試作が終わり、当時の関東電波監理局に持ち込み、使用認可の交渉をしましたが、当時の電波法には、レーダの項目はあっても、その反射信号が情報を持つということを扱った項目はなかったので、日本で使うことはできませんでした。

 FA用トランスポンダーの技術は、諸外国からの「RFID」という製品が入ってきて、後に日本でも使えるようになりましたが、私が進めてきたFA用トランスポンダーと同じものでした。世の中には、ニーズがあれば、同じことを考えている人が、同時代に世界中にいて、それが数年後に出会うということを感じました。開発を始めたころに彼らと出会えていれば、いろいろディスカッションもできたのにと一人の研究者としては思いますが、企業人としては、開発案件は企業機密ですから、世界中の技術者と当時は出会うことがないのです。

 ある大学の先生から、「根日屋さん、君がやっていたことは、とっくに**国の**社でやっていたことなので目新しさは無い。」と言われたことがありましたが、開発当時は、そのような他国、他企業で何が行われていたかなどはお互いの企業機密事項で知ることができませんから、この先生のご意見は、「あなたが世間知らず。」と心の中では思っていました。

 FA用トランスポンダーの試作をしたときから20年経った2003年に、私のRFID の過去の開発についていくつかの大きな賞を頂きました。

 電機メーカーを退職し、私が1987年に起業した会社(アンプレット)でも、2003年の受賞を機に、RFID 開発委託の仕事が多くなり、今でも、会社での業務の大きな柱になっています。


・ 人体通信

 ラジオ少年の頃から、もう一つ、不思議に思っていたのがラジオを作っていると、人の手が近づくと回路の発振周波数や動作が変わったり、オーディオアンプを作っているのに、回路の入力端を手で触ると、何故かラジオが聞こえてしまったり・・・ これも何なんだ?? 人間の体は電子回路か??と思っていましたが、そこから自分なりに闇雲の中で勉強していました。ある企業様から人体通信という人の体を媒体とした近距離無線の共同開発のお仕事をいただき、そこで私の疑問点を解決できる仕事の場を頂きました。今、一番、私が研究にはまっている世界です。


・ 商用電源100Vの再利用

 電子回路を設計している人は、オシロスコープで基板上の信号を観測しているときに、そのプローブのアース側が外れていると、50Hz(60Hz)の商用電源100Vの誘導がかなり大きな振幅で見えるということを経験されていると思います。今、この現象を利用した新しいことをいろいろ考えています。回路の試作をして動作が確認できたものもあり、いつかみなさまにもお披露目できる日が来れば良いと思っています。


・ 子供エネルギー(やってみたいテーマですが未着手)

 私は甥や姪がまだ幼稚園くらいの頃に、近所の上野公園に彼らを連れて遊びに行きました。公園に着くと、彼らは何かに取り付かれたように、ともかく意味もなくひたすら駆け回ります。どこかに行ってしまうといけないので、私は彼らを追いかけるのですが、私の息が切れて疲れ果てても、彼らは走り回ることを止めないのです。この子供の耐えることのないエネルギーはすざましいものです。幼稚園や小学生で、意味もなく走っている彼ら・・・子供たちは意味があって走っているのでしょうが・・・のエネルギーを、圧電素子よりも安価で効率の良い何かで抽出してエネルギーとして再利用できないかを考えています。


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●○ 根日屋英之の近々の講演会情報
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 今年の1月25日に、アンテナセミナーの講師をしました。わかりにくい電磁気学の世界が、必ずわかるようになるというテーマを主催者の方から頂きました。あまりPRしていなかったセミナーでしたが、満員御礼となり、そのときのアンケート結果も良かったです。そのセミナーの評判を聞いた方々からも、聴き逃して残念だったというメールも、毎日、数通いただいています。

 この勉強法は、日本にありがちななんだかわからないけれど、公式を呪文のように暗記していた世界から、基本的な物理現象と数学を結びつけて、複雑な物理現象もその限られたいくつかの基本式を組み合わせてゆくと、今の参考書に出ている複雑な式が自分で導き出せるというものです。今、自分がぶつかっている問題で、参考書に式が出ていないような物理現象も、自分で式が作れるようになるということを目指しましたが、1月25日のアンケートでは、「半信半疑でセミナーを受けたが、本当にわかるようになった。」という方がほとんどでした。

