除染方法
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「放射線の原因は5m以内にある」南相馬の医師が語る、除染活動の実情より転載
2011年10月17日23時30分 ■除染は手作業 除染の基本動作は ・土をはぐ ・水で洗う ・草を抜く 基本的にはこの3つしかありません。薬剤や、何らかの方法はあるのでしょうが、実際に南相馬市でやれているのはこの3つのみです。鋤と鍬と水があれば出来るので、近代兵器は必要ありません。この3つをどう組み合わせるかという話になります。 実際に、除染のポイントというのは、とにかくありとあらゆる所を計測すること。この1点に尽きると思います。どういう風に除染すればいいのか、どう内部被曝を減らせばいいのか、いろいろな問題がありますが、計測ポイントを増やし、計測回数を増やさなければ、何も解決策は生まれない。この点に尽きると思います。今我々は、5cm、1m、2m、それぞれの場所で計測をしています。 例えば、雨どいの数値が高い、水のたまる側溝が高いと言われています。それを取り除くとどうなるか。周り5mの数値に影響するんです。ガンマ線は100m飛びます、200m飛びますと言いますが、数値が高いということは、5m以内に原因がある。そこを徹底的に探すんです。その繰り返しで0.1マイクロシーベルト/時、下げれば1年で1ミリシーベルト下がる。これを繰り返すしかない。大切なのは線量計を一般市民も含め、使いこなすこと。これが現場で求められている状況です。 土を剥ぐ深さについて、5cm剥げばいいか、10cm剥げばいいかという議論がありますが、これはあまり意味のない議論で、土は、掘れば掘るほど下がるんです。「何cm掘りたいんですか」ではなく、「何シーベルト下げたいんですか」なんです。粘土質の土は浅く掘っても効果がありますが、砂地は深くまで浸透しているのでかなり掘らなくてはいけない。場所によってぜんぜん違うんです。ただ、難しいのが、掘った跡がでこぼこになってしまう。台風なんかが来ると、そのでこぼこに放射線物質が再びたまってしまう。屋根とか壁も種類によって違う。 除染について、今我々が考えているのは、南相馬市全体でガサっとやれれば、それはいいかも知れませんが、現実的にはとても簡単に出来る話ではないと思います。少なくとも自分の周り半径何mという範囲をいかに綺麗にするかというのが今の段階です。 幼稚園、小学校、中学校の校庭は、機械が入って除染することができますが、建物の中、家屋などについては、事細かに測定、除染をしなくてはならない。家の中の線量をいかに下げるか。そのために庭を除染する。庭の線量を下げるためではなく、庭に近い部屋の中をきれいにするために除染する。そういう考えで除染をしています。 家の中1階だけでも15箇所〜20箇所計る。そうしないと、安心してもらえない。家の周りを除染すると、窓側の部屋の数値は下がるが、家の中央の部屋の線量は下がらない。原因を5m以内で探さなければいけない。
http://image.news.livedoor.com/newsimage/5/1/516129b97d668521f9fa53d0c3112d37.jpg 保育園の除染もしました。20m×15mくらいの敷地で、800箇所ぐらい計りました。それくらいやらないと、除染の効果はわからない。そして場所によって除染の方法を決めていきます。 保育園の隣には家もあります。そばには川もあって、川は県の管轄で、県に話をしようとすると、「1ヶ月待ってください」と言われて、1ヵ月経ってもぜんぜん返事がない。 隣の家と庭の草木を刈りました、しかし線量は上がりました。そこで下の土を剥ぎましょうとなった。土を剥いだら建物が傾いてしまう場所もある。じゃあどうする、立ち入り禁止にするかと、保護者と相談する。 この前、福島のある地区で、通学路の線量を下げるために放射線の高い雨どいの土を掃除して、その土を雨どいの横に並べておいたら、通学路の線量は上がったというのがありました。当たり前です。その土をどこに持っていくのか、考えておかなければいけない。 土を捨てる場所を探すのが大変です。保育園では、駐車場を借りて埋めました。その駐車場のとなりのアパートに、一軒一軒園長が頭を下げて説明に回ったんです。「処理はしっかりしますので、子供を守るために埋めさせてください。線量も測って、ちゃんとやりますのでよろしくお願いします」と。 それと同時に、当院(南相馬市立総合病院:原発に最も近い総合病院)にはホールボディカウンターが2台あります。鳥取から1台借りています。現在4000人の検査が終わりました。日本の半分をやっています。ただ、小さい子どもは(計測の)2分間じっとしてはいられません。いろんな検査をするのも、限界があります。人体のチェックも大切ですが、今は、口から入る食べ物をしっかり検査して、これ以上体に放射性物質を入れないのが効果的です。 今後の体への影響も、除染も、食べ物に関しても、できるだけ細かく測ること、その精度を上げていくことが、今後のキーになってくると思います。 福島県南相馬市における除染活動の実際 |
