Sustainable Life in Patagonia

2018年は「変容」の年! 2018: Year of Transformation

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シンプル・ライフ・ダイアリー第26回「創造すると、生きるエネルギーが湧いてくる」

今日は、雨が降っている。昨日、たまっていた洗濯物を手洗いしたら、4時間かかってしまった。そのせいで、腰が痛むので、ゆっくりするには、ちょうどいい。外に干した洗濯物は、雨が濯いでくれている。


肌寒いので、今朝は、ポールが蒔ストーブに火をつけた。私は、昨夜一晩、発酵させておいたチアバタ・パンの種を二次発酵させるために、焼き型に移した。パンの準備が出来たところで、次は、ココナツ・クッキーを作ることにした。「ココナッツ・クッキーを作る」と言うと、「おお、ファンタスティック!」と、ポールは、大喜びだった。


ココナッツ・クッキーは、砂糖を使わないので、甘過ぎないし、とても、簡単に作れる。材料は、ココナッツ・フレーク、ココナッツ・オイル、熟したバナナ、オートミール、砕いたアーモンド、レーズン、ココア、乾燥ラズベリー(これは、うちの庭から採れたものを使った)。これらを混ぜ、スプーンで掬って丸め、オイルを薄くしいた焼き型に載せて、焼くだけなのだ。


そうこうしているうちに、ストーブの薪の火が弱まったので、まずは、チアバタを入れた。ストーブは、オーブンではないので、温度計や火の調節機能はない。火の加減を目で見て、手を入れて、温度を確認するというアナログ式。もちろん、火傷をしないように、さっと手を入れて、さっと出す。パンを焼くのには、少し高めの温度。クッキーやケーキを焼くには、低めの温度。これも、試行錯誤しながら、何度もパンを焦がして、感覚的に習得した。チアバタは、やや高温で30分。その後、低温になったところで、ココナッツ・クッキーをストーブに入れ、20分で焼き上がった。

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考えてみれば、子供の頃から、お菓子を焼くのが好きだった(食べるのは、もっと好きだったけれど)。15歳の誕生日には、父にねだって、電気オーブンを買ってもらった。私には、妹たちとお菓子やケーキを分け合って食べるのではなく、全部、独り占めにしたいという夢があった。そこで、私は、自分でお菓子を焼くことにしたのである。


電気オーブンを買ってもらってからは、チーズケーキ、クッキー、アップルパイ、シュークリーム、イチゴケーキなど、夢中になってお菓子を焼いた。ノートにレシピを書き込んで、自分専用のレシピ本も作った。でも、大学に入ってからは、お菓子作りのことは忘れてしまった。それが、今、この歳になって、また、お菓子を焼く喜びを味わっているのだから、嬉しい。


「うーーん」ポールも私も、ココナッツ・クッキーを頬張った。外はサクサク、中は、しっとり。バナナとココナッツ、ラズベリーとココアの味と香りが広がった。


「さて、次は何をしよう?」

雨は止みそうもないので、次は、苗ポットを作ることにした。今年は、30種類以上のハーブや花の種を買った。その中には、アニス、キャラウェイ、フェヌグリークなど、「生成分解する苗ポット」に植えなければならないハーブがいくつかあった。でも、「生成分解する苗ポット」など、ラフンタには売っていない。ならば、作るしかないのである。


そこで、段ボール箱を探し、ハサミと紙の粘着テープを使って、苗ポットを6個作った。そこに、コンポストと土を入れ、アニス、キャラウェイ、フェヌグリークの種を蒔いた。これもまた、子供に戻ったようで楽しかった。子供の頃、大好きだった図工の時間を思い出した。


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そう言えば、6歳か7歳の時に、みかん箱を使って、リカちゃんマンションを作ったことがある。買ってほしいと、父にねだったのだが、「そんなもの買う余裕はない」という一言で却下されたので、自分で作ることにしたのだった。ドアや窓を切り抜き、テーブル、椅子、ベッドなども、ダンボール紙で作った。なかなか、立派な出来だったけれど、本物のリカちゃんマンションを持っている友達のことが、うらやましく、自分で作ったリカちゃんマンションは、恥ずかしくて、見せることが出来なかった。


当時は、欲しい物が買ってもらえず、地団駄を踏んで大鳴きしたりしたけれど、子供の頃、何でも買ってもらえる環境でなかったことは、良かったと今では思う。必要に迫られて、私の中にある創造性が発揮され、物づくりの喜びを味わうことを覚えたのだから、父に感謝しなければならない。


物づくりの喜びは、パタゴニアに住んでから再発見したことの一つである。畑で野菜を育てるのだって、物づくり。そこには、創造性が必要とされる。学びの連続。試行錯誤。うまくいった時には、喜びと達成感があり、自信につながる。


私たちの家も、創造性の賜物だ。家を設計したことも、建てたこともないポールが、世界に一つしかないユニークな家をデザインし、建築することができたのは、彼が創造性を発揮したからだし、その上、家具まで全部作ってしまったのだから、それには、彼自身も驚いていた。(家具は、ラフンタに売っていないし、売っていたとしても、市販の家具は買いたくないというのが理由だった)


