科学の進歩により、我々の体の中にある免疫細胞の詳細な画像を見るひとが可能となりました。
上の写真は、私のからだの中にある細胞を特殊な電子顕微鏡により拡大したものです。右上にある気持ち悪い物体は、ガン細胞です。
このように、発ガン物質などの働きにより、正常な細胞が、突然変異を起こし、このような醜い細胞へと変化し、そして、次々と増殖していく様子を画像として見ることができるのです。
そして、左下にある丸い物体は、私たちの体を守ってくれる『キラーT細胞』と呼ばれる、免疫細胞です。この『キラーT細胞』が、ガン細胞を発見し、今、まさに、
ガン細胞を攻撃している写真なのです。
今までの復習になりますが、私たちの体の中では、毎日のようにガン細胞が誕生しています。そして、健康な人であれば、免疫機能が正常に働き、この免疫細胞のおかげで、ガン細胞が駆逐されているのです。
「私は、健康だから、ガン細胞なんて、ひとつもないよ。」とおっしゃる方がいるかもしれません。しかし、残念ながら、ほとんどの人間は、毎日のようにガン細胞が誕生し、そして、健康であれば、免疫機能のおかげで、ガン細胞の増殖を防いでいるのです。
昔は、ガンは、遺伝する病気だと、よく、言われていました。
しかし、それは、誤りであることがわかりました。ガンは、遺伝によりなるものではなく、すべての人間の60兆個の細胞の中に、くまなく、ガンの遺伝子があることが、科学の進歩のおかげで判明しているのです。
あとは、ガンが発病するかどうかは、発ガン物質を体内に摂取しているかど゜うか、ガンになりやすい生活習慣があるかどうか。そして、最後に、その人の免疫機能が健全かどうかで、決まるのです。
親が、タバコを吸う習慣や、脂っぽい肉などの料理を好んだり、また、野菜をあまり食べないとか、塩辛い味付けを好むような家庭であれば、当然、その家庭の子供も、同じような生活習慣や食べ物の好みを引き継ぐことになります。だから、親がガンになった家庭では、その子供もガンになりやすいのです。決して、遺伝によるものではありません。食べ物の好みや悪い生活習慣を受け継いだために、子供もガンになってしまうのです。
ですから、当ブログでは、タバコを吸うなど、悪い生活習慣は、改めてもらい、そして、脂っぽい肉類の過剰摂取は、控えてもらい、そして、塩分を極力控え、
新鮮な自然の野菜や果物を毎日、大量に食べることを推奨しているわけです。
もちろん、発ガン物質の摂取は、100%カットしましょう。あたりまえの話です。
正しい食事をしていれば、免疫機能が健全なために、多少のガン細胞が体の中に発生しても、すぐに、免疫細胞が、ガン細胞をやっつけてくれます。
ガンが、発病するのは、上に書いた、どれかが守られていないからです。あとは、加齢による免疫機能が衰えてしまうからです。
ですから、免疫療法や自然療法は、衰えた免疫機能を回復させること、増強することを最大の目的とします。
さて、もう一歩、話を進めると、ガン細胞が、人間にとってやっかいな病気であるのは、ガン細胞が、私たち自身の正常な細胞が突然変異した細胞だということです。ガン細胞も私たち自身の細胞であるということが、重要なカギなのです。
実は、『キラーT細胞』などの攻撃部隊は、人間の体に侵入してきた外部の敵だけを攻撃します。細菌やウィルスなど、外部から侵入者と自分自身の身体の細胞とを区別することができるわけです。そして、外部の侵入者だけを攻撃するというわけです。
ここで、問題になるのは、ガン細胞は、外部からの侵入者ではなく、人間本来の細胞です。だから、『キラーT細胞』などの攻撃部隊は、このガン細胞を敵として認識することができないため、見逃してしまうわけです。
でも、人間の免疫機能のうち、『樹状細胞』という、賢い免疫細胞があることが、発見されました。この賢い『樹状細胞』は、正常な細胞が突然変異したガン細胞を認識・発見する能力があるのです。
実は、正常な細胞がガン化すると、その表面に異常を示す目印(抗原)が出現します。上の醜いガン細胞を見てください。表面に異常な突起物が出て、とても、醜い姿になっていますよね。ガン細胞の増殖がはじまると、新しく生まれたガン細胞も、似たような目印(抗原)が゜、表面上に現れます。
司令塔となる樹状細胞は、この目印(抗原)をしっかりとメモして、犯人の特徴をとらえた『人相書き』を戦闘部隊である『キラーT細胞』に配ります。いわゆる指名手配というものですね。これにより、『キラーT細胞』は、犯人を捜しはじめ、表面に目印(抗原)をもつ細胞を特定し、直ちに、逮捕、攻撃するわけです。
今、アメリカでは、この樹状細胞に、早くガン細胞の抗原を認識させようという研究が進んでいます。それが、いわゆる『癌ワクチン』と呼ばれるものです。
『癌ワクチン』は、タンパク質やそのかけらであるペプチドで、ガン細胞の抗原と同じ分子を人工的に合成したものです。この合成された抗原を注射されると、樹状細胞が、それを敵と認識し、『キラーT細胞』に攻撃を指示するのです。
しかし、この人工的に合成された『癌ワクチン』の抗原が、必ずしもガン患者の抗原と同じとは限りません。現在、何種類かの抗原のワクチンを用意し、どれかが当たるだろうということで、治療を進めているようです。
しかし、患者の持つ目印(抗原)と一致しないと、効果は期待できないのは、一目瞭然です。そのために、最近では、手術により摘出したガン患者本人のガン細胞を直接、抗原として使う樹状細胞ワクチン療法が、研究されています。これであれば、究極のテーラーメイドの治療といえます。
このように、アメリカでは、免疫療法は、かなり進化しつつあるようですが、残念ながら、日本では、さっぱりです。
日本では、今でも、手術・抗ガン剤・放射線が、唯一のガンに対する治療法であるとして、免疫療法は、邪道であると主張する医者が多いようです。
しかし、抗ガン剤にしても、人間の免疫機能が、外部からの異物の侵入として働くことかせ、副作用が起きるわけです。それなのに。その免疫機能を抑えて、直接、ガン細胞に効くとする抗ガン剤では、逆に、人間の体力を衰えさせてしまいます。免疫機能を利用する免疫療法であれば、そのような副作用が起こることもなく、効果的にガン細胞を攻撃することができます。
日本でも、最先端の免疫療法を取り入れてほしいものです。
ただ、そうなると、抗癌剤で利益を得ている医薬会社が潰れてしまうかもしれません。さらに、ガン患者も急速に減ることになり、病院の数が少なくてすむことになるかもしれません。