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予想通りというか.....

産経抄】
 
8月1日
 
2012.8.1 03:31
 
 予想通りというか、日本の金メダル1号は女性だった。柔道女子の松本薫選手はまだ24歳のお嬢さんである。ところがつけられた愛称は「野性児」だという。確かに「ウルフ」と呼ばれた元横綱・千代の富士を思わせる眼光の鋭さなど、野性味あふれるお嬢さんだ。
 
 ▼顔つきだけではなく、人並みはずれた闘争心の持ち主だそうだ。6年前の世界ジュニア選手権では、1回戦で鼻骨を折って負けた。だが「死んだわけじゃない」と鼻に綿を詰めただけで敗者復活戦に臨んだという。頼もしいかぎりの「肉食系女子」である。
 
 ▼そうかと思うと、女子の重量挙げで初のメダルを獲得した三宅宏実選手は、あどけなさも残る26歳である。それが、50キロ足らずの体で100キロを超えるバーベルを挙げてしまう。こちらも見ていて涙が出てきそうな頼もしさだった。
 
 ▼日本の女性も力強くなったものよと思うが、実は今に始まったことではない。例えば94年前、大正7年の米騒動のきっかけをつくった富山の女性たちだ。艀(はしけ)に乗り沖の船まで重荷を運ぶお母さんらで、中には米俵を片手で軽々と運ぶ怪力の持ち主もいたという。
 
 ▼その彼女らが8月3日、町の米屋に押しかけ、「米を安く売れ」と強訴した。米の値が高騰、地方から東京へ流出していたからだ。この事件が全国的「騒乱」に広がり、当時の寺内正毅内閣が倒れるにいたる。力持ちのお母さんらが結果的に政治をも変えたのである。
 
 ▼かつて農村にも漁村にも、心身ともにたくましい女性たちがいくらでもいた。今それが目立ってしまうのは、男どもがあまりに優しくなってしまったからだろうか。そう言われないためにも、ロンドンの男性陣の強い戦いを望みたい。


昭和11年の二・二六事件.....

 昭和11年の二・二六事件に一兵士として巻き込まれた経験を持ち、剣道の達人で、高座を降りれば、無愛想この上なし。平成14年に87歳で世を去った五代目柳家小さんは、いわゆる芸人らしくない落語家だった。

 ▼といっても、落語通の作家、江國滋によれば、けっして石頭の持ち主ではない。「バクチもいい、酒もいい、女もいい、ただいやしい心の人間になってはいけない」。これが信条だった。

 ▼たとえば弟子の一人が、「明治神宮の初詣で、着飾った娘さんのお尻をなでてきました」と報告するのをニコニコ聞いている。ところが、「ついでにお賽銭(さいせん)を拾ってきました」などと言おうものなら、烈火のごとく怒ったという(『落語無学』)。

 ▼政治家にも当てはまる。「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚をくれと言うのに等しい」という“名言”もあった。重要なのは、国の一大事に際しての身の処し方である。今、まさにその時が来た。

 ▼きのう自民党と公明党等が提出した内閣不信任決議案に対して、決断を迫られている。特に民主党の衆院議員のみなさんに申し上げたい。東日本大震災の発生からまだ3カ月足らず、福島第1原発事故の収拾のめども立たない。そんな時期に首相を代えるべきではない。確かに、俗耳に入りやすい「大義」ではある。

 ▼しかし、菅直人政権によるこれまでの不手際の数々を振り返ってほしい。会議の乱立、原発事故をめぐる情報の錯綜(さくそう)、思いつきとしか思えない政策発表など、首相の存在こそが、復興への最大の障害ではないか。もし、それに目をつぶり、政権党に安住するためだけに反対票を投ずるというなら、そんな「いやしい心の人間」に、国政を語る資格はない。

2011.6.2 03:02
産経抄 産經新聞


関ケ原の戦いに。。。

関ケ原の戦いに。。。 

関ケ原の戦いに勝利した徳川家康は、3年後に征夷大将軍の称号を朝廷から授かると、すぐに江戸に帰ってしまう。いまだ政情の定まらない関西を離れたのはなぜか。歴史家はさまざまな解釈をしてきた。