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守田です。(20111026 22:30) 放射能除染・回復プロジェクトに参加したご報告の2回目です。その前に僕が ここで何を書こうとしているのか、伝えたい核心は何かを整理しておきたいと 思います。明日に向けて(302)でも書きましたが、福島市の放射線値は、小学 生の通学路のようなところですら大変、高いです。5μS/hという値がすぐに 計測されました。おそらく市内にはもっと高い値を示すところが多数あるはず です。 この状態からは避難が必要ですが、必ずしも全員が避難できないので、少しで も放射線値を減らすための除染が必要です。緊急回避のための除染で、それが 行われれば、安心して暮らせるというものではありません。しかしそこに自分で 移動できる手段のない子どもたちがいる限り、また経済的にもその他の理由でも とても移動できない大人がいる限り、少しでも被曝を減らさねばならない。 このことを踏まえた上で、しかしお伝えしなければならないのは、除染は非常に 難しいということです。根拠の一つに広域汚染の中の除染に対し、人類はその 経験を余りに少ししか持っていないことがあります。とくに日本では除染の経験 があるのは、部分汚染に対するものだけです。例えば机の上に放射性物質が漏れ た、あるいは原子炉格納容器から少し外に漏れた、などに対する対応の経験です。 ところが今回は野山が、草原が、道路が、川(土手)が、汚染されてしまって います。したがって、一か所を除染しても、すぐにまた近くから放射能が移動 してきてしまう。風で運ばれたり、雨水に混じって流れてきてしまう。その ために除染が非常に難しいことが第一に押さえられる必要があります。あまり に除染対象が広範囲なのです。 続いて今回、1日目に実際に試みた屋根の上での除染についてお伝えします。 すでにお話したように、僕が参加した除染プロジェクトは、行政の高圧浄水方式 に極めて批判的です。それでは放射能を移動させたことにしかならず、除染に ならないからです。むしろ内部被曝の可能性を作りだすばかり。効果がない ことに加えて、作業者や住民の被曝の危険性を作りだすのですから最悪です。 ではどうしてたらいいのか。除染プロジェクトが考案してきたのは、ノリで固め、 はがして取って捨てる方式です。しかも洗濯ノリに使われている安価な素材を使 い、それを汚染カ所に塗布し、その上から紙を張って、乾いたら紙ごと取るとい うものです。今回は、さらに新しい試みとして、壁紙が採用されることになりま した。そのために京都からあるメーカーさんも参加。実際に糊を塗り、壁紙を 屋根に貼りました。 このうち僕が1日目に担ったのは除染する家屋の各部屋内の放射線値の計測と、 屋根の上での計測でした。場所は福島市中心部から南東に30分ほど車で向かっ た地域のあるお宅です。飯舘村にも近いところです。ここにFさんと僕と、静 岡から参加されたSさんで向かいました。まずはお宅の中に入らせていただい て、部屋の中の放射線値をこまめに測りました。屋根に近い高めのところで、 僕のRADEXを用いて0.82μS/hという値が出ていました。後により信頼性の高い 堀場製作所の計測器と並べて測ったところ、僕の持参したRADEX RD1503・2台は、 双方とも、2割ぐらい低めの値が出ていたので、実際の値は1μS/hに近いと思わ れます。 続いて屋根に上がりましたが、これが一苦労。平屋1階建てでしたが、やはり危険 な高さです。高所作業に手なれたFさんはひょうひょいと上がって行きましたが、 僕はFさんが持参したロープを、屋根を横断して張り、登山用のハーネス(安全 ベルト)を腰にまき、カラビナにシュリンゲ(テープ)を通して、その先に ユマール(登高器、ザイルにつけると上には動くが下には動かない)をつけて 屋根の上に。 その状態で、屋根の上をゆっくり移動しながら何か所も計測しました。このとき に使ったのは、福島大学の方が借り出してくれた表面汚染計測器。銀色の金属で できた特大のハンコのような検知器が、本体からコードでつながっているもので、 重いし、高価な機械です。これを手にゆっくりと屋根中に移動して計測しました。 そうすると、だんだんと汚染の傾向が見えてくる。まず汚染値は屋根の傾斜に沿 って、高くなっていることが分かりました。屋根が外に張り出した方、場所的に は近づきにくい所の方が値が高いのです。さらに何度も計測するうちにより高い ところ、屋根上の、マイクロホットスポットと呼べるところがあるのが分かって きました。どこかというと瓦の重なりあう部分です。 二枚の瓦が上から下へと並んで、一部が重なっている姿を想像して下さい。その 上の方から雨水が垂れてくる。そうすると雨水は一枚目の瓦の下の端に溜まり、 そこから瓦の厚みの部分を伝わって、次の瓦に垂直方向に落ちていきます。この 落ちる前と落ちる断面(瓦の厚み)の部分が線量が非常に高いのです。さらに落 ちた水は瓦に沿って下に流れるだけでなく、一部は瓦が重なった隙間に毛細管 現象で入り込んでいく。瓦の内側に入ってしまうのです。 ここに溜まるのだから、当然、上からの放水では押し流されない。そのため雨で ももはやそれほど流されない。この屋根上のマイクロホットスポットは目視する ことができます。水あかが溜まっている部分で、そこに放射能が含まれているか らです。黒ずんで見えるところ、流れてきた泥が乾いて付着しているところです。 これはどうやれば取れるのだろうか。 