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オーボエの渡辺克也がCDとリサイタル

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オーボエ奏者の渡辺克也氏(瀧誠四郎撮影)

    産経新聞などにコラム「ベルリン音楽旅行」を連載中のオーボエ奏者、渡辺克也(45)がCD「ポエム」を発売し、収録曲を中心に据えたリサイタルを28日から東京、茨城、福島で開催する。
 名門のベルリン・ドイツ・オペラなどで妙技を披露してきた渡辺は、高度なテクニックが盛り込まれた難曲を鮮やかに演奏し、色彩感と情感にあふれた世界を紡ぎだす
 渡辺は昭和41年、さいたま市生まれ。東京芸術大在学中から新日本フィルハーモニー交響楽団に入団して早くから活動を開始した。
 平成2年にドイツに渡り、カールスルーエ州立歌劇場管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラの首席奏者などを歴任して注目を集め、ベルリンを本拠に名手ぞろいのソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの首席奏者を務めて活躍する。
「ドイツに居を移して20年が過ぎ、人生の半分近くをこの国で過ごしてきました。
 音楽的にも人間的にも、ヨーロッパで学んだものは実に多く、古い演奏の記録を調べたり、埋もれていた名作を探す過程の中にも、たくさんの刺激が与えられ、向かうべき音楽の姿が大きくなっていきます」
 今回のCDとリサイタルでは、19世紀後半に活躍したフランスのオーボエ奏者、ファルグが作曲した「ウェーバーの歌劇『魔弾の射手』の主題による幻想曲」、1940年生まれのノルウェー人作曲家、マドセンのオーボエ・ソナタなど、珍しい作品が並ぶ。
タイトルに掲げる「ポエム」は、その存在がほとんど世に知られていないロシアの女流作曲家、ドラニシニコバのロマンチックな小品だ。
 「『ポエム』の楽譜には、作曲者がオーボエ奏者に恋をし、悲しい結末を迎えたことをうかがわせるような書き込みがあります。
重いピアノの響きで始まるこの作品は、彼女が背負った宿命を思わせる感傷的な旋律が印象的です」
 悲恋の物語を情趣たっぷりの響きがつづっていく。
 ヨーロッパを代表する歌劇場で演奏を重ね、大向こうをうならせてきた渡辺のオーボエは、歌心にあふれ胸をいっぱいにする。
 精密で濃密な音楽づくりは、深い尊敬の念を抱くドイツの大指揮者、フルトベングラーの影響が大きいという。
 「作曲家の意図したことを実際の音にするのが演奏者の務めですが、フルトベングラーは、作曲家の思いを深く受け止め、作品が指し示す理想をより高い次元で表そうとしました。
 僕も音譜に書かれたことをすべて音にするだけではなく、その背後には何があるのか、どんな思いを音譜に込めたかを感じ取り、濃厚で深みのある演奏を目指していきたいと考えています」
 リサイタルは、7月28日=東京文化会館(東京都台東区)、同29日=鹿嶋勤労文化会館(茨城県鹿嶋市)、8月4日=いわき芸術文化交流館(福島県いわき市)。

2012.7.26 14:42
産経新聞 

【オーボエ奏者 渡辺克也のベルリン音楽旅行】 

素晴らしきフランスチーズの世界

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オーボエ奏者の渡辺克也(瀧誠四郎撮影)
 