▼元国土交通官僚の竹村公太郎さんは、利根川という自然と闘うためだ、という。天下を治めるために、見渡す限り葦(あし)が生い茂る湿地帯だった関東一帯を、日本一肥沃(ひよく)な土地に変える必要があったからだ。

▼相次ぐ大規模河川工事は、江戸を水害から守る目的もあった。家康一代では闘いは終わらず、もともと東京湾に注いでいた利根川の水が、本格的に太平洋に流れ出したのは、5代将軍綱吉の時代だという(『日本文明の謎を解く』清流出版)。

▼家康の天下統一と時期を同じくして、シャム(現在のタイ)に渡ったのが、山田長政だ。長政が頭領を務めた日本人町は、当時の王都アユタヤの郊外にあった。現在は多くの日系企業が工場を構えるこの地を中心とした洪水被害は、拡大の一途をたどり、首都バンコクに迫りつつある。

▼被災した日系企業は、400社以上に及ぶ。特に自動車メーカーでは、進出している8社すべての生産が止まっている状態だ。カメラやパソコン業界でも、世界的な規模で品不足が生じる可能性が出てきた。洪水の直接の原因は、平年の1・4倍という記録的な大雨だ。

▼ただ、これまで何度も大洪水を経験してきたにもかかわらず、総合的な治水対策が予算の問題や政争によって頓挫(とんざ)してきた経緯がある。家康ほどの構想力を持たない政治家が、戦う相手を間違え、国土の荒廃を招けば、何十年、何百年あとの世代まで損害を被ってしまう。もちろん日本も人ごとではない。

産経抄
2011.10.20 02:48 
 効率無視で実現したジョブズのこだわりとは?

Windowsユーザーだが、MacBookも保有し使っている。iPhoneは、愛用というよりもはや ”中毒症 ”、うっかりどこかに置き忘れるとパニックになる程だ。とはいえ「アップル製品と私」というテーマで延々と熱く語れるほどではなく、いわばライトなファンといったところか。

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                         アップルのデザインジョブズは究極をどう生み出したのか

自分の周りには、濃厚なアップルファンが多い。日本時間深夜スタートの新製品発表会がある翌日は会社を半休し、新製品は悩まず即効予約。

ケースを装着した私のiPhoneを目にすると、なぜだか寂しそうな眼をする。せっかくの筐体の美しさをわざわざつまらないプラスチックケースで覆い隠してしまうのが惜しいのだという。

新しいiPhone/iPadが発売となるたび販売店前に長い行列ができるのも、もはや年中行事となった。もちろんゲーム機やゲームソフトの発売時にも同様の現象は起こるが、パソコンやガジェットでここまでの熱狂が、しかも全世界規模で発生するケースは他に知らない。

「アップル製品のすごさとは?」
「国境を越えてここまでユーザーの熱い支持を集める理由は?」

そのヒントを見つけられるのがこの一冊かもしれない。

国内の多くのメーカーが手がけたのが、「良いデザインの商品を作ること」だ。それは、ビジネス全体のある1点だけにデザイン資源を投入したに過ぎないアプローチだ。

これに対してアップルがデザインしたのは、商品の外観のみといった狭い範囲のものにとどまらなかった。アップルがデザインしたのは、「顧客とのあらゆる接点」だ。

「顧客とのあらゆる接点」をデザインするアップル。「デザインとはそもそも何なのか」をこの書籍の前半では深く考えさせられる。

「キーノート」と呼ばれる新製品発表会の会場演出、故スティーブ・ジョブズ氏の天才的なプレゼンテーション。購入した製品との対面を演出し、感動と喜びをさらに引き上げてくれる「製品パッケージ」。

筐体は素材自体がもつ美しさも十二分に生かしたデザインで細部にまでこだわり、手に馴染み、心地よく使えるよう設計されている。

直感で操作できるインターフェースの徹底した作り込みも、触った瞬間から実感できる。

○生産効率を無視してでも実現したこだわり

アップル製品の使い心地のよさは格別だ。MacもiPodも、そしてiPhoneにiPadも今でこそかなり使い慣れ、見慣れてしまったが、初めて触った時の感動はやはり大きかった。

