|
というわけで、東大に来た。
もう、とっぷり日が暮れている。 あたりはもやがかかっていた。何やら不気味。 目指すは医学部研究棟で、赤門をくぐって しばらく行った右手のビル。土曜日の夜7時 という時間なので人影もすくなくひっそりしている。 構内に散在するビルは、ほとんどが安田講堂のような レトロな建築で高さも3階建てくらいのものなのだが、 目的のビルはまだそう年数が経っていない14階建て。 見上げるとほとんどの階の電気は消えている。 玄関は施錠されていて、インタフォンを押し 警備センターに用向きを伝える。ドアのカギが 開く音が、無機質な音を響かせる。 ロビーにも人っ子ひとり姿はない。 エレベーターに乗り「13階」を押す。 各階の表示案内プレートの いかめしい文字が目に入ってきた。 解剖? ホルマリン? まさかね。 法医学? 殺人死体の鑑識? まさかね。 最先端の医学研究メニューのような案内プレートには 僕の目的地のことは記載されていない。 ほんまに、ここなんかいなぁ。 * 13階に着いた。右・左を見る。 あった。確かにあった。 カポ・ペリカーノ 週刊誌の記事で読んで、そのミスマッチぶりが 印象に残っていたが、赤門からテーブルまでの 違和感ぶりが楽しかった。事情を説明せずに ここへ女の子を連れて来ると、解剖されるか 最低でも、血液ぐらいは抜かれる、と おびえてしまうに違いない。 実は、このイタリア料理店は 西麻布のビストロ通りにあった店で、そこを オーガニックレストランにモデルチェンジするにあたり つい先月、ここに移転オープンしたばかり。 大学が独立行政法人として運営される一環だそうだ。 内装は大学内ということでやや大味だが 料理はおいしかった。パスタは しっかりアルデンテだし、お肉もつけ合わせも 悪くない。何より、コースで3500円というプライスは 西麻布時代ではありえない、かなり低めの設定。 昨日、ちょっと東大の悪口を書いたけど やるなぁ。かなり気に入っちまった。 待てよぉ、これって、東大の罠? なるほど、やっぱり東大の考えること 頭、いいなぁ。まんまと、はまってしまった。 |
喰いもんのはなし
[ リスト | 詳細 ]
連れて行った人が、次からはその店に通うようになる。これが僕のおいしいもの屋さん選びの基準。評判や人気とは無縁の、大人感覚の店選び。
|
12時少し前に入ったので、レストラン側は
僕たちだけ。1番乗り。カフェ側に1組の客。 ポップアートっぽさを減らした雰囲気。 洋書がずらりと並んでいる。カフェに行けば 図書館のように、この本を自由に閲覧できる。 あまり詳しく見なかったが、 美術書系や写真集などの本が多く 揃えられているので、暇つぶしにはいいかも。 気に入った本があれば、購入もできる。 書斎風カフェは、何年か前から 代官山や渋谷など、あちこちに 登場し始めていたことを 雑誌で見たりはしていたが、実際に 足を踏み入れたのはこれが初めてである。 カフェはイギリス大使館側に窓が開けていて レストランのほうはパレス・ビュー。 このほかに東京タワーサイドに 個室があるようだ。 ランチは2コース。1650円と2100円。 コーヒーは400円、デザートが600円で これはオプション。 かわいい淑女がお相手だから 見栄をはって2100円コースをオーダー。 かわいい淑女も、当然「同じものを」。 2ディッシュランチで、 サラダ or スープ+主菜。 カリフラワーのスープと 鯛のポアレをチョイス。 フレンチ・テーストのキュイジーヌ。 味についての評価を人様に語るのは 3回ほど呟いた「おいしい」で代用する。 この淑女、瀬戸内海に面した 料理が売り物の人気ホテルのお嬢なので 僕なんかより相当、味蕾の出来が繊細、 まず、信用していいかと思う。 気がつくと、もう、満席に近い。 デザートは、カフェ側に席を移してもらう。 あくまでも、きっちり元をとる魂胆である。 この頃、流行の盛り合わせスタイルではなく ひとつのケーキをチョイスする方式だが どれも、見た目、完成度の高いケーキ。 力のあるパティシエのように思える。 きょうはレストランガイドが趣旨だが ノーギャラのブログレポートなので 我が道を行こう。 横道にそれさせてもらう。 こんなランチじゃなくて、もうちょっと 本格的なディナーなどに 女性を伴って行ったりすると ときどき、このデザートタイムあたりで 逃げ足を準備している 気配を感じさせる人がいる。 ピンポン・ダッシュをたくらむ子供の ようなもので、空気感でわかる。 これが、ちょっと興醒め、なんだよね。 だって、せっかくおいしい料理でも デザートやコーヒーがおいしくなかったら 台無しになってしまうのと同様、 ごちそうな時間に、そんなすきま風を 肌に感じると、その日を全部、 COMMAND+Zで取り消ししたくなってしまう。 理想を言えば、つゆほども 警戒していないフリだけは 最後まで続けていてほしいと思う。 触れなば落ちん、という風情で 触れなば消える、というのが 大人の女の有り様のように思うんだけど。 ねえ、聞いてる? 淑女はイギリス大使館の 青い屋根をじっと見入っていて おやじの話もデザートも上の空。 そう、このレストランは あまりにも窓の外がおいしくて 会話を楽しもうというときや 見つめ合おうというというカップルには 不向きなのかもしれない…。 |
