失われた仏教最古の叡智

歴史の中に埋没し、忘れ去られてしまった仏教の最初期の時代に説かれていた「ブッダの究極の理法」の根幹について、その真相を語る。

大乗非仏説論について

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大乗非仏説論について

 
 『浄土三部経』などを一連とする、大乗仏教の中でも、神秘主義的な種類の仏教に属する関する経典によれば、神(超越的な仏)となった仏陀が、極楽浄土や仏国土の中心の蓮の上に座し、黄金色をした数多くの菩薩が宙を浮いているという描写がある。そして、それらによれば、悪事を成した者は、熱鉄の釜に入れられて焼かれるという。


 私は、このような神秘主義的な色彩の強い種類の大乗経典を初めて読んだときに、率直な感想として、こんなアホなことが、本当に実際にあるのだろうかと思った。


 次の瞬間、いったい誰が、このようなことを考え出し、創作していったのだろうかということが、私の頭の中をよぎっていった。


 そして、私は、いったい誰が、夢ではなく、このような光景を、実際に、見たのだろうか、とも思った。


 周知のとおりであるが、サンスクリッド語で書かれている神秘主義的な大乗経典の多くには、浄土や仏国土で蓮の上に座する神格化した如来や菩薩が説法を行っているのに対して、パーリ語で書かれている初期の仏教の経典には、来世や前世の話ではなく、現実の、生きた人間としての、人間の「生老病死」というものを真正面方捉えた、生々しい、釈迦の姿と言葉が書き記されている。


 このようなことを踏まえて、江戸時代や明治時代に、すでに、「大乗非仏説論」なるものを唱え始めた学者が存在していたというのも、また多くの文献によって明らかになるのである。


 ここで言う「大乗非仏説論」というものは、そもそも、大乗仏教というものの多くは、釈迦の直説(自説)ではなく、釈迦の滅後、数百年後に、大乗仏教の僧侶たちにの独自の創作によって、全く、初期の仏教とは異なった仏教というものを作り出していった、という主張なのであるのだろうと思う。


 私個人的な私見で言えば、現代の、我が国や、日本以外の仏教学が主張するように、神秘主義的な種類の大乗仏教というものは、釈迦の直説ではなく、後代による創作である、という可能性が大きいのではないのかと私は推察している。

 
 ただ、神秘主義的な種類の大乗仏教の見地から言えば、現存する仏教最古の経典であると言われている『スッタ・ニパータ』などに登場する釈迦の言葉は「方便」であると捉えることによって、それらの矛盾に折り合いをつけようとするものであるのだろうが、それにしても、それらを信ずる者は、いったい、何ゆえに、仏教の開祖である「ブッダの言葉」を「方便」であるとして斥けるのだろうかという疑問も残るのも事実である。


 これらのことの、最大なる理由の一つは、人間の多くは、初期仏教の言う「ブッダの言葉」は理解し難いものであり、釈迦の説いたとされる最初期の仏教というものは、人間の遺伝的な本能に反逆する捉え方である、と思うのである。


 ところで、ここで言う「大乗非仏説」というときに「仏」とは「釈迦」のことを指しているのだろうが、もし、この「仏」という語を「悟った人」「目覚めた人」であるとして捉えたとするのなら、「大乗非仏説論」なるものは、誤りであるような気もする。


 史実的なゴーダマ・ブッダたる釈迦は、「無我説」を説き、「霊魂の不滅説」や「形而上学説」は説いていない、ということは、現代の仏教学においても、定説のようになっているっと思うが、私は、史実的に言って、これらの神秘主義的な種類の大乗仏教仏教というものを、最初期の釈迦の仏教とは区別して、全く別のものであるとして捉えるのなら、一切の矛盾は解消するのではないのかと考えている。


 「真実に近づくにつれて、万事はつじつまが合い始める」と言った聖書学者がいるが、やはり、「信仰」と「歴史学」というものは、なかなか融合し難いのかもしれないと思う。
 
 

 


 

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