「使っていて気持ちがいい。一体感を感じられる」

アップルの製品が他社と最も違う点。それは、細部の作り込みに対する執念と言えるだろう。質感や操作感の違いをジョブズ氏は鋭く発見し、納得できない試作品は壁に投げつけるほどに激怒する。

「神は細部に宿る」─モノ作り大国日本では、作り手はもちろん使う側の目も肥えている。

 日本のメーカーももちろん細部にまで徹底的にこだわった製品作りを行ってきたのだが、故スティーブ・ジョブズ氏のリーダーシップのもと、既存概念を覆す製品を次々世に発表し、常にユーザーを驚かせてきたアップルの「こだわり」は、製造現場の常識も大きく覆す。

第2章「分解して分かるアップルデザインの真髄」では、アップル製品の作り手の思想にまで迫るべく、非常に面白いアプローチがなされている。




携帯電話市場にまさにイノベーションを引き起こしたiPhoneの最新モデル「iPhone 4S」を、プロダクトデザインとエンジニアリングに詳しい専門家&デザイナー達が分解をしながら、「他社がまねできないアップルのモノ作りの秘密」を分析・推測している。

 分解途中の写真や内部のパーツの写真もふんだんに盛り込まれ、一愛用ユーザーとしても非常に好奇心をそそられる内容となっている。内部構造やパーツ一つひとつに、プロダクトデザインのプロ達は驚きを隠せない。

 例えば、ねじ止め一つとっても、「既存のプロダクトデザインのルールにはそぐわない」ものだそう。ボディ四隅の内側を止めているネジの角度は45度でしかも方向はばらばら。

 国内メーカーであれば、生産効率や工程数削減のため、ねじ止めの方向は統一するのが常識。しかしながら生産効率を犠牲にしてでも、妥協のない仕上がりを目指すアップルの強い意志がここに感じられるのだという。

○工場を持たないアップルが高い製品クオリティを維持できる理由

ボリュームボタンや電源ボタンの内部構造にも効率やコストを無視したこだわりがある。ユーザーが触れる頻度が高いボリュームボタンは、その「触感」を高めるため、コストが安いゴム素材ではなく、金属バネを採用する贅沢な作りになっている。

分解をしながら「ほとんど神業」と驚かされるほどに樹脂部品の精度は高い。

ところで、よく知られていることだが、アップルは「自社工場」を持たないファブレスメーカーだ。日本・中国を含む世界各国の協力工場で製造が行われている。

アルミやステンレスなどの素材は、アップルが自社製品のための特別仕様で素材メーカーに作らせたものだ。

アップルが生産効率にとらわれず、自分たちが目指す製品を現実のモノにできるのは、自社工場を持たないためと推察できる。

作りたいモノに合わせて、その都度、実現可能な工場やサプライヤーを世界中から探し求める。

ふむふむと納得しつつ、疑問も発生する。

日本のメーカーでは、あえて人件費の高い国内自社工場で組立・製造を行うことで高いクオリティを実現し、それを製品価値としてアピールしているところもある。

自社工場を持たないアップルでは、iPhone分解でも垣間見えてきた高度な技術を駆使したモノ作りを、一体どう実現しているのだろうか。

実はアップルの年間の設備投資額は、ソニーのそれをはるかに上回るという。

何千台もの切削加工機やレーザー加工機を導入し、それを製造委託先の加工工場に貸し出すことで、まったく新しいデザインの製品を生み出している。

モノ作りの常識から考えると、製造委託先の工場や自社工場が持つ既存の生産設備に合わせた加工ができるようにデザインを行うのが当たり前だ。

しかしアップルのアプローチは逆。実現したいデザインに合わせて、加工設備をゼロから工場に導入させるのだ。

○製品を通じて「新しい体験」を提供するアップル

妥協を許さないアップルの製品開発。それがどのようなプロセスや体制で行われているのか、どんな思想のもとに進められているのかも関係者へのインタビューやコラムを通じて見えてくる。

その中で何度も登場するのが「ユーザー体験」という言葉だ。

1998年に31歳で副社長に就任したインダストリアルデザイナー、ジョナサン・アイブ氏へのインタビューでは、カラフルで美しい曲線のボディで旋風を巻き起こしたiMacのデザインがどのような思想から誕生したかが語られている。

