神田のガリレオ

過去のメルマガをここで公開しています。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 私は情報通信の世界でもワイヤレス(無線)が専門で、過去にいくつかの無線システムの開発に携わってきました。その無線システムは、法整備、標準化、業界団体規格などが決められる段階で、技術面以外の社会的な背景や経緯がありました。

 例えば、電車に乗るときに用いる非接触IDカードの電子キップですが、最近、「これらの電子キップは、それを改札口でかざして通過するのは利便性が良くないので、ハンドバックの中に入れたままで使えれば良い。」という論議を耳にしました。技術的にもしっかりした方々の論議で、ハンドバックの中に入れたままで使えるような技術開発もできる方々ですし、また利便性を考えれば当然、改善したいと思うことなのかと思います。

 しかし、電子キップは、今のような使い方になる経緯として、ハンドバックに電子切符を入れたままで改札口を通過すると、鉄道会社は乗客の個人情報を乗客の承諾なしに取ることになり、それが問題化するといけないので、乗客は電子キップを手で持ち、それを手を伸ばして改札口にかざすというアクションをさせることにより、乗客が鉄道会社に対して個人情報提供の意思表示をする意味を含めたと聞いた記憶があります。

 時代と共に技術者が古い世代から新しい世代へと技術が引き継がれるとき、技術の伝達の過程で、過去の経緯 ・・・ 特に技術面以外の社会的な背景 ・・・ が伝承されない部分があり、それが電子キップは、ハンドバックの中に入れたままで使えれば便利であるという論議を熱心にしてしまうことになったのだと思います。

 WBAN 近距離無線に関して、医療機器業界の方からちょっと気になる話を伺いました。各企業が WBAN の新市場として、医療、ヘルスケアの新しい市場への期待感が高まっていますが、ヘルスケアは健常者が対象であり、メディカルケアは、病気になられてしまった人が対象であることを考えると、WBAN はその両者の使用環境を正しく理解し、これからの法整備や業界団体規格の検討、製品の企画をする必要があると思います。今、これらの両者を一つのものとしてまとめて考えてしまうことへの危険性を感じます。医療テレメータは、病気になられてしまった方が、ご自身の命を守るために使われます。それを使う場所では、他の無線システムからの混信や干渉を受けないような配慮が行われ、今の電波法が決められたそうです。

 WBAN の一つの無線システムとしてとらえ、医療テレメータの周波数を、他の目的の無線システムでも利用できるような方向性に進んでしまうと、あとで取り返しがつかない問題が起こることも考慮しなければなりません。新しい無線システム導入に関し、過去の法整備が行われてきた経緯も理解し、今後の法整備や業界団体規格の検討などを進めていただくことが必要と思います。

10月第1週は、CEATECですね。楽しみです。

http://www.ceatec.com/2012/ja/index.html

開く コメント(0)

全1ページ

[1]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事