弁護士法人名古屋E&J法律事務所のブログ(交通事故)

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物損事故による慰謝料

物損事故による慰謝料

 
交通事故によって物損のみが生じ、怪我などの人損は生じなかった事件の被害者の方から相談を受け、その中で、「慰謝料はとれないのか」という質問がありました。
 
残念ながら、物損を理由とする慰謝料は、原則認められません。物損の場合、被侵害利益が財産権である以上、損害も財産的損害に限られるからです(慰謝料は、財産的損害とは別の精神的損害により認められるものです。)。
 
もっとも、事案の内容に照らし、交通事故によって財産権だけでなく、これとは別個の権利・利益が侵害されたと評価できる場合は、慰謝料が認められています。
 
たとえば、建物の表玄関部分を損壊され、年末年始を含む1ヶ月以上にわたって、表玄関にベニヤ板を打ち付けた状態で過ごすことを余儀なくされ、それによって生活上及び家業上の不便を被ったことが認められ、これたによる精神的苦痛に対する慰謝料20万円を認めた例があります(大阪地判平成15年7月30日交民36巻4号1008頁)。
 
他にも、夜間自宅で就寝中にトラックが衝突して自宅が損傷した場合や、家族同様の愛情を注いでいたペットが死亡した場合なども、慰謝料が認められる可能性があると考えられます。


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年少者の逸失利益

年少者の逸失利益

 
 逸失利益とは、簡単に言えば、被害者が死亡したり、後遺障害を負わなければ、その後の就労期間において得ることができたと認められる収入のことです。そして、その逸失利益は、基本的に事故前の収入を基礎に算定されます。
 
 では、年少者の逸失利益はどのように算定されるのでしょうか。
この点、男子については、原則として男性労働者の全年齢の平均賃金額を基礎として算定されています。
 
 これに対し、女子の場合何を基礎とすればいいのかについては様々な考え方があります。
  従前、女子の逸失利益については女子労働者の平均賃金額を基礎とするのが一般的でした。しかし、それでは男女間格差が著しいものとなり、強く批判されました。
 
 そこで、女児について男子を含む全労働者平均賃金を基礎にして逸失利益を算定する下級裁判例が現れ(奈良地葛城支判H12.7.4判時1739号117頁、東京地判H13.3.8判時1739号21頁)、東京高裁、大阪高裁でこれを支持する判決が出されました(東京高判H13.8.20判時1757号38頁、大阪高判H13.9.26判時1768号95頁)。これに対し、従前の女子労働者平均賃金額を基礎とする高裁判例も同時期に出され(東京高判H13.10.16判時1772号57頁)、最高裁の判断が注目されていましたが、最高裁はどちらの算定方法についても結論を維持し、最高裁がどちらの考え方を採用しているのかはまだ示されていません。
 
 しかしながら、最近の下級審裁判例では、年少女子(少なくとも義務教育修了前)については、全労働者平均賃金額を基礎とする方法が採用されているようです。
 
 もっとも、その方法を採用するとしても、男子については男性労働者の全年齢の平均賃金額を基礎として算定されますから、男女間格差が完全に解消されたわけではありません。
 
 個人的な意見としては、女子労働者の平均賃金が低いのは女性の労働能力のすべてが金額に反映されていないからで、特に主婦の家事労働分が賃金として現れていないために平均賃金が低額にとどまっていると考えられますから、女性労働者平均賃金額に家事労働分を加算して算定する方法や、女子の場合についても男性労働者平均賃金額を基礎として算定する方法などがよいのではないかと考えています。

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失業者の逸失利益

失業者の逸失利益

 
 逸失利益とは、簡単に言えば、被害者が死亡したり、後遺障害を負わなければ、その後の就労期間において得ることができたと認められる収入のことです。そして、その逸失利益は、基本的に事故前の収入を基礎に算定されます。
 