非常に興味深いのは背面に取り付けられた大きな把手(はしゅ)についてのエピソードだ。

iMacを見た人は、たいてい把手に手を触れます。実際に持ち上げるということではなく、何となく触ってみるのです。把手をつけるということは、「手で持つべき部分」を作るということです。

把手の裏側にあるリブも、手に与える感触を考えて、じっくり時間をかけてデザインしました。必ずしも最大限の快適さを追求するということではなく、そこに人とモノとの関係を生み出すという意味で.....。


ユーザーが求めるものを把握するためのリサーチ、多くの人に受け入れられるデザインを探るためのモニター調査など、他のメーカーでの新製品開発過程では当然徹底して行われているが、アップルでは違うようだ。

ただそれは、作り手が、デザイナーが、自分たちの思いだけでモノ作りを強引に進めているということは意味しない。

新製品をユーザーがどう受け止め、パッケージを開ける瞬間にどうワクワクし、そして製品に触れ、自分の指で操作した時にどう感じるのか。

「アップルは一貫して、ユーザー体験を軸にモノ作りを続けてきました」と、ジョナサン・アイブ氏のインタビューを担当した藤崎氏は語る。

         *        *        *

本書では他に、アップルストアの空間デザインや広告クリエイティブにまつわる話、そして後半では、韓国サムスンとのデザイン特許侵害をめぐる法廷闘争の経緯や、アップルの出願特許から推察する新製品の予測など、「アップルのデザイン」に関する話が多岐にわたって紹介されている。

「デザインは管轄外だからノ」 そういって通り過ぎてしまうにはもったいない一冊。
 アップルの「デザイン力」から学べることは、あまりに大きいのだから。

和田 亜希子(わだ あきこ)
1998年に検索エンジンのライコス・ジャパン入社。
カレンを経て2001年に独立。企業からの受託により、アフィリエイトマーケティングの導入や運営支援、ブログを活用したプロモーションなどの支援業務を行う。

●主な著書:『改訂版ネットで儲ける!ブログでアフィリエイト』(翔泳社)、『ひとつのブログで会社が変わる』(技術評論社)ほか
●ブログ:WADA-blog(わだぶろぐ)

nikkei BPnet
2012年06月22日  




初代の総理大臣を務めた.....

 初代の総理大臣を務めた伊藤博文は、はなはだ女色を好んだ。度の過ぎた芸者遊びはしばしば新聞の三面記事をにぎわしたが、伊藤は誰に何を言われようと、どこ吹く風の体だった。
 
▼「俺は芸妓(げいぎ)と遊んで居る時でも、酒を飲んで居る時でも、人と冗談を言ふて居る時でも、俺の頭からは始終国家と云(い)ふ二字が離れた事は無い」と豪語したという。維新の元勲にあやかったわけではなかろうが、民主党の小沢一郎元代表(69)の言葉も頼もしい。
 
▼「私の関心事は天下国家の話で、それに邁進(まいしん)する日常を送っているつもりであります」。資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件の裁判で、強制起訴された小沢氏が語っていた。その言やよし。きっと大好きな囲碁や魚釣り、あるいは配下の議員と酒を酌み交わしている最中も、天下国家の四文字が、頭から離れないのだろう。
 
▼ただ、だからといって数億円もの政治資金に「関心を持つ暇(いとま)がない」との主張には、首をかしげてしまう。秘書として長く仕えた石川知裕衆院議員は、「コピー用紙は裏紙を使うように」と節約を指示されたエピソードを明かしている。そんな人物が、すべて「秘書任せ」にするだろうか。
 
▼小沢氏は自分に好意的なメディアに登場して、盛んに天下国家について語っている。しかし、その歩みを振り返って見えてくるのは、選挙の巧みさと蓄財の能力ばかりである。
 
▼「どんな場合でも俺は子孫の為めに物事を考へた事は無い。一家の計を考へた事は無い」。伊藤の言葉はこう続く。明治42年に中国ハルビンで暗殺され68年の生涯を終えたとき、確かに残されていたのは、安普請の家屋敷と趣味で集めた刀剣だけだったそうだ。

2012.1.12 03:04 
産経抄
産經新聞



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