ベルリン・ドイツ・オペラのフランス人首席フルート奏者、エリック・キルヒホーフは、私の元同僚でまた無二の親友でもあります。
世界で最も権威あるミュンヘン・コンクールで1位無しの2位に輝くなど大変な名手でありまして、双子の弟パトリスもフランス国立管弦楽団ピッコロ奏者です。
グルメの街ストラスブール生まれですから、フランスチーズを実家からベルリンまで欠かさず送ってもらっています。
    本場フランスでは、加熱殺菌していない牛乳から作られたのでなければカマンベールを名乗れないそうで、それを守っていない上にハーブ入りなどのバリエーションまでもあるドイツ製カマンベールには、全く我慢ならないそうです。
    演奏旅行で日本に行った際、スーパーでチーズが売られているか真っ先に調査しましたのは、フランス人の彼としましては当然の成りゆきでありましょう。
   「日本にもチーズがあった。四角くて真空パックされている、チーズという名前のチーズが!」と嘆いていました。
    ヨーロッパではゴーダ、エメンタール、ゴルゴンゾーラ、といったナチュラルチーズが種類も豊富にありますが、チーズという名前のチーズはありません。
    フランスチーズに興味津々の私は、ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの演奏旅行でパリに行く前に、主だった種類のチーズリストを作ってもらいました。
    冷蔵ショーケースに何十種類も並んでいるチーズ売り場を前にして、フランス語が全く話せない私でもそのリストさえ渡せば全て事足りるようにです。
    喜々として20種類もメモしてくれます。
   激しい臭いを放つチーズも手加減せずに入れてくれと頼みましたので、フライトの機内で迷惑にならないよう、お店で真空パックにしてください、とフランス語で書き添えてくれました。
    本場フランスチーズの世界、素晴らしかったです。
   ただそのヨーロッパも、こと魚につきましては相当貧弱であると言わざるを得ません。
   ムニエルなどにすると美味(おい)しい、おろした状態の淡泊な冷凍の白身魚が、1キロ袋入り400円くらいで手軽に入手できます。
    ご丁寧に皮を剥いであるので、魚の皮の美味しさを知る日本人といたしましては、残念ですねえと思うのですが、もっと驚くのは、魚の種類の欄に「深海魚」と書かれていることです。
深海魚という名前の魚はいません!
◇ 
【プロフィル】渡辺克也
 わたなべ・かつや 1966年生まれ。東京芸大卒。91年、ドイツに渡り、ベルリン・ドイツ・オペラ歌劇場管弦楽団の首席奏者などを歴任。現在はソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの首席奏者として活躍している。
2012.9.16 09:05 
産経新聞

【オーボエ奏者 渡辺克也のベルリン音楽旅行】 



振り上げる指揮法で豊かな音


  先日ある会で、一つのオーケストラを2人の超一流指揮者がたて続けに振るのを聞きました。
  長老クラスの方の1曲目に続き、若手指揮者が2曲目を振り始めたところ、最初の音で私は愕然(がくぜん)としてしまいました。
  1曲目に比べ、あれっと思うほどにオーケストラが鳴らなくなったからです。
  若くて動きも俊敏ですのに、響きの豊かさが20%減ったみたいでした。もちろん楽員が手を抜いていたわけでは絶対にありません。
 ある指揮者が指揮台に立った途端にオーケストラがよく鳴る、あるいは鳴らない、指揮者の良しあしが一瞬にして明らかになってしまう現象です。
 優れた指揮者は、オーケストラを鳴らすために、ひいては音楽を引き出すためにどのような動作が効果的か、日々研究しています。
  私の経験した中で最もよく鳴るのは、クリスティアン・ティーレマンの指揮でしょうか。特に低弦が地響きを立ててうなりだします。
 小学校の音楽の授業でも、指揮というのは上から下へ振り下ろす、と教わるのが一般的ですね。
  しかし、ティーレマンのは全く正反対に、下から上に振り上げます。下の打点から跳ね返って結果的に振り上がるのではなく、打点そのものが上の方にあるという、極めて独特なシステムです。
 その動きを例えるならば、フライパンでホットケーキを焼く際、突き上げてひっくり返すような動作、また、腕を開いたバレーボールのアンダーハンドレシーブのようでもあります。
 ゆっくりしたテンポでは、大切な大きい壺(つぼ)を目の高さほどに持ち上げるような動作をします。
 この指揮法では、振り下げて準備する動作、振り上げて打点そのものを示す動作ともに、普通の指揮法に比べて重く力強さが増します。
  ティーレマンの持ち味のゆっくりしたテンポやドラマチックな表現を作り上げるのに、とても有利と言えましょう。
 また、腕を振り上げる動きにより、音楽が上方向に気持ちよく飛んでいきます。あたかも、蓋をすべて取り払って演奏されるグランドピアノから音が湧きだすように。
 余談ながら、腕を上から下に振り下ろすと背中と腰に負担がかかりますから、下から上へ振り上げる指揮法は、指揮者を職業病から解放してくれるかもしれませんね。
 上方向への勢いで身長が伸びる効果も期待できますか!