 では、事故当時失業していて収入がなかった人の場合、逸失利益はないのでしょうか。
 
 この点、事故時点で収入がないからといって、稼動期間終期まで収入が得られないとするのは不合理であるとして、年齢、職歴、就労能力、就労意欲などにかんがみ、再就職の蓋然性が認められれば、逸失利益の発生が認められます。
 
 実際の基礎収入額の認定にあたっては、失職前の収入実績、賃金センサスの平均賃金額を参照して金額認定がなされます。失職前の収入が、同年代の労働者の平均賃金程度に達していれば、通常は賃金センサスの平均賃金額を基礎とすることになります。そうでない場合は、これまでの収入実績、年齢、経歴、取得している資格・技能などから適切な金額を認定することになります。
 
 このように、事故当時失業していて収入がなかった人の場合であっても、逸失利益が認められる可能性は十分にあります。


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好意同乗によって、対向車両運転者に対する損害賠償額は減額されるか



1 問題の所在
   無償で他人の運転する車に乗せてもらう場合を、「好意同乗」と言います。
   平成24年1月6日には、好意同乗中に、運転者に過失があって事故が起き、傷害を負った場合、運転者に対  し、傷害の全額について、賠償請求をすることが出来るかについて、論じました。
   今日は、事故の相手方ともいうべき、対向車両等運転者との関係について、お話します。
2 基本判例 〜 最高裁判所平成13年3月13日判決(民集55-2-328)
 (1)この問題を論じるときに、基本判例とされるのが、最高裁判所平成13年3月13日判例です。
      この事件では、交通事故後、搬送された病院で治療中に医療ミスで、被害者が亡くなりました。この死亡の結果を、加害車両の運転者に帰責できるかが争われました。
      最高裁判所は、「①交通事故と医療事故とがいずれも死亡という不可分の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にある場合には、右交通事故と医療事故とは共同不法行為にあたるから、各不法行為者は損害の全額について連帯責任を負うべきであり、複数の不法行為が順次競合した共同不法行為においても別異に解する理由はないから、各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害の額を案分し各不法行為者の責任を限定することは許されない。②本件のような共同不法行為においても、過失相殺は、各不法行為の加害者と被害者の過失の割合に応じてすべきものであり、他の不法行為者との間における過失の割合を斟酌して過失相殺することは許されない。」と判断し、二人以上の不法行為が競合して発生した被害について、被害者は、他の不法行為者との間における過失の割合を斟酌されることなく、損害賠償請求できることを明らかにしました。
 (2)この道理を好意同乗のケースに当てはめて考えると、つまり、事故の発生原因との関係で帰責事由がない単なる好意同乗者は、運転者と対向車両等運転者の事故発生に対する過失割合に関わらず、いずれに対しても損害の全額を、賠償請求できることになります。
 (3)この判例の考え方は、最高裁判所平成15年7月11日判決(民集57-7-815)でも踏襲されました。
  ア これは、Aが,午前2時25分ころ,片側1車線の道路上に,普通貨物自動車を西側路側帯から北行車線にはみ出るような状態で駐車させていた(非常点滅表示灯等を点灯させることもなかった)ところ、Bが,普通貨物自動車を運転して,本件道路を南方から北方に向けて進行し,A車を避けるため,中央線からはみ出して進行したところ,本件道路を北方から南方に向けて,最高速度として規制されている時速40㎞を上回る時速80㎞以上で進行してきたCの運転に係る普通乗用自動車と衝突したという交通事故のでした。
  イ 最高裁判所は、「Aには非常点滅表示灯等を点灯させることなく,A車を駐車禁止の車道にはみ出して駐車させた過失,BにはB車を対向車線にはみ出して進行させた過失,Cには速度違反,安全運転義務違反の過失があり、A,B,Cの各過失割合は1対4対1であると判示した上で、「複数の加害者の過失と被害者の過失が競合する一つの交通事故において、その交通事故の原因となったすべての過失の割合(絶対的過失割合)を認定できるときは、絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について、加害者らは連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負う。」と判断しました。
  ウ つまり、被害者は、本件事故に基づく損害の内、自己の事故発生に対する帰責割合を控除した残額全部について、加害者各自に請求できるとしたのです。
3 好意同乗者の対向車両等運転者に対する請求に関する裁判例
 (1)同乗者の過失割合を同乗運転者と対向車両等運転者の関係で同一としたもの
  ① 東京地裁平成13年3月13日判決(交民集34-2-374)
      信号機により交通整理の行われていない交差点において、Aが運転し、Xが同乗する原動機付き自転車と、Bが運転する普通貨物自動車が衝突し、Xが死亡した事案。
      裁判所は、Xが原動機付き自転車に同乗した上、ヘルメットを着用していなかったとして、A・B双方の関係で、1割の過失相殺をした。
     
