南米パタゴニアでシンプルライフ

2018年は「変容」の年! 2018: Year of Transformation

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シンプル・ライフ・ダイアリー第29回「お正月。羊のペッパーと手作り餃子」(1月1日の日記から)

お正月の元旦は、静かだった。南半球にあるパタゴニアのお正月は、北半球とは、逆で、真夏にあたる。でも、今年は、雨が降って、寒かった。3月まで学校が夏休みなので、いつもは、子供たちが川で泳いだり、家族連れがピクニックしたりしているのだけれど、今年は、ビーチも静かだった。

ここのところ、本当に変な天気だ。11月から12月にかけては、異常に暑くて、3週間、雨が降らなかったのに、クリスマスの少し前から、急に集中豪雨が続いて、気温も下がり、まるで、冬に逆戻り。野菜たちも、混乱して、水菜やからし菜は、11月に急成長して、もう、種をつけてしまった。庭に生えている雑草も同じで、例年より、ずっと早く成長し、草刈りをするのに、毎日、忙しい。

「草を刈りに行ってくる」と、今朝も、ポールは、外へ出て行った。私も、鎌を持って、梨やリンゴ、プラムやサクランボが植わっている畑へ草を刈りにいった。果物の木は、どれも、食べた果物の種を蒔いて育てたので、まだ、小さく、長く伸びた草に隠れてしまっていた。草を刈ってみると、思いがけない発見があった! 梨の木に、小さな実がなり始めていたのだ。

「ポール、見て!梨の実がなってる!」
叫ぶと、ポールが、こちらへやって来た。
「本当だ。自分たちで育てた初めてのフルーツだね。何年か前に買ったプラムとリンゴの木にも、たくさん、実がなり始めたよ。今年は、フルーツの大収穫が見込めそうだね!」と、ポールは、嬉しそうに言った。このところの晴れたり、雨が降ったりという天気が功を奏したようだ。

私は、草を刈り続け、果物の木の根元に草マルチを厚く敷いて行った。草を刈りながら、私は、羊のペッパーのことを思い出していた。

この土地を買って、最初にしたのは、フェンスを作って、牛や羊が入ってこないようにすることだった。すると、見る見るうちに、草が伸び始めた。あちこちに、若い苗木を植えたので、牛や羊を入れることはできない。でも、羊をロープにつないで、あちこち、移動すれば、草を食べてもらえる。そこで、知り合いから羊を一頭、買った。メスの羊で、ペッパーという名前だった。

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「ロープにつないで、草を食べさせても、大丈夫ですか?」
羊のオーナーに聞くと、彼は、「問題ないよ」と言い、杭を打って、ペッパーを長いロープにつないでおけるようにしてくれた。ところが、少したって、様子を見に行くと、ペッパーは、ロープにがんじがらめになって、窒息しそうな勢いで、「メー、メー」と呻いていた。

「オー、ノー!」私たちは、急いで外へ出て、ペッパーの身体にぐるぐる巻きになったロープを外そうとした。でも、ペッパーは、怖がって、逃げ回り、ロープは、身体にからみつくばかりだった。やっとのことで、ポールが、ペッパーの足を抑え、からまったロープをほどいていった。
「やれやれ」
私たちは、ペッパーがこの経験から、学んで、もう、ロープに絡まったりしないだろうと思っていた。ところが、数時間して、チェックしに行くと、ペッパーは、前と全く同じ格好で、ロープにがんじがらめになって、「メエー、メエー」と呻いていたのだった。

結局、私たちは、2、3時間おきにペッパーをチェックして、ロープをほどき続けなければならなかった。自由にしてあげたかったけれど、植えたばかりの若木を食べられては困るので、そうもいかなかった。ペッパーは、隣りの農場の羊の群れを見て、一日中、悲しそうに鳴いていた。ペッパーを羊の群れに返してあげることが、一番いい解決策のようだった。

そんなある日、友人のアリロが、家の建築用に買った材木を運んできてくれた。
「羊は、一匹で飼うと寂しくて、ストレスがたまって、草を食べないんだよ」と、アリロは言った。そして、
「ちょうど、息子が動物の世話の仕方を覚えられるように、羊を一頭、飼おうと思っていたんだ。よければ、引き取ってあげるよ」と言ってくれたのだった。願ってもいない、申し出だった。さらに、彼はお礼にと、羊一頭の値段に相当する材木をくれた。

「羊の代わりに、馬に草を食べさせたらどう?僕の馬を連れて来るよ」とアリロは言った。馬は、木を食べず、草だけ食べてくれる。馬なら、うまくいくかもしれない。

翌日、アリロが馬を連れてきた。とても、美しい、若いオスの馬だった。まだ、2歳になっていないので人が乗るように訓練されていず、ロープでつなぐことはできないとのことだったので、私たちは、馬を放し飼いにした。馬は、嬉しそうに、敷地内を駆け回り、どんどん、草を食べてくれた。

