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■目黒区美術館ホームページより
http://mmat.jp/exhibition/archives/ex110409-2
原爆を視る1945-1970
*下記会期で開催を予定しておりましたが、開催中止とさせていただきます。
会 期:2011年4月9日(土)〜2011年5月29日(日)
(中略)
このたびの東北地方太平洋沖大地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様、ご家族の方々に心よりお見舞い申しあげます。一日も早い復興をお祈りいたしております。
目黒区美術館といたしましては、大震災の惨状や原発事故による深刻な影響を受けている多くの方々の心情等に配慮いたしまして、「原爆を視る」展(平成23年4月9日〜5月29日)の開催を中止することといたしました。
お客様や関係各位には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、今後の展覧会のスケジュールについては、決まり次第ホームページ等でお知らせいたします。
財団法人目黒区芸術文化振興財団
目黒区美術館
■毎日新聞WEB版より
http://mainichi.jp/enta/art/news/20110325dde041040044000c.html
原爆展覧会:「事故と重なる」 東京の目黒区財団が中止
4月9日から5月29日まで東京都の目黒区美術館で開かれる予定だった「原爆を視(み)る 1945−1970」が中止になった。同美術館を運営する目黒区芸術文化振興財団は「展覧会の趣旨は震災と無関係だが、イメージ的には原発事故などと重なる部分もあり、この時期にはふさわしくないと判断した」と理由を説明。一方、被爆者らは「過剰反応ではないか」などといい、中止を疑問視している。
同展は1945〜70年に制作された「原爆に迫る表現」を体系的に紹介するため、絵画や写真、建築、ポスターデザインなど約600点を展示する予定だった。広島原爆資料館や長崎原爆資料館などが協力し、被爆者団体も後援していた。
同展に直接かかわる美術館の関係者たちは東日本大震災発生後も、予定通り開催する方向で準備を進めた。だが、同財団から22日に中止決定の通達があったという。【岸桂子】
■西日本新聞WEB版より
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233786
東京・原爆美術展「原発事故を想起」中止
東日本大震災の影響で行事の自粛や中止が相次ぐ中、東京都目黒区芸術文化振興財団は、同区美術館で4月に開く企画展「原爆を視(み)る 1945−1970」の中止を決めた。首都圏では福島第1原発事故の影響で通常より高い放射性物質が検出されており、同財団は「イメージ的に原爆と原発事故が重なる部分がある。この時期に鑑賞してもらう内容ではないと判断した」としている。
同展は広島、長崎に投下された原爆に、美術家や写真家、漫画家ら表現者がどう向きあって創作し、鑑賞する側がどう受け止めてきたかを検証し、原爆をめぐる視覚表現が戦後日本に与えた影響を探ることを目的に企画された。被爆者や街の被害を写真で伝える従来の原爆展と異なり、被爆地を描いた油絵やスケッチ、写真、平和運動のポスター、紙芝居、建築、平和モニュメントなどを通して、新しい視点で原爆をとらえる意欲的な試みで、広島、長崎両県市や日本被団協も協力。4月9日−5月29日の会期中、資料約600点を展示する計画だった。
田中晴久館長によると、23日の財団理事会で開催の可否を協議。館は「原爆被爆からの復興を伝える意味でも開催の意義がある」と主張したが、「原発事故の放射能への不安が広がる中で来館者がいるのか」など反対意見が多く、中止を決めた。田中館長は「自粛ではなく回避。次年度開催を目指したい」と話した。
丸木位里さんの絵画などを貸し出す予定だった長崎原爆資料館の中村明俊館長は「過去にない視点からの企画に期待していたので残念。悩んだ末の決断だろうが何らかの形で実現してほしい」と話した。また、長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄(すみてる)会長は「今こそ開催して、核と人間は共存できないことを考える場にしてほしかった」と訴えた。
=2011/03/26付 西日本新聞朝刊=
震災を契機に文化行事の開催が中止になる例が増えている。多くは会場となる建物の安全の未確認や「計画停電」などが理由だが、目黒区美術館が4月9日からの開催を予定していた「原爆を視る」展の中止を決めたのは、それらとは明らかに質の違う異常な事例と言えるだろう。管理人は「東京新聞」3月25日の記事で知ったのだが、国立新美術館で開催中の「日本アンデパンダン展」(日本美術会主催)に26日訪れたところ、会場で出会った知人からも「これは問題だ」と声をかけられた。
新聞報道から読み取れるのは、美術館側はもともと開催の意向だったが、同館を運営する財団の理事会で「原発事故の放射能への不安が広がる中で来館者がいるのか」などの反対意見が出され、結論として「イメージ的に原爆と原発事故が重なる部分がある。この時期に鑑賞してもらう内容ではないと判断した」ということである。中止させられた美術館側の発表は「大震災の惨状や原発事故による深刻な影響を受けている多くの方々の心情等に配慮」となっているが、穿った見方をすれば「心情等」の「等」に辛うじて抵抗の跡が見える気もする。つまり、東京電力福島第一原発事故とそれに起因する放射能汚染の問題を覆い隠そうとする「圧力集団」の存在という意味だ。
だいたい「イメージ的に原爆と原発事故が重なる部分がある」から開催を中止するというのは、原発の危険性という問題から市民の目をそらせようという意図を示すだけだろう。「原爆」と「原発」とを混同すべきでないことは言うまでもない。同時に、今回の原発事故によって、実際に作業員の放射能被曝による傷害の発生という深刻な問題が起きている。また、放出された大量の放射性物質の影響への不安も広がっている。こうして原発事故と放射能汚染の危険性が現実の問題としてつきつけられ、そのことについて市民が広く注目と関心を高めているときに、「イメージ的に原爆と原発事故が重なる」からという中止の「理由」は、何らの正当性も説得力も持ちえない。
さらに許しがたいのは「深刻な影響を受けている多くの方々の心情」なるものを、開催中止の方便としてもちだしていることだ。原発の周辺住民の方々は、「安全神話」にたって原発のもつ危険性を正直に語ってこなかった東京電力や政府の姿勢をこそ、問題にしているのではないのか。
「表現の自由」がこういう形で委縮させられることは看過しがたい。それは「表現の自由」が民主主義を保障する根幹にかかわるからだ。
ちなみに、開催中止を決定した「目黒区芸術文化振興財団」の役員名簿は、以下のURLから。
http://www.persimmon.or.jp/foundation/
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同感です!
言論の自由、表現の自由について改めて議論されるべき危機的事態です。今開催しなければ、企画はそのまま頓挫するかもしれません。
反対した族に言いたい「小さく纏まってるんじゃねえ!」
2011/3/27(日) 午後 0:36 [ JH ]
> 堀内淳様。コメントありがとうございます。東京都の漫画規制条例(青少年健全育成条例改定)といい、今回の目黒区の件といい、東京では次第に「自由な言論空間」が狭まりつつあるように思います(特にこの12年?)。拙者は目黒区民ではありませんが、きちんと異議申し立てをしておきたいと思います。
2011/3/29(火) 午後 11:36 [ dsch1963 ]