   ② 大阪地裁平成12年1月19日(交民集33-1-91)
      制限速度を30km/h以上超える速度で、かつ酒気帯びでBが運転する普通乗用車が、他車と共同で暴走行為をしていたAが運転する自動二輪車に追突し、自動二輪車に3人乗りで同乗していたXが死亡した事案。
      裁判所は、Xは共同暴走行為をし、ヘルメットを着用していなかったが、Bの過失は重大で追突事故であることも考慮し、A・B双方の関係で、1割の過失相殺をした。
(2)同乗運転者と対応車両等運転者に対する関係で異なる過失割合(減額割合)としたもの
 ① 大阪地裁平成7年6月16日(交民集28-3-890)
      Xが同乗し、Aが運転する自動二輪車が、信号機のない十字路交差点において、Bが運転する普通乗用車と衝突し、Xが死亡した事案。
     裁判所は、Xの両親の、A・Bに対する請求について、Xは、Aが免許を有しないことを知り、またパトカーに追尾されなから制止しないばかりか逃走を助言していたなどの過失があるとして、Aとの関係で40%、Bとの関係で60%の過失相殺をした。
 ② 横浜地裁昭和63年6月30日判決(交民集21-3-677)
      Xが同乗し、Aが運転する自動二輪車が、T字路交差点において、Bが運転する普通乗用車と衝突し、Xが死亡した事案。
      裁判所は、Xの両親の、A・Bに対する請求について、Xは、24歳であり、未成年者である運転者A(17歳)の無謀ともいえる運転を中止させることが容易であったこと、事故発生の直前までAと酒を飲んでおり飲酒運転を助長したものといえること、見通しの悪い交差点で一時停止の標識があることを知り、左方から車両が進行してくることを知っていたのに注意を与えなかったことなどから、Aとの関係で3割、Bとの関係で7割の過失相殺をした。
4 まとめ
(1)まず、押さえておきたいのは、平成24年1月6日付け記事でも書きましたが、好意同乗であったという理由だけで、損害賠償請求を当然に制限するわけではないということです。
 (2)そして、事故の発生について好意同乗者に帰責性がみとめられる場合には、事故発生にいたる経緯、それに対する好意同乗者の関与の程度の個別具体的な判断によって、運転者との関係でも、相手方車両運転者との関係でも、減額が認められることもあるということになります。


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好意同乗によって、損害賠償額は減額されるか

 
1 問題の所在
  無償で他人の運転する車に乗せてもらう場合を、「好意同乗」と言います。好意同乗中に、運転者に過失があって事故が起き、障害を負ったとします。保険会社は、このような場合、当然のように好意同乗を理由とする減額を主張してきます。果たして、好意同乗者は、運転者に対し、損害の全額について、賠償請求をすることが出来ないのでしょうか。
 
2 裁判例の概観1 〜 減額が肯定された事例
  後述するように、単に交通事故を起こした自動車に同乗していただけでは、減額事由にはなりません。しかし、以下のようなケースでは、損害賠償請求が全額認められていません。

