俳句の記録

雨音よ絵に秋の風恋の色

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雨ふり小僧

雨降り小僧  
原作 手塚治虫
 
太郎は山の分校の生徒。
おとうさんが先生だ。
たまに 本校に行くと太郎はみんなに馬鹿にされる。
それがくやしくてたまらない。
ある日 おとうさんが 真っ赤な長靴をもらってきた。
太郎は女の子みたいでいやだなと思ったけど
貧乏なことわかってたから 文句をいわずにはいていた。
本校の生徒は またそれを馬鹿にした。
「くそー」
でも おとうさんには そのことをいわなかった。
ある雨の日の橋の下を赤い長靴で歩いてると
「いいな きれいな長靴だな ほしいな ほしいな」って声がする。
よーく見てみると傘をかぶった妖怪。
「だれだ おめえは」
「おら 雨ふり小僧だ。おら おめえのいうこときくから その長靴くれ」
「これか?いやだよ。」
歩きだした太郎のあとを追いかけてくる。
「くれ」
「いやだよ」
「くれ」
「しつこいな。おまえ なにができるんだ?」
「おら 雨降らすことができる」
「やってみろや」
ジャーっと雨ふり小僧の傘の下だけ雨がふった。
「せこい雨だな」
「いうこときいたから長靴くれ」
「まだだ」
太郎はいいことを思いついた。
次の本校へいく日 太郎は雨ふり小僧を連れていった。
いつものように いじめっこに囲まれた。
「今だ!」
太郎が号令をかけるといじめっこの上にだけ雨がふってきた。
まわりはすごくいい天気なのに。
いじめっこたちは恐くなって逃げていった。
「あはは いい気味」
「いうこときいたぞ、長靴くれ」
「まだだ」
太郎はおもしろがっていた。
《今度はだれをおどかすかな》
そんなこと考えていた。
分校の近くまで戻ると村の人が騒いでる
「火事だ、分校が燃えてる、逃げろ」
「え、父さんは?!」
「わからん」
「とうさん!」
太郎は村人をふりきり駆け出していた。
分校は燃え上がっていた。
消防団の人達がいっしょうけんめい水をかけてたが消えそうにないとうさんの姿が見あたらない。
「雨ふり小僧 この火事を消してくれ そしたら 長靴やるから」
「ほんとだ 消えたら あの橋の下で待ってろ。必ず持ってくから。」
「ほんとだな 約束だな」
「約束だ!」
「よーし!」
雨ふり小僧は空高く舞い上がって火の中へと飛び込んでいった。
自分の体に火がつくのも恐れずにいっしょうけんめい雨を降らせた。
「おいみろ 雨が降ってきた」
「信じられん 分校の上にだけ 雨が降っとる。」
村人たちが話してるのが太郎にも聞こえた。
《頼むぞ 雨ふり小僧》
太郎は祈った。
長い時間がかかったが火が消えた。
太郎の父はおおやけどをおったが命に別状はなかった。
町の病院へ運ばれていった。太郎もついていった。
この火事で分校は使いものにならず 廃校が決まった。
太郎の父も退院して大きな町の学校の先生になることになって引っ越していった。
やがて太郎は大人になって 大都会に出て働いた。
会社を興し社長になった。結婚し娘ができた。
「パパ 長靴買って」
「おう 買ってやるよ」
娘を連れてデパートの靴売り場にきた。
「さあ どれがほしい?」
「うーんとね、あれ」
娘が指さしたのは真っ赤な長靴だった。
「あ!!」
太郎は声をあげてしまった。
「社長 どうして?」
「すぐもどる どうしてもいかなきゃならん。あとは頼む」
太郎は新幹線にのり ローカル線にのり バスにのってやってきた。
「お客さん バスはここまでだよ」
と、バスの運転手
「え、〇〇村は?」
「もうだれも住んでませんよ。廃村ですよ」
太郎はバスをおりて歩いていった。
何十年ぶりだろうか。
いろんなこと思い出しながらとぼとぼ歩いた。
そしてあの橋の下にたどり着いた。
そこにはぼろぼろの傘になった雨ふり小僧がいた。
「待ってたのか」
「待ってた 約束だから
太郎は赤い長靴を取り出した。
雨ふり小僧はにこっと笑って 長靴をはいた。
うれしくてたまらない様子。だが 姿が陽炎のように揺れている。
「大丈夫か」
「おらは大丈夫だ おめえが大人になったから おらおめえにはもうすぐみえなくなるだ。赤い長靴 ありがとう」
雨ふり小僧は消えた。
「雨ふり小僧!」
太郎が叫んでも もう姿を現さなかった。
なぜか涙がこぼれてきた。
太郎はひとり泣きくずれた。
空から雨も降ってきた
 
おわり
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子供の心って、いつのまに忘れてしまうのでしょうね?
 
 

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ありがとうございます。何これですよ。素晴らしいネームではありませんか。プロットもすぐにできますよ。漫画専門用語ですが、文才もおありです。隠れ才能ですな。漫画家さんになれますぞ。失礼、保育士さんの方が良いです。漫画家には銀行金貸しませんから。

2011/11/24(木) 午前 11:07 [ アトムの部屋 ]

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無節操なアトム気ちがい親父、許してやって下さい。

2011/11/24(木) 午前 11:14 [ 風こぞう ]


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如月聖羅
如月聖羅
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