ポールが、最初に作った家具は、食料が収納できるベンチである。6年間、ほとんど、毎日座っているし、この日記も、ベンチに座って書いている。家具の出来栄えは、職人並みで、ポールは、隠れた才能を発見したことにとても喜んでいた。若い頃、ヨットで働いていていて、ヨットの本体をやすりがけし、ペンキ塗り、ニス塗りなどをした経験も役立ったらしい。


造園デザインが大好きだということも、ポールは、ここで発見した。もともと、牧草地でたった2本しか木が生えていなかった土地に、木を植え、森を作り、遊歩道を作り、池や段々畑、ハーブガーデン、花壇を作った。今、この土地にある全てのものは、彼の想像力(イマジネーション)と創造力)クリエーション)から作られた。


そう考えると、ラフンタに私たちが落ち着いたのも、偶然とは思えない。ここは、開拓者の村、自由な精神(フリースピリット)の溢れる村。何かが足りなかったり、壊れたりすると、「工夫しよう!」というのが、みんなの口癖だ。何かが壊れると、ほとんどの場合、針金とタイヤのチューブと、その辺にあるものを使って使って直してしまう。


農場では、男の人が、家を建てたり、フェンスを作ったり、家畜の世話をしたり、馬の蹄鉄をつけたり、家具を作る。女の人は、パンを焼き、ジャムを作り、野菜を育て、羊の毛を刈って、それを毛糸にし、木の皮や木の実で染めて、セーター、ポンチョ、靴下、ベレー帽などを編む。蜂を飼って蜂蜜を採り、、蜜蝋でロウソクを作り、草でバスケットを編み、牛の乳を搾って、ヨーグルトやバター、チーズを作る。パタゴニアに住み始めた当時、何でも買うことに慣れてしまっていた私は、「こんなにたくさんの物を手作りできるんだ」と心底、驚いた。


「もしも、世界が終わることがあっても、ラフンタの人たちは生き延びられるよね」と、よく、私たちは話す。ラフンタの村に、道路が来て、電気や自動車がやって来たのは、つい最近で、村から離れた農場では、まだ、道路がなく、電気がない場所がたくさんある。だから、彼らは、自給自足の生活をまだ忘れていないし、生活に必要な物を手作りしながら、自然と共に豊かに生きる暮らしをしている。それは、失ってはいけない大切なことだと思う。


東京でOLをしていた頃は、創造性を発揮する余地はとても限られていた。仕事は楽しかったし、達成感もあったけれど、心から満たされるということはなかったように思う。いつも、何かが欠けていた。もっと、評価してもらえるように、常に、もっと頑張らなければいけないと自分にプレッシャーをかけていた。息切れして、生きる力が尽きていくような気がして、充実感とは、程遠かった。


今は、仕事をしているという感じは、しない。毎日、楽しんで生きている。喜んで、創造している。どんなにシンプルな物でも、創造すると嬉しくて、また、創造したくなる。


私は、物を作るのが、本当に好き。書くことも含めて、何かを創造している時、心から自分が喜んでいることがわかる。そして、そこから、生きるエネルギーが湧いてくる。

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パタゴニアでの暮らしが本になりました
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「Beautiful Life 世界の果てで暮らしてみたら」 菊池木乃実著

【読んだ方は、こんな感想を寄せています】

●読み終わりたくないくらい豊かな本

●全世界の人にとって、これからの生きる指針の教科書になる本。
 
●老子の言葉を彷彿させてくれる良書です。

●自然体で人がより幸せに生きるためのスピリチュアルな要素を持った本。

●とても具体的な暮らしのあれこれが紹介されていて面白いのと同時に感動。自分の暮らしにも少しずつ取り入れていきたい。

●ワクワクに従って生きる、お金を手放す、宇宙を信頼する、など、幸せになるためのたくさんの指南を実行に移され、幸せに生活されている、その実例をこうして紹介してくださるだけで、勇気をいただきました。

●私たち文明国と言われるところに住んでいる人間に、気づいてもらいたい珠玉のメッセージがあちらこちらに詰まっています。自分を見直す機会を与える素晴らしい本。

日本人が普段あまり気が付かない素晴らしいことがたくさん書かれています。特に第9章は、今私たちが直面している問題の解決策が、文章とたくさんの写真付きで、心を打つ美しい文章で述べられています。

都会に住む私たちに自然とのつながり・エネルギーを伝えてくれるパワフルな本。必要なメッセージがどんどん入ってくる。私にとってのヒーリング本です。

目次
第一章 ポールとの出会いと結婚
第二章 世界で一番美しい場所を求めて
第三章 地の果て、パタゴニアへ
第四章 中国を三千キロ歩く
第五章 パタゴニアで家を作る
第六章 地球と暮らすサスティナブル・ライフ
第七章 パタゴニアの人と自然と動物
第八章 心も身体も豊かに生きる
第九章 美しい人生のために

この本は、パソコンやスマートフォンなどで読んでいただける電子書籍です。

本文313ページ、フルカラー写真76ページの豪華本が可能になったのは、電子書籍ならでは。
本文と共に、美しい写真もご堪能ください。

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