|
第60回NHK杯将棋トーナメント2回戦第6局 (2010/9/19放送分) 先手:村山 慈明 五段 後手:糸谷 哲郎 五段 下記は投了の数手前である。 以下負けを確信し、形作りとして▲6一飛成△7八銀成▲同玉△8六桂で投了となった。 上図の局面での受けを考えてみる。 ここで、読み抜けを減らす思考手順を紹介する。 1.まず詰みの手順を読む この局面では、△7八銀成▲同玉△8六桂▲同歩△6九角▲8八玉△8七金の詰みがある。 または、△7八銀成▲同玉△8六桂▲同銀△6九角▲8八玉△7八金▲9八玉△8八金の詰みがある。 ここからは詰みの手順のどの手を防げるかを考えるのである。 ※今回は、玉の逃げ道をつくるという手(▲9六歩(以下詰むので受けになっていないが)など)は簡略化のため読みから省略しています。 2.まず一番始めの△7八銀成に対する受けを考える。 金や飛が持ち駒にないので、▲8八金ぐらいだが 以下△6八角▲同銀△同金▲同玉△5八金▲7七玉△6八銀までの詰みである。 よって△7八銀成に対する受けはない。 3.次の△8六桂に対する受けを考える。 3.1.▲8六同銀を成立させるための受けは、8八の地点に利かせることができればよいが、 ▲4四角や▲5五角が王手にならない。 3.2.▲8六同歩を成立させるための受けは、8七、6九の地点に利かせればよいが、 ▲9六銀なら△7八銀成▲同玉△6九角▲8八玉△7九金で一手一手。 3.3.▲8六○○を成立させるための受けは、8六の地点に利かせればよい。 ▲6三角△3七玉▲8五角成(下図)がいちばんいけそうである。 私が指していたならばとりあえずこの手を指すだろう。 しかし、よくよく考えてみると、以下『3手必死』の手順で先手負けである。 【答え】 以下△6六桂▲同歩△6七角。 ちなみに△6六桂に▲同銀ならば、△6八金打▲同金△同金▲同玉△7八金▲5九玉△4八角▲4九玉△3八とまでの詰みである。 そういえば△5八金打(下図)を指した局面で、解説では『△3六玉は入玉を狙っているわけではなく、寄せに使おうということですね』と言っていたことを思い出した。 その言葉は△5八金打に▲同玉なら△4七角から詰むから寄せに使うという意味なのかと思っていたが、実は上の手順のことだったのか!?と気付かされた。 ※▲6三角以外には、▲6四角や▲5三角なら単純に△7八銀成からでも一手一手だが、同様の手順の△6六桂▲同歩△6七角の必死がある。 必死については、まだまだ読めていないと気付かされた本日の対局でした。
|
【研究】中盤の定跡(微妙な差)
[ リスト | 詳細 ]
|
2010年8月15放送分のNHK杯戦(三浦vs高橋)の局面である。 中終盤の局面である。 ここでの次の一手を考えてもらいたい。 課題局面 ■思考手順 1.角を持っていれば▲3一角と打てる。 そして▲3一角以下の手を読む。 ※この時点で歩があれば▲2六歩だから▲5五歩と歩を補充しよう考えた人は『駒得>玉を攻める』という優先順位になっていると思われる。これでは終盤逆転されてしまうことが多くなってしまう。よって『まずは玉を攻める手を考える』ということを意識しよう。これを意識するだけで読みは相当速くなるし正確になる。 ※また直感で▲1五歩かなと感じた人は結構実践を多く指している人だと思う。しかし裏の読みがないと途中で棋力の伸びが止まってしまうので、『もし仮に○○があったらこうする』から考えるとよいと思う。 2.角はここにある。 3.取る具体手順を模索する。 ここでの候補手を出すのが第一感である。 ※ここで取る手順がなければ、再度1に戻り▲3一角以外の手を考えることになる。将棋はこの思考の繰り返しである。 ■具体手順 1.▲4八飛 ▲4八飛以下△2七角成▲3九桂△2六馬▲2八飛なら角をタダで取れるので先手よし。 あまりにうますぎるので後手はどこかで変化することになる。 よって、▲3九桂に△3七桂成なら▲2七桂△4八成桂。-------図A(下掲載) または、▲3九桂に△5九馬なら▲2七桂△4八馬。-----------図B(下掲載) または、▲4八飛に△3七桂不成▲4九飛△同桂成。-----------図C 2.▲6八金寄 ▲6八金寄以下△8七馬▲同玉△7六銀▲7八玉△6七銀成▲同金△6七角成▲同玉△7六金▲5六玉△5五歩▲5七玉△5六金▲4八玉△4六歩(詰めろ逃れの詰めろ)でまぎれるので他の変化に劣る。 この考えから読みを▲4八飛一本に絞ることになる。 (というより対局者からすると、▲5七金寄からの一連の手ということである。 ▲4八飛に△6七角成を事前に防いでいる。) ■深く読む 図A、図B、図Cを比較する。 まず図Cは図Aと比べると桂の位置が悪い。 (邪魔ゴマになっていなければ、下段より中央に寄っている方が利きが大きい) となると図Aか図Bである。 図A 図B これを比較すると図Aの方が馬の位置が相手玉に利いているのでよさそう。 となるとこのままいけば図Aが選ばれる。 ■図Aをさらによくする手を考える。 角を取れるにしても、2七の桂が打たされた状態である。 図Aから▲5三角打と▲3一角打がある。 まず▲5三角打は△1三玉▲1五歩△同歩▲同桂で入玉がやや怖い。(正確に読めば勝ちだとは思う) それならば▲3一角打△2一玉▲5三角成の方が△1三玉を消しているので得である。 次に▲3一角打は△2一玉(△1二玉は▲3五桂or▲1五歩があり△2一玉に劣る)▲1五歩△同歩▲同桂△同香▲同香△1四歩▲同香△同香▲1三角成△2二桂▲1二歩で先手勝ち。 ただ、▲1五歩が入るかが問題である。具体的には△3一金などがある。 よって、課題局面に戻って、▲1五歩△同歩を入れられないかを考えるのである。 つまり▲4八飛△2七馬▲3九桂△3七桂成▲2七桂△4八桂成▲3一角の変化を含みに ▲1五歩を指すということである。 ■次は課題局面での▲1五歩の是非を考える まず▲1五歩に△同歩なら狙い通りである。 まず▲1五歩を放置して攻め潰される変化もなさそうである。 よって▲1五歩は入りそうである。 ただし、いろいろ入れられて形を変えられる可能性があるということである。 なので入れられる手を考える必要がある。 具体的には、▲1五歩に△5六歩や△7六歩や△7一歩である。 まずは△5六歩は入れておきたい手である。 △5六歩に、▲同金は△7六歩▲同銀△7一歩▲同竜△4七馬▲5七金△3七桂成▲4七金△2八成桂▲1五歩△1九成桂でどうか。 △5六歩に▲6七金寄は△7六歩の攻めはないが、▲4八飛に△6七角成の変化が発生している。 つまり、△5六歩に▲6七金寄△1五歩▲4八飛△6七角成▲同金△7六金▲同金△同歩▲同銀で一段落。 以下△5七歩成(これを入れると△7九馬が銀に当たる)▲同銀△7八歩(詰めろ)▲8九金△7九金▲9八金△8九金▲8七玉△7九歩成▲7八歩△同と▲同飛△7九金▲6七銀△7八金▲7一角(7八の位置で全交換した後だと△1三玉と入玉の線が出てくるので下段に落としておく)△2一玉▲7八銀△同馬▲同玉△2二銀でどうか。 ※残念ながらこの変化は私の実力では読みきれない。 ■課題局面の着手の決定
プロはこれまでのプロセスを踏まえて▲1五歩を指すのである。 アマとプロの違いは、しっかり自分で考えて『これでいける』と確信を持って指している。 アマチュアは『こんなもんだろう』という曖昧な部分が残りながらも指している。 この違いは大きい。 将棋に強くなるためには、深く読む訓練をして脳に将棋回路を構築するよりない。 |
|
対四間飛車において、▲4六歩を突く前に△5四銀と早く出る形は、 角頭に弱点があるのは承知の事実である。 そこで、角頭を攻める手は 1.▲3五歩△同歩▲4六銀 2.▲3八飛 が考えられる。いったいどちらで攻めればより成果が挙げられるのであろうか?を研究してみた。 先手:急戦の▲5七銀左型 後手:四間飛車△4三銀型 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △9四歩 ▲9六歩 △7二銀 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △4三銀 ▲2五歩 △3三角 ▲5七銀左 △5四銀 *課題局面 以下▲3八飛が正解。で△6五銀なら▲3五歩△同歩▲同飛で、銀にあたるのと、▲3四歩が残っている。 さて、次は△4三銀型のため天守閣美濃4枚組みを目指したところである。 そこで△5四銀と出たところが課題局面である。 先手:天守閣美濃の▲5七銀右型 後手:四間飛車△4三銀型 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △9四歩 ▲9六歩 △7二銀 ▲6八玉 △4三銀 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲5七銀 △5二金左 ▲8六歩 *△4三銀△4一金型なので4枚天守閣美濃を狙える。 △6四歩 ▲8七玉 △7四歩 ▲7八銀 △7三桂 ▲2五歩 △3三角 ▲6六歩 *4枚天守閣美濃を狙う。 △5四銀 *課題局面 以下 ▲3五歩 △同 歩 ▲4六銀 △3六歩 ▲3五銀 以下△3七歩成▲同桂△3六歩▲2四歩△3七歩成▲2五飛(▲2六飛は△2四歩▲同銀に△2二飛▲2三銀成に△1五角▲2五飛△3三桂▲1五飛△2三飛ではっきりしない)△2四歩▲同銀で先手よし。 【結論】早めの△5四銀を咎める方法は、
1.△4五歩に対して角交換にならない(角筋を▲6六歩で止めている場合)は、▲3五歩△同歩▲4六銀 2.△4五歩に対して角交換になる場合は、▲3八飛 とするようにしている。 |
|
