神田のガリレオ

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 私の自宅や会社の近所の上野公園では、桜もこれからが見ごろという状況です。3月から4月の間は、学生から社会人になる方、新勤務地に転勤されて気持ちも心機一転で気合を入れている方など、生活までががらっと変わる時期でもあります。

 弊社も3月20日が決算日でしたが、去年も本当に忙しい1年だったと思います。特に、この2,3年後の市場を見据えた、どちらかというと機器の中に組み込む短距離無線関連の仕事が多かったというのが実感です。数年前に圧倒的に多かった携帯電話の設計については、まったく影を潜めてしまいました。また、話題になっているWiMAXも、携帯電話同様の状況で、今後のシステムでありながら、日本で端末は作るものではなく、海外の安価な機器を買ってこようという業界の考え方があるのか、話題の割にはおとなしかったという感想(弊社という狭い世界での)です。

 また、この1年の傾向は「勉強」をしているという企業も多かったように思います。マルチアンテナ技術、マルチキャリア対応の高効率増幅器の勉強会をされている会社も多いと感じました。

3月は海外の測定器メーカーのセミナーもいくつかあり、私も二つに参加させていただきました。

 一つはWiMAX。システムが複雑化し、開発段階でも、昔のような基本的な測定器(信号発生器、オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザ、エラー測定器など)を集めて開発できるのは、高周波回路部の一部となり、端末全体を設計、開発するには、そのシステムに特化した専用の測定器を、高価でも購入する方が、設計時の考え違い(これだけ複雑だと考え違いなく完成できるものなのか?と思います)も防ぎ、工数的にも開発期間も短縮でき、最終的には開発費用を低くおさえることができると感じました。しかし、専用測定器も高価ですので、開発費をかけられる、すなわち、ビジネスの市場が期待でき、その会社にとってそのビジネスに取り組みのに十分な勝算がないと、なかなか踏み込めない開発案件なのだと感じました。

 もう一つは、次世代携帯電話(LTE)に関するセミナーでした。ことらもWiMAX同様、システムに特化したLTE用測定器を購入する方が良いと感じたのは同じですが、技術のキーがMIMOと高効率増幅器であることも明確になりました。先週の北九州での電子情報通信学会 総合大会で、大学の恩師の先生方からMIMOに関する発表が多かったとも伺いました。

 MIMOも複雑なシステムではありますが、実用化の域に入りつつあると思います。小さな視点からかもしれませんが、私が懸念するのは、電気的な技術というよりも、ユーザーが外観的なスタイルとして複数のアンテナを有するMIMO端末を買い求めるか(端末のアンテナが1本のMISOというシステムもありますが)も、事前に市場調査をしておく必要があるかもしれません。というのは、私の過去の仕事で、携帯端末で角のようなアンテナの突起を嫌がるユーザーが多いので、アンテナを外に突起させずに内蔵させた携帯端末を開発せよという会社の命令で、私の部門で苦労して開発をしたのですが、いざ、その携帯端末を市場に出したところ、アンテナが無くて(本当は端末機器に内臓されている)電波が飛ばなそうという市場からの冷たい評価を受けたことがありました。今でこそ、角のはえていない携帯電話は、多々ありますが、MIMOも同様にたくさんの角(アンテナ)が、ユーザーに外見的に受け入れられるかも気になるところです。

 LTEでは端末から基地局には、旬なマルチキャリアのOFDMではなく、シングルキャリアのSC-FDMAを使うということに妙に納得しました。OFDMはともかく送信回路の終段増幅器の消費電力が大きく、100mWを超えるような出力の端末(無線LANではOFDMを使う規格もありますが、送信出力が小さいのでなんとか製品化できている)では、その増幅器だけでもワットオーダーの消費電力となり、電源への負担が大きく、本当に端末は実現できるのか・・・と常日頃、思っていました。私が1990年代に韓国が世界初のCDMA携帯電話をサービスインさせた時に、韓国で携帯端末の設計に従事していましたが、RAKE受信方式のCDMA携帯端末の消費電力が大きく、電池の充電が頻繁に必要だということがユーザーからの不満でした。高効率増幅器の問題点は、2008年3月24日号の日経エレクトロニクスに特集がありますが、これは今後の携帯端末の開発に従事される技術者の方は必見の記事と思います。非常によくまとめられた記事です。今年は高効率増幅器の開発を行っている会社は忙しくなるでしょう。

 また、弊社のような小さな会社では、ビジネス的に無線を製品化するときは、短距離無線のシステムが、会社の有する基本的な測定器を寄せ集めることにより、十分、開発も可能ですし、以前よりも技適証明も取りやすくなり、市場もニッチですが大手の競合が少ないので中小企業向けのワイヤレス製品と思います。弊社と同業の会社が千葉県のIT実証実験(産学官共同実験)に参加し、短距離無線システムの製品化に向けた開発を行いました。私は大学の教員の立場(学)でアドバイザーとして参加しましたが、ハイテクの携帯電話、WiMAXなどに比べますと、まだまだこの種の短距離無線システムは、私のような20年前の無線職人が活躍できる着手しやすい分野だと感じました。この千葉県IT実証実験の様子は、千葉テレビでも放送されました。

       http://www.pref.chiba.lg.jp/stream/index.html#naviskip

の中の「ウィークリー千葉県」 → 「平成20年3月8日 」 → 「今週の動き 」で、その番組を見ることができます。

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