(1)同乗していた被害者に落ち度がある場合
  同乗者に、事故の発生に対する何らかの帰責事由が認められる場合には、過失相殺を理由に、全損害について減額される場合があります。
  ① ヘルメットを装着しないで原付自転車に二人乗り(3割減額 大阪地判平成11年7月26日)
  ② 夜間、降雨の中を速度違反をして事故を起こした部下運転車両に乗っていた上司(1割減額 名古屋地判平成11年1月9日)
  ③ 速度違反、飲酒運転、居眠り運転によって事故を起こした車に同乗(1割5分減額 東京地判平成10年12月22日)
  ④ 無免許運転、飲酒運転によって事故を起こした盗難車両に同乗(2割減額 那覇地班平成10年12月21日)
                                                                                                                             など

(2)同乗者の落ち度が必ずしも明確にされないまま減額されたケース
 ① これまで運転者が同乗者を常に同乗させて大学まで送迎していたという恋人関係にあった大学生について、深夜であったという以外に事故の発生が予測されるような事情がなかったが、1割減額されたケース(松山地判平成8年7月25日)
  ② 同級生とその友人らを同乗してスキー場へ案内した運転者が、スキーを終えた翌日の帰途に事故を引き起こした場合について、同乗者において、前夜に出迎えて往路を運転し、翌日、スキーをした後、復路も運転していた運転者の立場に対する配慮を欠いたとして2割減額されたケース(岡山地判平成6年4月28日)
  ③ 同乗者の女友達を誘って食事に行く途中で事故にあったケースで、信義則を理由に2割を減額(大阪後半平成5年3月31日)
                                                                                                                             など
(3)慰謝料のみが減額されたケース
    被害者に落ち度がないため過失相殺の対象にならず、また、好意同乗を理由とする減額も許されないとしながら、慰謝料が減額されたケースもあります。
  ① 内縁の夫がいる元看護師が、大学生と出奔し、大学生の借りたレンタカーに同乗中に事故に遭った事案につき、過失相殺を否定した上、出奔中の事故であったこと、事故当時、元看護師が精神安定剤を服用して眠っていたことは、慰謝料の減額事由として考慮されるべきであるとした(和歌山地判平成6年12月20日)
  ②  所有者の娘が助手席に同乗して運転者に道案内をしていた事案につき、好意同乗減額が争点とされたが、慰謝料の算定に際して考慮すれば足りるとした(大阪高判平成2年7月20日)
 
3 裁判例の概観2 〜 減額が否定された事例
  好意同乗者に、事故の発生原因との関係で帰責事由がない場合には、単に好意同乗であったというだけでは減額されていません。
  ① 好意同乗者に落ち度、帰責事由がないとされたケース(東京地判平成12年2月29日)(岡山地判平成11年11月29日)
  ② 「同乗者に、事故につながるような無謀運転を誘発あるいは容認した事情は認められない」(東京地班平成7年12月7日)
  ③ 速度違反を原因として事故が発生した場合に、「同乗者が速度超過を積極的に指示、容認するなど危険を助長したとは認められない」(大阪地判平成7年3月30日) 
   ③ 保険外交員であった同乗者が営業所指導員の運転する車から降りてその前方の車道を横断しようとした際、同乗していた車両に衝突されたという事故につき、被害者にも落ち度がないわけではないが、事故の原因は、運転者がブレーキとアクセルを間違えるという運転操作のミスによるものであったとして好意同乗減額を否定(岡山地班平成9年11月25日)
                                                                      など
4 まとめ
  このように、判例実務は、好意同乗であったという理由だけで、損害賠償請求を当然に制限するわけではありません。事故発生にいたる経緯、それに対する好意同乗者の関与の程度の個別具体的な判断によって、減額が認められないこともあります。保険会社から示された好意同乗減額について、納得が出来ない場合は、弁護士等専門家にお尋ね下さい。


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