でも、あちこち、走り回って、ローズマリーやハーブの木を踏み倒し、家の周りの芝生の壁を登って、草をむしゃむしゃ食べ、窓ガラスに突進しそうな勢いだった。私たちは、馬が窓を割らないように、角材を使ってバリアをしなければならなかった。
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「うーん、馬も諦めないといけないね」
翌日、アリロに電話して、馬を引き取ってもらうように頼んだ。

数日後、アリロは友達を連れて戻って来た。今度は、草刈り機を使って草を刈り、それを、ストローベイル(藁を圧縮したブロック)にして、冬越し用の馬の飼料にしようという計画だった。彼らは、炎天下の中、草を刈り、隣りの農家から借りてきたストローベールを作る機械を使って、ストローベイルを作って行った。

この機械は、手動で、他の国だったら、博物館に展示されていそうな代物だった。大きなレバーを押し下げて、草を押しつぶし、四角いブロックにしていく作業は、重労働で、みな、汗だくだった。

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アリロと彼の友達は、早朝から夕暮れまで働いて、たくさんの ストローベイルを持ち帰って行ったけれど、かなりの重労働だったらしく、それ以来、二度と、戻って来なかった。

考えてみれば、あれは、ちょうど7年前のお正月だった。7年で、土地の様子も随分、変わった。当時、小さかった苗木は、6メートルから10メートルぐらいの大きな木になり、牧草地だったところは、森と畑と果樹園になり、ベリー類もたくさん増えた。当時は、うちでは、使い道がない、邪魔なものと思っていた雑草も、今では、草マルチとして大活躍している。

草刈りを終えると、今度は、ベリーを摘みに行った。ラズベリー、イチゴ、グースベリー、パタゴニア特有のカラファテなど、1月は、ベリーの最盛期で、ボールに山盛りになった。

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キッチンに戻ると、ポールが草刈りを終えて、戻って来た。
「今日の夕食は、何?」
「餃子だよ!」
「おお、いいね〜」

畑に戻って、キャベツやグリーン・オニオン、ターツァイなどを取り、それを刻んで、ニンニク、ショウガ、砂糖、塩、醤油と混ぜ、餃子の中身を作った。餃子の皮も、小麦粉と塩と水だけで、作り、具を包んで、フライパンで蒸し焼きにした。自家製のリンゴ酢と醤油でソースを作り、カリカリに焼けた餃子を浸して食べると、それは、それは、美味しく、頬が落ちそうだった。
私たちは、うーん、うーんと言いながら、餃子を食べた。

12年前のお正月、私たちは、木を植えながら、中国を歩いていた。その時、大学生の女の子に出会い、彼女の家に招いてもらって、お正月を過ごした。
「お正月に餃子を作るのが、中国の風習なのよ」と、彼女は言い、私たちも参加して、たくさん、餃子を作った。その時のことを、思い出した。

「あけまして、おめでとう!ポール」
「あけまして、おめでとう!木乃実」
餃子を食べながら、改めて、新しい年を祝い合った。

すると、ふと、楽観的な気持ちになった。世界中で「良くない出来事」が起こっているにもかかわらず、「見通しは、明るい。大丈夫」 なぜか、そんな気持ちになったのだった。

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パタゴニアでの暮らしが本になりました
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「Beautiful Life 世界の果てで暮らしてみたら」 菊池木乃実著

【読んだ方は、こんな感想を寄せています】

●読み終わりたくないくらい豊かな本

●全世界の人にとって、これからの生きる指針の教科書になる本。
 
●老子の言葉を彷彿させてくれる良書です。

●自然体で人がより幸せに生きるためのスピリチュアルな要素を持った本。

●とても具体的な暮らしのあれこれが紹介されていて面白いのと同時に感動。自分の暮らしにも少しずつ取り入れていきたい。

●ワクワクに従って生きる、お金を手放す、宇宙を信頼する、など、幸せになるためのたくさんの指南を実行に移され、幸せに生活されている、その実例をこうして紹介してくださるだけで、勇気をいただきました。

●私たち文明国と言われるところに住んでいる人間に、気づいてもらいたい珠玉のメッセージがあちらこちらに詰まっています。自分を見直す機会を与える素晴らしい本。

日本人が普段あまり気が付かない素晴らしいことがたくさん書かれています。特に第9章は、今私たちが直面している問題の解決策が、文章とたくさんの写真付きで、心を打つ美しい文章で述べられています。

都会に住む私たちに自然とのつながり・エネルギーを伝えてくれるパワフルな本。必要なメッセージがどんどん入ってくる。私にとってのヒーリング本です。

目次
第一章 ポールとの出会いと結婚
第二章 世界で一番美しい場所を求めて
第三章 地の果て、パタゴニアへ
第四章 中国を三千キロ歩く
第五章 パタゴニアで家を作る
第六章 地球と暮らすサスティナブル・ライフ
第七章 パタゴニアの人と自然と動物
第八章 心も身体も豊かに生きる
第九章 美しい人生のために

この本は、パソコンやスマートフォンなどで読んでいただける電子書籍です。

本文313ページ、フルカラー写真76ページの豪華本が可能になったのは、電子書籍ならでは。
本文と共に、美しい写真もご堪能ください。

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