見る・観る・演るーお芝居おじさんのひとり言

お好きな記事をどうぞ。それぞれが1つの「読み物」です。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 1

 




  鈴木聡見参!「サクラパパオー」

 97年11月、「サクラパパオー」。鈴木聡、初のパルコ劇場。
初演93年、再演95年はシアター・トップス。(わたしは、未見)
 福本伸一と岡山はじめ、そして小林隆(客演)は、トップスでも
出ている。今回ヘレン役の櫻井淳子は、当時TVの「ショムニ」で
知名度がup。この芝居が、初舞台。


   # 『サクラパパオー』

 作/演出 鈴木 聡

 キャスト
   櫻井淳子 : ヘレン (日本人・水商売の女)

羽場裕一 : 的場博美 (外務省のエリート官僚)

若松武史 : 柴田 達 (競馬の予想屋)

角替和枝 : 菅原幸子 (未亡人)

小林 隆 : 横山一郎 (優柔不断・うだつの上がらない中年サラリーマン)

福本伸一 : 田原俊夫 (今日子と婚約中・競馬好きを内緒にしている)

 おかやまはじめ:井崎 修 (賭け事と女にはまる中年オヤジ)

小林 愛 : 岡部今日子 (賭け事が大嫌いな真面目OL)

 杉本 清:競馬実況
      神野美紀:場内アナウンス


 ここは、競馬場。中央・正面奥は、カフェバー。キャビネット
には、グラスやカラフルな壜(ビン)が並び、その前にカウンター、
手前にはテーブル席。
 2階は、上手下手をつらぬく広いロビー。いちめん、明るい
大きな窓になっていて、向こう側には競馬場を見渡せる(設定)。
 下手の階段をおりる途中に、馬券売り場のフロア。1階から
上手の階段を少し登ると、窓のある狭いロビー。

 田原と今日子は、婚約中。真面目なOLの今日子は、田原の性癖―
ギャンブルと女―に疑いを持ち始めている。そこで、連れ立って競馬場に
やってくる。
 声をかけて来たのは、派手な服装のヘレン。2人の親密な写真を
見せられ、怒って去ってしまう今日子。
ヘレンを追ってきたのは、中年オヤジの井崎。ところが、ヘレンの
連れが現れ、予約したレストランもホテルもパーに・・・。
 残されたのは、田原と井崎。やけになって、競馬に賭けるが・・・。

 ヘレンの連れ・エリート官僚の的場も、追い込まれている。ヘレンに
入れ揚げ、使い込んだ公費が800万。明日までに、作らなければなら
ない。


   # それぞれの、思いを乗せて

 気になって引き返す、今日子。幸子との、出会い。馬と女に入れ
揚げて、死んだ亭主。苦労したはずなのに、今では自分が馬の虜と
語る幸子。
  ――競馬が、面白いって言ったって、人生だいなしにするほどの
    モノではないのよ・・・
  ――女の競馬はね。ちょこっと儲けて、今の人生、ちょっと
    よくしようとするだけ・・・。
    男は、違う。大儲けして人生コロッと変えようと・・・だから
    大穴ねらって・・・取り戻そうとして・・・また、損して・・・。

 幸子の亭主の生前の愛人は、ヘレン。ヘレンは、馬券を買わない。
馬に、会いに来る。
 声をかける幸子に、言う。
  ――あたしね。馬はみんな、昔は人間だったと思う・・・
    今日もいるのよ、1頭・・・寂しい目をして、何かを
    思い出しているようで・・・。
    あたしの、好きだった人・・・競馬キチガイ、ゼッタイ
    馬に生まれ変わるって言ってた・・・。

幸子――男は、みんな一緒。うちの亭主と、おんなじ。

 ふたりが見つめる、その馬。ヘレンは、亡き愛人の面影を。幸子も、
亡き夫の面影を見る。
 それは、予想屋の柴田が、ひそかに賭ける馬。カモの横山にも決して
売らない1頭。ラス前のレースに出走する、サクラパパオー。
 しかし、ヘレンと幸子を見たサクラパパオーは、突然あばれだす・・・。