 これは新しいスタイルの勉強法になったのかなと感じています。4月から始まる私の大学の講義にも積極的にこの勉強法を導入しようと思いました。

 私は大学(学部)の頃は電子工学を専攻していませんでしたから、無線に関する勉強は、自分の経験から独自の式の構築法をしてきましたが、それが、実際の電子回路をいじくってきた人の経験と一致し、「そうそう、そうなんだよ。わかるわかる。」という思わせる物理現象と数式の紐付けができたのかもしれません。

以下に今月の私の講演会(有料セミナーですが)の予定をお知らせします。


① オムニバス形式の私の講演会 (2014年2月17日)

 私は各地で情報通信に関する講演をする機会が多いですが、あるセミナー企画会社がおもしろい私の講演を企画されました。講演のテーマにより聴きにきてくださる参加者の人数も変わりますが、参加者が多い上位4種類のテーマを、オムニバス形式で1日でお話します。

第1部 数学と物理現象を結びつけると、電子工学や電磁気学が突然、わかるようになる。

第2部 時代に乗り遅れるな!近代のワイヤレス機器の設計手法は、こう変わってきた。

第3部 アンテナ設計をやさしくする。設計を別の視点から考えてみる。

第4部 今、話題の人体通信。実は、みなさんも子供の頃に原理を発見していた。

http://www.science-t.com/st/cont/id/22315

 これは有料セミナーですが、このメルマガを読んでいただいた方の割引価格申し込み方法は、以下のWebsite をご参照ください。

http://amplet.com/nebiya/page13.html


② 人体通信に関する講演 (2014年2月19日)

 医療やヘルスケアへのICT導入への注目が高まっていますが、2月19日に、電子ジャーナル主催の人体通信セミナーが開催されます。私が講師を担当します。

http://www.electronicjournal.co.jp/t_seminar/2105.html

これも有料セミナーですが、このメルマガを読んでいただいた方の割引価格申し込み方法は、以下のWebsite をご参照ください。

http://amplet.com/20140219.txt

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 4月、5月はとても大きな会場での私の講演がいくつか企画されています。まだ主催者のホームページに公開されていないものが多いのですが、公開されましたら、このメルマガや以下のURLでご案内します。

http://amplet.com/nebiya/page05.html

4月18日の講演会では、学生さんは無料というものもあります。(まだ、この講演会の概要もホームページに公開されていません。)


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●○ 雑談
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 小保方晴子さんのインパクトが大きすぎて、昨日も今日も自分が何をすべきかを考えていました。人間には死があるから研究をがんばれるという言葉は、私が今の年齢になって、有限の時間を感じ、研究や勉強に人生のほとんどの時間を掛けたいという心境を、30歳のリケジョにズバッと言われたことが、私の心を揺さぶりました。

 卒論の締め切りまぎわに研究を始める学生はもったいない。

 サラリーマンでも納期があって、それに間に合わせるために、ただただ精神論を語りながら、苦痛に感じながらの研究開発はもったいない。

 人間は必ず死ぬわけで、それまでにあと、どれくらいの時間が残っていて、自分がやりたいことがまだたくさんある。私は最近、その時間と研究したいことのバランス、すなわち時間が足りなくなってきているということでの焦りを感じているのかもしれません。残念ながら若い頃のように頭の回転が早くなくなってきているので、ますます焦ります。

 宇宙人的研究者や変人的技術者を目指す学生のみなさん、若いものつくりが大好きな技術者の方々へ 、「若くて頭が柔らかいときに、がんばってください。」というメッセージを送りたくなりました。

 今月は、UHF帯の RFID に関する実証実験にも久々に参加しました。実験をされている技術者の姿を見て、数十年前のFA用トランスポンダーの開発を一緒にした仲間たちのことを思い出していました。

閉じる コメント(2)

nebiya先生、こんばんは〜(^^) いよいよ2月ですね!先生方の
あくなき研究心に敬服です。先生、亡き父が「人生は還暦からだ」
と言ってましたよ。先生、100歳になっても研究しててくださいね

2014/2/1(土) 午後 10:00 テクコ 返信する

テクコさん こんばんは

ありがとうございます。今日のアドマチック天国で、西荻窪の元気な103歳のおじいさんを見ました。がんばらなくちゃ。

2014/2/1(土) 午後 10:15 drnebiya 返信する

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