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ビルマの音楽は.....
「ビルマの音楽は雨の音をうつすことからはじまった」と、竹山道雄「ビルマの竪琴(たてごと)」にある。いつもは竪琴の調べにも似て、雨は蕭条(しょうじょう)と降るのだろう
◆弦を断ち切るような豪雨と暴風がミャンマー(ビルマ)を襲った。サイクロンの死者は10万人を超えるという。家屋の95%が倒壊、消失した被災地では、音楽はおろか、悲鳴や嗚咽(おえつ)さえ途絶えた沈黙の村もあるに違いない
◆疫病と飢えが被災者に刻一刻と迫り来るいま、軍事政権は不可解にも、各国の人的支援を拒みつづけている。国情をつぶさに知られたくないからか、人命よりも政権の体面が大事らしい
◆人の心にも竪琴がある。住む家もないお年寄りや腹をすかせた子供たちに涙して鳴る琴線は、諸外国の人々でも持っている。同じ国の、ましてや政治に携わる者が持たずして、どうやって国を治めていくのだろう
◆「ここにあるのは花と音楽と、あきらめと、日光と、仏様と、微笑とノ」。人々の心静かな生活を語った「ビルマの竪琴」の一節である。微笑も音楽もなくした国民に残されたものが絶望のあきらめだけならば、為政者を名乗る資格はない。
(2008年5月9日01時50分 読売新聞)
5月9日付 編集手帳 読売 社説コラム
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