 どうしても800万が必要な、的場。幸子とヘレンの、思惑。田原と
今日子の、恋のゆくえ。優柔不断な人生との、決別。
 それぞれの思いが交錯する中、運命のレースのゲートが開く。


   # 鈴木聡の挑戦

 言うまでもなく、パルコ劇場は笑いの渦の中にある。トップスなど、
小さな劇場に行ったことのないパルコの観客は、鈴木聡のコメディーに
眼を見はったに違いない。
 以来、鈴木の主宰する劇団・ラッパ屋の公演は、2年おきくらいに
なる。06年は、ラッパ屋の『あしたのニュース』から始まった。(注)
その間、鈴木聡はいろいろな分野に、可能性を広げているように
見える。

 05年、『最悪な人生のためのガイドブック』(パルコ劇場)。これは
和製ミュージカルへの挑戦。セリフを歌で言ったり、突然歌いだし
たり・・。そういう不自然なことを、鈴木は捨てた。
 場面の状況を歌う、コーラス隊を配する。登場人物の歌は、心の中の
声に限定する。まったく新しい、方法をもって。
 この原型は、浪曲師・国本武春をコーラス隊の部分に使った96年の
『阿呆浪士』にある。(これは以前にも、ふれた)

 音楽劇『おんなの落語』(シアター1010)。これは、ミュージカルを
深めるのではなく、「江戸落語」の世界を舞台に創る。
 それが先月末の、『花緑と風間の落語会』で、柳屋花緑と風間
杜夫への「新作落語」へ。

 そして今度は、シェ―クスピア。3月の、ハムレットならぬ
『ハゲレット』。(3月9日〜21日・紀伊国屋ホール)

 わたしは、鈴木聡に期待している。いろいろな分野から、
多くのことを吸収して、芝居に生かしてほしい。
 そして、ミュージカル! 不自然なミュージカルに、風穴を
開けかかった「和製ミュージカル」を追及して欲しい。




           (注 「あしたのニュース」は、鈴木があまり書いてこなかった
              社会性を持たせようとして、うまくいかなかった例では
              ないのか。
               05年、青年座に書いた『妻と社長と九ちゃん』は
              どうなんだろう。(わたしは、未見)

閉じる コメント(7)

面白そうなお芝居ですね。鈴木 聡さんの作品はとても興味があります。これからも注目していたいですね。

2006/2/8(水) 午後 3:36 miyamiya

顔アイコン

こないだ、風間杜夫さんと柳家花緑さんの落語会に行きました。鈴木聡さんの新作二本やってました。前にも花緑さんの「ナンパジジイ」っていう新作、鈴木さんので聞いたことあるんですけど、お芝居は見たことないです。一度お芝居も見てみたいです(余談ですが、鈴木さんの年を、最後の対談で、花緑さんが明らかにしたら、みんながどよめいていました)。TBさせていただいてよろしいでしょうか。

2006/2/8(水) 午後 5:36 ski**y995*

顔アイコン

管理人さんが、ご覧になったかどうか分らないのですが、NHKの連ドラ「あすか」は、鈴木作品です。楽しいお芝居を創りますよ。

2006/2/9(木) 午前 8:51 [ e_y*s*da55 ]

顔アイコン

ちょびさん。ぜひ1度、鈴木さんのお芝居も、見てみてください。期待を裏切らないと思います。TB、大歓迎です、遠慮なくやってください。

2006/2/9(木) 午前 8:54 [ e_y*s*da55 ]

顔アイコン

ありがとうございます。お言葉に甘えてトラバさせていただきます。連ドラの脚本も書いていたとは、ちっとも知りませんでした!

2006/2/10(金) 午後 6:18 ski**y995*

どーも、懐かしい作品に思わず手を止めてしまい、コメントをさせていただきます。鈴木作品、このとき初めて観ました。(といっても、この後も観てないのですが……)個性的な登場人物が、上手く描かれていましたよね。

2006/2/22(水) 午後 11:59 [ おいら ]

顔アイコン

コメントありがとうございます。パルコでやって知名度が上がっても、ラッパ屋は、あいかわらずトップスでやってます。小さい劇場もいいですよ。

2006/2/26(日) 午後 2:30 [ e_y*s*da55 ]

開く トラックバック(1)


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事