2012.8.26 07:52
産経新聞

【オーボエ奏者 渡辺克也のベルリン音楽旅行】 


名指揮者 音楽以外でも聴衆を魅了
 今年1月、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートの最中に、客席で携帯電話が鳴り響き、指揮のアラン・ギルバートが演奏を中断する、という事件がありましたね。
 マーラー交響曲第9番最終楽章の弦楽器だけが奏でる静謐(せいひつ)な場面に2千人が集中している、まさにその時でしたから、居合わせた誰にとりましても、不幸で残念な出来事でした。
 年に何十回とコンサートをこなす私たちにとりましては、このようなことは実はそう珍しくはありません。
 2千人も集まると、人間どんなに気を付けていても、過ちが起こってしまうものなのでしょう。
 ベルリンドイツオペラでは、開始5分前の一ベルの代わりに、一瞬びっくりするような携帯電話の呼び出し音を流します。お客さまに、「おっと、スイッチ切ったかな」とご確認いただくためです。
 何年か前、クリスティアン・ティーレマン指揮ベルリンドイツオペラのアテネ公演にて、ワーグナーのリエンツィ序曲を演奏致しました。
 この作品を国外演奏旅行に持っていくこと自体大問題だと思うのですが、その話はまた別の機会に…。
 冒頭の非常に静かに遠くから聞こえるファンファーレを演奏中に、客席で携帯電話が鳴りだしました。
 大指揮者の多くがそうでありますように、ティーレマンはかなり難しい人物と言わざるを得ません。表情も全く変えずに、即座に演奏を止めました。
 「まずい! この男、お客さんを罵倒する」−。楽員の脳裏を最悪の事態がかすめ、オーケストラのあちらこちらから「マインゴット…」のつぶやきが漏れ聞こえます。
 くるりと客席の方を向いたティーレマンは、ポケットから何か取り出しました。
 いつになくにこやかに「皆さん、私も自分の携帯かと思いドキッとしましたが、見てください、このように、ステージに上がる前にスイッチを切ってあるのです。
 お願いですから、コンサート中は忘れずにスイッチを切ってくださいね!」とやったものですから、客席はもちろん、ステージ上の私たちも大爆笑。
 この出来事を、ニューヨークのように不幸な事件にしてしまわずに、コンサート会場を笑いの渦に巻き込んだティーレマンの機転は、実に秀逸です。
 先程難しい人物と表現してしまいましたが、彼と一緒に演奏したことがある演奏家のうち、指揮者としてのティーレマンを絶賛しない者は、皆無です。

2012.7.22 07:30
産経新聞

【オーボエ奏者 渡辺克也のベルリン音楽旅行】 


ケルン公演 お楽しみはケルシュ

 ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの来シーズン(2012年9月〜13年6月)のパンフレットが、配られました。
 オーケストラ楽員にとってこれから先のプログラムを知らされるのは、とてもウキウキする楽しいことです。
 好きな作品があったり、ソリストとの共演が楽しみだったり…。
 ミッシャ・マイスキー、エリザベート・レオンスカヤ、シプリアン・カツァリスらが名を連ねています。
 シューマンの第2番の交響曲、ジークフリート牧歌、ブラームスのバイオリン協奏曲など、オーボエが活躍するやりがいのある作品がいくつもあります。
 ちょうど練習の休憩中に配られまして、おのおのかぶりつくように読み、イメージを膨らませているのでしょうか。
 隣のファゴットの巨匠フランティシェック・ヘルマンも、席に戻り楽器を構えるなり、来年4月に演奏するベートーベンの第4番の交響曲の難しいパッセージで、指慣らしをしていました。
 この4月のコンサート、ケルンにも引っ越し公演をいたします。で、私のイメージは、コンサート後のビールの楽しみにまでも膨らんでいきます。
 ケルンには、ケルシュというこの土地独特の軽やかなビールがございます。
 私が演奏後に行きますのは、フィルハーモニーホール間近、赤いラベルのフリュー・ケルシュという造り酒屋であります。
200ミリリットルの縦長のグラスに、注ぎたての新鮮なのが、どんどん運ばれてきます。それを3杯4杯と頂きますから、椀子蕎麦(わんこそば)ならぬ椀子ビールといったところでしょうか。ビールのデリカテッセ(ドイツ語で「おいしいもの」の意)でございます。
 グラスが空になるとすかさず次のが来ますので、打ち止めの場合、グラスの上にコースターを置いて合図します。
 フリュー・ケルシュの瓶入りもドイツ中で売られていますが、ケルンのタンクから直接注がれたケルシュの方が断然良い、と言わざるを得ません。
 タンクのが生きているビールだとしますと、瓶入りはいわばビールの瓶詰、あるいは標本ですかねえ。
 話をルクセンブルクに戻します。皆様、ヨーロッパにご旅行の際は、どうぞルクセンブルクにも足をお運びください。
 とっても良い所ですよ。もし可能でしたら、ぜひソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクのコンサートの日程に合わせて…。感動をお約束いたします。
(同楽団のHPは
   http://www.sel.lu/)


【プロフィル】渡辺克也
 わたなべ・かつや 1966年生まれ。東京芸大卒。91年、ドイツに渡り、ベルリン・ドイツ・オペラ歌劇場管弦楽団の首席奏者などを歴任。現在はソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルクの首席奏者として活躍している。


2012.6.24 08:56
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