今回は二日目に、業者の方を交えて再び屋根の上に登り、問題の個所の一部に試験 的に糊を塗布し、用意したシートを貼って作業を終え、3日目に糊が乾いたことを 確認してはがしてみる予定だったのですが、残念なことに3日目に雨が降ったため 作業を中止せざるをえず、糊によるはがしの効果を実測できていません。そのため はがしの効果はまだ分からないのですが、そもそもこの方法では、瓦の重なりの 部分の放射能は取れません。これには他の対処がいることになる。ブラシなどで掻 きださないといけないかもしれない。しかしこの作業は粉塵として放射能の入った 泥を掻きだすのですから、非常に危険です。 これに対して行政の高圧洗浄では、一部、下から水を当てていることもあるようで すが、これをやると瓦屋根の構造上、瓦が持ち上がって、中に水が入ってしまう。 事実それで水漏れが出ているそうですが、これはもう本当に最悪です。瓦の隙間に 付着した放射能を、わざわざ水で屋内に押し込んでしまうからです。これでは除染 ではなく、汚染です。水漏れした水滴が屋内に入り、防護体制を取っていない住人 にあたれば、内部被曝につながる危険性がある。下から水をあてることの危険性を 強調しておきたいと思います。 このような状態ではどのような除染が考えられるでしょうか。除染プロジェクトと しての見解としてまとまっているわけではないですが、僕の実感では屋根の葺き替 えをし、下ろした瓦をその場で除染して再利用するのが最も合理的ではないかと思 えます。高所作業で、瓦の間に入った汚染物質を掻きだすのは、技術的にも難しい とともに、被曝と転落という2種類の危険性にさらされるからです。しかも相当に時 間もかかると思われます。 しかし被災地の全ての家でそれをするとなると、膨大な社会的コストがかかってしま う。いやコストだけでなく、そもそも大震災後、瓦の修復作業そのものが、圧倒的に 需要過多、供給不足で、何カ月も待たなければならない状態にある。職人さんの数が 全く不足しているのです。これに加えて、放射線防護という特殊な訓練を施した上で の作業となると、いったい、どれだけの時間とコストがかかるのだろうか・・・。 プロジェクトの山田國廣さんが考えているのは、新たに業者が開発した、高圧洗浄と バキュームをセットにした洗浄器の利用です。消防車のような2台のポンプ車とセット でやってくるものだそうですが、洗浄した水をその場で吸い取ってしまうのです。歯 医者さんで使われている「バキューム」を巨大化したものと、洗浄器が一体化したよ うなものです。これは有効かもしれません。しかしそれでも瓦の重なり部分をどうす るかという課題は残る。 ともあれプロジェクトとしては、今回の成果は、屋根の洗浄の課題を見つけたにとどま りました。このことで、高圧洗浄方式の限界と誤りを、よりリアルにつかみましたが、 しかしオルタナティブを進められたわけではない。ここをどう突破するのか、つまり より被曝の可能性が少なく、高所作業の危険性がなく、なおかつ、時間とお金がかから ない方法な何か、考案していかなくてはなりません。 課題はあまりに大きい。 こうした試みは、あるいはドンキホーテのようなものかもしれません。しかしこの紆 余曲折が、未来の知恵、人々の幸せにつながると信じたいです・・・。 |
セシウム除去実験に成功 微生物を利用したセシウム回収技術の研究を進めている広島国際学院大(広島市安芸区)工学部長の佐々木健教授(62)のグループが、福島市内のプールのヘドロから、福島第1原発事故で放出されたとみられる放射性セシウムを除去する実験に成功した。佐々木教授は「土壌でも活用できる可能性が高い」としている。
9月13〜26日に福島市内の公立学校のプールで3回にわたってヘドロを採取。それぞれに微生物を入れ、3日間の数値を測定した。その結果、毎時14・54〜12・04マイクロシーベルトの放射線量が同4・10〜2・60マイクロシーベルトまで減少。実験中にプール周辺で計測された平均同1・20マイクロシーベルトを差し引くと最大で89・4%を除去できた計算になるという。
微生物はマイナス電気を帯びた粘着物質を出す植物系の光合成細菌。プラス電気を持つセシウムなど重金属のイオンを引き寄せる性質がある。セシウムには植物に必要なカリウムと似た性質があり、カリウムとセシウムを一緒に回収した可能性もあるという。
実験は細菌をアルギン酸、カルシウムと混ぜて直径約2センチの粒状にして使用した。放射性物質を吸着後、焼却すると容量は50分の1以下、重さは100分の1以下の灰になる。焼却時に放射性物質は拡散しないという。
佐々木教授によると、放射性物質の除去のバイオ技術による実証は初という。佐々木教授は「コストがかからず中間処理も比較的容易。土壌も水と混ぜた状態にすれば除去できる可能性が高い」と説明する。
実験の結果について、立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)は「注目すべき成果だ。吸着のメカニズムが解明され実用化できれば、福島にとって朗報になる」としている。
【写真説明】ヘドロに粒状の細菌を入れる研究グループメンバー=9月22日、福島市(佐々木教授提供)http://www.chugoku-np.co.jp/images/site-t01.png |