|
ね、日本じゃないみたいでしょ。 ビバリーヒルズのお屋敷を空撮したかのようなこの写真。 でも、れっきとした東京。かなりいい感じ。 鬱陶しいものがはっきり見えないので それなりにきれいなんだけど 9階という、さほど高くないところからの光景で こんなにすばらしいところは、東京でも少ない。 それもそのはずで、写真1はイギリス大使館 2は、皇居の森の向こう側の大手町方面。 地上にいても都内屈指のきれいな場所なのだから 上から見て、うっとりするのも当然だね。 すっぴんでも美人の人が 入念なメークしたようなものだもんね。 先々週の日曜日にランチしようと思って行ったら
クローズだった半蔵門のレストラン「ARGO」から見た風景。 土曜日の今日、仕事の打ち合わせで 人と会い、その流れでランチを、ということになり リベンジ・再挑戦をした、というわけ。 席に座った瞬間に、あ、元は取れたな、と はしたなく思ってしまったけど、そのくらい 絶品の「ごちそうな景色」だった。 北の丸公園、千鳥が淵方面の眺め。 勘のいい人ならピンとくるかもしれないが 春になると、この緑が薄桃色に変わる。 そう、絶好のお花見ポイントなのである。 上から見る「桜もよう」も一興かも知れない。 今から、予約を入れておいても遅くはないが…。 (レストランのレポートにつづく) |
|
昨日・今日と、ヤボ用があって、散歩は休業。
なので、ブログも休刊、という予定だった。 ところが、昨日、坂の上の我が住まいに あえぎながら、女がひとり、突然、飛び込んできた。 昔、何度か、ベッドを共にした女である。 いや、何、それほど大それた関係ではなく、 たぶん血はつながっているはずだし、 彼女の名前は僕がつけた。おむつだって取り替えた…。 高校時代、ピアスの穴を開けるのを許可したのも僕だし それを発見して、電話をしてきた教師に ご存じどころか、許可もしましたよ。 だってピアスって、かわいいじゃないですか、 ミラノじゃあ子供でもやってますよ、と 「どうしようもない親」を演じて、 守り抜いたのも僕である。 そんな間柄である。 何でも、ラクーアのカフェで仕事があったとかで そのついで、ということらしい。 これ、おみや、と言いながら差し出したもの… それが、この3つ。 「シャーロック・ホームズの息子」上下巻。 タイトルを見た瞬間は よくあるパスティーシュ(模倣作)かな、と。 有名な主人公を、後生の作家がアレンジした この手のもの(ルパン3世がそうだ)は 原作のほうのファンにとっては、 失望させられることが多く 手を出さないようにしている…。 と思ったら 著者は、何とブライアン・フリーマントル。 僕が最も好きなエスピオナージュ(スパイもの)の 書き手である。複雑に入り組んだ関係を さらに複雑にしていきながら突破口を開く 英国諜報部員・チャーリー・マフィン。 007のようにはかっこよくなく、 精算伝票をごまかしたり、上司をコケにしたりする どこにもいそうなリーマンタイプである。 この愛すべき男を生み出した作家がフリーマントル。 へえ、彼が、ホームズを書くの。 さすがに血を分けた人間は、身内の泣き所を知っている。Thanks! ゴディヴァのアイスクリーム。 僕には初物だった。 早速、口に運ぶ。 取り立てて、どう というものではないか…。 と思ったら、口に異物感。 舌の先を使って確かめると、 小さなハート型の チョコレートが入っているのだ。 口の中に熱を貯め込み それを溶かしていると、 アイスクリームの味が 微妙に変化していく。 うまい。 ファン登録をぽちっとクリックする。 しかし、このハートチョコって ティファニーのオープンハートのひとつも 買い与えなかった無慈悲な親への あてつけなのだろうか? 珍妙なもの。これも初対面。 新顔の食品に関しては 転校生をいじめるガキのように 自慢じゃないが、超保守主義の僕。 おそるおそる袋を開け、 包装のセロファンをむく。 おせんべいのような印象。 乾燥させた納豆を ノリで巻いたもののようだ。 手をだすべきかどうか、と 優柔不断に悩む男の背に 1袋1400円もするんだ、これが の声。そんなことでは動じないのは 彼女より28歳も歳上の功。 CanCamにも紹介されたし…。 これは決め手になった。 若い女の子には遅れを取りたくない。 意を決して、つまんだみたら 案外おいしい。おやつにもなるし、 ビールのおつまみにもよさそう。 ネバネバ感はなく、ほのかに 納豆の匂いがするという、 まあ、新種のおかきか。 袋を裏返してみたら、 成城 石井の製品。 高級品で名を売る スーパーマーケットだ。 へえ、あの石井が こんなものを作るの。 ブログネタにいいでしょと言い残して、次の約束へ、 疾風のように立ち去っていく女。 歩かずとも、向こうからネタが走り込んできた日。 |