さて今回は、4六銀左戦法(山崎流)vs四間飛車△3六歩変化を取り上げようと思う。 下図は▲6六歩が突いているかいないかの違いだけである。 ここでも最善手が異なる。 ▲2二歩か▲3一飛か▲2二飛か▲2二角か?のどれだろうか。(解答は一番下) 先手:4六銀左戦法(山崎流▲2三歩) 後手:四間飛車△3六歩変化 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲9六歩 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △7二銀 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左 △4三銀 ▲2五歩 △3三角 ▲4六銀 △5四歩 ▲3五歩 △3二飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲3八飛 △3六歩 ▲同 飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 飛 ▲5七銀引 △3五歩 ▲3九飛 △3二飛 ▲2三歩 △同 銀 ▲2二歩 △同 飛 ▲3五飛 △3二飛 ▲同飛成 △同 銀 *図1 先手:4六銀左戦法(山崎流▲2三歩) 後手:四間飛車△3六歩変化 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲9六歩 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △7二銀 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左 △4三銀 ▲2五歩 △3三角 ▲4六銀 △5四歩 ▲3五歩 △3二飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲3八飛 △3六歩 ▲同 飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 飛 ▲5七銀引 △3五歩 ▲3九飛 △3二飛 ▲2三歩 △同 銀 ▲2二歩 △同 飛 ▲3五飛 △4四角 ▲6六角 △同 角 ▲同 歩 △3二飛 ▲同飛成 △同 銀 *図2 ★★★★山崎流▲2三歩以下の変化が解説されている書籍一覧(上から解説が詳しい順)★★★★ ■答え 図1では、▲2二角が正解。 角筋が自陣にまで利いているかどうかが重要なのである。 図2では、▲3一飛や▲2二飛や▲2二歩が正解。 (2001/02/02の全日プロ戦:山崎vs森内の進行は▲3一飛だった。) プロ間では▲6九金型での4六銀左戦法は、 この変化の出現以来△3六歩の変化が指されなくなってしまい、 △4五歩や△3七歩などが再度見直されるようになったというわけである。 (『四間飛車の急所3巻』や『四間飛車破り【急戦編】』では▲2二歩でも先手がよいと記載されているが、『ノックアウト四間飛車』ではやや甘い手と解説されている。私としても▲2二歩以下受けなければならない変化となるので大会では避けたいと感じた) ※手順の変化など詳細を知りたい方は、この内容の元となった参考図書を上に掲載しておきます。
http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php |
|
今回は、2つの類似局面における▲3五歩の攻めの是非である。 先手:急戦(飛車先保留型) 後手:四間飛車△3二銀△1二香型 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲9六歩 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △7二銀 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左 △1二香 *図1 先手:急戦(飛車先保留型) 後手:四間飛車△3二銀△1四歩型 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲9六歩 △3二銀 ▲5八金右 △4二飛 ▲5六歩 △7二銀 ▲6八玉 △5二金左 ▲7八玉 △6二玉 ▲3六歩 △7一玉 ▲6八銀 △8二玉 ▲5七銀左 △5四歩 *図2 図1以下の指し手は、 ▲3五歩△同歩▲4六銀△4三銀▲2四歩△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三金 ▲3五銀△同銀▲2三飛成 *次の▲1二竜が受からないので先手よし。 図2以下の指し手は、 ▲3五歩△同歩▲4六銀△4三銀▲2四歩△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三金 *受かるので後手よし。 図1にて、後手△1二香では△3三角と先に指せば 以下▲2五歩△1二香となり普通の定跡型になるのである。 自分が知っていて相手が知らない形の場合、一瞬で決まってしまう。 たかが序盤の一手だが気をつけていかなければならない。 |








